JP2541814B2 - 電源用低損失酸化物磁性材料 - Google Patents
電源用低損失酸化物磁性材料Info
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- JP2541814B2 JP2541814B2 JP62090190A JP9019087A JP2541814B2 JP 2541814 B2 JP2541814 B2 JP 2541814B2 JP 62090190 A JP62090190 A JP 62090190A JP 9019087 A JP9019087 A JP 9019087A JP 2541814 B2 JP2541814 B2 JP 2541814B2
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は電源用低損失酸化物磁性材料に関し,特に,
主成分として30〜37モル%の一酸化マンガン(MnO),10
〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO),及び残分として酸化第
二鉄(Fe2O3)を含み,副成分として,主成分100重量%
に対して,0.04〜0.10重量%の酸化カルシウム(CaO),
主成分100重量%に対して,0.015〜0.100重量%の二酸化
ケイ素(SiO2)を含む低損失酸化物磁性材料の改良に関
するものである。
主成分として30〜37モル%の一酸化マンガン(MnO),10
〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO),及び残分として酸化第
二鉄(Fe2O3)を含み,副成分として,主成分100重量%
に対して,0.04〜0.10重量%の酸化カルシウム(CaO),
主成分100重量%に対して,0.015〜0.100重量%の二酸化
ケイ素(SiO2)を含む低損失酸化物磁性材料の改良に関
するものである。
従来,スイッチング電源用の変圧器においてはスイッ
チング周波数として専ら25〜100kHz程度のものが使用さ
れており,これに対応すべき低損失酸化物磁性材料とし
て,上述した成分のものがすでに,開発されている。
チング周波数として専ら25〜100kHz程度のものが使用さ
れており,これに対応すべき低損失酸化物磁性材料とし
て,上述した成分のものがすでに,開発されている。
近年,スイッチング電源を小型・軽量化するためにス
イッチング周波数が100kHz以上の高周波で使用するのが
一般的となりつつある。ところが従来の成分を有する低
損失酸化物磁性材料をスイッチング周波数が100kHz以上
のスイッチング電源用の変圧器の磁芯材料として,使用
するとその鉄損が大きく発熱するという欠点があった。
イッチング周波数が100kHz以上の高周波で使用するのが
一般的となりつつある。ところが従来の成分を有する低
損失酸化物磁性材料をスイッチング周波数が100kHz以上
のスイッチング電源用の変圧器の磁芯材料として,使用
するとその鉄損が大きく発熱するという欠点があった。
従って本発明の目的は,周波数が100kHz以上の高い周
波数で使用しても鉄損を小さくできる,電源用低損失酸
化物磁性材料を提供することにある。
波数で使用しても鉄損を小さくできる,電源用低損失酸
化物磁性材料を提供することにある。
鉄損は,同一組成の磁心材料を用いても,周波数に伴
って,当然変化するが,通常100kHz,2000Gの条件下では
800〜900〔kW/m3〕でも充分実用には供する。
って,当然変化するが,通常100kHz,2000Gの条件下では
800〜900〔kW/m3〕でも充分実用には供する。
しかし,あくまでも鉄損は,少ない方が良く,600〜70
0〔kW/m3〕位のレベルを要求される場合もあるが,従
来,低鉄損のものを実現するためには材料を選ぶ必要が
あり高価になる欠点があった。
0〔kW/m3〕位のレベルを要求される場合もあるが,従
来,低鉄損のものを実現するためには材料を選ぶ必要が
あり高価になる欠点があった。
本発明の具体的な目的は,従来の主材料に少量の添加
物を加えることにより,容易に鉄損を約200〔kW/m3〕低
下させることができる電源用低損失酸化物磁性材料を提
