JP2536513B2 - 不透過性炭素材の製造法 - Google Patents

不透過性炭素材の製造法

Info

Publication number
JP2536513B2
JP2536513B2 JP62080020A JP8002087A JP2536513B2 JP 2536513 B2 JP2536513 B2 JP 2536513B2 JP 62080020 A JP62080020 A JP 62080020A JP 8002087 A JP8002087 A JP 8002087A JP 2536513 B2 JP2536513 B2 JP 2536513B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
carbon material
parts
resin
impermeable carbon
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP62080020A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63248708A (ja
Inventor
幸次郎 太田
康博 愛場
房司 林
孝幸 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP62080020A priority Critical patent/JP2536513B2/ja
Publication of JPS63248708A publication Critical patent/JPS63248708A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2536513B2 publication Critical patent/JP2536513B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は不透過性炭素材の製造法に関する。
(従来の技術) 不透過性炭素材は、硬度大、電気抵抗小、耐食性及び
耐薬品性に優れる等の長所を有し、パッキン、ガスケッ
ト等に用いられているほか、化学プラントへの応用、エ
レクトロニクス産業、原子力産業、宇宙産業等の種々の
分野への利用が期待されている。
従来の不透過性炭素材としては、不浸透黒鉛材及び硬
質カーボン(ガラス状カーボン)材がその主なものであ
る。
(発明が解決しようとする問題点) 不浸透黒鉛材は、一般的にはコークス粉等の骨材にタ
ールピッチ等の結合剤を加え、成形、焼成して得られる
炭素材にフェノール樹脂、フラン樹脂等を含浸、硬化さ
せたもの又は含浸、硬化後、再焼成したもの若しくは含
浸、硬化、焼成の工程を繰り返したものであり、通気率
が小さく(10-8cm2/秒)、強度が基材の2倍以上あり、
耐食性に優れるけれども、製造工程が複雑であるという
欠点を有する。この欠点を解決する手段として、炭素粉
末を多量の熱硬化性樹脂バインダと混練、加熱成形する
方法等が知られている。
しかし、この方法による場合は、組織中に樹脂が介在
する関係で、炭素材固有の耐熱性、耐食性及び電気伝導
性が大きく後退する結果を招く。また上記樹脂結合法に
より、得られた成形体を、更に非酸化性雰囲気中で焼成
する方法も知られている。この方法によると最終的に介
在する樹脂成分が炭化されることから耐熱性、耐食性及
び電気伝導性は復帰するが、問題となる気体不透過性の
付与度合は、出発原料となる炭素骨材、樹脂バインダの
性状、配合比率、成形条件等によって大きく左右される
という欠点を有する。
一方、熱硬化性樹脂単味を硬化させて、固相炭化を経
て硬質カーボン材を製造する方法がある。この方法によ
れば固相炭化であるため均質なカーボン材料を得ること
ができる。
しかし、原料となる熱硬化性樹脂が固体(粉末)の場
合には、加圧熱処理による硬化過程でガス抜きを完全に
行うことができず、空孔が残ってしまう。また、熱硬化
性樹脂が液体の場合には、硬化前の樹脂が取り込んだガ
スや、樹脂に含まれる揮発物、未反応物、副生成物等の
ために、空孔が残り、ときには、内部に連続空孔が生じ
ることがある。この様な材料でも事実上気体不透過性を
示すが、耐食性に乏しい欠点を有する。
また、前記熱硬化性樹脂を焼成する場合、焼成中に発
生するガス等により、製品表面にふくれや亀裂が発生し
易く、これを防止しようとして徐熱するために生産性が
低下する。
本発明は、上記した欠点を解消する不透過性炭素材の
製造法を提供することを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 本発明者らは、熱硬化性樹脂に対してあらかじめ可塑
剤を0.3〜30重量%加えておき、これを成形し、硬化
し、次いで炭化することにより上記目的を達成し得るこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、熱硬化性樹脂に対して可塑剤を0.3〜30重
量%加えて混合し、成形硬化後、非酸化性雰囲気中で炭
化する不透過性炭素材の製造法に関する。
本発明に用いられる熱硬化性樹脂としては特に制限は
ないが、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエ
ステル樹脂、フラン樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹
脂、キシレン樹脂等を挙げることができ、またこれらの
樹脂の混合物が用いられる。上記のうちフラン樹脂及び
/又はフェノール樹脂を用いることが好ましい。
本発明における可塑剤としては、ジブチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ジプロピルフタレート等のジ
アルキルフタレート類、グリセリン、エチレングリコー
ル、トリアセチン等の多価アルコール又はその誘導体、
ナフタレン、アニリン等から選ばれた1種又はその混合
物が用いられる。
可塑剤の量は、熱硬化性樹脂に対して可塑剤を0.3〜3
0重量%の範囲とされ、0.3重量%未満では硬化が不十分
であり、30重量%を越えると発泡が起こり易く不透過性
低下の原因となる。
本発明において、熱硬化性樹脂及び可塑剤の混合物に
骨材を添加することができる。骨材としては前記熱硬化
性樹脂の炭化物の粉末、カーボンブラック、その他の炭
素粉末等があり、骨材は粉末状のほか繊維状であっても
よい。熱硬化性樹脂は可塑剤及び必要に応じて前記骨材
を加え、公知の混合機で十分に混合され、硬化前に目的
とする不透過性炭素材の用途に応じて公知の成形法によ
り所定の形状に成形される。成形体は、非酸化性雰囲気
中で焼成し炭化される。好ましくは1000℃以上の温度で
焼成炭化して不透過性炭素材とされる。
なお、本発明でいう非酸化性雰囲気とは、酸素を含ま
ず、通常ヘリウム、アルゴン、窒素、水素、ハロゲンか
らなる群より選ばれた少なくとも1種の気体よりなる雰
囲気、減圧又は真空下の雰囲気のことをいう。
(作用) 熱硬化性樹脂だけを硬化したものは表面が最も緻密で
硬い。これに熱硬化性樹脂に対して可塑剤を0.3〜30重
量%添加すると前記硬化物の表面と内部との緻密性の差
が緩和され、これを焼成し炭化する場合のガス抜けが均
一化され、ふくれや亀裂が防止される。
(実施例) 以下本発明の実施例を説明する。
実施例1 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)100重量
部にパラトルエンスルホン酸50重量%水溶液0.6重量
部、フタル酸nブチル(和光純薬工業(株)製)10重量
部及びエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)5
重量部を添加し、十分混合した後、2〜5mHgを減圧し、
