JP2536758Y2

JP2536758Y2 - インクカートリッジ装置

Info

Publication number: JP2536758Y2
Application number: JP1987109913U
Authority: JP
Inventors: 忠二石川
Original assignee: Ricoh Co Ltd
Current assignee: Ricoh Co Ltd
Priority date: 1987-07-17
Filing date: 1987-07-17
Publication date: 1997-05-28
Anticipated expiration: 2002-07-17
Also published as: JPS6416333U

Description

【考案の詳細な説明】技術分野本考案は、新しいものと適宜交換可能にインクカート
リッジを備え、そのインクカートリッジでインクを補充
し、その補充したインクを記録ヘッドから噴射して順次
記録を行うインクジェットプリンタ等に使用するインク
カートリッジ装置に関する。詳しくは、インクカートリ
ッジ内のインクタンクのゴム栓に中空針を突き刺してイ
ンクを流出するインクカートリッジ装置、特にそのゴム
栓の改良に関する。

従来技術この種のインクカートリッジ装置に関して、例えば、
インクカートリッジのインクタンクをベローズ状として
これをスプリングで常時加圧し、インクカートリッジを
キャリッジに着脱可能に備えてゴム栓の底部に中空針を
突き刺し、必要時にその中空針の下端の弁シートを開い
てインクタンク内のインクを中空針を通じてキャリッジ
側のメインインクタンクへ流入する構造のものを、本出
願人は先に提供している。

ところで、そのようなインクカートリッジ装置では、
インクカートリッジの着脱により中空針の抜き差しを繰
り返して少しでもゴム栓に亀裂が生じると、インクは水
などに比べて表面張力が小さいので、その亀裂から中空
針の外部に漏れてしまう。また、中空針を引き抜いた時
に、その後に引き抜き孔が残らないように即座に閉じな
いと、その部分からインクが漏れてしまう。特に、イン
クを加圧する方式のものでは、そのようなインクの漏れ
が甚だしくなる。

そのため、ゴム栓の材質の選定には特に注意が必要
で、亀裂が生じないように、また引き抜き孔が残らない
ように種々の試みがなされている。

ところが、ゴム栓の構造については、上記のようなイ
ンクの漏れを防止する配慮はなされておらず、従来のゴ
ム栓は単なるキャップ状であった。

目的本考案の目的は、ゴム栓自体を、それに亀裂が生じて
もこれを速やかに自動的に閉じるように、また中空針を
引き抜いたときにも、その後に引き抜き孔が残らないよ
うに密閉する構造として、インク漏れを確実に防止でき
るインクカートリッジ装置を提供することにある。

構成本考案は、上記目的を達成するために、インクカート
リッジケース内にインクタンクを有し、そのインクタン
クの突出したインク流出部の出口にゴム栓を嵌め込み、
そのゴム栓に中空針を突き刺してインクを流出するイン
クカートリッジ装置において、前記ゴム栓に、前記イン
ク流出部の出口に嵌め込む嵌合部とその嵌合部の内面か
ら突出して外周面をテーパとした山形の凸部を設け、そ
の凸部を、前記インク流出部内に形成したテーパ孔に押
し込んできつく嵌合し、該ゴム栓を前記カートリッジケ
ースで保持してなる、ことを特徴とする。

そして、外周面をテーパとしたゴム栓の凸部をインク
流出部のテーパ孔に押し込んできつく嵌合するから、テ
ーパによるくさび作用で凸部の中心に向けて常時強い締
め付け力を働かせ、気密性を保持し、突部に仮に亀裂が
生じてもそれを即座に閉じることができ、また中空針を
引き抜いたときにも引き抜き孔を直ちに塞いでインク漏
れを防止することができる。さらに、ゴム栓を全体的に
締め付けるのではなく、その凸部のみを局部的に締め付
けるから、ゴム栓に対する中空針の抜き刺しを容易とす
ることができる。

以下、本考案の１実施例を図面に基づいて説明する。

第４図は、本考案に関係する部分を断面したインクジ
ェットプリンタを示す。キャリッジ（10）は、ガイドロ
ッド（11）とガイドレール（12）に沿ってプラテン（1
3）と平行に摺動される。該キャリッジ（10）は多数の
部材を積層してつくられ、内部にメインインクタンク
（14）を形成し、また上部に記録ヘッド（15）および偏
向電極（16）を装着している。メインインクタンク（1
4）中のインク（17）は、図示しないポンプによってイ
ンク供給通路（18）を通じて記録ヘッド（15）へ供給さ
れ、該記録ヘッド（15）の先端ノズル（19）からインク
粒子（20）となって噴射され、偏向電極（16）で偏向さ
れてプラテン（13）上の用紙（21）へ吹き付けられる。
余分なインク粒子（20）はガター（22）で受けられ、イ
ンク回収通路（23）からメインインクタンク（14）に回
収され、再び噴射される。

キャリッジ（10）上に着脱自在に装填されるインクカ
ートリッジ（24）は、そのカートリッジケース（25）内
に、ベローズ状の収縮するインクタンク（26）を収納し
ている。該インクタンク（26）中にはインク（27）が封
入され、そのインクタンク（26）はスプリング（28）に
よって加圧されている。

第１図に示すように、インクタンク（26）の突出した
インク流出部（29）の外周面には雄ネジ（30）が形成さ
れ、該雄ネジ（30）はカートリッジケース（25）の底面
中央に突出された口部（31）の雌ネジ（32）に螺合され
ている。また、インク流出部（29）は、その出口側にゴ
ム栓（33）を嵌め込んで閉塞されている。

