JP2540582B2 - 光ディスク用マスタ―原盤の作成方法 - Google Patents

光ディスク用マスタ―原盤の作成方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、光ディスク用マスター原盤の作成方法に
関し、特にガラス基板上に塗布したレジスト膜のレーザ
露光方法に係る。
(ロ)従来の技術 光ディスク、例えば、光磁気ディスクや追記型光ディ
スクの案内溝を作成する方法として、従来は、ガラス基
板上にレジストを塗布し、そのレジスト膜をレーザで露
光し、それを現像することによりレジスト膜に凹凸部を
作成し、その凹凸部を電鋳によって転写してスタンパを
作成し、スタンパの凹凸部を成形によって転写してプラ
スチック基板を案内溝を作成するという方法がとられて
いる。そして、最近ISOの標準化委員会においてこの案
内溝寸法が規格化されつつあり、その規格案によれば、
グルーブトラッキングの場合には、案内溝は、幅1.2〜
1.3μm、深さ80〜100nm、番地信号をあらかじめ記録し
ているヘッダー部のピット形状は、信号品質の点から、
幅0.3〜0.5μm深さ80〜130nmとなっている。つまり、
グルーブトラッキングの場合には、幅広の案内溝と幅狭
のピットを作成することが必要となる。
(ハ)発明が解決しようとする課題 ところで、溝幅は主としてレーザのスポット径で決定
され、そのスポット径は対物レンズの開口数やレーザパ
ワーの強度によって制御される。しかしながら、幅0.3
〜0.5μmの露光帯と幅1.2〜1.3μmの露光帯を一本の
レーザビームでコントラスト良く形成することは容易で
はない。そこで、本願発明者は、複数のレーザビームを
ディスクの半径方向に並べて幅広の露光帯を形成する方
法をすでに出願している(昭和62年特許出願第208948
号)。しかしながら、この方法においては、露光帯は精
度良くまたコントラスト良く形成されるが、レーザビー
ムをディスク半径方法に移動させる場合に、その移動量
(ピッチ)にむらがあると、未露光帯の幅にばらつきを
生じ、現像した時に未露光帯に対応するランドの幅にむ
らが生じると共に、ランド高さの均一性が維持されない
という問題点がある。
この発明は、このような事情を考慮してなされたもの
で、光ディスクの半径方向に所定間隔を有するレーザビ
ームをレジスト膜に照射し、その間隔によって未露光帯
を確保することにより、レーザビームの移動時にピッチ
が変化しても未露光帯の幅が変化することがなく、幅広
の露光部帯を得ることができる光ディスク用マスター原
盤の作成方法を提供するものである。
(ニ)課題を解決するための手段 この発明は、光ディスク用マスター原盤の作成時にお
けるレジスト膜の露光工程において、第1及び第2レー
ザビームを、基板上のレジスト膜に光ディスクの半径方
向に所定間隔を有して同時に照射して、それぞれ第1及
び第2露光帯を形成し、次に、第2露光帯の一部に第1
レーザビームの一部が重なり合うように前記2本のレー
ザビームを前記所定間隔を保持して光ディスクの半径方
向に移動して、第1及び第2レーザビームを同時に照射
し、順次、この作業を繰り返して、前記所定間隔に対応
する幅の非露光帯を確保しつつ第1および第2露光帯か
らなる幅広の露光帯を形成することを特徴とする光ディ
スク用マスター原盤の作成方法である。
(ホ)作 用 第1および第2レーザビームは光ディスクの半径方向
に所定間隔を有して同時に照射されるので、その所定間
隔によって決定される幅の未露光帯が形成される。ま
た、形成された第2露光帯の一部に、次に照射される第
1レーザビームの一部が重合するので、幅広の露光帯が
形成される。
(ヘ)実施例 以下、図面に示す実施例に基づいて、この発明を詳述
する。これによって、この発明が限定されるものではな
い。
第1図はこの発明の一実施例に適用されるレーザ光学
系の概略構成を示す構成説明図であり、11はレーザ装
置、12,18はビームスプリッタ、13,19は反射鏡、14,15
は光変調器、16は光偏向器、17は1/2波長板である。
このような構成において、レーザ装置11から発射され
た1本のレーザビームは、スプリッタ12で2本のレーザ
ビーム4,5に分割される。そして、光変調器14及び光偏
向器16を通ったレーザビーム4と、反射鏡13で反射され
た光変調器15および1/2波長板17を通って反射鏡19で反
射されたレーザビーム5とが、ビームスプリッタ18で再
び合わされ対物レンズ3に入射する。
第2図は光ディスク用マスター原盤作成時のレジスト
膜の露光状態を示す斜視図、第3図(a)および第4図
(a)は第1図に示す露光作業の各工程を示す部分拡大
断面図であり、第3図(b)および第4図(b)はそれ
ぞれ第3図(a),第4図(b)に対応する原盤部分の
平面図である。これらの図において、1はディスク状の
ガラス基板、2はガラス基板1の上に塗布されたレジス
ト膜であり、ガラス基板1の上部近傍に露光用の対物レ
ンズ3が配置される。レーザビーム4,5は、レジスト膜
2に集光されたレジストスポットがレジスト膜2の上に
ディスク状ガラス基板1の半径方向に一定間隔dをなす
