JP2542188C - - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】
本発明は、記録媒体の製造方法に関するものである。
【従来技術とその問題点】
従来より、磁気ディスクと言ったハードディスク等の磁気記録媒体は、アルミ
ニウム合金等の非磁性の基板上に、塗布等の手段で磁性膜を設けたもの、或いは
Ni−Pの非磁性の磁性下地膜を湿式メッキ手段により所定厚設け、そしてこの
磁性下地膜上に磁性膜をスパッタ等の乾式メッキ手段や無電解メッキ等の湿式メ
ッキ手段で設けたものとして構成されている。 このような磁気記録媒体の基板としては、初期にあってはMn及びCrを添加
したAl−Mg系合金が用いられていたものの、このアルミニウム合金は、Mn
,Cr等が単体で又は金属間化合物として表面に析出し、この為その表面に設け
られるメッキ膜にピットが発生すると言った致命的な欠点が指摘されている。 そこで、これに代わるものとして、例えば特開昭59−19357号公報又は
特開昭60−194040号公報で提案されているようなZn,Cu,Feを含
有するAl−Mg系合金が提案されている。すなわち、基板として用いられてい
るアルミニウム合金中のMnやCrの成分が好ましくないことが究明され、これ
に代わる元素としてZn,Cu,Fe等が提案されるに至っている。 つまり、アルミニウム合金の硬さ及び強度を向上させる為に、Mgを添加して いるのであり、又、大きな金属間化合物を形成することなく、合金の強度及び硬
さを向上させ、更にはこの上に形成されるメッキ膜の粗さを小さく、かつ、均一
にする為にZn,Cu等が添加されている。 しかし、本発明者の研究によると、このようなアルミニウム合金が用いられて
製造された磁気ディスクであっても、次第に欠点があることが判って来た。 すなわち、上記のようなアルミニウム合金に対して所定の表面処理を行い、そ
の後メッキ形成した磁性下地膜であるNi−Pメッキ膜表面には約1〜10μm
程度のミクロ欠陥が高密度で存在していることが判明し、このミクロ欠陥はNi
−Pメッキ膜を約5μm程度研磨しても完全にはなくならず、この為この上にメ
ッキ処理して形成した磁性膜には欠陥が生じるようになり、すなわちエラーが生
じることになり、更にはNi−Pメッキ膜がアルミニウム合金の基板から局所的
に脹れ上がり、この為この部分において磁性膜表面の平坦性が失われ、従って記
録再生に際してこの部分が磁気ヘッドによって削り取られるなど電磁変換特性及
び走行性の低下に至ってしまうことに気付いたのである。 【発明の開示】 本発明者は、前記の問題点、すなわちメッキ膜の欠陥及びメッキ膜がアルミニ
ウム合金製の基板から局所的に脹れ上がる原因についての研究を押し進めた結果
、これはメッキ膜形成前に行われる脱脂処理の作用とアルミニウム合金の成分と
によって大きな影響を受けることが判明し、そこでこの知見に基づいて、多くの
種類のアルミニウム合金について幾通りかの脱脂処理を行い、そしてその後メッ
キ処理を行い、このメッキ膜の具合を観察した結果、Zn又はCuを少なくとも
必須成分として含有するAl−Mg系合金の表面をノンエッチング型の脱脂処理
したものである場合には、表面に形成されるメッキ膜が優秀なものであることが
判った。 この知見を基にして本発明が達成されたものであり、本発明はエラーが少なく
、記録・再生特性に優れた記録媒体を提供することを目的とする。 この本発明の目的は、0.1重量%以上のZn又は0.1重量%以上のCuを
少なくとも必須成分として含有するAl−Mg系合金製基板の表面にメッキ手段
