JP2540282B2 - 超塑性2相ステンレス鋼 - Google Patents
超塑性2相ステンレス鋼Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、超塑性2相ステンレ
ス鋼に関し、特に比較的低温度域での成形加工であって
も変形抵抗が小さくかつ伸び特性に極めて優れる超塑性
2相ステンレス鋼についての提案である。
ス鋼に関し、特に比較的低温度域での成形加工であって
も変形抵抗が小さくかつ伸び特性に極めて優れる超塑性
2相ステンレス鋼についての提案である。
【0002】
【従来の技術】従来、超塑性を発現するステンレス鋼と
しては、SUS329 J2L等に代表される、耐孔食2相ステン
レス鋼がよく知られている。このステンレス鋼は、本
来、海水中などの使用環境下における耐食性ならびに耐
酸化性の向上を意図して設計された材料であった。
しては、SUS329 J2L等に代表される、耐孔食2相ステン
レス鋼がよく知られている。このステンレス鋼は、本
来、海水中などの使用環境下における耐食性ならびに耐
酸化性の向上を意図して設計された材料であった。
【0003】ところで、超塑性材料には、微細化超塑性
材と変態超塑性材とがあり、現在のところ前者が圧倒的
に多数を占めることは良く知られている。かかる微細化
超塑性材は、母相と第2相とが互いに粒成長を抑制する
作用を及ぼし合うことで、高温変形中に微細再結晶粒を
維持し、このことによって、良好な超塑性特性を発現す
るものと考えられている。そして、上記SUS329 J2Lは、
オーステナイトおよびフェライトの2相組織からなり、
これら2相の働きによって、超塑性を比較的容易に発現
するのである。
材と変態超塑性材とがあり、現在のところ前者が圧倒的
に多数を占めることは良く知られている。かかる微細化
超塑性材は、母相と第2相とが互いに粒成長を抑制する
作用を及ぼし合うことで、高温変形中に微細再結晶粒を
維持し、このことによって、良好な超塑性特性を発現す
るものと考えられている。そして、上記SUS329 J2Lは、
オーステナイトおよびフェライトの2相組織からなり、
これら2相の働きによって、超塑性を比較的容易に発現
するのである。
【0004】このSUS329 J2L系2相ステンレス鋼を、超
塑性が要求される用途、例えば、ジェット旅客機のシン
クや流し台,ゴルフクラブヘッドのような、複雑形状を
有する一体成形加工品などに供する場合、1000℃以上の
温度で成形することが必要である。なぜなら、これより
も低温で成形すると、変形に際して、硬質の金属間化合
物であるσ相が析出し、このσ相の析出によるσ/α,
σ/γの粒界は、α/γ,α/α,γ/γの粒界に比べ
てすべりにくいので、変形に要する流動応力の上昇を招
くからである。したがって、2相ステンレス鋼を超塑性
材料として利用するには、σ相が析出しない温度域での
成形が必要となるのである。
塑性が要求される用途、例えば、ジェット旅客機のシン
クや流し台,ゴルフクラブヘッドのような、複雑形状を
有する一体成形加工品などに供する場合、1000℃以上の
温度で成形することが必要である。なぜなら、これより
も低温で成形すると、変形に際して、硬質の金属間化合
物であるσ相が析出し、このσ相の析出によるσ/α,
σ/γの粒界は、α/γ,α/α,γ/γの粒界に比べ
てすべりにくいので、変形に要する流動応力の上昇を招
くからである。したがって、2相ステンレス鋼を超塑性
材料として利用するには、σ相が析出しない温度域での
成形が必要となるのである。
【0005】以上説明したように、従来の超塑性2相ス
テンレス鋼は、その加工温度が1000℃程度と極めて高い
ため、長時間を要する超塑性加工では、材料そのものに
ある程度の耐酸化性が要求される。なぜなら、2相ステ
ンレス鋼の場合、耐酸化性が悪いと、例えば材料の変形
に伴い、この材料内部にまで酸化が進行しやすくなり、
ボイドの発生や材料の破断の原因となり得るからであ
る。このような理由から、2相ステンレス鋼について、
より低い温度域,例えばTi合金超塑性材料で一般的な温
度域である,900℃程度において、超塑性が発現するもの
が求められていた。というのは、低温で超塑性を発現さ
せることができれば、高温での成形加工条件が緩和さ
れ、より安定した成形加工を実現できる上、その設備設
計を容易かつ安価に実施し得ることから、加工コストの
削減や成形サイクルの向上に役立つからである。
テンレス鋼は、その加工温度が1000℃程度と極めて高い
ため、長時間を要する超塑性加工では、材料そのものに
ある程度の耐酸化性が要求される。なぜなら、2相ステ
ンレス鋼の場合、耐酸化性が悪いと、例えば材料の変形
に伴い、この材料内部にまで酸化が進行しやすくなり、
ボイドの発生や材料の破断の原因となり得るからであ
る。このような理由から、2相ステンレス鋼について、
より低い温度域,例えばTi合金超塑性材料で一般的な温
度域である,900℃程度において、超塑性が発現するもの
が求められていた。というのは、低温で超塑性を発現さ
せることができれば、高温での成形加工条件が緩和さ
れ、より安定した成形加工を実現できる上、その設備設
計を容易かつ安価に実施し得ることから、加工コストの
削減や成形サイクルの向上に役立つからである。
