JP2539641C - - Google Patents

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JP2539641C
JP2539641C JP2539641C JP 2539641 C JP2539641 C JP 2539641C JP 2539641 C JP2539641 C JP 2539641C
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bis
amino
dimethylphenyl
phenylamino
compounds
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三田工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明は、複写機などの画像形成装置において好適に使用される電子写真用感
光体に関する。 〈従来の技術と発明が解決しようとする問題点〉 近年、電子写真用感光体として、機能設計の自由度が大きな感光体、中でも光
照射により電荷を発生する電荷発生材料と、発生した電荷を輸送する電荷輸送材
料とを含有する感光層を備えた電子写真用感光体が提案されている。より詳細に
は、電荷発生材料と電荷輸送材料とを含有する単層型感光層を備えた感光体、例
えば、電荷発生材料としての多環式芳香族炭化水素と、電荷輸送材料としてのポ
リビニルカルバゾールとを含有する単層型感光層を有する感光体(特開昭56−
143438号公報)や、上記電荷発生材料を含有する電荷発生層と、電荷輸送
材料を含有する電荷輸送層とが積層された積層型感光層を備えた感光体、例えば
、電荷発生材料としてスクエアリン酸誘導体を含有する電荷発生層と、4,4′
−ビス[N−フェニル−N−(3−メチルフェニル)アミノ]ジフェニルなどの
ジアミン誘導体を含有する電荷輸送層とが積層された感光体(特開昭57−14
4558号公報、特開昭61−62038号公報参照)、上記電荷発生材料に代
えて、シアニン系化合物、アゾ系化合物、N,N′−ビス(2,4,6−トリメ
チルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミド、N,
N′−ジフェニルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミドや、
N,N′−ジメチルペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミドな
どのペリレン系化合物を用いた電子写真用感光体(特開昭57−144556号
公報、特開昭57−144557号公報、特開昭60−207148号公報、特
開昭61−275848号公報、特開昭61−132955号公報参照)などが
提案されている。また、上記電荷輸送材料として、4−(N,N−ジエチルアミ
ノ)ベンズアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾン、N−エチル−3−カル
バゾリルアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾンなどのヒドラゾン系化合物
や1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチルア
ミノフェニル)ピラゾリンなどのピラゾリン系化合物を使用することも提案され
ている。 上記感光体、特に積層型感光層を有する感光体は、電荷発生材料により発生さ
せる電荷発生機能と、発生した電荷を電荷輸送材料により輸送する電荷輸送機能
とが分離しているので、感度が大きく、残留電位の小さな感光体が得られるとい
う利点がある。 しかしながら、上記感光体の感光層に使用されている電荷輸送材料としてのポ
リビニルカルバゾール、前記ヒドラゾン系化合物およびピラゾリン系化合物は、
ドリフト移動度に関して大きな電界強度依存性を示すだけでなく、ドリフト移動
度が小さいため、残留電位が大きいだけでなく、感度が小さく、未だ十分な電子
写真特性を示さない。 一方、前記ジアミン誘導体は、上記電荷輸送材料よりもドリフト移動度が大き
いものの、前記ペリレン系化合物などの電荷発生材料と組合せて、単層型または
積層型感光層を形成しても、残留電位が未だ大きく感度も十分でないという問題
がある。 また、上記ヒドラゾン系化合物は、光照射により光異性化、光二量化反応など
が生じるため、光安定性が十分でなく、繰返し使用により感度が低下すると共に
、残留電位が増加するという問題がある。 〈発明の目的〉 本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、光安定性に優れるとともに
、感度が高く、しかも残留電位が小さな電子写真用感光体を提供することを目的
とする。 〈問題点を解決するための手段および作用〉 上記目的を達成するため、本発明の電子写真用感光体は、導電性基材上に感光
層が形成された感光体において、上記感光層が下記一般式(1) で表される化合物
を含有することを特徴とする。 (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なって、水素原子、低級アル
キル基またはハロゲン原子を示す。Yは、水素原子、低級アルキル基、低級アル
コキシ基またはハロゲン原子を示す。lは1〜3の整数を示す。m、n、oおよ
びpは0〜2の整数を示す。但し、R1、R2、R3およびR4は同時に水 素原子ではないものとし、水素原子でない前記R1、R2、R3およびR4のm、n
、oおよびpは、少なくとも1つが2であるものとする。) 以下に、本発明を詳細に説明する。 本発明の電子写真用感光体は、導電性基材上に上記一般式(1) で表される化合
物を含有する感光層が形成されている。 上記導電性基材は、シート状やドラム状のいずれであってもよく、基材自体が
導電性を有するか、基材の表面が導電性を有し、使用に際し十分な機械的強度を
有するものが好ましい。上記導電性基材としては、導電性を有する種々の材料が
使用でき、例えば、アルミニウム、銅、錫、白金、金、銀、バナジウム、モリブ
デン、クロム、カドミウム、チタン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステ
ンレス鋼、真鍮などの金属単体や、上記金属が蒸着または積層されたプラスチッ
ク材料、ヨウ化アルミニウム、酸化錫、酸化インジウム等で被覆されたガラス等
が例示される。上記導電性基材のうち、アルミニウム、特に、アルミニウムの結
晶粒が表面に存在せず、複写画像等において黒点やピンホール等が発生するのを