供することにある。
物を加えることにより,容易に鉄損を約200〔kW/m3〕低
下させることができる電源用低損失酸化物磁性材料を提
供することにある。
本発明によれば,主成分として,30〜37モル%の一酸
化マンガン(MnO),10〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO),
及び残分として酸化第二鉄を含み,副成分として,主成
分100重量%に対して0.04〜0.10重量%の酸化カルシウ
ム(CaO),主成分100重量%に対して,0.015〜0.100重
量%の二酸化ケイ素(SiO2)を含む低損失酸化物磁性材
料において,主成分100重量%に対して,0.15重量%以下
(0重量%を含まず)の二酸化ゲルマニウム(GeO2)を
添加したことを特徴とする電源用低損失酸化物磁性材料
が得られる。
化マンガン(MnO),10〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO),
及び残分として酸化第二鉄を含み,副成分として,主成
分100重量%に対して0.04〜0.10重量%の酸化カルシウ
ム(CaO),主成分100重量%に対して,0.015〜0.100重
量%の二酸化ケイ素(SiO2)を含む低損失酸化物磁性材
料において,主成分100重量%に対して,0.15重量%以下
(0重量%を含まず)の二酸化ゲルマニウム(GeO2)を
添加したことを特徴とする電源用低損失酸化物磁性材料
が得られる。
以下,本発明の実施例について,図面を参照して説明
する。
する。
第1図は主成分として,52.0モル%の酸化第二鉄(Fe2
O3),34.5モル%の一酸化マンガン(MnO)及び13.5モル
%の酸化亜鉛(ZnO)を含有し,副成分として,主成分1
00重量%に対して,0.018重量%の二酸化ケイ素(Si
O2),主成分100重量%に対して,0.043重量%の酸化カ
ルシウム(CaO)を含有し,添加成分として二酸化ゲル
マニウム(GeO2)を,主成分100重量%に対して,0.03重
量%〜0.18重量%に変化させて,添加し,これらを混合
し造粒し,成形プレスした後酸素分圧1.3at%,温度129
0℃において,焼結し,酸化物磁性材を得たものに対し
て,二酸化ゲルマニウム(GeO2)の添加量をパラメータ
とした時の温度T〔℃〕と電力損失PB〔kW/m3〕の関係
を示した図である。なお,比較例として,二酸化ゲルマ
ニウム(GeO2)無添加のものも,同様にして焼結し酸化
物磁性材を得た。
O3),34.5モル%の一酸化マンガン(MnO)及び13.5モル
%の酸化亜鉛(ZnO)を含有し,副成分として,主成分1
00重量%に対して,0.018重量%の二酸化ケイ素(Si
O2),主成分100重量%に対して,0.043重量%の酸化カ
ルシウム(CaO)を含有し,添加成分として二酸化ゲル
マニウム(GeO2)を,主成分100重量%に対して,0.03重
量%〜0.18重量%に変化させて,添加し,これらを混合
し造粒し,成形プレスした後酸素分圧1.3at%,温度129
0℃において,焼結し,酸化物磁性材を得たものに対し
て,二酸化ゲルマニウム(GeO2)の添加量をパラメータ
とした時の温度T〔℃〕と電力損失PB〔kW/m3〕の関係
を示した図である。なお,比較例として,二酸化ゲルマ
ニウム(GeO2)無添加のものも,同様にして焼結し酸化
物磁性材を得た。
ここで,第1図は周波数が100kHz,最大磁束密度Bmが2
000Gの場合の電力損失を示している。なお,第1図にお
いて,1は二酸化ゲルマニウム(GeO2)を添加しない場合
(比較例),2は0.03重量%の二酸化ゲルマニウム(Ge
O2)を添加した場合,3は0.06重量%の二酸化ゲルマニウ
ム(GeO2)を添加した場合,4は0.09重量%の二酸化ゲル
マニウム(GeO2)を添加した場合,5は0.12重量%の二酸
化ゲルマニウムを添加した場合,6は0.15重量%の二酸化
ゲルマニウム(GeO2)を添加した場合,7は0.18重量%の
GeO2を添加した場合の特性をそれぞれあらわしている。
000Gの場合の電力損失を示している。なお,第1図にお
いて,1は二酸化ゲルマニウム(GeO2)を添加しない場合
(比較例),2は0.03重量%の二酸化ゲルマニウム(Ge