【0006】これに対し従来、1000℃以下の温度におい
ても十分な加工性を有する2相ステンレス鋼について、
既に種々の提案がなされている。例えば、特公昭59−14
099号公報には、熱間加工性に加え、耐局部腐食性を向
上させた2相ステンレス鋼が開示されている。
ても十分な加工性を有する2相ステンレス鋼について、
既に種々の提案がなされている。例えば、特公昭59−14
099号公報には、熱間加工性に加え、耐局部腐食性を向
上させた2相ステンレス鋼が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上掲の
各従来技術に示された2相ステンレス鋼、あるいはSUS3
29 J2Lに規定された2相ステンレス鋼は、主として耐食
性に主眼がおかれており、超塑性の発現とその向上を目
的として設計されたものではない。
各従来技術に示された2相ステンレス鋼、あるいはSUS3
29 J2Lに規定された2相ステンレス鋼は、主として耐食
性に主眼がおかれており、超塑性の発現とその向上を目
的として設計されたものではない。
【0008】そこで、この発明の目的は、超塑性の向上
を主目的とし、ステンレス鋼本来の特性である耐食性を
維持しつつ、従来に比べてより低い温度域で優れた超塑
性(変形抵抗が小さくかつ伸び特性に優れる)を発現さ
せることができる超塑性2相ステンレス鋼を開発するこ
とにある。
を主目的とし、ステンレス鋼本来の特性である耐食性を
維持しつつ、従来に比べてより低い温度域で優れた超塑
性(変形抵抗が小さくかつ伸び特性に優れる)を発現さ
せることができる超塑性2相ステンレス鋼を開発するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】さて、900 ℃程度の低い
温度域で優れた超塑性を発現させるようにするには、そ
の低温度域で、変形に必要な応力,すなわち流動応力が
低く、歪速度感受性指数,すなわちm値が高く、しかも
σ相が析出しない材料であることが望まれる。
温度域で優れた超塑性を発現させるようにするには、そ
の低温度域で、変形に必要な応力,すなわち流動応力が
低く、歪速度感受性指数,すなわちm値が高く、しかも
σ相が析出しない材料であることが望まれる。
【0010】そこで、発明者らはまず、流動応力の改善
に向け種々の合金成分について鋭意検討した。その結
果、Moの適量添加が超塑性の向上に有効であることが判
った。以下にこのことを詳しく説明する。一般に、Moと
いうのは、耐食性の向上に寄与する元素であり、一方
で、2相ステンレス鋼の流動応力(超塑性変形における
変形抵抗)を著しく上昇させる作用(弊害)がある。し
かも、この作用(弊害)は、900 ℃程度の低い温度域で
著しい。さらにこのMoは、σ相の析出を促進する作用も
あることから、このMoを多く添加した材料では、900 ℃
程度の低い温度域での超塑性加工が極めて困難である。
一方、このMoを添加しない材料では、長時間に亘っての
超塑性加工を施す場合に、酸化による材料の破断等が生
じやすくなる。ところで、発明者らの研究によると、Mo
の適量添加により、上記弊害を克服することができるこ
とが判った。すなわち、2相ステンレス鋼へのこのMoの
適量添加は、耐酸化性を向上させると共に、優れた超塑
性を示す材料の開発に有効であるという事実を知見し
た。
に向け種々の合金成分について鋭意検討した。その結
果、Moの適量添加が超塑性の向上に有効であることが判
った。以下にこのことを詳しく説明する。一般に、Moと
いうのは、耐食性の向上に寄与する元素であり、一方
で、2相ステンレス鋼の流動応力(超塑性変形における
変形抵抗)を著しく上昇させる作用(弊害)がある。し
かも、この作用(弊害)は、900 ℃程度の低い温度域で
著しい。さらにこのMoは、σ相の析出を促進する作用も
あることから、このMoを多く添加した材料では、900 ℃
程度の低い温度域での超塑性加工が極めて困難である。
一方、このMoを添加しない材料では、長時間に亘っての
超塑性加工を施す場合に、酸化による材料の破断等が生
じやすくなる。ところで、発明者らの研究によると、Mo
の適量添加により、上記弊害を克服することができるこ
とが判った。すなわち、2相ステンレス鋼へのこのMoの
適量添加は、耐酸化性を向上させると共に、優れた超塑
性を示す材料の開発に有効であるという事実を知見し
た。
【0011】また発明者らは、超塑性2相ステンレス鋼
の耐酸化性の向上に寄与する他の元素として、希土類元
素(以下、単に「REM」で略記する。)に着目した。
このREMの添加による耐酸化性の向上に関する研究
は、数多く報告されているが(日本金属学会会報 vol.1
8, p192, 1979 等が参照される)、主としてフェライト
系の鉄鋼材料に関するものであり、2相ステンレス鋼に
ついてはほとんど例がない。なぜなら、REMの耐酸化
性効果が一般に酸化スケールの密着性を改善する点にあ
ることから、熱膨張差の大きいα相とγ相が共存する2
相ステンレス鋼では、繰り返し酸化などの試験によって
は前記効果が実質認められないためと考えられる。この
点、発明者らが行った超塑性伸びの実験は、材料が一定
温度に保持されて実施されるので、2相ステンレス鋼に
おいてもREMの添加効果が顕著に現れ、その結果、材