ように、対物レンズ3を介して照射される。2本のビー
ム4,5で挟まれた未露光帯が現像されるとランドとな
り、ビーム4,5で露光された露光帯7,8が現像されるとグ
ルーブとなる。
第3図(a)に示すように、ディスク1の半径方向に
間隔dだけ隔てて、ビーム4,5がレジスト膜2の上に照
射され、ガラス基板1が回転すると、第3図(b)に示
すように幅dの未露光帯6を挟んで両側に露光帯7,8が
形成される。
次に、光学系を基板1の半径方向すなわち矢印A方向
に移動させてレーザビーム5のスポットが露光帯7と距
離Lだけ重なり合うように配置し、基板1を回転させる
と、第4図(a)(b)に示すように、露光帯7と一部
重合した露光帯8aによって幅広を露光帯9が形成される
と共に、幅dを有する新たな未露光帯6aを隔てて露光帯
7aが形成される。
このような工程を順次繰り返すことにより、幅広の露
光帯がレジスト膜に形成される。なお、非露光帯の幅d
はレーザビーム4,5の間隔を変えることによって制御さ
れ、光学系の移動ピッチと無関係であるので、未感光帯
の幅dは高精度に維持される。また、幅広の露光帯の幅
寸法はレーザビーム4,5の出力を制御することなく、光
学系の移動ピッチによって、レーザビーム4,5のスポッ
ト径の和まで広げることが可能である。
第5図(a)は光ディスク用マスター原盤のヘッダー
部の露光方法を示す部分断面図、第5図(b)は第5図
(a)の原盤部の平面図、第6図はヘッダー部に形成さ
れるピット用露光部の配置説明図、第7図は第6図に対
応して示したレーザビームの変調信号および偏向信号の
タイムチャートである。これらの図において、レーザビ
ーム4,5の変調信号S1,S2が出力されてレジスト膜2の上
に露光帯7,8が形成されている時、時刻t1において変調
信号S1,S2がOFFしてレーザビーム4の偏向信号S3がONと
なると、レーザビーム4は第5図に示すように4aの位置
に偏向され、レーザビーム4,5の対物レンズ3への入射
が停止される。次に、期間T1〜T3においてレーザビーム
4の変調信号が出力され、それに対応してレーザビーム
4aがレジスト膜2に照射され、ヘッダー部の幅の狭いピ
ットに対応する露光7aが形成される。この時、レーザビ
ーム4aの出力がやや低下してスポット径が縮小する。そ
れと共に、ビームのスポット位置1が幅広の露光帯9の
中心の延長線上に位置するように偏向信号S3を受けた光
偏向器16によって、ビーム角度が偏向され、対物レンズ
3にビーム4aとして入射される。そして、再び時刻t2に
おいて偏向信号S3がOFFされレーザビーム4,5の変調信号
がONされると、再びレーザビーム4,5が対物レンズ3に
入射されて露光帯7,8がレジスト膜2の上に形成され
る。
なお、前述の非露光帯の間隔dは、光偏向器16でレー
ザビーム4を偏向させるか又は反射鏡19を適度に回動さ
せることにより精度よく調整することができる。また、
1/2波長板17(第1図)はビーム4と5が互いに干渉し
ないように偏波面を変えるためのものである。
(ト)発明の効果 この発明によれば、非露光帯の幅が高精度に維持され
るので、幅および高さの均一なランドを得ることがで
き、幅広のグルーブを作成することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例に適用するレーザ光学系の
概略構成図、第2図はこの発明の一実施例における光デ
ィスク用マスター原盤作成時のレジスト膜の露光状態を
示す斜視図、第3図(a)および第4図(a)は第2図
に示す一実施例の工程を示す断面図、第3図(b)およ
び第4図(b)はそれぞれ第3図(a)および第4図
(a)に対応する部分平面図、第5図(a)は第2図に
示す一実施例の他の工程を示す断面図、第5(b)は第
5図(a)に対応する部分平面図、第6図は第3図
(a)〜第5図(a)に示す工程によって形成される露
光帯の配置を示す配置説明図、第7図はレーザビームの
変調信号と偏向信号の時間的変化を第6図に対応して示
すタイムチャートである。 1……基板、2……レジスト膜、 3……対物レンズ、4,5……レーザビーム、 6……非露光帯、7,8……露光帯

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ディスク用マスター原盤の作成時におけ
    るレジスト膜の露光工程において、 第1及び第2レーザビームを、基板上のレジスト膜に光
    ディスクの半径方向に所定間隔を有して照射し、それぞ
    れ第1及び第2露光帯を形成し、次に、第2露光帯の一
    部に第1レーザビームの一部が重なり合うように前記2
    本のレーザビームを前記所定間隔を保持して光ディスク
    の半径方向に移動した後、第1及び第2レーザビームを
    照射し、順次、この作業を繰り返して、前記所定間隔に
    対応する幅の非露光帯を確保しつつ第1および第2露光
    帯からなる幅広の露光帯を形成することを特徴とする光
    ディスク用マスター原盤の作成方法。
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