JP2538355B2 - 燃料油用流動性向上剤および燃料油組成物 - Google Patents
燃料油用流動性向上剤および燃料油組成物Info
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- JP2538355B2 JP2538355B2 JP1299927A JP29992789A JP2538355B2 JP 2538355 B2 JP2538355 B2 JP 2538355B2 JP 1299927 A JP1299927 A JP 1299927A JP 29992789 A JP29992789 A JP 29992789A JP 2538355 B2 JP2538355 B2 JP 2538355B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、石油留出燃料油用低温流動性向上剤および
燃料油組成物に関する。さらに詳しくは、石油留出燃料
油の低温での流動特性を改良するための効果的な流動性
向上剤および燃料油組成物に関するものである。
燃料油組成物に関する。さらに詳しくは、石油留出燃料
油の低温での流動特性を改良するための効果的な流動性
向上剤および燃料油組成物に関するものである。
[従来の技術] 燃料油用流動性向上剤および燃料組成物として、塩素
化パラフィン−ナフタレン宿合物,ポリアクリレート,
ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体など種々
の流動性向上剤が開発されており、特にエチレン−酢酸
ビニル共重合体が有効であり数多く開発されている(例
えば、特公昭39−20069号公報および特公昭48−23165号
公報)。
化パラフィン−ナフタレン宿合物,ポリアクリレート,
ポリエチレン,エチレン−酢酸ビニル共重合体など種々
の流動性向上剤が開発されており、特にエチレン−酢酸
ビニル共重合体が有効であり数多く開発されている(例
えば、特公昭39−20069号公報および特公昭48−23165号
公報)。
[発明が解決しようとする課題] しかし、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、その構造
(エチレン−カルボン酸ビニル共重合比率,分子量,分
子量分布,メチル分岐度など)により燃料油の低温流動
性向上能が異なり、開発されている向上剤は性能が不十
分である。さらには向上剤を添加した燃料油において析
出ワックスの分散性が悪く、フィルターの通油性も良く
ない。
(エチレン−カルボン酸ビニル共重合比率,分子量,分
子量分布,メチル分岐度など)により燃料油の低温流動
性向上能が異なり、開発されている向上剤は性能が不十
分である。さらには向上剤を添加した燃料油において析
出ワックスの分散性が悪く、フィルターの通油性も良く
ない。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、燃料油の低温での流動性向上効果が十
分であり、かつワックスの分散性およびフィルター通油
性が良好な向上剤および組成物について鋭意検討した結
果本発明に至った。すなわち本発明は、エチレンとカル
ボン酸ビニルエステルを含み、共重合体(A)の重量に
基づいてエチレンの含有量が85〜68%、カルボン酸ビニ
ルエステル含量が15〜32%であり、かつ数平均分子量が
500〜4000であり、エステル基のメチル基以外にエチレ
ン鎖のメチレン基100個当り4.5〜6.5個のメチル末端側
鎖を有する共重合体(A)と、エチレン−カルボン酸ビ
ニルエステル共重合体の不飽和ジカルボン酸エステル付
加物(B)を併用してなることを特徴とする石油留出燃
料油用低温流動性向上剤;並びに請求項1〜4のいずれ
か記載の向上剤を燃料油に対して0.005〜0.5重量%含有
してなる燃料油組成物である。
分であり、かつワックスの分散性およびフィルター通油
性が良好な向上剤および組成物について鋭意検討した結
果本発明に至った。すなわち本発明は、エチレンとカル
ボン酸ビニルエステルを含み、共重合体(A)の重量に
基づいてエチレンの含有量が85〜68%、カルボン酸ビニ
ルエステル含量が15〜32%であり、かつ数平均分子量が
500〜4000であり、エステル基のメチル基以外にエチレ
