JP2540622Y2 - トランスファフィーダのクロスバー自動交換装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案はトランスファプレスに
装備されたトランスファフィーダのクロスバー自動交換
装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来バキューム搬送方式を採用したトラ
ンスファフィーダは、ワーク搬送方向に並設された一対
のトランスファバー間に複数のクロスバーが間隔を存し
て横架されていて、これらクロスバーにはワークを吸着
するバキュームカップ等のワーク吸着手段がアタッチメ
ントとして取付けられている。

【０００３】上記ワーク吸着手段は搬送するワークに応
じて寸法等が異なるため、従来では金型交換時クロスバ
ーを金型とともにプレス本体外へ搬出し、外段取りでク
ロスバーに取付けられているワーク吸着手段を交換する
か、クロスバーごと次に使用するワーク吸着手段と交換
していた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】しかし従来の交換作業
は作業員による手作業のため、作業に時間を要して作業
能率が悪いと共に、取付けミスや調整ミスのために金型
などと干渉して金型などを破損する等の不具合があっ
た。この考案は上記不具合を改善する目的でなされたも
ので、クロスバーが自動交換できるようにしたトランス
ファフィーダのクロスバー自動交換装置を提供しようと
するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この考案は上記目的を達
成するために、交換すべき金型とともにムービングボル
スタによりプレス本体より搬出されたクロスバーを次に
使用するクロスバーと交換するクロスバー交換ロボット
と、上記クロスバーをプレス工程で必要な数をセットに
して保管するクロスバー保管ラックとより構成したもの
である。

【０００６】

【作 用】上記構成によりプレス本体外へ搬出された
クロスバーの交換作業が無人で全て自動的に行えるた
め、交換作業の能率化が図れるようになる。

【０００７】

【実 施 例】この考案の一実施例を図面を参照して詳
述する。図１はトランスファプレス及びその周辺に設け
られた各設備を示す全体的な斜視図、図２は同平面図、
図３の（ａ）はクロスバー受台の正面図、（ｂ）はクロ
スバー保管棚の正面図、図４はクロスバー自動交換装置
を示す。これら図において１はプレス本体、２はプレス
本体１の前後に設けられたクロスバー自動交換装置、３
はプレス本体１の上流側に設置された金型交換エリヤ、
そして４はプレス本体１の下流側に設置されたオートパ
レタイザを示す。

【０００８】上記クロスバー自動交換装置２は、プレス
本体１前後の空中に横架された走行レール６上を移動す
るクロスバー交換ロボット７と、プレス成形に使用する
クロスバー８を保管するクロスバー保管ラック９よりな
る。図中１０はプレス本体１より引き出されたムービン
グボルスタで、金型１１が載置されており、金型１１の
両側にはムービングボルスタ１０の上面より立設された
クロスバー受け台１２が設けられており、このクロスバ
ー受け台１２上に交換すべきクロスバー８がトランスフ
ァバー（図示せず）より取外されて載置されている。

【０００９】上記クロスバー受け台１２上にはロケート
ピン１２ａが突設されていて、これらロケートピン１２
にクロスバー８の両端側に穿設されたピン孔８ａを図３
に示すように嵌入することにより、クロスバー８に取付
けられたバキュームカップのようなワーク吸着手段１３
を上下方向にした状態で位置して載置されている。

【００１０】一方上記クロスバー交換ロボット７は図６
に示すように走行レール６上を走行する走行台車１５を
有している。上記走行台車１５は横桁１５ａの両端に走
行レール６上を転動するローラ１６を設けた構造で、横
桁１５ａの中央部に走行モータ１７と昇降杆１８が設置
されている。

【００１１】上記走行モータ１７の回転は減速機１９に
より減速された後、駆動軸２０により横桁１５ａの両端
側に設けられたピニオン２１に伝達されるようになって
いる。上記ピニオン２１は走行レール６を支持する架台
２２上に布設されたラック２３に噛合されていて、ピニ
オン２１の回転に伴い走行台車１５が走行レール６に沿
って移動されるようになっている。

【００１２】また上記昇降杆１８は横桁１５ａの中央部
に設けられた支持部材２５にリニアガイド２６を介して
上下摺動自在に支承されている。支持部材２５には昇降
モータ２７が取付けられていて、この昇降モータ２７に
より減速機２８を介してピニオン２９が回転されるよう
になっている。

【００１３】上記ピニオン２９は昇降杆１８に布設され
たラック３０に噛合されていて、上記昇降モータ２７に
より昇降杆１８が昇降動されると共に、昇降杆１８の下
端にチャック装置３２が取付けられている。上記チャッ
ク装置３２はクロスバー８を把持してクロスバー保管ラ
ック９へ収容し、またクロスバー保管ラック９のクロス
バー８をクロスバー受け台１２へ載置するもので、図８
に示すように昇降杆１８の下端に設けられたチャックシ
リンダ３３を有している。

