JP2540768Y2 - コンクリート型枠用軽量板 - Google Patents

コンクリート型枠用軽量板

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JP2540768Y2 JP1990057602U JP5760290U JP2540768Y2 JP 2540768 Y2 JP2540768 Y2 JP 2540768Y2 JP 1990057602 U JP1990057602 U JP 1990057602U JP 5760290 U JP5760290 U JP 5760290U JP 2540768 Y2 JP2540768 Y2 JP 2540768Y2
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光雄 松本
幸平 出口
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高分子技研株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野 本考案は、コンクリート型枠に用いられる木材の使用
量を節減し、且つ、コンクリート型枠用板を軽量化する
と同時に、該板の表面に樹脂被覆を配して型枠工事に於
ける作業性の向上と型枠の転用回数を向上させようとす
るコンクリート型枠用軽量板に関するものである。
(従来の技術) 従来、コンクリート型枠用板には、ラワン材を用いた
合板が主として使用されているが、かかる合板を用いた
コンクリート型枠用板の比重は0.65〜0.67と重く、取扱
い現場での作業性の面から、より軽量な板が求められて
いると共に3〜4回の繰り返し使用で使用不可能となる
という問題点があった。
(考案が解決しようとする問題点) 最近、森林の乱開発が地球規模の環境破壊問題となり
つつあり、その資源の保全が強く求められている。その
ため、コンクリート型枠用として使用されている良質の
ラワン材の原木も不足し、コンクリート型枠用木材とし
てはあまり好ましくないラワン材もやむなく合板用原木
として用いられている。しかしながら、上記のような木
材は、木材の成分が打設コンクリート表面に滲出して、
コンクリートの硬化を阻害するものやコンクリート仕上
面を着色汚染する等の種々の問題が発生している。
また、コンクリート型枠工事に従事する従業員が年々
高年齢化してきているため、現場での取扱い資材の軽量
化が切実に求められている。
(問題点を解決するための手段) 本考案は、コンクリート型枠用板の重量を軽減し、且
つ、使用木材量を節減すべく、曲げ強度に影響の少ない
コンクリート型枠用板の芯材部分に硬質発泡ウレタン樹
脂製の芯材を用い、該芯材の両面に木質板を接着し、該
板の外面に不織布を介してポリオレフィン系樹脂層を設
けてなるものである。
芯材としての硬質発泡ウレタン樹脂の外側に配置する
木質板としては、ラワン単板に限定することなく、針葉
樹,ラワン材以外の広葉樹の単板、あるいはそれらの合
板でも用いることができ、更に、木材薄片を積層して製
造したウェハーボードを用いることもできる。
そして、板表面にポリオレフィン系樹脂層を配するた
めには、不織布とポリオレフィン系樹脂フィルムとを予
めラミネートして、複合シートを作り、該複合シートを
接着剤で木質板の表面に貼着する。
尚、芯材としての硬質発泡ウレタン樹脂層は、複合シ
ートを貼着した木質板を、治具を用いて上下に配置した
のち、その中間に該ウレタン樹脂を注入発泡させること
によって製造する。
(作用) 本考案品は、コンクリート型枠用板の積層中心部に存
在する硬質発泡ウレタン樹脂製の芯材の比重が0.04〜0.
06と非常に小さいため、コンクリート型枠用板全体とし
ての重量が大幅に軽減できた。
また、コンクリート型枠用板の外表面のポリオレフィ
ン系樹脂層は、コンクリート打設時に生コンクリートと
木質板との間を完全に遮断し、水分の流通をなくすた
め、木質板中の成分が滲出してコンクリート面に及ぼす
悪影響を防止すると共に、コンクリート中のアルカリ成
分が木材内に浸入する事もないので、型枠用板の劣化を
防止して耐久性が向上すると同時にポリオレフィン系樹
脂は無極性であるため、コンクリートが硬化した後の脱
型が容易で、且つ、コンクリートが付着しない作用があ
る。
更に、ポリオレフィン系樹脂層と木質板との間に介在
する不織布は、本来、接着が困難なポリオレフィン系樹
脂と木質板とを強固に接着する作用をなすと共に、木質
板のクラック,虫孔等の凹部をカバーする樹脂層の補強
をする。そして、この不織布は、ポリオレフィン系樹脂
層と木質板とを貼着加工する際に発生する水蒸気を脱出
させる作用があるため、貼着加工が容易である。
(実施例1) 本考案は、硬質発泡ウレタン樹脂製の芯材と、該芯材
の両面に接着される木質板と、不織布に接着用ポリオレ
