JP2538056B2 - アクリル系樹脂組成物 - Google Patents
アクリル系樹脂組成物Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、成型過程における作業環境の悪化やコスト
アップの恐れ、さらには原材料の使用上の制約がなく、
しかも、こしが強くてブロッキング性がなく、透明性、
表面硬度、水に対するぬれ性等に優れた各種成形品を与
える、アクリル系樹脂組成物に関するものである。
アップの恐れ、さらには原材料の使用上の制約がなく、
しかも、こしが強くてブロッキング性がなく、透明性、
表面硬度、水に対するぬれ性等に優れた各種成形品を与
える、アクリル系樹脂組成物に関するものである。
(従来の技術) 現在、様々な樹脂(プラスチック)組成物が、フィル
ム・シート状、ブロック状等多様な形に成形加工され、
樹脂成形品として各種の用途に使用されている。これら
の樹脂成形品はその形状、目的に応じてキャスティング
法、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、注型法、カ
レンダー法、インフレーション法等の成形法により製造
されているが、これらの成形法と樹脂組成物に起因する
様々な制約のために、その製造条件、得られたものの物
性、適用可能分野等において、充分に満足できるものが
市場に供給されているとは言い難い状態にある。
ム・シート状、ブロック状等多様な形に成形加工され、
樹脂成形品として各種の用途に使用されている。これら
の樹脂成形品はその形状、目的に応じてキャスティング
法、押出成形法、射出成形法、圧縮成形法、注型法、カ
レンダー法、インフレーション法等の成形法により製造
されているが、これらの成形法と樹脂組成物に起因する
様々な制約のために、その製造条件、得られたものの物
性、適用可能分野等において、充分に満足できるものが
市場に供給されているとは言い難い状態にある。
(発明が解決しようとする課題) 例えば、キャスティング法は主としてフィルム・シー
ト状の成形品に適用される方法であるが、この方法は有
機溶剤を使用するため、作業環境の悪化を招きやすく、
また溶剤回収設備を必要とし、製造コストが高くなると
いう問題がある。また押出成形法以下の方法も、成形
前に樹脂組成物を粒状化、ペレット化する必要がある、
成形工程で樹脂組成物に熱を加えて溶融したり(熱可
塑性樹脂)、硬化させたり(熱硬化性樹脂)するため、
高温で性能が低下しやすい樹脂組成物には適用できない
等の欠点がある。
ト状の成形品に適用される方法であるが、この方法は有
機溶剤を使用するため、作業環境の悪化を招きやすく、
また溶剤回収設備を必要とし、製造コストが高くなると
いう問題がある。また押出成形法以下の方法も、成形
前に樹脂組成物を粒状化、ペレット化する必要がある、
成形工程で樹脂組成物に熱を加えて溶融したり(熱可
塑性樹脂)、硬化させたり(熱硬化性樹脂)するため、
高温で性能が低下しやすい樹脂組成物には適用できない
等の欠点がある。
このような成形法に起因する問題を解決する方策とし
て、光硬化性モノマーまたはオリゴマー等の感光性樹脂
を流延させながら光照射して硬化成形する方法も提案さ
れている。この方法は有機溶剤を使用しない、常温での
成形が可能等、従来の樹脂成形法にはない長所がある反
面、使用する感光性樹脂に品質上の問題があるために、
充分に満足できる成形品を製造できるまでには至ってい
ない。
て、光硬化性モノマーまたはオリゴマー等の感光性樹脂
を流延させながら光照射して硬化成形する方法も提案さ
れている。この方法は有機溶剤を使用しない、常温での
成形が可能等、従来の樹脂成形法にはない長所がある反
面、使用する感光性樹脂に品質上の問題があるために、
充分に満足できる成形品を製造できるまでには至ってい
ない。
したがって、本発明の目的は、成形過程における作業
環境の悪化やコストアップの恐れ、さらには原材料の使
用上の制約がなく、しかも、こしが強くてブロッキング
性がなく、透明性、表面硬度、水に対するぬれ性等に優
れた各種成形品を与える、アクリル系樹脂組成物を提供
しようとするものである。
環境の悪化やコストアップの恐れ、さらには原材料の使
用上の制約がなく、しかも、こしが強くてブロッキング
性がなく、透明性、表面硬度、水に対するぬれ性等に優
れた各種成形品を与える、アクリル系樹脂組成物を提供
しようとするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明者らは以上のような樹脂組成物およびその成形
法に起因する、種々の問題点を解決すべく鋭意研究の結
果、セルロースの水酸基の水素原子が炭素原子数2〜4
の脂肪族アシル基およびN−メチレンアクリルアミド基
によって置換されており、かつその単位グルコース環当
りの平均置換基数(DS)がそれぞれ2.0〜2.9および0.05
〜0.95であるセルロース誘導体と、重合開始剤と、2−
ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/またはN,N′
−ジメチルアクリルアミドとからなるアクリル系樹脂組
成物が、上記の目的に合致することを見出し、本発明を
完成するに至ったものである。
法に起因する、種々の問題点を解決すべく鋭意研究の結
果、セルロースの水酸基の水素原子が炭素原子数2〜4
の脂肪族アシル基およびN−メチレンアクリルアミド基
によって置換されており、かつその単位グルコース環当
りの平均置換基数(DS)がそれぞれ2.0〜2.9および0.05
〜0.95であるセルロース誘導体と、重合開始剤と、2−
ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/またはN,N′
−ジメチルアクリルアミドとからなるアクリル系樹脂組
成物が、上記の目的に合致することを見出し、本発明を
完成するに至ったものである。
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明のアクリル系樹脂組成物において第1成分とし
て用いられるセルロース誘導体は、既に公知のもの(特
開昭60−144301号公報)で、アセチル基(−COCH3)、
プロパノイル基(−COCH2CH3)またはブタノイル基(−
COCH2CH2CH3)からなる炭素原子数2〜4の脂肪族アシ
ル基を有するセルロースエステルに、N−メチロールア
クリルアミド(HOCH2NHCOCH=CH2)を反応させることに
よって容易に得られる、前記脂肪族アシル基およびN−
メチレンアクリルアミド基(−CH2NHCOCH=CH2)のDS
が、それぞれ2.0〜2.9および0.05〜0.95のものである。
て用いられるセルロース誘導体は、既に公知のもの(特
開昭60−144301号公報)で、アセチル基(−COCH3)、
プロパノイル基(−COCH2CH3)またはブタノイル基(−
COCH2CH2CH3)からなる炭素原子数2〜4の脂肪族アシ
ル基を有するセルロースエステルに、N−メチロールア
クリルアミド(HOCH2NHCOCH=CH2)を反応させることに
よって容易に得られる、前記脂肪族アシル基およびN−
メチレンアクリルアミド基(−CH2NHCOCH=CH2)のDS
が、それぞれ2.0〜2.9および0.05〜0.95のものである。
ここでアシル基の炭素原子数が5以上のものは原料の
コストに見合う有用性がなく、またN−メチレンアクリ
ルアミド基のDSが、0.05未満のものでは架橋性が不充分
であり、0.95を超えるものでは原料のコストアップに見
合う有用性がない。さらに、アシル基のDSが、2.0未満
のものは他成分への溶解性が不充分であり、2.9を超え
るものはN−メチレンアクリルアミド基の導入が困難と
なるため好ましくない。
コストに見合う有用性がなく、またN−メチレンアクリ
ルアミド基のDSが、0.05未満のものでは架橋性が不充分
であり、0.95を超えるものでは原料のコストアップに見
合う有用性がない。さらに、アシル基のDSが、2.0未満
のものは他成分への溶解性が不充分であり、2.9を超え
るものはN−メチレンアクリルアミド基の導入が困難と
なるため好ましくない。
第2成分として用いられる重合開始剤は、従来光硬化
性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化の際に汎用されているも
のでよく、これには過酸化ベンゾイルビアセチル、アセ
トフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、
アゾビスブチロニトリル、ジ−tert−ブチルパーオキシ
ド、ミヒラーケトン、過硫酸アンモニウム等が例示され
る。
性樹脂、熱硬化性樹脂等の硬化の際に汎用されているも
のでよく、これには過酸化ベンゾイルビアセチル、アセ
トフェノン、ベンゾフェノン、ベンジル、ベンゾイン、