ン鎖のメチレン基100個当り4.5〜6.5個のメチル末端側
鎖を有する共重合体(A)と、エチレン−カルボン酸ビ
ニルエステル共重合体の不飽和ジカルボン酸エステル付
加物(B)を併用してなることを特徴とする石油留出燃
料油用低温流動性向上剤;並びに請求項1〜4のいずれ
か記載の向上剤を燃料油に対して0.005〜0.5重量%含有
してなる燃料油組成物である。
本発明に用いられる共重合体(A)において、カルボ
ン酸ビニルエステルとしては、C1〜C4の短鎖脂肪酸ビニ
ル(酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,酪酸ビニルな
ど)、C5以上好ましくはC5〜C20の長鎖脂肪酸ビニル
(ラウリン酸ビニル,ミリスチン酸ビニル,ステアリン
酸ビニル,パルミチン酸ビニルなど)、芳香核置換脂肪
酸ビニル(フェニル酢酸ビニルなど)、芳香族モノカル
ボン酸ビニル(安息香酸ビニルなど)およびこれらの2
種以上の混合物が挙げられる。
ン酸ビニルエステルとしては、C1〜C4の短鎖脂肪酸ビニ
ル(酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル,酪酸ビニルな
ど)、C5以上好ましくはC5〜C20の長鎖脂肪酸ビニル
(ラウリン酸ビニル,ミリスチン酸ビニル,ステアリン
酸ビニル,パルミチン酸ビニルなど)、芳香核置換脂肪
酸ビニル(フェニル酢酸ビニルなど)、芳香族モノカル
ボン酸ビニル(安息香酸ビニルなど)およびこれらの2
種以上の混合物が挙げられる。
これらのうち、好ましいものは物性,性能などを考慮
すると短鎖脂肪酸ビニルであり、とくに好ましいものは
酢酸ビニルである。
すると短鎖脂肪酸ビニルであり、とくに好ましいものは
酢酸ビニルである。
共重合体(A)において、共重合体(A)の重量に基
づいてカルボン酸ビニルエステル含量は、15〜32%、好
ましくは20〜30%である。カルボン酸ビニルエステル含
量が15%未満、32%より大きいと流動性向上性能が不十
分である。エチレンの含量は通常85〜68%、好ましくは
80〜70%である。
づいてカルボン酸ビニルエステル含量は、15〜32%、好
ましくは20〜30%である。カルボン酸ビニルエステル含
量が15%未満、32%より大きいと流動性向上性能が不十
分である。エチレンの含量は通常85〜68%、好ましくは
80〜70%である。
共重合体(A)のエステル基のメチル基以外にエチレ
ン鎖のメチレン基100個当り4.5〜6.5個、好ましくは5
〜6個のメチル末端側鎖を有する。メチル末端側鎖が4.
5個未満、6.5個より多いと流動性向上性能が不十分であ
る。
ン鎖のメチレン基100個当り4.5〜6.5個、好ましくは5
〜6個のメチル末端側鎖を有する。メチル末端側鎖が4.
5個未満、6.5個より多いと流動性向上性能が不十分であ
る。
共重合体(A)の数平均分子量は500〜4000、好まし
くは1000〜3000である。数平均分子量が500未満または4
000より大きいと流動性向上性能が不十分である。
くは1000〜3000である。数平均分子量が500未満または4
000より大きいと流動性向上性能が不十分である。
上記のカルボン酸ビニルエステル含量およびメチル末
端側鎖はNMR(核磁気共鳴法)で測定することが出来
る。数平均分子量は蒸気圧浸透法により測定することが
出来る。
端側鎖はNMR(核磁気共鳴法)で測定することが出来
る。数平均分子量は蒸気圧浸透法により測定することが
出来る。
(B)エチレンカルボン酸ビニルエステル共重合体を
構成するカルボン酸ビニルエステルとしては、(A)成
分と同様であり好ましいものも同様である。共重合体の
数平均分子量は通常1000〜10000、好ましくは2000〜500
0である。カルボン酸ビニルエステル含量は共重合体の
重量に基づいて通常5〜25%、好ましくは10〜20%であ
る。不飽和ジカルボン酸としては、炭素数4から40の不
飽和ジカルボン酸があげられる。
構成するカルボン酸ビニルエステルとしては、(A)成
分と同様であり好ましいものも同様である。共重合体の
数平均分子量は通常1000〜10000、好ましくは2000〜500
0である。カルボン酸ビニルエステル含量は共重合体の
重量に基づいて通常5〜25%、好ましくは10〜20%であ
る。不飽和ジカルボン酸としては、炭素数4から40の不