で下地膜を設ける工程と、前記下地膜の上に記録膜を設ける工程と、前記下地膜 を設ける工程の前において前記基板に脱脂処理を含む前処理を行う工程とを具備
してなり、 前記脱脂処理においては前記基板の溶解量が0.012g/dm2を越えるこ
とがないようにすることを特徴とする記録媒体の製造方法によって達成される。 尚、Al−Mg系合金製基板におけるMg含有量は2.0〜5.0重量%であ
ることが、又、Zn含有量は0.1〜1.5重量%であることが、又、Cu含有
量は0.1〜1.0重量%であることが、そしてZn及びCuを共に用いる場合
には前記の条件の他に合計量が0.1〜2.0重量%であることが望ましいもの
であり、そしてその他、例えばFe,Zr及び/又はMn等の成分が微量含まれ
ていても良いものである。 尚、これら微量成分のうち、Zrに関しては、アルミニウム合金基板の結晶及
び金属間化合物を微細化する作用があるので、このような特性が要求される場合
にあっては、Zrを0.03〜0.2重量%含ませておくと特に望ましいもので
ある。 本明細書におけるノンエッチング型の脱脂処理とは、その脱脂処理に際しての
溶解量が大きな、例えば5%NaOH脱脂剤などによるエッチング型の脱脂処理
に対抗して用いられたものであって、例えばリン酸塩と界面活性剤とを含むノン
エッチング型の脱脂剤を用い、40〜70℃で2〜5分間の脱脂処理を行うこと
によって、その溶解量が望ましくは0.0002〜0.012g/dm2程度の
ものを意味する。 【実施例1〜9】 表1に示す組成のアルミニウム合金のブランク材を、2%リン酸ナトリウム及
び2%界面活性剤を含む脱脂剤を用いて約65℃、2.5分間のノンエッチング
型の脱脂処理(溶解量は表1に示す)を行い、その後水洗した後20%硫酸溶液
中に60℃で2分間の酸浸漬を行い、次いで水洗を行ってスーパージンケート液
(キザイ製)を用いて23℃で60秒間の第1回目のジンケート処理を行い、こ
の第1回目のジンケート処理後水洗を行い、そして33%硝酸溶液中に23℃で
30秒間の酸浸漬を行い、そして水洗を行った後スーパージンケート液を用いて
23℃で30秒間の第2回目のジンケート処理を行い、その後水洗を行ってから ナイコーMELL(キザイ製)を用いて90℃で2時間の無電解メッキを行い、
Ni−Pメッキ膜を形成する。 このNi−Pメッキ膜形成後、従来のハードディスク製造の場合と同様な工程
を経て、Ni−Pメッキ膜上に所定のメッキ型磁性膜を形成してハードディスク
を得る。 【比較例1】 実施例1におけるアルミニウム合金の代わりにJIS A5086アルミウム
合金(JIS A5086アルミウム合金はZn,Cuが必須成分でない。ここ
で用いたJIS Λ5086アルミウム合金のZn含有量は0.01重量%、C
u含有量は0.02重量%。)を用いて同様に行い、ハードディスクを得る。 【比較例2〜10】 実施例1〜9において、2%リン酸ナトリウム及び2%界面活性剤を含む脱脂
剤によるノンエッチング型の脱脂処理の代わりに、5%NaOHによるエッチン
グ型の脱脂処理を50℃で2.5分間行い、その他は同様に行ってハードディス
クを得る。 尚、このエッチング型の脱脂処理による基板の溶解量(エッチング量)は0. 1g/dm2を越えるものであった。 【特性】 上記各例で得たハードディスクについて、そのジンケート処理性、Ni−Pメ
ッキ膜のミクロ欠陥、密着性、及び表面粗さ(Ra)、Ni−Pメッキ膜を3μ
m研磨した場合のミクロ欠陥及び耐蝕性を調べると、表2に示す通りである。 尚、ジンケート処理性は、ダブルジンケート表面を光顕微分干渉像とSEMで
観察し、析出粒子の均一性及び緻密性を○、△、×の三段階で評価したものであ