アゾビスブチロニトリル、ジ−tert−ブチルパーオキシ
ド、ミヒラーケトン、過硫酸アンモニウム等が例示され
る。
このようなセルロース誘導体と重合開始剤、それに2
−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/またはN,
N′−ジメチルアクリルアミドを加えてなる本発明のア
クリル系樹脂組成物は、各成分の量割合として、セルロ
ース誘導体が5〜50重量%、重合開始剤が0.2〜5.0重量
%、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/また
はN,N′−ジメチルアクリルアミドが10〜80重量%であ
ることが好ましい。
−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/またはN,
N′−ジメチルアクリルアミドを加えてなる本発明のア
クリル系樹脂組成物は、各成分の量割合として、セルロ
ース誘導体が5〜50重量%、重合開始剤が0.2〜5.0重量
%、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/また
はN,N′−ジメチルアクリルアミドが10〜80重量%であ
ることが好ましい。
これはセルロース誘導体が5%未満であると、得られ
る樹脂成形品にこしがなく、50%を超えると樹脂成形品
が脆くなる。また重合開始剤が0.2%未満では原料の樹
脂が充分に硬化せず、5%を超えると、それ以上の品質
の向上が望めず、経済的に不利になる。さらに2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートおよび/またはN,N′−ジ
メチルアクリルアミドが10%未満ではセルロース誘導体
の溶解が困難となり、80%を超えると得られるフィルム
が脆くなるためである。
る樹脂成形品にこしがなく、50%を超えると樹脂成形品
が脆くなる。また重合開始剤が0.2%未満では原料の樹
脂が充分に硬化せず、5%を超えると、それ以上の品質
の向上が望めず、経済的に不利になる。さらに2−ヒド
ロキシエチルメタクリレートおよび/またはN,N′−ジ
メチルアクリルアミドが10%未満ではセルロース誘導体
の溶解が困難となり、80%を超えると得られるフィルム
が脆くなるためである。
このアクリル系樹脂組成物を硬化成形させる方法とし
ては光照射や熱処理による方法があるが、前記した従来
の成形における問題を解決するには、常温での硬化の可
能な光照射が有利である。その具体的成形法を以下に例
示する。
ては光照射や熱処理による方法があるが、前記した従来
の成形における問題を解決するには、常温での硬化の可
能な光照射が有利である。その具体的成形法を以下に例
示する。
フィルム・シート成形品の成形においては、まず上記
量割合のセルロース誘導体、重合開始剤、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートおよび/またはN,N′−ジメチ
ルアクリルアミドに、さらに必要に応じて他の光硬化性
モノマーまたはオリゴマー、増感剤、さらには各種添加
剤を添加混合溶解して液状組成物を調製する。これをホ
ッパーより金属バンドまたは金属ドラム等の支持体上に
均一に流延し、紫外線または電子線等の光を照射して硬
化させ、プラスチックフィルムとする。
量割合のセルロース誘導体、重合開始剤、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートおよび/またはN,N′−ジメチ
ルアクリルアミドに、さらに必要に応じて他の光硬化性
モノマーまたはオリゴマー、増感剤、さらには各種添加
剤を添加混合溶解して液状組成物を調製する。これをホ
ッパーより金属バンドまたは金属ドラム等の支持体上に
均一に流延し、紫外線または電子線等の光を照射して硬
化させ、プラスチックフィルムとする。
ここで上記の光硬化性モノマーまたはオリゴマーとし
ては、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールモノアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレー
ト、オリゴアクリレート、メラミンアクリレート等、一
般に光硬化性樹脂分野において使用されるものが例示さ
れる。