飽和ジカルボン酸があげられる。
炭素数4から40の不飽和ジカルボン酸としては、フマ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、およびシトラコン酸が
あげられる。
ル酸、マレイン酸、イタコン酸、およびシトラコン酸が
あげられる。
不飽和ジカルボン酸エステルを構成するアルコールと
しては、直鎖および/または分岐の飽和、または不飽和
アルコールおよびこれらのアルキレンオキサイド付加物
および、アルキルフェノール類のアルキレンオキサイド
付加物があげられる。
しては、直鎖および/または分岐の飽和、または不飽和
アルコールおよびこれらのアルキレンオキサイド付加物
および、アルキルフェノール類のアルキレンオキサイド
付加物があげられる。
直鎖および/または分岐の飽和アルコールとしては、
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール
などの天然の高級脂肪族アルコール、チーグラー触媒に
よる合成アルコールなど、およびこれらの混合物があげ
られる。
ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルア
ルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール
などの天然の高級脂肪族アルコール、チーグラー触媒に
よる合成アルコールなど、およびこれらの混合物があげ
られる。
直鎖および/または分岐の不飽和アルコールとして
は、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、およ
びエレノステアリルアルコールなどがあげられる。
は、オレイルアルコール、リノレイルアルコール、およ
びエレノステアリルアルコールなどがあげられる。
直鎖および/または分岐の飽和、または不飽和アルコ
ールのアルキレンオキサイド付加物において、アルキレ
ンオキサイドとしては炭素数2〜4のアルキレンオキサ
イドたとえばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドなどがあげられ、好ましくはエ
チレンオキサイドである。付加モル数は通常1〜20モル
である。
ールのアルキレンオキサイド付加物において、アルキレ
ンオキサイドとしては炭素数2〜4のアルキレンオキサ
イドたとえばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイドなどがあげられ、好ましくはエ
チレンオキサイドである。付加モル数は通常1〜20モル
である。
アルキルフェノール類のアルキレンオキサイド付加物
においてアルキルフェノールとしては、t−ブチルフェ
ノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどが
あげられる。アルキレンオキサイドの詳細付加モル数は
前記と同様である。
においてアルキルフェノールとしては、t−ブチルフェ
ノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールなどが
あげられる。アルキレンオキサイドの詳細付加モル数は
前記と同様である。
上記アルコールのうち、好ましいのは直鎖および/ま
たは分岐の飽和アルコールである。
たは分岐の飽和アルコールである。
エチレン−カルボン酸ビニルエステル共重合体に対す
る不飽和ジカルボン酸エステルの付加量は、重量基準で
エチレン−カルボン酸ビニルエステル共重合体100部に
対して、通常50〜500部、好ましくは100〜300部であ
る。50部未満では燃料油に対する溶解性が十分でなくあ
るいは溶解性が保たれても流動性向上性能が不十分であ
り、500部を越えると流動性向上性能が不十分である。
る不飽和ジカルボン酸エステルの付加量は、重量基準で
エチレン−カルボン酸ビニルエステル共重合体100部に
対して、通常50〜500部、好ましくは100〜300部であ
る。50部未満では燃料油に対する溶解性が十分でなくあ
るいは溶解性が保たれても流動性向上性能が不十分であ
り、500部を越えると流動性向上性能が不十分である。
不飽和カルボン酸エステルは、前述の不飽和カルボン
酸とアルコールをCOOH/OH比が通常1.5〜3.0、好ましく