料の耐酸化性が大幅に向上し、優れた超塑性を示す材料
が得られることが判った。
の耐酸化性の向上に寄与する他の元素として、希土類元
素(以下、単に「REM」で略記する。)に着目した。
このREMの添加による耐酸化性の向上に関する研究
は、数多く報告されているが(日本金属学会会報 vol.1
8, p192, 1979 等が参照される)、主としてフェライト
系の鉄鋼材料に関するものであり、2相ステンレス鋼に
ついてはほとんど例がない。なぜなら、REMの耐酸化
性効果が一般に酸化スケールの密着性を改善する点にあ
ることから、熱膨張差の大きいα相とγ相が共存する2
相ステンレス鋼では、繰り返し酸化などの試験によって
は前記効果が実質認められないためと考えられる。この
点、発明者らが行った超塑性伸びの実験は、材料が一定
温度に保持されて実施されるので、2相ステンレス鋼に
おいてもREMの添加効果が顕著に現れ、その結果、材
料の耐酸化性が大幅に向上し、優れた超塑性を示す材料
が得られることが判った。
【0012】発明者らは、さらに、歪速度感受性指数m
値の改善に向け、2相ステンレス鋼の超塑性変形におい
て最も重要な役割を果たしていると考えられる,α/γ
粒界の影響を調べるために、幅広いα/γ比の組成の2
相ステンレス鋼について実験を行った。その結果、α/
γ比と超塑性特性の一つであるm値との間に強い相関が
あることを見出した。なお、上記α/γ比は〔Creq−Ni
eq〕で示すことができるが、この値を好適範囲にしたと
き、高いm値が得られることが判った。
値の改善に向け、2相ステンレス鋼の超塑性変形におい
て最も重要な役割を果たしていると考えられる,α/γ
粒界の影響を調べるために、幅広いα/γ比の組成の2
相ステンレス鋼について実験を行った。その結果、α/
γ比と超塑性特性の一つであるm値との間に強い相関が
あることを見出した。なお、上記α/γ比は〔Creq−Ni
eq〕で示すことができるが、この値を好適範囲にしたと
き、高いm値が得られることが判った。
【0013】このような知見に基づき、種々の合金成分
について検討した結果、発明者らは、従来に比べて低温
で優れた超塑性特性を有し、σ相の析出がなく、しかも
実用的な耐食性を有する超塑性2相ステンレス鋼を開発
した。
について検討した結果、発明者らは、従来に比べて低温
で優れた超塑性特性を有し、σ相の析出がなく、しかも
実用的な耐食性を有する超塑性2相ステンレス鋼を開発
した。
【0014】すなわち、この発明は、 C:0.05wt%以下、Si:1.5 wt%以下、Mn:3.0 wt
%以下、Cr:17.0〜26.0wt%、Ni:3.0 〜10.0wt%、C
u: 0.1〜 1.0wt%、N:0.08〜0.20wt%、S:0.002 w
t%以下及びMo:0.1 〜2.0 wt%を含み、残部はFe及び
不可避的不純物からなる超塑性2相ステンレス鋼、 C:0.05wt%以下、Si:1.5 wt%以下、Mn:3.0 wt
%以下、Cr:17.0〜26.0wt%、Ni:3.0 〜10.0wt%、C
u: 0.1〜 1.0wt%、N:0.08〜0.20wt%、S:0.002 w
t%以下及びREM : 0.005〜0.05wt%を含み、残部はFe
及び不可避的不純物からなる超塑性2相ステンレス鋼、 C:0.05wt%以下、Si:1.5 wt%以下、Mn:3.0 wt
%以下、Cr:17.0〜26.0wt%、Ni:3.0 〜10.0wt%、C
u: 0.1〜 1.0wt%、N:0.08〜0.20wt%、S:0.002 w
t%以下、Mo:0.1 〜2.0 wt%及び REM: 0.005〜0.05w
t%を含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる超
塑性2相ステンレス鋼である。 ここで、上記, ,
の各発明は、Cr,Ni,Mo,Si,C,Mn,Cu,Nの含有量
を、下記式(1) で定義されるCreqと下記式(2) で定義さ
れるNieqとの差(Creq−Nieq)が、12.0〜17.0を満足す
る範囲に規制されている。 記 Creq=Cr+Mo+1.5Si …(1) Nieq=Ni+30C+0.5Mn +0.5Cu +20N …(2)
%以下、Cr:17.0〜26.0wt%、Ni:3.0 〜10.0wt%、C
u: 0.1〜 1.0wt%、N:0.08〜0.20wt%、S:0.002 w
t%以下及びMo:0.1 〜2.0 wt%を含み、残部はFe及び
不可避的不純物からなる超塑性2相ステンレス鋼、 C:0.05wt%以下、Si:1.5 wt%以下、Mn:3.0 wt
%以下、Cr:17.0〜26.0wt%、Ni:3.0 〜10.0wt%、C
u: 0.1〜 1.0wt%、N:0.08〜0.20wt%、S:0.002 w
t%以下及びREM : 0.005〜0.05wt%を含み、残部はFe
及び不可避的不純物からなる超塑性2相ステンレス鋼、 C:0.05wt%以下、Si:1.5 wt%以下、Mn:3.0 wt
%以下、Cr:17.0〜26.0wt%、Ni:3.0 〜10.0wt%、C
u: 0.1〜 1.0wt%、N:0.08〜0.20wt%、S:0.002 w
t%以下、Mo:0.1 〜2.0 wt%及び REM: 0.005〜0.05w
