JP2540177Y2 - 局所汚染空気の浄化装置 - Google Patents

局所汚染空気の浄化装置

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JP2540177Y2
JP2540177Y2 JP1992037084U JP3708492U JP2540177Y2 JP 2540177 Y2 JP2540177 Y2 JP 2540177Y2 JP 1992037084 U JP1992037084 U JP 1992037084U JP 3708492 U JP3708492 U JP 3708492U JP 2540177 Y2 JP2540177 Y2 JP 2540177Y2
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利雄 林
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Takasago Thermal Engineering Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は,空気汚染源からの汚染
物質,例えば喫煙者がいるときの喫煙が室内に拡散する
のを防止して室内環境を良好に維持する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】居室空気の主要な汚染源として喫煙があ
り,この対策として従来より,(1) 喫煙コーナを設け
る,(2) 喫煙ゾーンと非喫煙ゾーンを分割し,喫煙ゾー
ンの空気を集中的に排気する,(3) 換気量を増やす,
(4) エアークリーナを室内に設置する,などの処置が採
られてきた。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】前記の喫煙コーナを設
ける場合は喫煙者の移動が必要であり,喫煙行動が制限
される。この結果,作業や面談の中断が余儀なくされ
る。喫煙ゾーンを設ける場合にも程度の差はあるが,喫
煙コーナの場合と同様の問題があり,また喫煙ゾーンに
非喫煙者が入り難くなる。
【0004】他方,換気量を増やす場合には空調設備費
用が増大する。一般に室内で喫煙した場合,空気質を非
喫煙時と同等に維持しようとすると,新鮮外気量は非喫
煙時の6倍必要であるとされている。新鮮外気量の多量
の導入は空調設備の熱負荷の増大につながるし,送風動
力を増大する。また,換気を行っても,喫煙を室内に拡
散希釈するものであるから,発生源近傍の濃度は高い。
エアークリーナを取付ける場合も,拡散・希釈のために
発生源近傍の濃度は高い。
【0005】本考案はかような問題を解決しようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】 本考案によれば,空気
取入口をもつケーシング内にファンが配置され且つこの
ファンの空気吐出側に空気噴射ノズルを取付けてなる空
気エジエクタと,この空気エジエクタから離れた位置に
取付けられた空気吸込口と,この空気吸込口から空気吹
出口に通ずる空気路に介装された送風機および空気浄化
手段とからなり,該空気エジエクタが空気汚染源の近く
に置かれると共にその空気噴射ノズルから噴射する空気
ジエット流の方向が該空気吸込口の方向に向けられ,該
汚染源近傍の汚染空気を該空気吸込口に向けて該空気ジ
エット流で搬送するようにした居室内汚染空気の浄化装
置を提供する。
【0007】
【作用】空気エジエクタは,ファンの駆動によってこれ
が置かれた近傍の空気を空気取入口からケーシング内に
吸い込み,小口径の空気噴射ノズルから細い空気ジエッ
トとして高速で吹出す。ノズルから噴射する空気ジエッ
ト流はその軌跡周囲の空気を誘引しながら徐々に速度を
弱める。すなわち,空気ジエットが,この空気ジエット
が通る付近の空気を噴射方向に搬送する作用を供するの
であり,ノズルから噴射する空気量(従って空気取入口
からケーシング内に取入れられる空気量)の数倍或いは
それ以上の周囲空気を噴射方向に誘引しながら搬送す
る。
【0008】この空気ジエット流による周囲空気の搬送