内部気泡を脱気した後、回転駆動遠心成形機により60℃
雰囲気中、1750rpmの回転数で8時間回転して半硬化状
態に成形した。離型した管状樹脂半硬化物を縦方向に切
開し、次いで展開して厚さ5mm、幅100mm、長さ200mmの
板を得た。
次にこの板をステンレス鋼板で挟み約0.3kg/cm2の圧
力で押圧した後、そのままの状態で、70℃、90℃及び12
0℃の三段階の温度で各48時間硬化を行った。その後、
窒素雰囲気中で1200℃まで焼成し炭化を行って不透過性
炭素材を得た。得られた不透過性炭素材の物理特性を第
1表に示す。試料破談面は鏡面の光沢を呈し均質なもの
であった。
実施例2 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)100重量
部にパラトルエンスルホン酸50重量%水溶液0.6重量
部、フタル酸nブチル(和光純薬工業(株)製)10重量
部及びエチレングリコール(和光純薬工業(株)製)10
重量部を添加し、十分混合した後、実施例1と同様の条
件下において、不透過性炭素材を得た。得られた不透過
性炭素材の物理特性を第1表に示す。試料破談面は鏡面
の光沢を呈し均質なものであった。
実施例3 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)70重量
部にフェノール樹脂(日立化成工業(株)製、商品名VP
−11N)30重量部を70℃の温度で十分混合した後、30℃
まで冷却した。該混合物100重量部に対し、パラトルエ
ンスルホン酸50重量%水溶液0.6重量部、フタル酸nブ
チル(和光純薬工業(株)製)5重量部及びエチレング
リコール(和光純薬工業(株)製)20重量部を添加し、
十分混合した後、実施例1と同様の条件下において、不
透過性炭素材を得た。得られた不透過性炭素材の物理特
性を第1表に示す。試料破談面は鏡面の光沢を呈し均質
なものであった。
実施例4 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)70重量
部にフェノール樹脂(日立化成工業(株)製、商品名VP
−11N)30重量部を70℃の温度で十分混合した後、30℃
まで冷却した。該混合物100重量部に対し、パラトルエ
ンスルホン酸50重量%水溶液0.6重量部、フタル酸nブ
チル(和光純薬工業(株)製)15重量部及びエチレング
リコール(和光純薬工業(株)製)5重量部を添加し、
十分混合した後、実施例1と同様の条件下において、不
透過性炭素材を得た。得られた不透過性炭素材の物理特
性を第1表に示す。試料破談面は鏡面の光沢を呈し均質
なものであった。
比較例1 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)100重量
部にパラトルエンスルホン酸50重量%水溶液0.6重量部
を添加し、十分混合した後、実施例1と同様の条件下に
おいて、不透過性炭素材を得た。得られた不透過性炭素
材の物理特性を第1表に示す。試料破談面は鏡面の光沢
を呈し均質なものであった。
実施例5 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)100重量
部にパラトルエンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)
0.3重量部、フタル酸nブチル(和光純薬工業(株)
製)5重量部及びエチレングリコール(和光純薬工業
(株)製)5重量部を添加し、十分混合した後、実施例
1と同様の条件下において、不透過性炭素材を得た。得
られた不透過性炭素材の物理特性を第1表に示す。試料
破談面は鏡面の光沢を呈し均質なものであった。
実施例6 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)100重量
部にパラトルエンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)
0.3重量部及びエチレングリコール(和光純薬工業
(株)製)1.5重量部を添加し、十分混合した後、実施
例1と同様の条件下において、不透過性炭素材を得た。
得られた不透過性炭素材の物理特性を第1表に示す。試
料破談面は鏡面の光沢を呈し均質なものであった。
実施例7 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)100重量
部にパラトルエンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)
0.3重量部及びエチレングリコール(和光純薬工業
(株)製)0.3重量部を添加し、十分混合した後、実施
例1と同様の条件下において、不透過性炭素材を得た。
得られた不透過性炭素材の物理特性を第1表に示す。試
料破談面は鏡面の光沢を呈し均質なものであった。
比較例2 フルフリルアルコール・フルフラール共縮合樹脂(日
立化成工業(株)製、商品名ヒタフランVF303)100重量
部にパラトルエンスルホン酸(和光純薬工業(株)製)
0.3重量部及びエチレングリコール(和光純薬工業
(株)製)0.2重量部を添加し、十分混合した後、実施
例1と同様の条件下において、不透過性炭素材を得た。
得られた不透過性炭素材の物理特性を第1表に示す。試
料破談面は鏡面の光沢を呈し均質なものであった。
第1表において、酸化減量は10mm角×厚さ2mmの試験
片を600℃の大気中に30分さらしたときの毎分、1cm2
たりの減量を示す。数値が小さいほど耐酸化性が優れる
ことを示す。気体透過度は1kg/cm2の圧力で厚さ3mmの試
験片を通過するヘリウムガスの量を測定し、次式により
求めた。
数値が小さいほど不透過性にすぐれることを示す。
従来材(比較例)に比べ、本発明の不透過性炭素材は
酸化減量が1/3であり、かつ気体透過度が1桁以上小さ
く、優れた性能を有している。
(発明の効果) 本発明によって得られる不透過性炭素材は、炭化減量
が小さく、耐食性及び耐熱性に優れている。このため、
原子力工業、高温化学工業、その他化学工業、電子工業
及び摺動材料等に広く応用可能であり、その工業的効果
は大なるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 孝幸 日立市東町4丁目13番1号 日立化成工 業株式会社茨城研究所内 (56)参考文献 特開 昭59−169915(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂に対して可塑剤を0.3〜30重
    量%加えて混合し、成形硬化後、非酸化性雰囲気中で炭
    化することを特徴とする不透過性炭素材の製造法。
  2. 【請求項2】熱硬化性樹脂がフラン樹脂及び/又はフェ
    ノール樹脂である特許請求の範囲第1項記載の不透過性
    炭素材の製造法。
JP62080020A 1987-04-01 1987-04-01 不透過性炭素材の製造法 Expired - Lifetime JP2536513B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62080020A JP2536513B2 (ja) 1987-04-01 1987-04-01 不透過性炭素材の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62080020A JP2536513B2 (ja) 1987-04-01 1987-04-01 不透過性炭素材の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63248708A JPS63248708A (ja) 1988-10-17
JP2536513B2 true JP2536513B2 (ja) 1996-09-18