防止すると共に、上記ペリレン系化合物、ジアミン誘導体等を含有する感光層と
基材との密着性をよくするため、アルマイト処理されたアルミニウム、中でもア
ルマイト処理層の膜厚が5〜12μmであり、表面粗さが1.5S以下のアルマ
イト処理されたアルミニウムが好ましい。 上記感光層に含有される一般式(1) で表される化合物において、低級アルキル
基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、
tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル基などの炭素数1〜6のアルキル基が例示さ
れる。上記低級アルキル基のうち、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。 また、低級アルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプ
ロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシ
ルオキシ基などの炭素数1〜6のアルコキシ基が例示される。上記低級アルコキ
シ基のうち、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。 また、ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子が挙げら
れる。 なお、上記置換基R1、R2、R3およびR4は、ベンゼン環のo−位、m− 位、p−位のいずれに置換していてもよく、前記置換基Yは、ベンゼン環の適宜
の位置に置換していてもよい。 また、上記一般式(1) で表されるジアミン誘導体において、l=1のp−フェ
ニレンジアミン誘導体のうち、好ましい化合物としては、例えば、1−[N−(
3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−4−(N,N−ジフェニ
ルアミノ)ベンゼン、1−[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]
−4−(N,N−ジフェニルアミノ)ベンゼン、1,4−ビス[N−(2,4−
ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビス[N−(2
,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビス[N
−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビ
ス[N,N−ビス(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]ベンゼン、1−[N,
N−ジ(2,4−ジメチルフェニル)アミノ]−4−[N,N−ジ(2,6−ジ
メチルフェニル)アミノ]ベンゼン、1−[N,N−ジ(2,4−ジメチルフェ
ニル)アミノ]−4−[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]ベン
ゼン、1−[N,N−ジ(2,6−ジメチルフェニル)アミノ]−4−[N,N
−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]ベンゼン、1−[N,N−ジ(3,
5−ジメチルフェニル)アミノ]−4−(N,N−ジフェニルアミノ)−2−メ
チルベンゼン、1,4−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]−2−メチルベンゼン、1,4−ビス[N,N−ビス(3,5−ジメ
チルフェニル)アミノ]−2−メチルベンゼン、1,4−ビス[N−(3,5−
ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−2−メトキシベンゼン、1,4−
ビス[N,N−ビス(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]−2−メトキシベン
ゼン、1,4−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ
]−2−クロロベンゼン、1,4−ビス[N,N−ビス(3,5−ジメチルフェ
ニル)アミノ]−2−クロロベンゼン、1,4−ビス[N−(3,5−ジメチル
フェニル)−N−フェニルアミノ]−2−ブロモベンゼン、1,4−ビス[N−
(2,4−ジエチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビス
[N−(3,5−ジエチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4
−ビス[N,N−ビス(3,5−ジエチルフェニル)アミノ]ベンゼン、1,4 −ビス[N−(3,5−ジプロピルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン
、1,4−ビス[N,N−ビス(3,5−ジプロピルフェニル)アミノ]ベンゼ
ン、1−[N,N−ジ(3,5−ジイソプロピルフェニル)アミノ]−4−(N
,N−ジフェニルアミノ)ベンゼン、1,4−ビス[N−(3,5−ジイソプロ
ピルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビス[N,N−ビス
(3,5−ジイソプロピルフェニル)アミノ]ベンゼン、1,4−ビス[N−(
3,5−ジブチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビス[
N,N−ビス(3,5−ジブチルフェニル)アミノ]ベンゼン、1,4−ビス[
N−(3,5−ジイソブチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,
4−ビス[N,N−ビス(3,5−ジイソブチルフェニル)アミノ]ベンゼン、
1−[N,N−ジ(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ]−4−(N,
N−ジフェニルアミノ)ベンゼン、1,4−ビス[N−(3,5−ジ−tert−ブ
チルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビス[N,N−ビス
(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ]ベンゼン、1−[N−(3,5
−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−4−[N−(3,5−ジエチル
フェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1−[N,N−ジ(3,5−ジメ
チルフェニル)アミノ]−4−[N,N−ジ(3,5−ジエチルフェニル)アミ
ノ]ベンゼン、1−[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ
]−4−[N−(3,5−ジイソプロピルフェニル)−N−フェニルアミノ]ベ
ンゼン、1−[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]−4−[N,
N−ジ(3,5−ジイソプロピルフェニル)アミノ]ベンゼン、1−[N−(3
,5−ジクロロフェニル)−N−フェニルアミノ]−4−(N,N−ジフェニル
アミノ)ベンゼン、1−[N,N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]−
4−(N,N−ジフェニルアミノ)ベンゼン、1,4−ビス[N−(2,4−ジ
クロロフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビス[N−(2,
6−ジクロロフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1,4−ビス[N−
(3,5−ジクロロフェニル)−N−フェニルアミノ]ベンゼン、1−[N,N
−ジ(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−4−[N,N−ジ(2,6−ジク
ロロフェニル)アミノ]ベンゼン、1−[N,N−ジ(2,4−ジクロロフェニ ル)アミノ]−4−[N,N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]ベンゼ
ン、1−[N,N−ジ(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]−4−[N,N−
ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]ベンゼン、1,4−ビス[N−(3,
5−ジクロロフェニル)−N−フェニルアミノ]−2−クロロベンゼン、1,4
−ビス[N,N−ビス(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]−2−クロロベン
ゼン、1,4−ビス[N−(3,5−ジブロモフェニル)−N−フェニルアミノ
]ベンゼン、1,4−ビス[N,N−ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミノ
]ベンゼンなどが例示される。 また、l=2のベンジジン誘導体のうち、好ましい化合物としては、例えば、
4−[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−4′−(N
,N−ジフェニルアミノ)ジフェニル、4−[N,N−ジ(3,5−ジメチルフ
ェニル)アミノ]−4′−(N,N−ジフェニルアミノ)ジフェニル、4,4′
−ビス[N−(2,4−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ジフェニル
、4,4′−ビス[N−(2,6−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]
ジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ジフェニル、4−[N,N−ジ(2,4−ジメチルフェニル)アミノ
]−4′−[N,N−ジ(2,6−ジメチルフェニル)アミノ]ジフェニル、4
−[N,N−ジ(2,4−ジメチルフェニル)アミノ]−4′−[N,N−ジ(
3,5−ジメチルフェニル)アミノ]ジフェニル、4−[N,N−ジ(2,6−
ジメチルフェニル)アミノ]−4′−[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル
)アミノ]ジフェニル、4−[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]−4′−(N,N−ジフェニルアミノ)−2,2’−ジメチルジフェ
ニル、4−[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]−4′−(N,
N−ジフェニルアミノ)−2,2′−ジメチルジフェニル、4,4′−ビス[N
−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−2,2′−ジメチル
ジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]−3,3′−ジメチルジフェニル、4,4′−ビス[N,N−ジ(3
,5−ジメチルフェニル)アミノ]−2,2’−ジメチルジフェニル、4,4′
−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−2,2′ −ジメトキシジフェニル、4,4′−ビス[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェ
ニル)アミノ]−2,2′−ジメトキシジフェニル、4,4′−ビス[N−(3
,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−2,2′−ジクロロジフェ
ニル、4,4′−ビス[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]−2
,2′−ジクロロジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−ジエチルフェニ
ル)−N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N,N−ジ(3,5
−ジエチルフェニル)アミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−ジ
プロピルフェニル)−N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N,
N−ジ(3,5−ジプロピルフェニル)アミノ]ジフェニル、4−[N,N−ジ
(3,5−ジイソプロピルフェニル)アミノ]−4′−(N,N−ジフェニルア
ミノ)ジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−ジイソプロピルフェニル)