t%を含有し、残部はFe及び不可避的不純物からなる超
塑性2相ステンレス鋼である。 ここで、上記, ,
の各発明は、Cr,Ni,Mo,Si,C,Mn,Cu,Nの含有量
を、下記式(1) で定義されるCreqと下記式(2) で定義さ
れるNieqとの差(Creq−Nieq)が、12.0〜17.0を満足す
る範囲に規制されている。 記 Creq=Cr+Mo+1.5Si …(1) Nieq=Ni+30C+0.5Mn +0.5Cu +20N …(2)
【0015】
【作用】以下、この発明に従う2相ステンレス鋼におけ
る、各合金成分の含有量を前記の範囲に限定した理由に
ついて説明する。 C:0.05wt%以下 Cは、その含有量が0.05wt%を超えると、粒界腐食感受
性が増大し、耐孔食性が劣化するとともに、炭化物の析
出により熱間加工性が低下する。しかも、冷間圧延に際
して硬化を来すため、その後の加工等を困難にする。従
って、Cは、0.05wt%を上限とする。
る、各合金成分の含有量を前記の範囲に限定した理由に
ついて説明する。 C:0.05wt%以下 Cは、その含有量が0.05wt%を超えると、粒界腐食感受
性が増大し、耐孔食性が劣化するとともに、炭化物の析
出により熱間加工性が低下する。しかも、冷間圧延に際
して硬化を来すため、その後の加工等を困難にする。従
って、Cは、0.05wt%を上限とする。
【0016】Si:1.5 wt%以下 Siは、金属間化合物であるσ相の構成元素であり、この
Si量が増えるにしたがってσ相が析出する速度が速くな
り、析出温度の上昇が見られる。そこで、このSiの作用
によって900 ℃前後でもσ相が析出しない用にするため
に、このSiは、1.5 wt%以下とする必要がある。
Si量が増えるにしたがってσ相が析出する速度が速くな
り、析出温度の上昇が見られる。そこで、このSiの作用
によって900 ℃前後でもσ相が析出しない用にするため
に、このSiは、1.5 wt%以下とする必要がある。
【0017】Mn:3.0 wt%以下 Mnは、溶解,精錬時に脱酸元素として作用すると共に、
Sと化合して硫黄化物を精製し、熱間脆性の発生を防止
するのに有効な元素であるが、3.0 wt%を超えると耐酸
化性が劣化させる。従って、このMnは、3.0 wt%以下と
する必要がある。
Sと化合して硫黄化物を精製し、熱間脆性の発生を防止
するのに有効な元素であるが、3.0 wt%を超えると耐酸
化性が劣化させる。従って、このMnは、3.0 wt%以下と
する必要がある。
【0018】Cr:17.0〜26.0wt% Crは、フェライト形成元素であり、かつσ相構成元素で
もある。このCrの含有量が26.0wt%を超えると、σ相の
析出が顕著となり、σ相の析出を促進するSiなどの元素
を少なくしても900 ℃前後でσ相の析出が生じる結果、
熱間加工性およびα相形成温度域における超塑性を劣化
するため、上限を26.0wt%とする。一方、Cr含有量が1
7.0wt%未満では、下記Niと同様に、オーステナイト量
が増大するために、α相によるγ粒成長の抑制効果が消
失し、超塑性性能の劣化をまねくと共に、鋼の耐酸化性
が低下し、超塑性成形における高温長時間保持による材
料の酸化が著しく、良好な伸びを得ることができないた
め、下限を17.0wt%とする。
もある。このCrの含有量が26.0wt%を超えると、σ相の
析出が顕著となり、σ相の析出を促進するSiなどの元素
を少なくしても900 ℃前後でσ相の析出が生じる結果、
熱間加工性およびα相形成温度域における超塑性を劣化
するため、上限を26.0wt%とする。一方、Cr含有量が1
7.0wt%未満では、下記Niと同様に、オーステナイト量
が増大するために、α相によるγ粒成長の抑制効果が消
失し、超塑性性能の劣化をまねくと共に、鋼の耐酸化性
が低下し、超塑性成形における高温長時間保持による材
料の酸化が著しく、良好な伸びを得ることができないた
め、下限を17.0wt%とする。
【0019】Ni:3.0 〜10.0wt% Niは、オーステナイト形成元素であり、3.0 wt%未満に
なると、他のフェライト形成元素やオーステナイト形成
元素によって調整しても、γ(オーステナイト)相の比
率が30wt%以下となり、超塑性変形中にα(フェライ
ト)相の粒成長を抑制するという効果が低下し、超塑性
特性の劣化を招くため、下限を3.0 wt%とする。一方、
10wt%を超えると、逆にγ相の比率が高くなり、γ相の
粒成長速度が増大して材料の高温での流動応力の上昇を
招くため、上限を10.0wt%とする。
なると、他のフェライト形成元素やオーステナイト形成
元素によって調整しても、γ(オーステナイト)相の比
率が30wt%以下となり、超塑性変形中にα(フェライ
ト)相の粒成長を抑制するという効果が低下し、超塑性
特性の劣化を招くため、下限を3.0 wt%とする。一方、
10wt%を超えると、逆にγ相の比率が高くなり、γ相の
粒成長速度が増大して材料の高温での流動応力の上昇を
招くため、上限を10.0wt%とする。
【0020】Mo: 0.1〜 2.0wt% Moは、加工後における耐孔食性や耐隙間腐食性などの耐
食性の向上に寄与する元素であり、かつ固溶強化元素で
もある。そのため、Mo含有量が 2.0wt%を超えると、超