ては、ラウリルアクリレート、2−エチルヘキシルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールモノアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレー
ト、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレー
ト、オリゴアクリレート、メラミンアクリレート等、一
般に光硬化性樹脂分野において使用されるものが例示さ
れる。
また各種添加剤としては、用途によって適宜選択され
るもので、着色顔料、蛍光染料、顔料、フィラー、発泡
剤、貯蔵安定剤、フロー改良剤、酸化防止剤、静電防止
剤、乾燥防止剤、湿潤剤、ワックス、充てん剤等の配合
剤、あるいは香料、経皮吸収薬剤、微生物、酵素等が例
示される。
るもので、着色顔料、蛍光染料、顔料、フィラー、発泡
剤、貯蔵安定剤、フロー改良剤、酸化防止剤、静電防止
剤、乾燥防止剤、湿潤剤、ワックス、充てん剤等の配合
剤、あるいは香料、経皮吸収薬剤、微生物、酵素等が例
示される。
さらに、必要に応じメトキシメチル化ナイロン、塩化
ビニル、ウレタン、ポリスチレン等の光硬化性を持たな
い樹脂を添加しても差し支えない。
ビニル、ウレタン、ポリスチレン等の光硬化性を持たな
い樹脂を添加しても差し支えない。
ブロック状や複雑な形状の成形品の成形においても、
フィルム・シート成形品と同様にして液状組成物を調製
し、これを鋳型に流し込んだ後、光照射して硬化成形し
てもよいし、感光性樹脂から作られる凸版印刷版のよう
に、ポジフィルムあるいはネガフィルムを通して液状組
成物に光照射し、硬化成形する方法もある。
フィルム・シート成形品と同様にして液状組成物を調製
し、これを鋳型に流し込んだ後、光照射して硬化成形し
てもよいし、感光性樹脂から作られる凸版印刷版のよう
に、ポジフィルムあるいはネガフィルムを通して液状組
成物に光照射し、硬化成形する方法もある。
本発明によるアクリル系樹脂組成物は、その成形に際
し光照射による硬化が可能なため、有機溶剤の蒸発、回
収、および原材料の熱溶融を必要とせず、したがって作
業環境の悪化、溶剤回収によるコストアップ等の恐れが
なく、また熱により分解、蒸発、または性能の劣化しや
すい、原材料、微生物、酵素、薬剤、香料等の使用も可
能で、広範囲の用途に応用できる等の利点がある。
し光照射による硬化が可能なため、有機溶剤の蒸発、回
収、および原材料の熱溶融を必要とせず、したがって作
業環境の悪化、溶剤回収によるコストアップ等の恐れが
なく、また熱により分解、蒸発、または性能の劣化しや
すい、原材料、微生物、酵素、薬剤、香料等の使用も可
能で、広範囲の用途に応用できる等の利点がある。
さらに、これから得られた成形品はこしが強く、ブロ
ッキング性がないなど、これまでの光硬化性樹脂組成物
を硬化した場合には見られなかった特徴があるほか、透
明性、表面硬度、水に対するぬれ性等も向上する。
ッキング性がないなど、これまでの光硬化性樹脂組成物
を硬化した場合には見られなかった特徴があるほか、透
明性、表面硬度、水に対するぬれ性等も向上する。
これらの数多くの利点を有する本発明により得られる
樹脂成形品は、OHP用フィルム、販促用ディスプレー、
フレキシブルプリント配線基板等のエレクトロニクス用
シート、包装用フィルム、ネームプレート、透明ハップ
剤、香料入りシート、光デイスク基板、表札、徐放肥
料、徐放防虫剤、グッズ埋込商品、動植物標本、FRP、
防曇シート、バイオリアクター等様々な用途への応用が
期待できる。
樹脂成形品は、OHP用フィルム、販促用ディスプレー、
フレキシブルプリント配線基板等のエレクトロニクス用
シート、包装用フィルム、ネームプレート、透明ハップ
剤、香料入りシート、光デイスク基板、表札、徐放肥
料、徐放防虫剤、グッズ埋込商品、動植物標本、FRP、
防曇シート、バイオリアクター等様々な用途への応用が
期待できる。
(実 施 例) 以下、本発明の具体的態様を実施例により説明する
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
が、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
実施例 1. N−メチレンアクリルアミド基、アセチル基およびブ
タノイル基のそれぞれのDSが0.10、0.96、1.66である、