−N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N,N−ジ(3,5−ジ
イソプロピルフェニル)アミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−
ジブチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N,
N−ジ(3,5−ジブチルフェニル)アミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N
−(3,5−ジイソブチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,
4′−ビス[N,N−ジ(3,5−ジイソブチルフェニル)アミノ]ジフェニル
、4−[N,N−ジ(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ]−4′−(
N,N−ジフェニルアミノ)ジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−ジ−
tert−ブチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[
N,N−ジ(3,5−ジ−tert−ブチルフェニル)アミノ]ジフェニル、4−[
N,N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]−4′−(N,N−ジフェニ
ルアミノ)ジフェニル、4,4′−ビス[N−(2,4−ジクロロフェニル)−
N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N−(2,6−ジクロロフ
ェニル)−N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−
ジクロロフェニル)−N−フェニルアミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N,
N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]ジフェニル、4−[N,N−ジ(
2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−4′−[N,N−ジ(2,6−ジクロロ
フェニル)アミノ]ジフェニル、4−[N,N−ジ(2,4−ジクロロフェニル )アミノ]−4′−[N,N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]ジフェ
ニル、4−[N,N−ジ(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]−4′−[N,
N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]ジフェニル、4−[N,N−ジ(
3,5−ジブロモフェニル)アミノ]−4′−(N,N−ジフェニルアミノ)ジ
フェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−ジブロモフェニル)−N−フェニル
アミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N,N−ジ(3,5−ジブロモフェニル
)アミノ]ジフェニル、4,4′−ビス[N−(3,5−ジクロロフェニル)−
N−フェニルアミノ]−2,2′−ジクロロジフェニル、4,4′−ビス[N,
N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]−2,2′−ジクロロジフェニル
などが例示される。 また、l=3の4,4″−テルフェニルジアミン誘導体のうち、好ましい化合
物としては、例えば、4−[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニル
アミノ]−4″−(N,N−ジフェニルアミノ)−1,1′:4′,1″−テル
フェニル、4−[N,N−ビス(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]−4″−
(N,N−ジフェニルアミノ)−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4
″−ビス[N−(2,4−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−1,1
′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N−(2,6−ジメチルフェ
ニル)−N−フェニルアミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4
″−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−1,1
′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N,N−ジ(3,5−ジメチ
ルフェニル)アミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4−[N,N−
ジ(2,4−ジメチルフェニル)アミノ]−4″−[N,N−ジ(2,6−ジメ
チルフェニル)アミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4−[N,N
−ジ(2,4−ジメチルフェニル)アミノ]−4″−[N,N−ジ(3,5−ジ
メチルフェニル)アミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4−[N,
N−ジ(2,6−ジメチルフェニル)アミノ]−4″−[N,N−ジ(3,5−
ジメチルフェニル)アミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4″
−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−(3,5−ジエチルフェニル
)アミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N−(3 ,5−ジメチルフェニル)−N−(3,5−ジイソプロピルフェニル)アミノ]
−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N−(3,5−ジメ
チルフェニル)−N−フェニルアミノ]−3,3″−ジメチル−1,1′:4′
