JP2540468B2 - 塗装方法及び塗装物 - Google Patents

塗装方法及び塗装物

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JP2540468B2 JP1095256A JP9525689A JP2540468B2 JP 2540468 B2 JP2540468 B2 JP 2540468B2 JP 1095256 A JP1095256 A JP 1095256A JP 9525689 A JP9525689 A JP 9525689A JP 2540468 B2 JP2540468 B2 JP 2540468B2
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悟 松崎
信雄 岩根
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は塗装方法及び塗装物に関し、更に詳しくは、
耐久性とともに、厚膜感、重量感、陶器感等の美観に優
れた塗膜の形成方法及びこれらの性能を有する塗装物に
関する。
(従来の技術及びその問題点) 従来、金属、木材、セラミック、プラスチック等の種
々の物質の保護及び装飾の目的で塗料の塗装が行われ
る。これらの塗装方法は、ソリッドカラーを用いる方法
と、光輝感を示すメタリックカラーを用いる方法とに大
別出来る。
前者のソリッドカラーからなる塗膜は優れた耐久性を
有する一方で、この様な保護塗膜に対しても近年では美
観向上の為に十分な装飾性(美観性)を有することが要
求されている。
上記従来のソリッド塗料は、その耐久性に関しては、
ほぼその市場要求を満足させる程度の性能を有している
ものの、一般に隠蔽性の大きい顔料を使用する為に表層
における光反射量が多くなり、その結果質感として薄膜
的感覚を与えることになる。
一方、メタリックカラーの場合には美観に優れるもの
の、下地の隠蔽性が不足し、金属の様に下地が奇麗で反
射率の高い基板以外は充分な美観が出せないという問題
がある。
従って本発明の目的は、優れた耐久性を有するととも
に、基板の種類を問わずに厚膜感、重厚感、陶器感等に
も優れた塗膜を形成することが出来る塗装方法及びこれ
らの性能を有する塗装物を提供することである。
(問題点を解決する為の手段) 上記目的は以下の本発明によって達成される。
即ち、本発明は、基板上に従来の酸化チタンを含むベ
ースコート層を形成させ、次いで該ベースコート層上に
フィルム形成性重合体、平均粒子長径が0.01μm以上0.
1μm未満である微粒子チタン顔料及び分散媒体からな
る塗料組成物を塗装してトップコート層を形成させるこ
とを特徴とする塗装方法である。
(作用) トップコート層に用いる微粒子酸化チタン顔料は、そ
の平均粒子径が0.01μm以上0.1μm未満と超微粒子で
ある為に、光の散乱は極端に少なくなり光の透過性が良
くなる。これにより反射光は表層に集中せず、塗膜の深
部からの反射光が増え、従来の塗膜の様に表層に集中し
た反射光からくる質感、つまり薄膜感がなくなり、厚膜
感、重厚感、陶器感等の塗膜の質感及び美感を与えるこ
とが可能となる。勿論、トップコート層のみでは下地の
隠蔽の問題が発生するが、下地は粒子径の大な通常の酸
化チタンを使用することにより充分な隠蔽性及び耐久性
が得られる。
(好ましい実施態様) 次に本発明を好ましい実施態様を挙げて更に詳しく説
明する。
本発明において使用し、主として本発明を特徴づける
微粒子酸化チタン顔料とは、従来塗膜等の分野で広く使
用されている一般の酸化チタン顔料に比してその粒子径
が著しく小であり、高い透明性を有する酸化チタン顔料
である。
該微粒子酸化チタン顔料は、従来の塗料用に使用され
ている酸化チタンが、約0.1乃至0.4μmの範囲の平均粒
子径を有し、そのBET法(N2吸着法)による比表面積が
約5乃至20m2/gの範囲であるのに対して、粒子径として
その長径が平均で0.01μm以上0.1μm未満の範囲であ
り、短径が平均が0.005乃至0.06μmの範囲であり、且
つBET法(N2吸着法)による比表面積が約20乃至150m2/g
の範囲であり、特に本発明において好ましいものは、長
径が平均で0.02乃至0.05μmの範囲であり、短径が平均
で0.005乃至0.15μmの範囲であり、且つBET法(N2吸着
法)による比表面積が80乃至120m2/gの範囲のものであ
る。
又、これらの微粒子酸化チタンは、耐光性や耐候性等
の特性を付与する為に、シリカ、アルミナ、ジルコニア
等の酸化物又は水酸化物で表面処理されたものでもよ
く、或いはポリジメチルシロキサンに代表される様な有
機硅素化合物或いはステアリン酸に代表される様な高級
脂肪酸或いはイソプロピルトリイソステアロイルチタネ
ートに代表される様な有機チタン化合物で表面処理され
たものでもよい。
以上の如き微粒子酸化チタン顔料は、例えば、MT−10
0S及びMT−500SM等の名称で帝国化工(株)等から入手
して本発明で使用することが出来る。
上記微粒子酸化チタン顔料を添加するソリッド塗料そ
れ自体は従来公知のものでよく特に限定されない。
従来公知のソリッド塗料は、フィルム形成性重合体と
該重合体を溶解又は分散させる媒体、任意の着色顔料や
各種の塗料添加剤を包含してなるのである。
フイルム形成性重合体としては、例えば、アクリル樹
脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン
樹脂、アミノ樹脂等従来塗料分野で使用されている重合
体であり特に限定されない。これらのフイルム形成性重
合体は一般に塗料100重量部中で約30乃至60重量部を占
める割合で使用するのが一般的である。
上記重合体を溶解又は分散させる媒体も従来塗料分野