セルロース誘導体30重量部に、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートを20重量部とN,N′−ジメチルアクリルア
ミド50重量部とを配合し、80℃の温度で均一に混合溶解
して、さらに光重合開始剤ダロキュア1173(メルク社
製)を配合物に対して1重量%の割合で添加した。得ら
れた樹脂組成物を厚さ0.1mmのポリエステルフィルム2
枚の間に挟み、さらに2枚のガラス板間で圧着して、厚
さ0.2mmの膜とし、これに紫外線を照射して光硬化さ
せ、無色透明で表面粘着の少ないシートを得た。
タノイル基のそれぞれのDSが0.10、0.96、1.66である、
セルロース誘導体30重量部に、2−ヒドロキシエチルメ
タクリレートを20重量部とN,N′−ジメチルアクリルア
ミド50重量部とを配合し、80℃の温度で均一に混合溶解
して、さらに光重合開始剤ダロキュア1173(メルク社
製)を配合物に対して1重量%の割合で添加した。得ら
れた樹脂組成物を厚さ0.1mmのポリエステルフィルム2
枚の間に挟み、さらに2枚のガラス板間で圧着して、厚
さ0.2mmの膜とし、これに紫外線を照射して光硬化さ
せ、無色透明で表面粘着の少ないシートを得た。
実施例 2. 前例で用いたのと同じセルロース誘導体30重量部に、
2−ヒドロキシエチルメタクリレートを70重量部配合
し、80℃の温度で混合溶解して、光重合開始剤ダロキュ
ア1173(前出)を配合物に対して1重量%の割合で添加
し、前例と同様の方法で厚さ0.2mmのシートを作成し
た。このシートはこしがあり、透明でセロファン様のも
のであった。
2−ヒドロキシエチルメタクリレートを70重量部配合
し、80℃の温度で混合溶解して、光重合開始剤ダロキュ
ア1173(前出)を配合物に対して1重量%の割合で添加
し、前例と同様の方法で厚さ0.2mmのシートを作成し
た。このシートはこしがあり、透明でセロファン様のも
のであった。
実施例 3. 実施例1で用いたのと同じセルロース誘導体50重量部
に、N,N′−ジメチルアクリルアミド50重量部を配合
し、80℃の温度で混合溶解して、さらに光重合開始剤ダ
ロキュア1173(前出)を配合物に対して1重量%の割合
で添加し、実施例1と同様にして厚さ0.2mmのシートを
作成した。このシートは透明で表面粘着の少ないもので
あった。
に、N,N′−ジメチルアクリルアミド50重量部を配合
し、80℃の温度で混合溶解して、さらに光重合開始剤ダ
ロキュア1173(前出)を配合物に対して1重量%の割合
で添加し、実施例1と同様にして厚さ0.2mmのシートを
作成した。このシートは透明で表面粘着の少ないもので
あった。
実施例 4. 実施例1で用いたのと同じセルロース誘導体5重量部
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを50重量部と
ウレタンアクリレート(協和発酵(株)製)45重量部と
を配合し、80℃の温度で均一に混合溶解して、光重合開
始剤ダロキュア1173(前出)を配合物に対し1重量%の
割合で添加し、実施例1と同様にして厚さ0.2mmのシー
トを得た。得られたシートは強靭でこしがあり、表面が
滑らかで粘着感のない感触に優れたシートであった。
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを50重量部と
ウレタンアクリレート(協和発酵(株)製)45重量部と
を配合し、80℃の温度で均一に混合溶解して、光重合開
始剤ダロキュア1173(前出)を配合物に対し1重量%の
割合で添加し、実施例1と同様にして厚さ0.2mmのシー
トを得た。得られたシートは強靭でこしがあり、表面が
滑らかで粘着感のない感触に優れたシートであった。
比較例 1. 本発明の第1成分であるセルロース誘導体は用いず
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとウレタンア
クリレート(前出)とをそれぞれ50重量部混合し、前例
と同様の光重合開始剤を配合物に対し1重量%の割合で
添加し、実施例1と同様にして光硬化シートを作成した
が、このシートは無色透明ではあるが、こしがなく、表
面に粘着感があり、相互粘着性を示した。
に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとウレタンア
クリレート(前出)とをそれぞれ50重量部混合し、前例