作用により,このジエット流方向を空気吸込口に向けて
おけば,周囲空気は該吸込口に搬送される。したがっ
て,この空気エジエクタを空気汚染源例えば喫煙者の近
くに設置してノズル方向を空気吸込口に向けておけば,
汚染空気はジエット流によって吸込口に搬送されるので
室内への拡散が抑制される。
【0009】空気吸込口に吸い込まれた汚染空気は浄化
後再び空気吹出口から居室に吹き出される。このため,
室内の空調条件や室内圧のバランスを乱すことなく,局
所汚染空気を浄化することができる。空気吸込口と空気
吹出口との間に設ける空気浄化手段は例えばエアーフイ
ルタや活性炭フイルタを用いる。
【0010】
【実施例】図1は,本考案装置による汚染空気の搬送並
びに浄化機構の原理を示したものである。1は空気エジ
エクタを示す。これは筒状のケーシング2内にファン3
を内装しており,ファン3の吐出側に小口径の空気噴射
ノズル4を,また,ファン3の吸込側に空気取入口5を
設けた簡単なものである。6は風量調節手段(ダンパ)
を示す。
【0011】空気エジエクタ1は,ファン3を駆動する
と空気取入口5から取り入れた空気をノズル4から細い
空気ジエット流7として噴射する。この空気ジエット流
7はノズル4から遠ざかるほど速度を落とすが,十分な
運動量を有している間はジエット流7を取り巻く周囲空
気を噴射方向に誘引搬送する作用を有する。
【0012】すなわちノズル4から噴射されるよりも遙
に多い周囲空気を同伴しながら,噴射方向に移動し,こ
の移動の間に速度を落すと共にジエット流の径も拡大す
る。図1にこのジエット流の影響範囲を破線の領域8で
示した。この領域8は明確な輪郭を有するものではない
が,周囲空気を誘引搬送するゾーンを示しており,この
領域の空気が搬送されることによって,この領域の周囲
にもこの領域内に向かって流れ込もうとする気流が生じ
る。
【0013】このため,空気エジエクタ1の付近に汚染
源例えば喫煙9が存在すると,この喫煙9は領域8内に
流れ込み,ジエット流の噴射方向に搬送される。したが
ってジエット流による誘引搬送領域8の延長上に空気吸
込口10を設けると,この空気吸込口10に向かって喫煙9
が搬送される。
【0014】図1の例では,空気吸込口10は天井11に設
けられ,この空気吸込口10に吸い込まれた空気は,天井
裏に設置された空気浄化ユニット12を経て, やはり天井
11の他の箇所に設けた空気吹出口13から同じ居室に吹き
出される。空気浄化ユニット12は,ケーシング内に送風
機14と空気浄化手段 (エアーフイルタ15と活性炭フイル
タ16とからなる) を設置したものであり,ケーシングの
下方に空気吸込口10および空気吹出口13に対応する開口
を有している。
【0015】ジエット流によって空気吸込口10の近傍ま
で搬送された喫煙9は, 空気浄化ユニット12の送風機14
の稼動によってユニット12内に吸い込まれ, エアーフイ
ルタ15, 活性炭フイルタ16を経て浄化されたあと,空気
吹出口13から居室内に吹き出される。
【0016】図2は,空気エジエクタ1の一実施例を示
したものである。このエジエクタは卓上スタンド形式の
ものであり,基台18にユニバーサルジヨイント19を介し
てエジエクタ1が首振り可能に据付けられている。エジ
エクタ1はロケット形状を有しており,先端軸芯に空気
噴射ノズル4を備えている。胴部にファン3を内装して
おり,胴部下方の周面には空気取入口5を有している。
空気取入口5の外側には軸廻りに回転するガラリを有し
ており,このガラリを軸廻りに回転操作することによっ
て開口量が調節できるようになっている。ファン3は直
流モータ20を用いた小型ファンである。もちろん,これ
に変えて交流モータを使用することもできる。そのさ
い,軸流送風機の軸芯をモータコアに構成することによ
り,ファン自身をモータの一部に構成することもでき
る。
【0017】図3は,喫煙者の机上の空気エジエクタ1
を稼動している状態を示している。エジエクタ1の空気
ジエット7の方向は天井の空気吸込口10に照準を合わせ
てあり,これによって,喫煙9は前記した作用によって
空気吸込口10に向かって搬送される。本例の空気吸込口