塑性変形における変形抵抗が著しく上昇し、一方、Mo含
有量が 0.1wt%未満では、長時間の超塑性加工における
材料の酸化が著しくなり、材料の破断等を招きやすくな
る。そのため、大きな超塑性伸びを要求されるような用
途においては、このMo含有量を 0.1〜 2.0wt%とする。
食性の向上に寄与する元素であり、かつ固溶強化元素で
もある。そのため、Mo含有量が 2.0wt%を超えると、超
塑性変形における変形抵抗が著しく上昇し、一方、Mo含
有量が 0.1wt%未満では、長時間の超塑性加工における
材料の酸化が著しくなり、材料の破断等を招きやすくな
る。そのため、大きな超塑性伸びを要求されるような用
途においては、このMo含有量を 0.1〜 2.0wt%とする。
【0021】Cu: 0.1〜 1.0wt% Cuは、加工後における耐孔食性や耐隙間腐食性などの耐
食性の向上に寄与する元素であるが、多く添加しすぎる
と熱間加工性を劣化させる。そのため、 1.0wt%を上限
とし、耐食性改善の効果が現れ始める 0.1wt%を下限と
する。
食性の向上に寄与する元素であるが、多く添加しすぎる
と熱間加工性を劣化させる。そのため、 1.0wt%を上限
とし、耐食性改善の効果が現れ始める 0.1wt%を下限と
する。
【0022】N:0.08〜0.20wt% Nは、Cと同様にオーステナイト形成元素であり、その
ためN含有量は、他のフェライト形成元素との兼ね合い
のもとで組織バランスから定める必要がある。また、こ
のNは、耐孔食性を向上させるという効果もある。従っ
て、このNは0.08wt%を下限とす。一方、N含有量が0.
20wt%を超えると熱間加工性が極めて悪くなるため、0.
08〜0.20wt%の範囲に限定する。
ためN含有量は、他のフェライト形成元素との兼ね合い
のもとで組織バランスから定める必要がある。また、こ
のNは、耐孔食性を向上させるという効果もある。従っ
て、このNは0.08wt%を下限とす。一方、N含有量が0.
20wt%を超えると熱間加工性が極めて悪くなるため、0.
08〜0.20wt%の範囲に限定する。
【0023】S:0.002 wt%以下 Sは、粒界に偏析して2相ステンレス鋼の熱間加工性を
著しく劣化させることが知られている。そのため、実用
上、0.002 wt%以下に抑えて、熱間加工性を確保するこ
とが好ましい。
著しく劣化させることが知られている。そのため、実用
上、0.002 wt%以下に抑えて、熱間加工性を確保するこ
とが好ましい。
【0024】REM: 0.005〜0.05wt% REMは、超塑性加工において、耐酸化性の向上に寄与
する元素であるが、0.05wt%を超えて添加すると、表面
疵の原因となったり、非金属介在物となって鋼中に残留
して耐食性劣化の原因となる。そのため、0.05wt%を上
限とし、耐酸化性改善の効果が現れ始める 0.005wt%を
下限とする。
する元素であるが、0.05wt%を超えて添加すると、表面
疵の原因となったり、非金属介在物となって鋼中に残留
して耐食性劣化の原因となる。そのため、0.05wt%を上
限とし、耐酸化性改善の効果が現れ始める 0.005wt%を
下限とする。
【0025】次に、αおよびγ相の比について説明す
る。さて、「Progress in MaterialsScience 」 (Vol.3
3(1989) p.169) によれば、微細化超塑性材の特徴とし
て、その構成する2相によるZener 効果により、超塑性
変形の途中において、互いに粒成長を抑制し合って、微
細再結晶粒の維持を通じ、粒界面積を減少させずに、粒
界すべりを活発化する点が挙げられる。そして、異相の
粒成長を抑制するには、2相の組織比率を50:50にする
のが望ましいことにも言及しているが、これは、2相の
強度レベルが同等か、またはそれに近いことが前提とな
る。しかし、超塑性変形下のαおよびγ各相間では、γ
相の強度が高くなっているため、変形抵抗の減少を考慮
したとき、硬質母相より軟質母相とすることの方が有利
となる。従って、αおよびγ相の比は、軟質のα相を高
くすることが、必要と言える。
る。さて、「Progress in MaterialsScience 」 (Vol.3
3(1989) p.169) によれば、微細化超塑性材の特徴とし
て、その構成する2相によるZener 効果により、超塑性
変形の途中において、互いに粒成長を抑制し合って、微
細再結晶粒の維持を通じ、粒界面積を減少させずに、粒
界すべりを活発化する点が挙げられる。そして、異相の
粒成長を抑制するには、2相の組織比率を50:50にする
のが望ましいことにも言及しているが、これは、2相の
強度レベルが同等か、またはそれに近いことが前提とな
る。しかし、超塑性変形下のαおよびγ各相間では、γ
相の強度が高くなっているため、変形抵抗の減少を考慮
したとき、硬質母相より軟質母相とすることの方が有利
となる。従って、αおよびγ相の比は、軟質のα相を高
くすることが、必要と言える。
【0026】そこで、αおよびγ相の比の指標である、
上述した式(1) および(2) で定義されるCreqおよびNieq
との差〔Creq−Nieq〕を12.0〜17.0を満足する範囲に規
制することとした。すなわち、〔Creq−Nieq〕を12.0以