と同様の光重合開始剤を配合物に対し1重量%の割合で
添加し、実施例1と同様にして光硬化シートを作成した
が、このシートは無色透明ではあるが、こしがなく、表
面に粘着感があり、相互粘着性を示した。
実施例 5. 実施例4における配合組成で、セルロース誘導体10重
量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート50重量部、
ウレタンアクリレート40重量部、光重合開始剤を配合物
に対して1重量%としたほかは、実施例1と同様にして
シートを作成した。得られたシートはこしのある、やや
硬い、セルロイド様のものであった。
量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート50重量部、
ウレタンアクリレート40重量部、光重合開始剤を配合物
に対して1重量%としたほかは、実施例1と同様にして
シートを作成した。得られたシートはこしのある、やや
硬い、セルロイド様のものであった。
実施例 6. 上記と同様のセルロース誘導体20重量部に、N,N′−
ジメチルアクリルアミドを50重量部添加して80℃の温度
で溶解し、これにポリエチレングリコールジメタクリレ
ート30重量部を加えて均一に混合し、さらにベンゾイン
エチルエーテル1.5重量%を添加して、実施例1と同様
の方法で厚さ0.5mmのシートを得た。このシートは非常
に透明、柔軟で、しかも表面粘着感が少なくゴム状の歪
み回復性を持つものであった。
ジメチルアクリルアミドを50重量部添加して80℃の温度
で溶解し、これにポリエチレングリコールジメタクリレ
ート30重量部を加えて均一に混合し、さらにベンゾイン
エチルエーテル1.5重量%を添加して、実施例1と同様
の方法で厚さ0.5mmのシートを得た。このシートは非常
に透明、柔軟で、しかも表面粘着感が少なくゴム状の歪
み回復性を持つものであった。
比較例 2. 前例においてセルロース誘導体を用いなかったほかは
全く同様にしてシートを作成したところ、そのシートは
軟質で弱く弾力がない上に、表面粘着性を持つ、取り扱
いにくいものであった。
全く同様にしてシートを作成したところ、そのシートは
軟質で弱く弾力がない上に、表面粘着性を持つ、取り扱
いにくいものであった。
実施例 7. N−メチレンアクリルアミド基、アセチル基およびブ
タノイル基のそれぞれのDSが0.30、0.15、2.07である、
セルロース誘導体を使用したほかは、実施例1と同様に
してシートを作成したところ、透明で表面粘着の少ない
ものが得られた。
タノイル基のそれぞれのDSが0.30、0.15、2.07である、
セルロース誘導体を使用したほかは、実施例1と同様に
してシートを作成したところ、透明で表面粘着の少ない
ものが得られた。
実施例 8. N−メチレンアクリルアミド基、アセチル基およびプ
ロパノイル基のそれぞれのDSが0.30、0.16、1.95であ
る、セルロース誘導体を使用したほかは、実施例1と同
様にしてシートを作成したところ、透明で表面粘着の少
ないものが得られた。
ロパノイル基のそれぞれのDSが0.30、0.16、1.95であ
る、セルロース誘導体を使用したほかは、実施例1と同
様にしてシートを作成したところ、透明で表面粘着の少
ないものが得られた。
実施例 9. N−メチレンアクリルアミド基およびアセチル基のそ
れぞれのDSが0.10および2.47である、セルロース誘導体
30重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを11
0重量部配合し、80℃の温度で均一に混合溶解して、光
重合開始剤ダロキュア1173(前出)を配合物に対し1重
量%の割合で添加し、実施例1と同様にして厚さ0.2mm
のシートを得た。このシートは透明で表面粘着の少ない
ものであった。
れぞれのDSが0.10および2.47である、セルロース誘導体
30重量部に、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを11
0重量部配合し、80℃の温度で均一に混合溶解して、光
重合開始剤ダロキュア1173(前出)を配合物に対し1重
量%の割合で添加し、実施例1と同様にして厚さ0.2mm
のシートを得た。このシートは透明で表面粘着の少ない
ものであった。
(発明の効果) 本発明によるアクリル系樹脂組成物は、その成形に際
し光照射による硬化が可能なため、有機溶剤の蒸発、回