10は,天井裏に施設した排気ダクト22に通じている。こ
の排気ダクト22は,図4に示したように,空気浄化ユニ
ット12に通じており,この空気浄化ユニット12を経た空
気は給気ダクト23を経て空気吹出口13から室内に吹き出
される。
【0018】空気浄化ユニット12は,前記のものと同様
にケーシング内に送風機14およびエアーフイルタ15およ
び活性炭フイルタ16を装着したものである。この空気浄
化ユニット12には,複数の空気吸込口10から吸い込まれ
た空気が合流して取入れられる。したがって,一基の空
気浄化ユニット12で複数箇所の局所汚染空気を処理でき
る。
【0019】なお,図3では1個の空気エジエクタを1
個の空気吹出口に照準を合わせて作動している状態を示
しているが,1個の空気吹出口に対して複数個の空気エ
ジエクタを各々照準を合わせて作動することもできる。
この場合には,複数の空気汚染源 (複数個の喫煙者) を
1個の空気吸込口で処理できる。
【0020】
【考案の効果】以上の構成になる本考案装置によれば,
汚染空気の近傍から空気吸込口に向けて汚染空気が空気
搬送されるから,室内に拡散する汚染空気の量が少なく
なる。このため,例えば喫煙者が居る場合のいわゆる受
動喫煙が防止される。非喫煙者が喫煙行動しなくても喫
煙者の煙を吸込むことにより実質的な喫煙に至る受動喫
煙が防止できることは非喫煙者にとって朗報である。
【0021】そして,本考案装置は,室内の温度や圧バ
ランスを崩すことはないので,空調に支障を与えること
はなく,既存の空調空間にそのまま適用できる。特に喫
茶室などの多数の喫煙者が存在する場合にも,喫煙者が
個別にエジエクタを操作すればよく,人員の入れ代わり
や変動に対しても個別に対応ができるという優れた効果
を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案装置による汚染空気の搬送並びに浄化機
構の原理を示した略断面図である。
【図2】本考案に従う空気エジエクタの例を示す全体図
である。
【図3】本考案装置の実施例を示す機器配置図である。
【図4】本考案に従う汚染空気の浄化処理系統を示す天
井裏装置配置図である。
【符号の説明】
1 空気エジエクタ 2 エジエクタの筒状ケーシング 3 エジエクタ内ファン 4 空気噴射ノズル 5 空気取入口 6 風量調節手段 7 ジエット流 8 ジエット流による周囲空気の誘引搬送領域 9 喫煙 10 空気吸込口 11 天井 12 空気浄化ユニット 13 空気吹出口 14 送風機 15 エアーフイルタ 16 活性炭フイルタ 22 排気ダクト 23 給気ダクト

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空気取入口をもつケーシング内にファン
    が配置され且つこのファンの空気吐出側に空気噴射ノズ
    ルを取付けてなる空気エジエクタと,この空気エジエク
    タから離れた位置に取付けられた空気吸込口と,この空
    気吸込口から空気吹出口に通ずる空気路に介装された送
    風機および空気浄化手段とからなり,該空気エジエクタ
    が空気汚染源の近くに置かれると共にその空気噴射ノズ
    ルから噴射する空気ジエット流の方向が該空気吸込口の
    方向に向けられ,該汚染源近傍の汚染空気を該空気吸込
    口に向けて該空気ジエット流で搬送するようにした居室
    内汚染空気の浄化装置。
  2. 【請求項2】 空気吸込口は天井に設けられ,単数また
    は複数個の空気エジエクタが喫煙者の卓上または机上に
    置かれる請求項1に記載の居室内汚染空気の浄化装置。
  3. 【請求項3】 空気吸込口に吸い込まれた空気は,空気
    浄化手段を経て空気吹出口から当該居室に吹き出され
    請求項1または2に記載の居室内汚染空気の浄化装
    置。
JP1992037084U 1992-05-07 1992-05-07 局所汚染空気の浄化装置 Expired - Lifetime JP2540177Y2 (ja)

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