O2)を添加した場合,3は0.06重量%の二酸化ゲルマニウ
ム(GeO2)を添加した場合,4は0.09重量%の二酸化ゲル
マニウム(GeO2)を添加した場合,5は0.12重量%の二酸
化ゲルマニウムを添加した場合,6は0.15重量%の二酸化
ゲルマニウム(GeO2)を添加した場合,7は0.18重量%の
GeO2を添加した場合の特性をそれぞれあらわしている。
第1図より周波数100kHzの場合,電力損失PBは二酸化
ゲルマニウム(GeO2)を添加するか否かに無関係に温度
が約60℃のとき最小値を有する。そして二酸化ゲルマニ
ウムの添加量を増加していくにつれて,電力損失PBは小
さくなり添加量が0.06重量%の時が最も電力損失PBが小
さくなりそれよりも添加量を増加していくにつれて,電
力損失PBが増加していき添加量が0.15重量%を越えると
添加しないときよりも電力損失が大きくなる。このこと
より周波数100kHzにおいては二酸化ゲルマニウム(Ge
O2)を0.15重量%以下(0%を含まず)添加した方が,
添加しないものより電力損失が小さくなることがわか
る。
ゲルマニウム(GeO2)を添加するか否かに無関係に温度
が約60℃のとき最小値を有する。そして二酸化ゲルマニ
ウムの添加量を増加していくにつれて,電力損失PBは小
さくなり添加量が0.06重量%の時が最も電力損失PBが小
さくなりそれよりも添加量を増加していくにつれて,電
力損失PBが増加していき添加量が0.15重量%を越えると
添加しないときよりも電力損失が大きくなる。このこと
より周波数100kHzにおいては二酸化ゲルマニウム(Ge
O2)を0.15重量%以下(0%を含まず)添加した方が,
添加しないものより電力損失が小さくなることがわか
る。
第2図に本発明により得られた,酸化物磁性材料(副
成分として,0.018重量%の二酸化ケイ素(SiO2),0.043
重量%の酸化カルシウム(CaO)及び0.06重量%の二酸
化ゲルマニウム(GeO2)を含有)と,従来の酸化物磁性
材料(副成分として,0.018重量%の二酸化ケイ素(Si
O2)と0.043重量%の酸化カルシウム(CaO)を含有し,
二酸化ゲルマニウムは添加しない)の諸特性(初透磁率
μi,飽和磁束密度B15(磁化力1500eにおける磁束密度)
〔G〕,残留磁束密度Br〔G〕,保磁力Hc〔Oe〕を示
す。
成分として,0.018重量%の二酸化ケイ素(SiO2),0.043
重量%の酸化カルシウム(CaO)及び0.06重量%の二酸
化ゲルマニウム(GeO2)を含有)と,従来の酸化物磁性
材料(副成分として,0.018重量%の二酸化ケイ素(Si
O2)と0.043重量%の酸化カルシウム(CaO)を含有し,
二酸化ゲルマニウムは添加しない)の諸特性(初透磁率
μi,飽和磁束密度B15(磁化力1500eにおける磁束密度)
〔G〕,残留磁束密度Br〔G〕,保磁力Hc〔Oe〕を示
す。
なお主成分として,いずれも,酸化第二鉄(Fe2O3)
を52.0モル%,一酸化マンガン(MnO)を34.5モル%,
及び酸化亜鉛(ZnO)を13.5モル%含有している。
を52.0モル%,一酸化マンガン(MnO)を34.5モル%,
及び酸化亜鉛(ZnO)を13.5モル%含有している。
第2図より明らかな如く,本発明のものは,スイッチ
ング電源用磁芯材料として求められる諸特性,例えば,
初透磁率μiが2000以上,飽和磁束密度が約5000G等と
いう特性を十分に満している。
ング電源用磁芯材料として求められる諸特性,例えば,
初透磁率μiが2000以上,飽和磁束密度が約5000G等と
いう特性を十分に満している。
以上のことより添加物二酸化ゲルマニウム(GeO2)は
スイッチング電源用磁芯材料として求められる諸特性を
十分に満たし,周波数が100kHz以上において,電力損失
PBを例えば約0.06重量%添加した場合,添加しない場合
に比較して,温度60℃で約20%改善できることがわか
る。
スイッチング電源用磁芯材料として求められる諸特性を
十分に満たし,周波数が100kHz以上において,電力損失
PBを例えば約0.06重量%添加した場合,添加しない場合
に比較して,温度60℃で約20%改善できることがわか
る。
なお,主成分として,30〜37モル%のMnO,10〜15モル