,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−
N−フェニルアミノ]−3,3′,3″−トリメチル−1,1′:4’,1″−
テルフェニル、4,4″−ビス[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミ
ノ]−3,3′,3″−トリメチル−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4
,4″−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−3
,3′3″−トリメトキシ−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−
ビス[N,N−ジ(3,5−ジメチルフェニル)アミノ]−3,3″−ジメトキ
シ−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N−(3,5−ジ
メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]−3,3′,3″−トリクロロ−1,
1′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N,N−ジ(3,5−ジメ
チルフェニル)アミノ]−3,3′,3″−トリクロロ−1,1′:4′,1″
−テルフェニル、4,4″−ビス[N−(2,4−ジクロロフェニル)−N−フ
ェニルアミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N−
(2,6−ジクロロフェニル)−N−フェニルアミノ]−1,1′:4′,1″
−テルフェニル、4,4″−ビス[N−(3,5−ジクロロフェニル)−N−フ
ェニルアミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニル、4,4″−ビス[N,
N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]−1,1′:4′,1″−テルフ
ェニル、4−[N,N−ジ(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−4″−[N
,N−ジ(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]−1,1′:4’,1″−テル
フェニル、4−[N,N−ジ(2,4−ジクロロフェニル)アミノ]−4″−[
N,N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]−1,1′:4’,1″−テ
ルフェニル、4−[N,N−ジ(2,6−ジクロロフェニル)アミノ]−4″−
[N,N−ジ(3,5−ジクロロフェニル)アミノ]−1,1′:4′,1″−
テルフェニルなどが例示される。 上記ジアミン誘導体は一種または二種以上混合して用いられる。なお、上記ジ
アミン誘導体は、分子の対称性がよく、従来の4−(N,N−ジエチルアミノ) ベンズアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾンや、N−メチル−3−カルバ
ゾリルアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾンなどのように光照射により異
性化反応などが生じず、光安定性に優れているだけでなく、ドリフト移動度が大
きく、しかもドリフト移動度に関する電界強度依存性が小さい。より具体的には
、4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]
ジフェニル(化合物A)を例にとって説明すると、電界として2.0×105
/cm2(低電界)および5.0×105V/cm2(高電界)を作用させた場合
、従来の電荷輸送材料、例えば、ポリビニルカルバゾール(化合物B)、N−エ
チル−3−カルバゾリルアルデヒド N,N−ジフェニルヒドラゾン(化合物C
)や、1−フェニル−3−(4−ジエチルアミノスチリル)−5−(4−ジエチ
ルアミノフェニル)ピラゾリン(化合物D)に比べて、下表に示すようにドリフ
ト移動度が大きく電界強度依存性が小さい。 感光層が、上記のような特性を有するジアミン誘導体を含有するので、高感度
で残留電位の小さな感光体が得られる。 なお、上記一般式(1) で表される化合物は、種々の方法、例えば、下記一般式
(2) で表される化合物と一般式(3) 〜(6) で表される化合物とを同時または順次
反応させることにより製造することができる。 (式中、R1、R2、R3、R4、Y、l、m、n、oおよびpは前記に同じ。Xは
ハロゲン原子を示す。) 上記一般式(2) で表される化合物と一般式(3) 〜(6) で表される化合物との反
応は、通常有機溶媒中で行われ、溶媒としてはこの反応に悪影響を及ぼさない溶
媒であればいずれの溶媒も使用でき、例えば、ニトロベンゼン、ジクロロベンゼ
ン、キノリン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、ジメチ
ルスルホキシドなどの有機溶媒が例示される。該反応は、通常、銅粉、酸化銅、
ハロゲン化銅などの触媒、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム
、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの塩基性物質の存
在下、150〜250℃の温度で行なわれる。 また、一般式(1) で表される化合物において、置換基R1、R2、R3およびR4
の置換位置などが制御されているとともに、対称構造を有する化合物は、例えば
、下記一般式(7) で表される化合物と一般式(3)(5)で表される化合物との反応に
より一般式(8) で表される化合物を得た後、次いで、一般式(8) で表される化合
物を加水分解して脱アシル化し、一般式(9) で表される化合物を得た後、さらに
一般式(4)(6)で表される化合物と反応させることにより製造することができる。 (式中、R5およびR6は低級アルキル基を示し、R1、R2、R3、R4、Y 、l、m、n、oおよびpは前記に同じ。Xはハロゲン原子を示す。) 上記一般式(7) で表される化合物と一般式(3)(5)で表される化合物との反応は
、前記一般式(2) で表される化合物と一般式(3) 〜(6) で表される化合物との反
応と同様にして行なうことができる。一般式(8) で表される化合物の脱アシル化