は1.8〜2.5になるように混合し、通常室温〜200℃、好
ましくは70〜250℃で反応させることにより得ることが
できる。
酸とアルコールをCOOH/OH比が通常1.5〜3.0、好ましく
は1.8〜2.5になるように混合し、通常室温〜200℃、好
ましくは70〜250℃で反応させることにより得ることが
できる。
反応に際しては、通常パラトルエンスルホン酸などの
触媒が使用される。反応生成物は、そのまま、あるりは
精製して流動性向上剤の付加反応に供する。
触媒が使用される。反応生成物は、そのまま、あるりは
精製して流動性向上剤の付加反応に供する。
反応は溶剤を使用しなくても進行するが、原料物質で
あるカルボン酸およびアルコールと反応しない適当な溶
媒を使用することも出来る。適当な溶媒としては、パラ
フィン、オレフィン、シクロパラフィンなどの脂肪族炭
化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、さ
らには灯油、軽油、ソルベントナフサなどの石油系溶剤
があげられる。生成エステルは室温で通常、固状〜ペー
スト状である。
あるカルボン酸およびアルコールと反応しない適当な溶
媒を使用することも出来る。適当な溶媒としては、パラ
フィン、オレフィン、シクロパラフィンなどの脂肪族炭
化水素、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、さ
らには灯油、軽油、ソルベントナフサなどの石油系溶剤
があげられる。生成エステルは室温で通常、固状〜ペー
スト状である。
エチレンカルボン酸ビニルエステル供重合体の不飽和
ジカルボン酸エステル付加物は種々の方法で作成するこ
とが出来る。例えばエチレン−カルボン酸ビニルエステ
ル供重合体と不飽和ジカルボン酸エステルを混合し加熱
する方法、あるいはエチレン−カルボン酸ビニルエステ
ル共重合体に予め不飽和ジカルボン酸を付加させ、次に
適当なアルコールによりエステル化する方法があげられ
る。
ジカルボン酸エステル付加物は種々の方法で作成するこ
とが出来る。例えばエチレン−カルボン酸ビニルエステ
ル供重合体と不飽和ジカルボン酸エステルを混合し加熱
する方法、あるいはエチレン−カルボン酸ビニルエステ
ル共重合体に予め不飽和ジカルボン酸を付加させ、次に
適当なアルコールによりエステル化する方法があげられ
る。
付加反応は通常200℃以上で行うことが出来るが、少
量のラジカル発生触媒(有機または無機過酸化物、アゾ
系化合物など)を使用するかまたは紫外線のような放射
線の照射などを行えば常温ないし200℃以下の比較的低
温で行うことが出来る。また溶剤の不存在下または適当
な溶剤(炭化水素系溶剤、ハロゲン系溶剤など)の存在
下で反応させることもできる。
量のラジカル発生触媒(有機または無機過酸化物、アゾ
系化合物など)を使用するかまたは紫外線のような放射
線の照射などを行えば常温ないし200℃以下の比較的低
温で行うことが出来る。また溶剤の不存在下または適当
な溶剤(炭化水素系溶剤、ハロゲン系溶剤など)の存在
下で反応させることもできる。
この様にして得られた(B)には、少量の未反応物、
あるいは不飽和ジカルボン酸エステルのホモ重合体を含
むことがあるが何等支障なく使用できる。
あるいは不飽和ジカルボン酸エステルのホモ重合体を含
むことがあるが何等支障なく使用できる。
本発明の向上剤の、(A)成分:(B)成分の混合重
量割合は、通常95:5〜60:40、好ましくは90:10〜70:30
である。この範囲で特に良好な性能を示す。
量割合は、通常95:5〜60:40、好ましくは90:10〜70:30
である。この範囲で特に良好な性能を示す。
本発明の向上剤を燃料油に添加して燃料油組成物が得
られる燃料油は主として留出燃料油である。具体的には
灯油,軽油があげられ、好ましくは軽油である。
られる燃料油は主として留出燃料油である。具体的には
灯油,軽油があげられ、好ましくは軽油である。
本発明の向上剤を燃料油に添加するに当たっては、そ
の添加量は燃料油の重量に対して通常0.005〜0.5%であ
り、好ましくは0.005〜0.1%である。
の添加量は燃料油の重量に対して通常0.005〜0.5%であ
り、好ましくは0.005〜0.1%である。
本発明の向上剤を燃料油中に添加する方法は特に制限