そのゴム栓（33）は、その内面に、円錐台形の凸部
（34）を設けている。また、前記インク流出部（29）
は、その内側にリブ（35）を固設し、そのリブ（35）の
中央部に前記凸部（34）に対応するテーパ孔（36）を形
成している。そして、前記ゴム栓（33）をインク流出部
（29）に嵌め込むと、前記凸部（34）がテーパ孔（36）
にきつく嵌合する。また、ゴム栓（33）は、その外面
に、後述する中空針の外径よりも小径のガイド穴（37）
を中空針の突き刺し線上に設けている。そのガイド穴
（37）の入口には、中空針を挿入し易くするための面取
り（38）が施してある。

一方、第４図に示すように、キャリッジ（10）の上面
には凹部（39）が形成され、該凹部（39）内の中央に中
空針（40）が垂直に突設されている。そして、インクカ
ートリッジ（24）をキャリッジ（10）上に装着し、その
カートリッジケース（25）の口部（31）をキャリッジ
（10）の凹部（39）に嵌合させると、第２図に示すよう
に、中空針（40）がゴム栓（33）のガイド穴（37）を通
して凸部（34）の中央に突き刺さる。このとき、ガイド
穴（37）の径が中空針（40）の外径よりも小さいので、
中空針（40）はガイド穴（37）を拡径しながら通され
る。

このように中空針（40）がゴム栓（33）を貫通した状
態で、該中空針（40）の下端が図示しない弁シートによ
って開かれると、インクタンク（26）内のインク（27）
が該中空針（40）を通じてメインインクタンク（14）内
に注入される。

しかして、前記ゴム栓（33）の凸部（34）はリブ（3
6）のテーパ孔（37）に嵌合して、そのくさび作用によ
り第３図に示すように、前記凸部（34）の中心方向に矢
印で示す締め付け力が常時作用する。このため、その凸
部（34）にたとえ亀裂（100）が生じてもそれは即座に
閉じられ、また中空針（40）を引き抜いたときも、その
引き抜き孔が即座に密閉される。

従って、本実施例によれば、ゴム栓自体によってシー
ル効果を高められ、インク漏れを確実に防止できる。そ
の結果、ゴム栓の材質として、ゴム硬度25°〜35°硬度
の比較的軟かいものを使用できるようになる。この材質
は、弾性収縮力が多少弱いものの亀裂を生じにくいの
で、亀裂に対する信頼度が向上する。しかし、従来技術
において、もし、そのような材質を用いると、弾性収縮
力が弱く、中空針を引き抜いたときに、その後の引き抜
き孔を即座には閉じないので、インク漏れが生じてしま
う。このため、従来技術では、亀裂に対する信頼度を失
なってでも弾性収縮力が強い、つまりゴム硬度の高い材
質でゴム栓を作っているのが現状である。

また、上記実施例では、中空針（40）を突き刺す時
に、その中空針（40）はガイド穴（37）を拡径しながら
これに挿入されるので、中空針（40）とガイド穴（37）
とが強く密着し、シール効果がより向上する。

なお、上記実施例は、インクを加工する方式のものに
適用した例を示したが、インク加圧せずに流出する方式
にも適用されることは勿論であり、この方式ではインク
が加圧されないので、インク漏れ防止効果が一層向上す
る。

また、上記実施例は、インクカートリッジをキャリッ
ジに備えたれいを示したが、そのインクカートリッジを
キャリッジ以外の箇所、例えば本体フレームに備えるタ
イプのものにも適用されることは勿論である。

効果本考案によれば、外周面をテーパとしたゴム栓の凸部
をインク流出部のテーパ孔に押し込んできつく嵌合する
ことから、テーパによるくさび作用で凸部の中心に向け
て常時強い締め付け力を働かせ、気密性を保持してシー
ル効果を高め、凸部に仮に亀裂が生じてもそれを即座に
閉じることができ、また中空針を引き抜いたときにも引
き抜き孔を直ちに塞いでインク漏れを確実に防止するこ
とができる。さらに、ゴム栓を全体的に締め付けるので
はなく、その凸部のみを局部的に締め付けることから、
ゴム栓に対する中空針の抜き刺しを容易とすることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるインクカートリッジ装置の断面図
で、中空針を引き抜いた状態を示す。第２図は中空針を
突き刺した状態の断面図、第３図はゴム栓に締め付け力
が作用する状況を説明する断面図、第４図は本考案を適
用したインクジェットプリンタにおけるキャリッジ部分
の断面図である。（24）……インクカートリッジ（26）……インクタンク（27）……インク（29）……インク流出部（33）……ゴム栓（34）……ゴム栓の凸部（35）……リブ（36）……テーパ孔（40）……中空針

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】カートリッジケース内にインクタンクを有
し、そのインクタンクの突出したインク流出部の出口に
ゴム栓を嵌め込み、そのゴム栓に中空針を突き刺してイ
ンクを流出するインクカートリッジ装置において、前記
ゴム栓に、前記インク流出部の出口に嵌め込む嵌合部と
その嵌合部の内面から突出して外周面をテーパとした山
形の凸部を設け、その凸部を、前記インク流出部内に形
成したテーパ孔に押し込んできつく嵌合し、該ゴム栓を
前記カートリッジケースで保持してなる外周面をテーパとした山形の凸部を設け、その凸部の外
周面を、前記インク流出部内に形成したテーパ孔にきつ
く嵌合し、該ゴム栓を前記カートリッジケースで保持し
てなる、インクカートリッジ装置。
【請求項２】ゴム栓の凸部が円錐台形をなし、その凸部
を嵌合するテーパ孔がインク流出部内側に固設したリブ
に形成されてなる、前記実用新案登録請求の範囲第１項
に記載のインクカートリッジ装置。