反応は、塩基性触媒の存在下、常法により行なうことができる。また、上記一般
式(9) で表される化合物と一般式(4)(6)で表される化合物との反応は、前記一般
式(2) で表される化合物と一般式(3) 〜(6) で表される化合物との反応と同様に
行なうことができる。 反応終了後、反応混合物を濃縮し、再結晶、溶媒抽出、カラムクロマトグラフ
ィー等の慣用の手段で容易に分離精製することができる。 前記一般式(1) で表される化合物を含有する感光層としては、電荷発生材料と
上記一般式(1) の化合物と結着樹脂とを含有する単層型感光層や、少なくとも電
荷発生材料を含有する電荷発生層と、上記一般式(1) で表される化合物と結着樹
脂とを含有する電荷輸送材料とが積層された積層型感光層のいずれであってもよ
い。また、上記積層型感光層は、電荷発生層上に電荷輸送層が形成されていたり
、これとは逆に電荷輸送層上に電荷発生層が形成されていてもよい。 上記電荷発生材料としては、例えば、セレン、セレン−テルル、アモルファス
シリコン、ピリリウム塩、アゾ系化合物、ジスアゾ系化合物、フタロシアニン系
化合物、アンサンスロン系化合物、ペリレン系化合物、インジゴ系化合物、トリ
フェニルメタン系化合物、スレン系化合物、トルイジン系化合物、ピラゾリン系
化合物、他のペリレン系化合物、キナクリドン系化合物等が例示される。上記電
荷発生材料は、一種または二種以上使用される。 なお、上記電荷発生材料は、適宜選択することができるが、分光感度を高める
ため、フタロシアニン系化合物、例えば、α型、β型、γ型など、種々の結晶型
を有するアルミニウムフタロシアニン、銅フタロシアニン、中でもメタルフリー
フタロシアニンおよび/またはチタニルフタロシアニンを含有するものが好まし
い。上記フタロシアニン系化合物は、適宜の粒径を有していてもよいが、平均粒
径0.1μm以下のものが好ましい。メタルフリーフタロシアニンの平均粒径が
0.1μmを越えると感光体の感度が低下する。 また、上記結着樹脂としては、種々のもの、例えば、スチレン系重合体、アク
リル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチレン、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、塩素化ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等のオレ
フィン系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエス
テル、アルキッド樹脂、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボ
ネート、ポリアリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン
樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノール
樹脂や、エポキシアクリレート等の光硬化型樹脂等、各種の重合体が例示される
。上記結着樹脂は一種または二種以上用いられる。 なお、前記のように一般式(1) で表される化合物は、電荷の輸送性に優れ、高
感度で残留電位が小さな感光体が得られるが、必要に応じて、帯電特性、感光特
性などを阻害しない範囲で、他の電荷輸送材料と併用してもよい。上記他の電荷
輸送材料としては、例えば、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−
9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物、2,4,8−トリニトロチオキサ
ントン、ジニトロアントラセン等のニトロ化化合物、無水コハク酸、無水マレイ
ン酸、ジブロモ無水マレイン酸、2,5−ジ(4−ジメチルアミノフェニル)−
1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾール系化合物、9−(4−ジエ
チルアミノスチリル)アントラセン等のスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾ
ール等のカルバゾール系化合物、1−フェニル−3−(p−ジメチルアミノフェ
ニル)ピラゾリン等のピラゾリン系化合物、インドール系化合物、オキサゾール
系化合物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、チアジアゾール系
化合物、イミダゾール系化合物、ピラゾール系化合物、トリアゾール系化合物等
の含窒素環式化合物、縮合多環族化合物等が例示される。なお、前記電荷輸送材
料としての光導電性ポリマー、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾール等は結着
樹脂として使用してもよい。 また、感光層は、ターフェニル、ハロナフトキノン類、アセナフチレン等、従
来公知の増感剤、9−(N,N−ジフェニルヒドラジノ)フルオレン、9−カル
バゾリルイミノフルオレンなどのフルオレン系化合物、可塑剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤などの劣化防止剤等、種々の添加剤を含有していてもよい。 前記単層型感光層における電荷発生材料と一般式(1) で表される化合物と結着
樹脂との使用割合は、特に限定されず、所望する電子写真用感光体の特性等に応
じて適宜選択することができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷発生材料
2〜20重量部、特に3〜15重量部、一般式 で表される化合物40〜200
重量部、特に50〜100重量部からなるものが好ましい。電荷発生材料および
一般式(1) で表される化合物が上記量よりも少ないと、感光体の感度が十分でな
いばかりか、残留電位が大きくなる。また上記範囲を越えると感光体の耐摩耗性
等が十分でなくなる。 なお、単層型感光層において、前記フタロシアニン系化合物は適宜量含有され
るが、上記結着樹脂100重量部に対して0〜2重量部含有されたものが好まし
い。フタロシアニン系化合物の量が2重量部を越えると、上記フタロシアニン系
化合物が長波長領域に分光感度を有するため、赤色再現性が十分でなくなる。 単層型感光層は、適宜の厚みを有していてもよいが、10〜50μm、特に1
5〜25μmの厚みを有するものが好ましい。 また、積層型感光層における電荷発生層は、前記電荷発生材料からなる蒸着膜
、スパッタリング膜などで形成されていてもよく、電荷発生層が結着樹脂ととも