しない。(A)成分と(B)成分からなる向上剤の場
合、例えば(A)成分および(B)成分をあらかじめ混
合しこれを燃料油に添加する方法、(A)成分と(B)
成分とを別々に燃料油に添加し、燃料油中で(A)成分
および(B)成分よりなる添加剤を形成する方法があげ
られる。
しない。(A)成分と(B)成分からなる向上剤の場
合、例えば(A)成分および(B)成分をあらかじめ混
合しこれを燃料油に添加する方法、(A)成分と(B)
成分とを別々に燃料油に添加し、燃料油中で(A)成分
および(B)成分よりなる添加剤を形成する方法があげ
られる。
あらかじめ混合する場合は(A)成分と(B)成分を
加熱して均一に混合する方法、(A)成分と(B)成分
の少なくとも一方を溶媒に溶解させてから混合する方法
があげられる。また上記の燃料油中で向上剤を形成させ
る方法としては(A)成分および(B)成分をそのま
ま、または(A)成分および(B)成分の少なくとも一
方を溶媒に溶解し両者を同時または順次燃料油中に添加
する方法があげられる。
加熱して均一に混合する方法、(A)成分と(B)成分
の少なくとも一方を溶媒に溶解させてから混合する方法
があげられる。また上記の燃料油中で向上剤を形成させ
る方法としては(A)成分および(B)成分をそのま
ま、または(A)成分および(B)成分の少なくとも一
方を溶媒に溶解し両者を同時または順次燃料油中に添加
する方法があげられる。
[実施例] 以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明する
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて部および%は、それぞれ重量部及び重量%およびエ
ステル基のメチル基以外にエチレン鎖のメチレン基100
個当りのメチル末端側鎖分岐をメチル分岐度として示し
た。
が、本発明はこれに限定されるものではない。以下にお
いて部および%は、それぞれ重量部及び重量%およびエ
ステル基のメチル基以外にエチレン鎖のメチレン基100
個当りのメチル末端側鎖分岐をメチル分岐度として示し
た。
実施例1〜5および比較例1、2 下記に示す化合物または配合物を本発明および比較例
の向上剤とする。
の向上剤とする。
実施例1 (A)成分として酢酸ビニル含量;26%,数平均分子
量;1900,メチル分岐度;5.2のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(B)成分として下記条件にて合成したエチレン−
酢酸ビニル変成物を重量比85対15に配合して本発明の向
上剤を得た。
量;1900,メチル分岐度;5.2のエチレン−酢酸ビニル共重
合体(B)成分として下記条件にて合成したエチレン−
酢酸ビニル変成物を重量比85対15に配合して本発明の向
上剤を得た。
撹拌装置、温度計、窒素吹き込み管、及び排気管を備
えたフラスコに数平均分子量;3000,酢酸ビニル含量;12
%のエチレン−酢酸ビニル共重合物100部、ジオクチル
マレエート100部、触媒としてジクミルパーオキサイド
3部を仕込み、フラスコ内を窒素にて十分置換した後徐
々に昇温した。140〜150℃にて8時間反応させた。得ら
れた反応性生物は淡黄色固状であった。
えたフラスコに数平均分子量;3000,酢酸ビニル含量;12
%のエチレン−酢酸ビニル共重合物100部、ジオクチル
マレエート100部、触媒としてジクミルパーオキサイド
3部を仕込み、フラスコ内を窒素にて十分置換した後徐
々に昇温した。140〜150℃にて8時間反応させた。得ら
れた反応性生物は淡黄色固状であった。
実施例2 酢酸ビニル含量;27%,数平均分子量;2300,メチル分
岐度;5.8のエチレン−酢酸ビニル共重合体と実施例1で
合成したエチレン−酢酸ビニル共重合体ジオクチルマレ
ート付加物を重量比80対20に配合したものを本発明の向
上剤とした。
岐度;5.8のエチレン−酢酸ビニル共重合体と実施例1で
合成したエチレン−酢酸ビニル共重合体ジオクチルマレ
ート付加物を重量比80対20に配合したものを本発明の向
上剤とした。
実施例3 酢酸ビニル含量;22%,数平均分子量;2800,メチル分
岐度;4.8のエチレン−酢酸ビニル共重合体と(B)成分
として下記条件にて反応した反応生成物を重量比75対25
に配合したものを本発明の向上剤とした。酢酸ビニル含