収、および原材料の熱溶融を必要とせず、したがって作
業環境の悪化、溶剤回収によるコストアップ等の恐れが
なく、また熱により分解、蒸発、または性能の劣化しや
すい、原材料、微生物、酵素、薬剤、香料等の使用も可
能で、広範囲の用途に応用することができる。
し光照射による硬化が可能なため、有機溶剤の蒸発、回
収、および原材料の熱溶融を必要とせず、したがって作
業環境の悪化、溶剤回収によるコストアップ等の恐れが
なく、また熱により分解、蒸発、または性能の劣化しや
すい、原材料、微生物、酵素、薬剤、香料等の使用も可
能で、広範囲の用途に応用することができる。
さらに、これから得られた成形品は、こしが強く、ブ
ロッキング性がないなど、これまでの光硬化性樹脂組成
物を硬化した場合には見られなかった特徴があるほか、
透明性、表面硬度、水に対するぬれ性等も向上する。
ロッキング性がないなど、これまでの光硬化性樹脂組成
物を硬化した場合には見られなかった特徴があるほか、
透明性、表面硬度、水に対するぬれ性等も向上する。
Claims (2)
- 【請求項1】セルロースの水酸基の水素原子が炭素原子
数2〜4の脂肪族アシル基およびN−メチレンアクリル
アミド基によって置換されており、かつその単位グルコ
ース環当りの平均置換基数(DS)がそれぞれ2.0〜2.9お
よび0.05〜0.95であるセルロース誘導体と、重合開始剤
と、2−ヒドロキシエチルメタクリレートおよび/また
はN,N′−ジメチルアクリルアミドとからなるアクリル
系樹脂組成物。 - 【請求項2】請求項1記載の、セルロース誘導体が5〜
50重量%、重合開始剤が0.2〜5.0重量%、2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートおよび/またはN,N′−ジメチ
ルアクリルアミドが10〜80重量%であるアクリル系樹脂
組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1129792A JP2538056B2 (ja) | 1989-05-23 | 1989-05-23 | アクリル系樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1129792A JP2538056B2 (ja) | 1989-05-23 | 1989-05-23 | アクリル系樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02308805A JPH02308805A (ja) | 1990-12-21 |
JP2538056B2 true JP2538056B2 (ja) | 1996-09-25 |
Family
ID=15018346
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1129792A Expired - Fee Related JP2538056B2 (ja) | 1989-05-23 | 1989-05-23 | アクリル系樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2538056B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4093557B2 (ja) | 2002-11-14 | 2008-06-04 | 東洋合成工業株式会社 | 感光性樹脂組成物および含水ゲルの形成方法並びに含水ゲル |
WO2019151360A1 (ja) * | 2018-01-30 | 2019-08-08 | 学校法人東京理科大学 | リオトロピック液晶材料、リオトロピック液晶フィルム及びその製造方法、センサー、並びに、光学素子 |
JP7136171B2 (ja) | 2020-12-04 | 2022-09-13 | コニカミノルタ株式会社 | パラメータ決定装置、画像形成装置、後処理装置、給紙装置、およびパラメータ決定方法 |
-
1989
- 1989-05-23 JP JP1129792A patent/JP2538056B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02308805A (ja) | 1990-12-21 |
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