り、又、Ni−Pメッキ膜のミクロ欠陥は、光顕微分干渉像で観察して1μmφ
以上の欠陥の数をカウントし、単位面積当たり3個以内のものを○印で、4〜1
0個のものを△印で、11個以上のものを×印で表したものであり、Ni−Pメ
ッキ膜の密着性は、90°及び180°の折り曲げ試験を行い、剥離がないもの
を○印で、剥離が多少あるものを△印で、剥離が多いものを×印で表したもので
あり、又、耐蝕性は、10%硫酸溶液中に30℃で48時間浸漬し、脹れがない
場合を○印で、軽度の脹れ(3mmφ以下の脹れ)がある場合を△印で、強度の
脹れ(4mmφ以上の脹れ)がある場合を×印で表したものである。 この表2から判るように、本発明に係るハードディスクにおけるジンケート表
面は良いものであり、又、Ni−Pメッキ膜のミクロ欠陥は著しく少なく、又、
Ni−Pメッキ膜の密着性は良く、更にはNi−Pメッキ膜の表面平滑性が良く
、しかも耐蝕性にも優れている。 これに対して、ハードディスクの基板であるアルミニウム合金として本発明に
係るものと同じアルミニウム合金が用いられても、脱脂処理がエッチング型のも
のである比較例2〜10のものでは、ジンケート表面が良くなく、又、Ni−P
メッキ膜のミクロ欠陥は多く、又、密着性も良くなく、更には耐蝕性も悪いもの
であり、又、ハードディスクの基板であるアルミニウム合金としてZn含有量が
0.02重量%以下、Cu含有量が0.03重量%以下と言ったようにZnやC
uを必須成分としないJIS A5086アルミニウム合金が用いられた場合に
は脱脂処理がノンエッチング型のものであっても、本発明のような効果が奏され
ないものである。
ニウム合金等の非磁性の基板上に、塗布等の手段で磁性膜を設けたもの、或いは
Ni−Pの非磁性の磁性下地膜を湿式メッキ手段により所定厚設け、そしてこの
磁性下地膜上に磁性膜をスパッタ等の乾式メッキ手段や無電解メッキ等の湿式メ
ッキ手段で設けたものとして構成されている。 このような磁気記録媒体の基板としては、初期にあってはMn及びCrを添加
したAl−Mg系合金が用いられていたものの、このアルミニウム合金は、Mn
,Cr等が単体で又は金属間化合物として表面に析出し、この為その表面に設け
られるメッキ膜にピットが発生すると言った致命的な欠点が指摘されている。 そこで、これに代わるものとして、例えば特開昭59−19357号公報又は
特開昭60−194040号公報で提案されているようなZn,Cu,Feを含
有するAl−Mg系合金が提案されている。すなわち、基板として用いられてい
るアルミニウム合金中のMnやCrの成分が好ましくないことが究明され、これ
に代わる元素としてZn,Cu,Fe等が提案されるに至っている。 つまり、アルミニウム合金の硬さ及び強度を向上させる為に、Mgを添加して いるのであり、又、大きな金属間化合物を形成することなく、合金の強度及び硬
さを向上させ、更にはこの上に形成されるメッキ膜の粗さを小さく、かつ、均一
にする為にZn,Cu等が添加されている。 しかし、本発明者の研究によると、このようなアルミニウム合金が用いられて
製造された磁気ディスクであっても、次第に欠点があることが判って来た。 すなわち、上記のようなアルミニウム合金に対して所定の表面処理を行い、そ
の後メッキ形成した磁性下地膜であるNi−Pメッキ膜表面には約1〜10μm
程度のミクロ欠陥が高密度で存在していることが判明し、このミクロ欠陥はNi
−Pメッキ膜を約5μm程度研磨しても完全にはなくならず、この為この上にメ
ッキ処理して形成した磁性膜には欠陥が生じるようになり、すなわちエラーが生
じることになり、更にはNi−Pメッキ膜がアルミニウム合金の基板から局所的