量;17%,数平均分子量;2800のエチレン−酢酸ビニル共
重合物100部、ジステアリルフマレート150部、触媒とし
てジクミルパーオキサイド3部を仕込み、フラスコ内を
窒素にて十分置換した後徐々に昇温した。140〜150℃に
て8時間反応させた。得られた反応性生物は淡黄色固状
であった。
岐度;4.8のエチレン−酢酸ビニル共重合体と(B)成分
として下記条件にて反応した反応生成物を重量比75対25
に配合したものを本発明の向上剤とした。酢酸ビニル含
量;17%,数平均分子量;2800のエチレン−酢酸ビニル共
重合物100部、ジステアリルフマレート150部、触媒とし
てジクミルパーオキサイド3部を仕込み、フラスコ内を
窒素にて十分置換した後徐々に昇温した。140〜150℃に
て8時間反応させた。得られた反応性生物は淡黄色固状
であった。
比較例1 酢酸ビニル含量;25%,数平均分子量;1700,メチル分
岐度;7.9のエチレン−酢酸ビニル共重合体を向上剤とし
た。
岐度;7.9のエチレン−酢酸ビニル共重合体を向上剤とし
た。
比較例2 酢酸ビニル含量;25%,数平均分子量;1700,メチル分
岐度;7.9のエチレン−酢酸ビニル共重合体を向上剤とし
た。
岐度;7.9のエチレン−酢酸ビニル共重合体を向上剤とし
た。
実施例4〜6および比較例3〜4 実施例1〜3で得られた本発明の向上剤および比較例
1、2の向上剤を表−1に示す性状の軽油に添加し燃料
油組成物を得た。流動性向上効果はPP(流動点)とCFPP
(低温濾過器目詰まり点)を測定し評価した。ワックス
の分散性およびフィルター通油性は下記に示す方法で評
価した。その結果を表−2,3,4,5に示す。
1、2の向上剤を表−1に示す性状の軽油に添加し燃料
油組成物を得た。流動性向上効果はPP(流動点)とCFPP
(低温濾過器目詰まり点)を測定し評価した。ワックス
の分散性およびフィルター通油性は下記に示す方法で評
価した。その結果を表−2,3,4,5に示す。
〈ワックス分散性の評価方法〉 100mlメスシリンダーに流動性向上剤を0.05wt%添加
した軽油を入れ、空冷式低温恒温槽に曇り点より低い温
度で貯蔵し、ワックスの沈降状態を観察する。値の大き
なものがワックス分散性の良好なことを示す。
した軽油を入れ、空冷式低温恒温槽に曇り点より低い温
度で貯蔵し、ワックスの沈降状態を観察する。値の大き
なものがワックス分散性の良好なことを示す。
〈フィルター通油性の評価方法〉 流動性向上剤0.05wt%を添加した軽油1000mlを空冷式
低温恒温槽に5℃で5時間〜10時間静置後下記条件にて
濾過を行い、濾過時間にて判定する。濾過時間の短いも
のがフィルター通油性の良好なことを示す。
低温恒温槽に5℃で5時間〜10時間静置後下記条件にて
濾過を行い、濾過時間にて判定する。濾過時間の短いも
のがフィルター通油性の良好なことを示す。
濾過器;アドバンテック製25mmフィルターホルダー フィフター;メンブランフィルター (セルロスエステル製) ポアサイズ;0.8μm 有効濾過面積;2.1cm2 ファネル容量;300ml 本発明の向上剤は従来のものに比較し、燃料油の低温
流動特性を更に向上させるものである。
流動特性を更に向上させるものである。
すなわち、石油留出燃料油の低温流動特性が飛躍的に
向上し、優れたPPおよびCFPP降下能をもち、かつ燃料油
のワックス分散性およびフィルター通油性が良好な低温
流動性向上剤を提供することが出来る。
向上し、優れたPPおよびCFPP降下能をもち、かつ燃料油
のワックス分散性およびフィルター通油性が良好な低温
流動性向上剤を提供することが出来る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09K 3/00 103 C09K 3/00 103P (56)参考文献 特開 昭62−70488(JP,A) 特開 昭54−55009(JP,A) 特開 昭58−23885(JP,A) 特開 昭58−40391(JP,A) 特開 昭58−80386(JP,A) 特開 昭58−91794(JP,A) 特開 昭58−168690(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】エチレンとカルボン酸ビニルエステルを含
み、共重合体(A)の重量に基づいてエチレンの含有量