上とすることによって、母相を軟質化することができ、
一方〔Creq−Nieq〕が17.0以下であれば、異相の粒成長
抑制効果を阻害することはない。
上述した式(1) および(2) で定義されるCreqおよびNieq
との差〔Creq−Nieq〕を12.0〜17.0を満足する範囲に規
制することとした。すなわち、〔Creq−Nieq〕を12.0以
上とすることによって、母相を軟質化することができ、
一方〔Creq−Nieq〕が17.0以下であれば、異相の粒成長
抑制効果を阻害することはない。
【0027】上述したように、この発明の超塑性2相ス
テンレス鋼において、超塑性の発現温度をより低温化す
るには、αおよびγ相とは材料特性の異なるσ相の形成
を抑制することが肝要であり、その構成元素であるMoを
極めて少量に規制するか、または添加しないことが有利
である。
テンレス鋼において、超塑性の発現温度をより低温化す
るには、αおよびγ相とは材料特性の異なるσ相の形成
を抑制することが肝要であり、その構成元素であるMoを
極めて少量に規制するか、または添加しないことが有利
である。
【0028】また、変形抵抗の減少は、粒界すべりを分
担する応力が低下すれば良いから、各種固溶強化元素の
抑制または除去と軟質母相を実現すればよく、超塑性を
向上させることが、変形抵抗の減少に寄与する。
担する応力が低下すれば良いから、各種固溶強化元素の
抑制または除去と軟質母相を実現すればよく、超塑性を
向上させることが、変形抵抗の減少に寄与する。
【0029】さらに、高温における耐酸化性を改善する
ことは、間接的に伸び特性を向上させるのに役立ち、そ
のためには、REMの添加が有利である。
ことは、間接的に伸び特性を向上させるのに役立ち、そ
のためには、REMの添加が有利である。
【0030】なお、この発明において、ステンレス鋼本
来の特性である耐食性を維持させるには、MoやCu, Nな
どの耐食性に寄与する元素を、超塑性特性を劣化させな
い範囲内において適宜に添加することができる。
来の特性である耐食性を維持させるには、MoやCu, Nな
どの耐食性に寄与する元素を、超塑性特性を劣化させな
い範囲内において適宜に添加することができる。
【0031】
【実施例】表1に示す成分組成を有する10kgの2相ステ
ンレス鋼を、大気雰囲気下で高周波炉にて誘導溶解した
後、10kgの金型に鋳造し、次いで1150〜1200℃の温度域
で8mmの厚さに熱間鍛造し、疵とりをした後1000〜1200
℃の温度域で溶体化処理を施して、脱スケール処理を
し、その後、圧下率84%の冷間圧延を施して、1.6mmの
板厚の試験片を作製した。なお、試験片形状は、平行部
長さが10mm、幅5mmである。
ンレス鋼を、大気雰囲気下で高周波炉にて誘導溶解した
後、10kgの金型に鋳造し、次いで1150〜1200℃の温度域
で8mmの厚さに熱間鍛造し、疵とりをした後1000〜1200
℃の温度域で溶体化処理を施して、脱スケール処理を
し、その後、圧下率84%の冷間圧延を施して、1.6mmの
板厚の試験片を作製した。なお、試験片形状は、平行部
長さが10mm、幅5mmである。
【0032】このようにして得られた試験片は、900 ℃
に加熱してから、この温度に約70分間保持したのち、引
張試験に供した。この引張試験には、通常のクロスヘッ
ド速度が一定の一軸引張試験法ではなく、高温強度試験
法の一つとして行われている、ステップ・ストレイン・
レイト法を採用した。これは、当初、極低速のクロスヘ
ッド速度(0.005 mm/min )で引張を開始して、応力ピ
ークを迎えた後に、クロスヘッド速度を順次に上昇させ
て行き、各クロスヘッド速度での応力ピークを求め、こ
の操作を20mm/min まで続けることによって、変形抵抗
(流動応力)および歪速度感受性指数(m値)などを求
めることができる試験法である。
に加熱してから、この温度に約70分間保持したのち、引
張試験に供した。この引張試験には、通常のクロスヘッ
ド速度が一定の一軸引張試験法ではなく、高温強度試験
法の一つとして行われている、ステップ・ストレイン・
レイト法を採用した。これは、当初、極低速のクロスヘ
ッド速度(0.005 mm/min )で引張を開始して、応力ピ
ークを迎えた後に、クロスヘッド速度を順次に上昇させ
て行き、各クロスヘッド速度での応力ピークを求め、こ
の操作を20mm/min まで続けることによって、変形抵抗
(流動応力)および歪速度感受性指数(m値)などを求
めることができる試験法である。
【0033】なお、超塑性についての明確な定義はない
が、これまでのところ、伸びが200%以上および上記m
値が0.3 以上となるときに、超塑性を示すと判断して良
いとされている。従って、超塑性は変形抵抗、歪速度感
受性指数mおよび伸びの3指標をもって評価した。その
結果を表1に示す。表1に示す結果から明らかなよう
に、発明鋼は、変形抵抗が 900℃で 25MPa以下、m値が
0.75超であるのに対し、比較鋼は変形抵抗が 900℃で 2
4MPa以上と高く、m値が 0.7未満と低く、発明鋼の方が
優れた超塑性能を示すことが判る。
が、これまでのところ、伸びが200%以上および上記m
値が0.3 以上となるときに、超塑性を示すと判断して良
いとされている。従って、超塑性は変形抵抗、歪速度感