で使用されているものであって、例えば、トルエン、キ
シレン、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチル
イソブチルケトン、ブチルアルコール、脂肪族炭化水素
等特に限定されない。これらの媒体は塗料組成物100重
量部中で40乃至60重量部を占める割合で使用するのが一
般的である。
以上は本発明のソリッド塗料の必須成分であるが、本
発明においては従来の塗装方法と同様に、その他の任意
成分として他の一般の着色顔料や種々の塗料添加剤を必
要に応じて含有することが出来る。
以上の如き本発明で使用するソリッド塗料の製造方法
自体はいずれの従来公知の方法でもよく、例えば必要成
分全体を一緒に混合して顔料を分散調製してもよいし、
又、微粒子酸化チタン顔料を含むベース塗料を調製し、
別に調製した着色顔料を含むベース着色塗料を混合する
等それらの製造方法は何ら限定されない。
又、本発明の塗装方法による基板の塗装方法や乾燥方
法も特に限定されず、いずれの基板であってもいずれの
塗装方法であってもよい。特に本発明の塗装方法は自動
車ボディの様に複雑な表面形状を有する金属基板の塗装
にも適している。
又、本発明で使用するベースコート層用塗料は、前記
トップコート層用塗料の微粒子酸化チタンを従来の粒子
径の大なる通常の酸化チタンに代えた以外は同様の構成
でよい。
又、ベースコート及びトップコートの塗装方法はいず
れも従来公知の方法でよく特に限定されない。
又、得られる塗装物におけるベースコートの厚みは20
乃至40μmで、トップコート層は15乃至40μmの厚みで
あることが好ましい。これら以外の厚みの場合には、耐
久性、厚膜感、重厚感、陶器感等の美観が不十分になる
ので好ましくない。特にトップコートが薄すぎると厚膜
感、重厚感、陶器感が不十分となる。
(効果) 以上の如き本発明によれば、従来の塗装方法によるベ
ースコート層上へ、微粒子酸化チタン顔料を含むトップ
コート層を設けることによって、従来の塗膜の質感には
ない厚膜感、重厚感、陶器感等の美観を有する塗装が可
能となった。特に表層反射率の高い酸化チタン若しくは
酸化チタンとその他の着色顔料の混合系における質感の
変化は著しい。
(実施例) 次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。
尚、文中、部又は%とあるので特に断りのない限り重量
基準である。
微粒子酸化チタン顔料(粒子径0.01乃至0.05μm、比表
面積110m2/g) 15部 トップコート用アクリルワニス(固形分60%) 82部 メラミンワニス(固形分60%) 34部 ソルベッソ100 30部 上記成分をサンドミルで分散処理してトップコート用
微粒子酸化チタン顔料のベース塗料とした。
通常酸化チタン 15部 トップコート用アクリルワニス(固形分60%) 82部 メラミンワニス(固形分60%) 34部 ソルベッソ100 30部 上記成分をサンドミルで分散処理してトップコート用
通常酸化チタン顔料のベース塗料とした。
通常酸化チタン 50部 ベースコート用アクリルワニス(固形分60%) 82部 メラミンワニス(固形分60%) 34部 ソルベッソ100 30部 上記成分をサンドミルで分散処理してベースコート用
通常酸化チタン顔料のベース塗料とした。
この様にして得られたベースコート用通常酸化チタン
顔料のベース塗料を塗装してベースコート層を形成し、
以下の配合のトップコートベース塗料をトップコート層
に塗装したスチールパネルを作成した。
各々につきパネルの美感を評価し、以下の結果が得ら
れた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 淳一郎 岡山県岡山市湊756―8 (56)参考文献 特開 昭63−100988(JP,A) 特開 昭60−118267(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に従来の酸化チタンを含むベースコ
    ート層を形成させ、次いで該ベースコート層上にフィル
    ム形成性重合体、平均粒子長径が0.01μm以上0.1μm
    未満である微粒子チタン顔料及び分散媒体からなる塗料
    組成物を塗装してトップコート層を形成させることを特
    徴とする塗装方法。
  2. 【請求項2】従来の酸化チタンの平均粒径が0.1〜0.4μ
    mである請求項1に記載の塗装方法。
  3. 【請求項3】微粒子チタン顔料のBET法による比表面積
    が20乃至150m2/gの範囲である請求項1に記載の塗装方
    法。
  4. 【請求項4】ベースコート及び/又はトップコート層に
    着色顔料を含む請求項1に記載の塗装方法。
  5. 【請求項5】微粒子チタン顔料の量が、フィルム形成重
    合体100重量部に対し、5乃至100重量部の範囲である請
    求項1に記載の塗装方法。
  6. 【請求項6】基板上に従来の酸化チタンを含むベースコ
    ート層と該ベースコート層上に平均粒子長径が0.01μm
    以上0.1μm未満である微粒子チタン顔料を含むトップ
    コート層が順次積層されていることを特徴とする塗装
    物。
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JPS60118766A (ja) * 1983-11-30 1985-06-26 Nippon Oil & Fats Co Ltd ベル型塗装機用塗料組成物
JPS63100988A (ja) * 1986-10-16 1988-05-06 Kansai Paint Co Ltd 塗装仕上げ方法

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