に脹れ上がり、この為この部分において磁性膜表面の平坦性が失われ、従って記
録再生に際してこの部分が磁気ヘッドによって削り取られるなど電磁変換特性及
び走行性の低下に至ってしまうことに気付いたのである。 【発明の開示】 本発明者は、前記の問題点、すなわちメッキ膜の欠陥及びメッキ膜がアルミニ
ウム合金製の基板から局所的に脹れ上がる原因についての研究を押し進めた結果
、これはメッキ膜形成前に行われる脱脂処理の作用とアルミニウム合金の成分と
によって大きな影響を受けることが判明し、そこでこの知見に基づいて、多くの
種類のアルミニウム合金について幾通りかの脱脂処理を行い、そしてその後メッ
キ処理を行い、このメッキ膜の具合を観察した結果、Zn又はCuを少なくとも
必須成分として含有するAl−Mg系合金の表面をノンエッチング型の脱脂処理
したものである場合には、表面に形成されるメッキ膜が優秀なものであることが
判った。 この知見を基にして本発明が達成されたものであり、本発明はエラーが少なく
、記録・再生特性に優れた記録媒体を提供することを目的とする。 この本発明の目的は、0.1重量%以上のZn又は0.1重量%以上のCuを
少なくとも必須成分として含有するAl−Mg系合金製基板の表面にメッキ手段
で下地膜を設ける工程と、前記下地膜の上に記録膜を設ける工程と、前記下地膜 を設ける工程の前において前記基板に脱脂処理を含む前処理を行う工程とを具備
してなり、 前記脱脂処理においては前記基板の溶解量が0.012g/dm2を越えるこ
とがないようにすることを特徴とする記録媒体の製造方法によって達成される。 尚、Al−Mg系合金製基板におけるMg含有量は2.0〜5.0重量%であ
ることが、又、Zn含有量は0.1〜1.5重量%であることが、又、Cu含有
量は0.1〜1.0重量%であることが、そしてZn及びCuを共に用いる場合
には前記の条件の他に合計量が0.1〜2.0重量%であることが望ましいもの
であり、そしてその他、例えばFe,Zr及び/又はMn等の成分が微量含まれ
ていても良いものである。 尚、これら微量成分のうち、Zrに関しては、アルミニウム合金基板の結晶及
び金属間化合物を微細化する作用があるので、このような特性が要求される場合
にあっては、Zrを0.03〜0.2重量%含ませておくと特に望ましいもので
ある。 本明細書におけるノンエッチング型の脱脂処理とは、その脱脂処理に際しての
溶解量が大きな、例えば5%NaOH脱脂剤などによるエッチング型の脱脂処理
に対抗して用いられたものであって、例えばリン酸塩と界面活性剤とを含むノン
エッチング型の脱脂剤を用い、40〜70℃で2〜5分間の脱脂処理を行うこと
によって、その溶解量が望ましくは0.0002〜0.012g/dm2程度の
ものを意味する。 【実施例1〜9】 表1に示す組成のアルミニウム合金のブランク材を、2%リン酸ナトリウム及
び2%界面活性剤を含む脱脂剤を用いて約65℃、2.5分間のノンエッチング
型の脱脂処理(溶解量は表1に示す)を行い、その後水洗した後20%硫酸溶液
中に60℃で2分間の酸浸漬を行い、次いで水洗を行ってスーパージンケート液
(キザイ製)を用いて23℃で60秒間の第1回目のジンケート処理を行い、こ
の第1回目のジンケート処理後水洗を行い、そして33%硝酸溶液中に23℃で
30秒間の酸浸漬を行い、そして水洗を行った後スーパージンケート液を用いて
23℃で30秒間の第2回目のジンケート処理を行い、その後水洗を行ってから ナイコーMELL(キザイ製)を用いて90℃で2時間の無電解メッキを行い、
Ni−Pメッキ膜を形成する。 このNi−Pメッキ膜形成後、従来のハードディスク製造の場合と同様な工程