受性指数mおよび伸びの3指標をもって評価した。その
結果を表1に示す。表1に示す結果から明らかなよう
に、発明鋼は、変形抵抗が 900℃で 25MPa以下、m値が
0.75超であるのに対し、比較鋼は変形抵抗が 900℃で 2
4MPa以上と高く、m値が 0.7未満と低く、発明鋼の方が
優れた超塑性能を示すことが判る。
【0034】
【表1】
【0035】発明鋼について、〔Creq−Nieq〕を指標と
して整理した結果を図1に示す。すなわち、図1は、歪
速度が2.0 ×10-4s-1のときの歪速度感受性指数(m
値)と、発明鋼および比較鋼の〔Creq−Nieq〕との関係
を示したもので、m値は〔Creq−Nieq〕が12.0〜17.0の
範囲で高くなり、その範囲で良好な超塑性特性が得られ
ることが判る。なお、●印は、発明鋼を示し、○印は、
比較鋼を示す。
して整理した結果を図1に示す。すなわち、図1は、歪
速度が2.0 ×10-4s-1のときの歪速度感受性指数(m
値)と、発明鋼および比較鋼の〔Creq−Nieq〕との関係
を示したもので、m値は〔Creq−Nieq〕が12.0〜17.0の
範囲で高くなり、その範囲で良好な超塑性特性が得られ
ることが判る。なお、●印は、発明鋼を示し、○印は、
比較鋼を示す。
【0036】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の超塑性2
相ステンレス鋼は、900 ℃前後でのσ相の析出がなく、
しかも流動応力(変形に必要な応力)が低く、高いm値
(歪速度感受性指数)有する材料であるので、900 ℃前
後の低い温度域での超塑性加工を実現し得る。しかも、
この発明によれば、加工後の製品にはσ相がないので、
脆化,耐食性の劣化などの問題の生じない極めて実用的
な製品が得られる。従って、この発明は、鉄基超塑性材
料の適用範囲を一層拡大することに寄与し、さらにTi合
金などとの超塑性接合といった,従来は成形温度の違い
から不可能であった製造方法をも可能とするものであ
る。
相ステンレス鋼は、900 ℃前後でのσ相の析出がなく、
しかも流動応力(変形に必要な応力)が低く、高いm値
(歪速度感受性指数)有する材料であるので、900 ℃前
後の低い温度域での超塑性加工を実現し得る。しかも、
この発明によれば、加工後の製品にはσ相がないので、
脆化,耐食性の劣化などの問題の生じない極めて実用的
な製品が得られる。従って、この発明は、鉄基超塑性材
料の適用範囲を一層拡大することに寄与し、さらにTi合
金などとの超塑性接合といった,従来は成形温度の違い
から不可能であった製造方法をも可能とするものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】歪速度感受性指数(m値)と〔Creq−Nieq〕と
の関係を示すグラフである。
の関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小出 信也 神奈川県川崎市川崎区小島町4番2号 日本冶金工業株式会社 研究開発本部 技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭54−46117(JP,A) 特開 昭60−262946(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】 C:0.05wt%以下、 Si:1.5 wt%以下、 Mn:3.0 wt%以下、 Cr:17.0〜26.0wt%、 Ni:3.0 〜10.0wt%、 Cu: 0.1〜 1.0wt%、 N:0.08〜0.20wt%、 S:0.002 wt%以下及びMo:0.1 〜2.0 wt% を含み、かつCr,Ni,Mo,Si,C,Mn,Cu,Nの各含有
量は、下記式(1) で定義されるCr eq と、下記式(2) で定
義されるNi eq との差(Cr eq −Ni eq )が、12.0〜17.0を満
足するように含有し、残部はFe及び不可避的不純物から
なる超塑性2相ステンレス鋼。 記 Cr eq =Cr+Mo+1.5Si …(1) Ni eq =Ni+30C+0.5Mn +0.5Cu +20N …(2) - 【請求項2】 C:0.05wt%以下、 Si:1.5 wt%以下、 Mn:3.0 wt%以下、 Cr:17.0〜26.0wt%、 Ni:3.0 〜10.0wt%、 Cu: 0.1〜 1.0wt%、 N:0.08〜0.20wt%、 S:0.002 wt%以下及びREM :0.005 〜0.05wt% を含み、かつCr,Ni,Mo,Si,C,Mn,Cu,Nの各含有
量は、下記式(1) で定義されるCr eq と、下記式(2) で定
義されるNi eq との差(Cr eq −Ni eq )が、12.0〜17.0を満
足するように含有し、残部はFe及び不可避的不純物から
なる超塑性2相ステンレス鋼。 記 Cr eq =Cr+Mo+1.5Si …(1) Ni eq =Ni+30C+0.5Mn +0.5Cu +20N …(2) - 【請求項3】 C:0.05wt%以下、 Si:1.5 wt%以下、 Mn:3.0 wt%以下、 Cr:17.0〜26.0wt%、 Ni:3.0 〜10.0wt%、 Cu: 0.1〜 1.0wt%、 N:0.08〜0.20wt%、 S:0.002 wt%以下、 Mo:0.1 〜2.0 wt%およびREM :0.005 〜0.05wt% を含み、かつ Cr,Ni,Mo,Si,C,Mn,Cu,Nの各含有