に形成されている場合、電荷発生層における電荷発生材料と結着樹脂との割合は
適宜設定することができるが、結着樹脂100重量部に対して電荷発生材料5〜
5000重量部、特に10〜2500重量部からなるものが好ましい。電荷発生
材料が5重量部未満であると電荷発生能が小さく、5000重量部を越えると密
着性が低下する等の問題がある。上記電荷発生層は、適宜の厚みを有していても
よいが、0.01〜30μm、特に0.1〜20μm程度の厚みを有するものが
好ましい。 また、電荷輸送層における一般式(1) で表される化合物と結着樹脂との割合は
適宜設定することができるが、結着樹脂100重量部に対して、一般式(1) で表
される化合物10〜500重量部、特に25〜200重量部からなるものが好ま
しい。一般式(1) で表される化合物が、10重量部未満であると電荷輸送能が十
分でなく、500重量部を越えると電荷輸送層の機械的強度等が低下する。上記
電荷輸送層は、適宜の厚みを有していてもよいが、2〜100μm、特に5〜3 0μm程度の厚みを有するものが好ましい。 上記単層型感光層は、電荷発生材料と一般式(1) で表される化合物と結着樹脂
などを含有する感光層用分散液を調製し、該分散液を前記導電性基材に塗布し、
乾燥させることにより形成することができる。また、積層型感光層は、電荷発生
材料と結着樹脂などを含有する電荷発生層用分散液と、前記一般式(1) で表され
る化合物と結着樹脂などを含有する電荷輸送層用塗布液をそれぞれ調製し、導電
性基材に順次塗布し、乾燥させることにより形成することができる。 また、上記分散液などの調製に際しては、使用される結着樹脂等の種類に応じ
て種々の有機溶剤を使用することができる。上記溶剤としては、n−ヘキサン、
オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族系炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テト
ラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジ
エチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸
メチル等のエステル類、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等、種々
の溶剤が例示され、一種または二種以上混合して用いられる。なお、上記分散液
などを調製する際、分散性、塗工性等をよくするため、界面活性剤、レベリング
剤等を併用してもよい。 また、上記分散液などは、従来慣用の方法、例えば、ミキサ、ボールミル、ペ
イントシェーカー、サンドミル、アトライター、超音波分散器等を用いて調製す
ることができ、得られた分散液などを前記導電性基材に塗布し、加熱して溶剤を
除去することにより、本発明の電子写真用感光体を得ることができる。 なお、前記導電性基材と感光層との密着性を高めるため、導電性基材と感光層
との間に下引き層を形成してもよい。該下引き層は、天然または合成高分子を含
有する溶液を塗布し、乾燥後の膜厚が0.01〜1μm程度になるように形成さ
れる。また、前記感光層を保護するため、感光層上に表面保護層を形成してもよ
い。前記表面保護層は、前記種々の結着樹脂や、該結着樹脂と劣化防止剤等の添
加剤との混合液を通常、乾燥後の膜厚0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5 μm程度に塗布することにより形成される。 本発明の電子写真用感光体は、感光層が、前記一般式(1) で表される化合物を
含有しているため、光安定性に優れると共に、感度および表面電位が高く、しか
も残留電位が小さい。従って、本発明の電子写真用感光体は、複写機、レーザビ
ームプリンターなどで使用される感光体として有用である。 〈実施例〉 以下に、実施例に基づき、この発明をより詳細に説明する。 実施例1 ポリビニルブチラール(積水化学社製、商品名エスレックC)140重量部に
対して、β型メタルフリーフタロシアニン70重量部およびベンゼン700重量
部をボールミルに仕込み、24時間混合分散して電荷発生層用分散液を調製した
。上記電荷発生層用分散液をアルマイト処理されたアルミニウム板上に塗布し、
膜厚約0.5μmの電荷発生層を形成した。 また、ポリエステル(東洋紡社製、商品名バイロン200)100重量部に対
して、4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニル70重量部およびテトラヒドロフラン800重量部を用い、撹拌
混合して、電荷輸送層用塗布液を調製し、上記電荷発生層上に塗布し、膜厚約1
8μmの電荷輸送層を形成することにより、積層型感光層を有する電子写真用感
光体を作製した。 実施例2 実施例1の4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニルに代えて、4,4′−ビス[N−(3,5−ジクロロフェ
ニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルを用い、上記実施例1と同様にして電
子写真用感光体を作製した。 実施例3 実施例1の4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニルに代えて、4,4′−ビス[N,N−ジ(3,5−ジメチ
ルフェニル)アミノ]ビフェニルを用い、上記実施例1と同様にして電子写真用
感光体を作製した。 実施例4 実施例1の4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニルに代えて、4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェ
ニル)−N−(3−メチルフェニル)アミノ]ビフェニルを用い、上記実施例1
と同様にして電子写真用感光体を作製した。 実施例5 実施例1の4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニルに代えて、4−[N−(2,4−ジメチルフェニル)−N
−フェニルアミノ]−4′−[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニルを用い、上記実施例1と同様にして電子写真用感光体を作
製した。 実施例6 実施例1の4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニルに代えて、1,4−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニ
ル)−N−フェニルアミノ]ベンゼンを用い、上記実施例1と同様にして電子写
真用感光体を作製した。 実施例7 実施例1の4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニルに代えて、4,4″−ビス[N−(3,5−ジメチルフェ
ニル)−N−フェニルアミノ]−1,1′:4′,1″−テルフェニルを用い、
上記実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。 実施例8 実施例1のβ型メタルフリーフタロシアニンに代えて、ジブロモアンサンスロ
ンを用い、上記実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。 実施例9 実施例1のβ型メタルフリーフタロシアニンに代えて、N,N′−ジ(4−メ
チルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミドを用い、
上記実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。 比較例1 実施例1の4,4′−ビス[N−(3,5−ジメチルフェニル)−N−フェニ
ルアミノ]ビフェニルに代えて、4−(N,N−ジエチルアミノ)ベンズアルデ
ヒド N,N−ジフェニルヒドラゾンを用いて、上記実施例1と同様にして積層
型感光層を有する電子写真用感光体を作製した。 比較例2 実施例1のβ型メタルフリーフタロシアニンおよび4,4′−ビス[N−(3
,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代えて、N,N
−ジ(4−メチルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイ
ミドおよびN−エチル−3−カルバゾリルアルデヒド N,N−ジフェニルヒド
ラゾンを用いて、上記実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製した。 比較例3 実施例1のβ型メタルフリーフタロシアニンおよび4,4′−ビス[N−(3
,5−ジメチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニルに代えて、N,N
′−ジ(4−メチルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジ
イミドおよび4,4′−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミ
ノ]ビフェニルを用いて、上記実施例1と同様にして電子写真用感光体を作製し
た。 比較例4 比較例3のN,N’−ジ(4−メチルフェニル)ペリレン−3,4,9,10−
テトラカルボキシジイミドに代えて、N,N′−ジ(2,4,6−トリメチルフ
ェニル)ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボキシジイミドを用いて、上記
比較例3と同様にして電子写真用感光体を作製した。 そして、上記実施例および比較例で得られた電子写真用感光体の帯電特性、感
光特性を調べるため、静電複写紙試験装置(川口電機社製、SP−428型)を
用いて、−6.0KVの条件でコロナ放電を行なうことにより、前記各実施例お
よび比較例の電子写真用感光体を帯電させた。 なお、各感光体の表面電位Vs.p.(V) を測定すると共に、照度10ルックスの
タングステンランプを用いて、感光体表面を露光し、上記表面電位Vs.p.が 1/2
となるまでの時間を求め、半減露光量E1/2(μJ/cm2)を算出した。また 、露光後、0.15秒経過後の表面電位を残留電位Vr.p.(V) とした。 上記実施例および比較例で得られた各電子写真用感光体の帯電特性、感光特性
の結果を表1に示す。 表1から明らかなように、各比較例の感光体は、いずれも感度が十分でなく、
残留電位が高いものであった。 これに対して、各実施例の電子写真用感光体は、いずれも半減露光量が小さく
、感度がよいと共に、残留電位が小さいことが判明した。 また、光照射による感光体の特性の変化を調べるため、上記実施例1および9
、比較例1および2の電子写真用感光体を、照度1000ルックスの光源で5分間光
照射した後、上記各感光体の特性を上記と同様にして調べ、当初の特性との差を
求めたところ、表2に示す結果を得た。 上記表2より明らかなように、比較例1および2の電子写真用感光体は、光照
射により、表面電位、残留電位が著しく大きくなるだけでなく、感度が大きく低
下し、繰返し特性が十分でないことが判明した。 これに対して、実施例1および9の感光体は、光照射しても、帯電特性、感度
特性の変化が少なく、繰返し使用したときでも、安定した特性を示すことが判明
した。 〈発明の効果〉 以上のように、本発明の電子写真用感光体によれば、感光層が、特定のジアミ
ン誘導体を含有しているので、光安定性に優れると共に、感度および表面電位が
高く、しかも残留電位が小さいという特有の効果を奏する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.導電性基材上に感光層が形成された感光体において、上記感光層が下記一
    般式(1) で表される化合物を含有することを特徴とする電子写真用感光体。 (式中、R1、R2、R3およびR4は、同一または異なって、水素原子、低級アル
    キル基またはハロゲン原子を示す。Yは、水素原子、低級アルキル基、低級アル
    コキシ基またはハロゲン原子を示す。lは1〜3の整数を示す。m、n、oおよ
    びpは0〜2の整数を示す。但し、R1、R2、R3およびR4は同時に水素原子で
    はないものとし、水素原子でない前記R1、R2、R3およびR4のm、n、oおよ
    びpは、少なくとも1つが2であるものとする。) 2.R1、R2、R3およびR4が、同一または異なって、炭素数1〜4のアルキ
    基またはハロゲン原子である上記特許請求の範囲第1項記載の電子写真用感光
    体。 3.Yが、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハ
    ロゲン原子である上記特許請求の範囲第1項記載の電子写真用感光体。 4.感光層が、メタルフリーフタロシアニンまたはチタニルフタロシアニンを
    含有する上記特許請求の範囲第1項記載の電子写真用感光体。

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