を経て、Ni−Pメッキ膜上に所定のメッキ型磁性膜を形成してハードディスク
を得る。 【比較例1】 実施例1におけるアルミニウム合金の代わりにJIS A5086アルミウム
合金(JIS A5086アルミウム合金はZn,Cuが必須成分でない。ここ
で用いたJIS Λ5086アルミウム合金のZn含有量は0.01重量%、C
u含有量は0.02重量%。)を用いて同様に行い、ハードディスクを得る。 【比較例2〜10】 実施例1〜9において、2%リン酸ナトリウム及び2%界面活性剤を含む脱脂
剤によるノンエッチング型の脱脂処理の代わりに、5%NaOHによるエッチン
グ型の脱脂処理を50℃で2.5分間行い、その他は同様に行ってハードディス
クを得る。 尚、このエッチング型の脱脂処理による基板の溶解量(エッチング量)は0. 1g/dm2を越えるものであった。 【特性】 上記各例で得たハードディスクについて、そのジンケート処理性、Ni−Pメ
ッキ膜のミクロ欠陥、密着性、及び表面粗さ(Ra)、Ni−Pメッキ膜を3μ
m研磨した場合のミクロ欠陥及び耐蝕性を調べると、表2に示す通りである。 尚、ジンケート処理性は、ダブルジンケート表面を光顕微分干渉像とSEMで
観察し、析出粒子の均一性及び緻密性を○、△、×の三段階で評価したものであ
り、又、Ni−Pメッキ膜のミクロ欠陥は、光顕微分干渉像で観察して1μmφ
以上の欠陥の数をカウントし、単位面積当たり3個以内のものを○印で、4〜1
0個のものを△印で、11個以上のものを×印で表したものであり、Ni−Pメ
ッキ膜の密着性は、90°及び180°の折り曲げ試験を行い、剥離がないもの
を○印で、剥離が多少あるものを△印で、剥離が多いものを×印で表したもので
あり、又、耐蝕性は、10%硫酸溶液中に30℃で48時間浸漬し、脹れがない
場合を○印で、軽度の脹れ(3mmφ以下の脹れ)がある場合を△印で、強度の
脹れ(4mmφ以上の脹れ)がある場合を×印で表したものである。 この表2から判るように、本発明に係るハードディスクにおけるジンケート表
面は良いものであり、又、Ni−Pメッキ膜のミクロ欠陥は著しく少なく、又、
Ni−Pメッキ膜の密着性は良く、更にはNi−Pメッキ膜の表面平滑性が良く
、しかも耐蝕性にも優れている。 これに対して、ハードディスクの基板であるアルミニウム合金として本発明に
係るものと同じアルミニウム合金が用いられても、脱脂処理がエッチング型のも
のである比較例2〜10のものでは、ジンケート表面が良くなく、又、Ni−P
メッキ膜のミクロ欠陥は多く、又、密着性も良くなく、更には耐蝕性も悪いもの
であり、又、ハードディスクの基板であるアルミニウム合金としてZn含有量が
0.02重量%以下、Cu含有量が0.03重量%以下と言ったようにZnやC
uを必須成分としないJIS A5086アルミニウム合金が用いられた場合に
は脱脂処理がノンエッチング型のものであっても、本発明のような効果が奏され
ないものである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 0.1重量%以上のZn又は0.1重量%以上のCuを少なくとも必須成分と
して含有するAl−Mg系合金製基板の表面にメッキ手段で下地膜を設ける工程
と、前記下地膜の上に記録膜を設ける工程と、前記下地膜を設ける工程の前にお
いて前記基板に脱脂処理を含む前処理を行う工程とを具備してなり、 前記脱脂処理においては前記基板の溶解量が0.012g/dm2を越えるこ
とがないようにすることを特徴とする記録媒体の製造方法。
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