量は、下記式(1) で定義されるCreqと、下記式(2) で定
義されるNieqとの差(Creq−Nieq)が、12.0〜17.0を満
足するように含有し、残部はFe及び不可避的不純物から
なる超塑性2相ステンレス鋼。 記 Creq=Cr+Mo+1.5Si …(1) Nieq=Ni+30C+0.5Mn +0.5Cu +20N …(2)
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5185667A JP2540282B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 超塑性2相ステンレス鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5185667A JP2540282B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 超塑性2相ステンレス鋼 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0741906A JPH0741906A (ja) | 1995-02-10 |
JP2540282B2 true JP2540282B2 (ja) | 1996-10-02 |
Family
ID=16174768
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5185667A Expired - Fee Related JP2540282B2 (ja) | 1993-07-28 | 1993-07-28 | 超塑性2相ステンレス鋼 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2540282B2 (ja) |
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---|---|---|---|---|
KR100514584B1 (ko) * | 2002-11-19 | 2005-09-13 | 지 익 이 | 프리-믹스 아스콘 |
FI121340B (fi) * | 2008-12-19 | 2010-10-15 | Outokumpu Oy | Dupleksinen ruostumaton teräs |
CN102191440A (zh) * | 2011-06-01 | 2011-09-21 | 上海大学 | 一种经济型抗菌双相不锈钢及其制备方法 |
CN102251193A (zh) * | 2011-07-06 | 2011-11-23 | 上海大学 | 具有优异耐蚀性的经济型双相不锈钢及其制备方法 |
CN102251195A (zh) * | 2011-07-06 | 2011-11-23 | 上海大学 | 具有良好低温冲击韧性的经济型双相不锈钢及其制备方法 |
CN102888570A (zh) * | 2012-10-08 | 2013-01-23 | 颜重乐 | 一种用于高尔夫球头的不锈钢合金 |
TWI668040B (zh) * | 2018-08-20 | 2019-08-11 | 大田精密工業股份有限公司 | 高爾夫鐵桿頭之組成合金及其製造方法 |
WO2024106010A1 (ja) * | 2022-11-14 | 2024-05-23 | 日鉄ステンレス株式会社 | フェライト・オーステナイト系二相ステンレス鋼材 |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5446117A (en) * | 1977-09-21 | 1979-04-11 | Nippon Stainless Steel Co | Twoophase stainless steel having good hot working property |
JPS59166651A (ja) * | 1983-03-10 | 1984-09-20 | Nippon Steel Corp | 超細粒フェライト相と焼入相の二相組織からなる二相高張力熱延鋼板 |
JPS60262946A (ja) * | 1984-06-11 | 1985-12-26 | Kawasaki Steel Corp | 熱間加工性に優れた二相ステンレス鋼 |
JPH0382740A (ja) * | 1989-08-25 | 1991-04-08 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 熱間加工性と耐食性に優る2相ステンレス鋼 |
-
1993
- 1993-07-28 JP JP5185667A patent/JP2540282B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
JPH0741906A (ja) | 1995-02-10 |
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