フィン系樹脂を介してポリオレフィン系樹脂層を設けて
なる複合シートとからなり、而して前記複合シートの不
織布がわが前記木質板に接着される。
本考案の第1の実施例において使用される複合シート
7を構成する不織布3としては、旭化成株式会社製ベン
リーゼJF404を、接着用ポリオレフィン系樹脂として
は、昭和電工株式会社製接着性ポリエチレンER420を、
そして、ポリオレフィン系樹脂としては、昭和電工株式
会社製高密度ポリエチレンショウレックスLZ0139を用
い、これを、共押出ラミネート機の吐出ダイのうち、不
織布3がわに接着用ポリオレフィン系樹脂層2を、そし
て、該接着用ポリオレフィン系樹脂層2の外側にポリオ
レフィン系樹脂層1がくるように原料樹脂を押出しつ
つ、加圧,冷却して製造した。そして、厚さ2.0ミリの
ラワン単板2枚を繊維方向が直交するように接着剤を介
して重合してつくられた木質板5の上に接着剤4を介し
て前記複合シート7の不織布3がわを重ね、熱プレスを
用いて、温度110℃,圧力10kg/cm2で3分間加圧後取り
出すと表面にポリエチレン層を有する木質板(合板)5
が得られる。
木質板5と硬質発泡ウレタン樹脂製の芯材6との接着
は、前記のようにして得た木質板を2枚、治具を用いて
ポリオレフィン系樹脂層1が外側となるよう対向して配
置し、該木質板5,5の間隙にウレタン樹脂を注入,発泡
させ、20分後に取り出したところ、硬質発泡ウレタン樹
脂製の芯材6の両面に木質板5,5が接着され、該木質板
の外面に不織布が接着され、そして、該不織布の外面に
ポリオレフィン系樹脂層を有する厚さ15ミリ,平均比重
0.38のコンクリート型枠用軽量板8を得た。
尚、ウレタン樹脂としては、アキレス株式会社製の発
泡ウレタン樹脂アキレスエアロン−Rを用い、注入機と
してアキレス株式会社製SP−27注入機を用い、A液100
に対してB液110となるよう注入比率を設定し、予想密
度60kg/m3となるように規定量を注入した。
(実施例2) 木質板5として、厚さ4.8ミリの針葉樹合板を用いた
他は、実施例1と同様にして厚さ15ミリ,平均比重0.43
のコンクリート型枠用軽量板を得た。
(実施例3) 木質板5として、厚さ2.5ミリのラワン合板を用いた
他は、実施例1と同様にして、厚さ12ミリ,平均比重0.
31のコンクリート型枠用軽量板を得た。
(実施例4) 木質板5として厚さ3.0ミリのラワン単板を用い、複
合シート7は片方の木質板5にのみ接着剤4を介して接
着した他は、実施例1と同様にして厚さ12ミリ,平均比
重0.36のコンクリート型枠用軽量板を得た。
(効果) 従来のコンクリート型枠用合板と実施例1〜4によっ
て得たものとを比較したところ第1表に示す如く、軽量
化することができたうえ、繰返し使用回数(転用回数)
が著しく向上した。
実施例3及び4については、曲げ強度を比較的必要と
しないコンクリート打設高さ1.5m以内の部分、例えば、
高層住宅のバルコニー部分等の型枠に用いると非常に有
効である。
転用回数については、室外に設置した打設テスト場
で、5試料同時に、コンクリート打設の繰返しテストを
2週間サイクルで15回実施した結果、従来品は打設4回
で表面単板が破損し、継続不能となったが、実施例1〜
4は、全て表面損傷なく、その後も継続して使用可能の
状態であった。
このように本考案品は、原材料としての木材部分の節
減をなすと同時に、転用回数が著しく向上した。しか
も、このコンクリート型枠用板の軽量化によって、取扱
いの容易さを実現し、建設現場における型枠作業の効率
化をはかることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本考案の一実施例のコンクリート型枠用軽量
板の断面図、第2図は、他の実施例のコンクリート型枠
用軽量板の断面図、第3図は、複合シートの断面図であ
る。 1……ポリオレフィン系樹脂層、2……接着性ポリオレ
フィン系樹脂層、3……不織布、4……接着剤、5……
木質板、6……硬質発泡ウレタン樹脂製芯材、7……複
合シート。

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】硬質発泡ウレタン樹脂製の芯材の両面に木
    質板が接着され、該木質板の外面に不織布を介してポリ
    オレフィン系樹脂層を有するコンクリート型枠用軽量
    板。
  2. 【請求項2】木質板として合板を用いた、実用新案登録
    請求の範囲第1項に記載のコンクリート型枠用軽量板。
JP1990057602U 1990-05-30 1990-05-30 コンクリート型枠用軽量板 Expired - Lifetime JP2540768Y2 (ja)

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