が85〜68%、カルボン酸ビニルエステル含量が15〜32%
であり、かつ数平均分子量が500〜4000であり、エステ
ル基のメチル基以外にエチレン鎖のメチレン基100個当
り4.5〜6.5個のメチル末端側鎖分岐を有する共重合体
(A)と、エチレン−カルボン酸ビニルエステル共重合
体の不飽和ジカルボン酸エステル付加物(B)を併用し
てなることを特徴とする石油留出燃料油用低温流動性向
上剤。 - 【請求項2】(B)成分のエチレン−カルボン酸ビニル
エステル共重合体の数平均分子量が1000〜10000、カル
ボン酸ビニルの含量が5〜25重量%である請求項1記載
の向上剤。 - 【請求項3】(A)成分:(B)成分の混合重量割合が
95:5〜60:40である請求項1または2記載の向上剤。 - 【請求項4】(B)成分の不飽和ジカルボン酸エステル
が平均炭素数4から40の実質的に直鎖のアルキル基を持
つ不飽和ジカルボン酸アルキルエステルである請求項1
〜3のいずれか記載の向上剤。 - 【請求項5】請求項1〜4のいずれか記載の向上剤を燃
料油に対して0.005〜0.5重量%含有してなる燃料油組成
物。
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---|---|---|---|
JP1299927A JP2538355B2 (ja) | 1989-11-17 | 1989-11-17 | 燃料油用流動性向上剤および燃料油組成物 |
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---|---|---|---|
JP1299927A JP2538355B2 (ja) | 1989-11-17 | 1989-11-17 | 燃料油用流動性向上剤および燃料油組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03160092A JPH03160092A (ja) | 1991-07-10 |
JP2538355B2 true JP2538355B2 (ja) | 1996-09-25 |
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ID=17878612
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JP1299927A Expired - Fee Related JP2538355B2 (ja) | 1989-11-17 | 1989-11-17 | 燃料油用流動性向上剤および燃料油組成物 |
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JP (1) | JP2538355B2 (ja) |
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JPS5823885A (ja) * | 1981-08-03 | 1983-02-12 | Sumitomo Chem Co Ltd | 燃料油の低温流動性改良法 |
JPS5840391A (ja) * | 1981-09-03 | 1983-03-09 | Sumitomo Chem Co Ltd | 燃料油の低温流動性改良方法 |
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JPS5891794A (ja) * | 1981-11-28 | 1983-05-31 | Sumitomo Chem Co Ltd | 燃料油の流動性改良法 |
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JPS6270488A (ja) * | 1985-09-24 | 1987-03-31 | Mitsubishi Petrochem Co Ltd | 燃料油添加剤および流動性の改善された燃料油 |
-
1989
- 1989-11-17 JP JP1299927A patent/JP2538355B2/ja not_active Expired - Fee Related
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