%のZnO,及び残分としてFe2O3を含み,副成分として,
主成分100重量%に対して,0.04〜0.10重量%のCaO,0.01
5〜0.100重量%のSiO2を含む酸化物磁性材料に,0.15重
量%以下のGeO2を添加した場合も,上述した例と同様
に,100Hz以上の高周波で使用した場合の鉄損を小さくで
きた。
%のZnO,及び残分としてFe2O3を含み,副成分として,
主成分100重量%に対して,0.04〜0.10重量%のCaO,0.01
5〜0.100重量%のSiO2を含む酸化物磁性材料に,0.15重
量%以下のGeO2を添加した場合も,上述した例と同様
に,100Hz以上の高周波で使用した場合の鉄損を小さくで
きた。
以上の説明で明らかな様に,本発明は,0.15重量%以
下の二酸化ゲルマニウム(GeO2)を添加することによ
り,スイッチング電源用材料として求められる諸特性を
十分に満足するとともに,周波数が100kHz以上の高周波
において,従来のものより電力損失を低減できる。電源
用低損失酸化物磁性材料を提供でき,高周波用磁芯材料
として最適である。
下の二酸化ゲルマニウム(GeO2)を添加することによ
り,スイッチング電源用材料として求められる諸特性を
十分に満足するとともに,周波数が100kHz以上の高周波
において,従来のものより電力損失を低減できる。電源
用低損失酸化物磁性材料を提供でき,高周波用磁芯材料
として最適である。
第1図は二酸化ゲルマニウム(GeO2)の添加量をパラメ
ータとしたときの温度と電力損失の関係を示す図,第2
図は本発明及び従来の酸化物磁性材料の諸特性を示した
図である。
ータとしたときの温度と電力損失の関係を示す図,第2
図は本発明及び従来の酸化物磁性材料の諸特性を示した
図である。
Claims (1)
- 【請求項1】主成分として、30〜37モル%の一酸化マン
ガン(MnO)、10〜15モル%の酸化亜鉛(ZnO)、および
残分として酸化第二鉄(Fe2O3)を含み、副成分とし
て、主成分100重量%に対して、0.04〜0.10重量%の酸
化カルシウム(CaO)と、主成分100重量%に対して、0.
015〜0.100重量%の二酸化ケイ素(SiO2)とを含む低損
失酸化物磁性材料において、主成分100重量%に対し
て、0.15重量%以下(0重量%を含まず)の二酸化ゲル
マニウム(GeO2)を添加したことを特徴とする電源用低
損失酸化物磁性材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62090190A JP2541814B2 (ja) | 1987-04-13 | 1987-04-13 | 電源用低損失酸化物磁性材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP62090190A JP2541814B2 (ja) | 1987-04-13 | 1987-04-13 | 電源用低損失酸化物磁性材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63255903A JPS63255903A (ja) | 1988-10-24 |
JP2541814B2 true JP2541814B2 (ja) | 1996-10-09 |
Family
ID=13991565
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62090190A Expired - Lifetime JP2541814B2 (ja) | 1987-04-13 | 1987-04-13 | 電源用低損失酸化物磁性材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2541814B2 (ja) |
-
1987
- 1987-04-13 JP JP62090190A patent/JP2541814B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63255903A (ja) | 1988-10-24 |
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