【００１４】チャックシリンダ３３より下方へ突出され
たピストン杆３３ａの先端は、チャックフィンガ３４を
支承するピン３５にリンク３６を介して接続されてい
る。上記チャックフィンガ３４は基部がピン３５により
昇降杆１８の下端に支承されていて、上記ピストン杆３
３ａを伸長することによりピン３５を中心に先端側が開
放するようになっていると共に、各チャックフィンガ３
４の閉合はピストン杆３３ａに嵌挿された戻しばね３７
により行われるようになっている。

【００１５】次に作用を説明すると、交換すべきクロス
バー８はムービングボルスタ１０上のクロスバー受け台
１２に載置されて金型１１とともにプレス本体１の前方
または後方へ図１に示すように引き出される。ムービン
グボルスタ１０がプレス本体１の前方または後方へ到達
すると、上方に待機するクロスバー交換ロボット７がは
じめに取出すべきクロスバー８上へ移動し昇降杆１８を
下降させる。そして昇降杆１８の下端に設けられたチャ
ック装置３２がクロスバー８の中央部を把持してクロス
バー保管ラック９の保管高さにまで上昇し、クロスバー
保管ラック９へ移動して把持したクロスバー８をクロス
バー保管ラック９の所定の保管棚９ａへ保管する。

【００１６】なお保管棚９ａには予め番地が付されてい
て、保管棚９ａに保管されたクロスバー８が番地で記憶
されるようになっており、これによって次に同じ型番の
成形を行う場合、必要なクロスバー８が正確かつ迅速に
取出せるようになっている。またクロスバー８にも予め
バーコード等で成形品の型番や工程番号等の識別番号が
付されており、この識別番号をチャック装置３２に設け
たバーコードリーダ等の読取り装置により読取ることに
より、交換するクロスバー８がその都度チェックできる
ため、クロスバー８の選択ミスなどが防止できる。

【００１７】一方上記動作を繰返して使用済クロスバー
８を全てクロスバー保管ラック９へ保管したら、次に使
用するクロスバー８を指令された番地の保管棚９ａより
１本ずつ取出して、上記と逆の動作でムービングボルス
タ１０上のクロスバー受け台１２上へセットする。また
上記クロスバー８の交換作業はプレス本体１の稼動中に
全て自動的に行われ、クロスバー８の交換作業が終了す
ると、現在行われているプレス作業が終了するまで待機
する。そしてプレス作業の終了とともに使用済金型１１
及びクロスバー８がムービングボルスタ１０とともにプ
レス本体１外へ搬出されたら、待機していたムービング
ボルスタ１０をプレス本体１内へ搬入して次のプレス作
業に供するものである。なおクロスバー交換時間が通常
の生産時間より長くなる場合は、生産終了後にプレスの
待ち時間が発生する。このような場合は、図５に示すよ
うに昇降機１８及びチャック装置３２を各々２セット装
着した自動交換装置とすることにより、交換時間の短縮
が図れるため、プレスの待ち時間をなくすことができ
る。

【００１８】

【考案の効果】この考案は以上詳述したように金型とと
もにムービングボルスタによりプレス本体外へ搬出され
たクロスバーを、クロスバー交換ロボットが取出してク
ロスバー保管ラックへ保管し、次に使用するクロスバー
をクロスバー保管ラックより取出してムービングボルス
タへセットするようにしたことから、クロスバーの交換
作業が無人で自動的に行えるようになる。これによって
クロスバーの交換作業が短時間で能率よく行えるため、
金型交換時間の短縮とこれに伴う生産性の向上が図れる
と共に、取付けミスや調整ミスが生じることがないた
め、金型などを破損するなどの不具合も解消することが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例になるクロスバー自動交換
装置を採用したトランスファプレスの全体的な斜視図で
ある。

【図２】同平面図である。

【図３】（ａ）クロスバー受け台の正面図である。 （ｂ）クロスバー保管棚の正面図である。

【図４】クロスバー自動交換装置の正面図である。

【図５】同側面図である。

【図６】同平面図である。

【図７】図６の矢印Ｚ方向より見た矢視図である。

【図８】図７のＡ−Ａ線に沿う断面図である。

【符号の説明】

１ プレス本体、７ クロスバー交換ロボット、８ ク
ロスバー、９ 保管ラック、１０ ボルスタ、１１ 金
型。

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 交換すべき金型１１とともにムービング
   ボルスタ１０によりプレス本体１より搬出されたクロス
   バー８を次に使用するクロスバー８と交換するクロスバ
   ー交換ロボット７と、上記クロスバー８をプレス工程で
   必要な数をセットにして保管するクロスバー保管ラック
   ９とを具備してなるトランスファフィーダのクロスバー
   自動交換装置。
2. 【請求項２】 クロスバー８を保管するクロスバー保管
   ラック９の保管棚９ａに番地を付して、予め決められた
   クロスバー８を格納するようにしてなる請求項１記載の
   クロスバー自動交換装置。
3. 【請求項３】 各クロスバー８に成形品型番や工程番号
   などの識別番号を付して交換毎に読取り装置で読取るよ
   うにしてなる請求項１記載のクロスバー自動交換装置。