JP2536959B2 - 電気温水器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気温水器、特に複数の缶体を有する電気
温水器の故障モード動作に関するものである。

〔従来の技術〕 市水を缶体内に導入し、電熱により沸上げて給湯する
ための従来の電気温水器の缶体内には、沸上げ温度を制
御するための缶体内の湯温を検知するための温度制御セ
ンサが配設されている。

従来のこの種の電気温水器は１個の缶体で構成されて
おり、前記温度制御センサが故障（関連配線系の故障を
も含む。以下これに準ずる。）すると、沸上げた湯温が
不明となるため沸上げ動作を停止し、従って給湯機能も
停止するよう設計されていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかしながら、最近において、給水側と給湯側にそれ
ぞれの缶体を備えた複数缶体形式の電気温水器が開発さ
れており、この場合も前記従来例方式に従えばいずれか
の温度制御センサが故障した時点から沸上げ動作が行わ
れず、給湯機能が全面的に停止してしまうことになる。

本発明は、複数の缶体構成の場合、例えば、給水側缶
体内の温度制御センサが故障した場合には、温水器とし
ての給湯機能の停止をできるため少くし、また、給湯側
缶体内の温度制御センサが故障した場合には、沸上げ温
度が設定温度より高温となる危険性を防止し、また自動
給湯機能付の場合には浴槽等に冷水が出てくる可能性を
防止することのできる手段の提供を目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

このため、本発明においては、給水側缶体及び給湯側
缶体を有する電気温水器において、前記給水側缶体内の
温度制御センサが故障したとき、制御手段がこれを検知
して、前記給水側缶体の沸上げ動作のみを禁止し、ま
た、前記給湯側缶体内の温度制御センサが故障したと
き、前記制御手段がこれを検知して前記両缶体すべての
沸上げ動作を禁止すると共に、この電気温水器が自動給
湯機能を有する場合には、この自動給湯動作を禁止する
よう構成した各プログラムを前記制御手段に備えるよう
構成したことにより、前記目的を達成しようとするもの
である。

〔作用〕

以上のこのような構成により、給水側缶体内の温度制
御センサが故障した場合は、すべてのシステム動作を停
止させることなく、給湯側缶体の沸上げが続行されて、
給湯機能が残存し、また給湯側缶体内の温度制御センサ
が故障した場合には、両缶体すべての沸上げ動作を禁止
するため設定温度以上の沸上げが防止されて安全性が向
上し、また自動給湯機能付の場合は、この機能が停止す
るため、浴槽に冷水が供給されたりする怖れがなくな
る。

〔実施例〕

以下に、本発明を実施例に基づいて説明する。第１図
に本発明に係る複数の缶体を有する電気温水器の一実施
例の概要構成ブロック図を示す。

（構成） この電気温水器はそれぞれ給水側及び給湯側の缶体1
1及び缶体2 2とより成り、それぞれの内部に沸上げ用の
ヒータ1 3,ヒータ2 4ならびに湯温検知用の温度制御セ
ンサ5,温度制御センサ2 6を内蔵している。７は、缶体1
1へ供給する市水（水道）等の低温水を示す。缶体1 1
の沸上げ湯は缶体2 2へ直列的に供給されて再加熱さ
れ、高温湯給湯口８より台所，洗面所等の必要箇所９へ
給湯される。また、一点鎖線で示す10は高温湯給湯口８
から分岐されて浴槽11の自動的に給湯するために、各種
の弁，ポンプ，シスターン（いずれも不図示）等で構成
される自動給湯装置付きの場合を示す。

12は、後えばワンチップマイクロコンピュータ等を有
する制御基板、13は、例えば台所等に設置される遠隔操
作装置（“リモコン”と略称する）である。各温度制御
センサ1,2 5,6で読出された出力温度データはそれぞれ
制御基板12に入力され、各ヒータ1,2 3,4を制御し、所
定の設定温度に達した時点で停止させる。自動給湯装置
10及びリモコン13も、それぞれ制御基板12によって相互
に必要な各種の制御を行うように構成されている。

（故障モードプログラム） つぎに、温度制御センサ1,2 5,6のいずれかが故障し
た場合の動作制御プログラムについて説明する。

１）給水側缶体1 1内の温度制御センサ1 5が故障した場
合は、この故障を制御基板12が検知して、この給水側缶
体1 1の沸上げ動作を禁止し、給湯側缶体2 2のみで沸上
げ動作を行うようなプログラムされており、 ２）一方、給湯側缶体2 2側の温度制御センサ2 6が故障
した場合には、制御基板12がこれを検知して、両缶体1,
2 1,2のすべての沸上げ動作を停止させ、また、前期自
動給湯装置10を有する場合には、この自動給湯機能を禁
止するようプログラムされている。

（作用） 以上のような動作制御プログラムにより、 １）前記温度センサ1 5故障の場合にも給湯機能が残存
するため、湯を使えなくする機会が減少し、 ２）一方、温度制御センサ2 6故障の場合、湯温不明の
ために生ずる設定温度以上の高温沸上げ可能性が防止さ
れ、また自動給湯装置付きの場合はこの機能が禁止され
るため、浴槽等に冷水が出てくる可能性がなくなる。

（他の実施例） なお、この発明原理は、電気温水器が３以上の缶体を
有する場合にも拡大して適用することができる。

〔発明の効果〕

以上、説明したように、本発明によれば、複数の缶体
を有する電気温水器の給水側缶体内の温度制御センサが
故障したときでも給湯機能が完全に停止することがな
く、また給湯側缶体の温度制御センサが故障した場合に
は、危険な高温沸上げが防止され、また、自動給湯装置
付きの場合にも浴槽等に冷水が供給される不安が解消さ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明に係る複数の缶体を有する電気温水
器の一実施例の概要構成ブロック図である。 1/2……給水側／給湯側缶体1/2 5/6……缶体1/缶体２内温度制御センサ1/2 10……自動供給装置 12……制御基板

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】給水側缶体及び給湯側缶体を有する電気温
   水器において、前記給水側缶体内の温度制御センサが故
   障したとき、制御手段がこれを検知して、前記給水側缶
   体の沸上げ動作のみを禁止し、また、前記給湯側缶体内
   の温度制御センサが故障したとき、前記制御手段がこれ
   を検知して前記両缶体すべての沸上げ動作を禁止すると
   共に、この電気温水器が自動給湯機能を有する場合は、
   この自動給湯動作を禁止するよう構成した各プログラム
   を前記制御手段に備えたことを特徴とする電気温水器。