Family

ID=13706610

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62080020A Expired - Lifetime JP2536513B2 (ja) 1987-04-01 1987-04-01 不透過性炭素材の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2536513B2 (ja)

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59169915A (ja) * 1983-03-09 1984-09-26 Kao Corp ガラス状カーボン材料の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPS63248708A (ja) 1988-10-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US3814642A (en) Manufacture of carbon shaped articles
US3346678A (en) Process for preparing carbon articles
US3201330A (en) Process of forming a carbon article from furfural alcohol and carbon particles
EP0178753B1 (en) Process for producing a sintered silicon carbide/carbon composite ceramic body having ultrafine grain microstructure
JP2536513B2 (ja) 不透過性炭素材の製造法
JPH0157467B2 (ja)
JP3135187B2 (ja) イオン注入部材用の炭素材料およびその製造方法
JPH0365505A (ja) 低密度膨張黒鉛成形体及びその製造法
JP2700798B2 (ja) 炭素・黒鉛材料の製造方法
JPS62138361A (ja) 炭素材料よりなる高密度成形体の製造方法
JPS62275009A (ja) 不浸透性炭素材料の製造方法
DE2131792B2 (de) Verfahren zur Herstellung von Kohlenstoffkörpern
JPH0553190B2 (ja)
JPS63967A (ja) 燃料電池用電極基板の製造方法
JPH0159969B2 (ja)
JPS63265863A (ja) 炭素繊維強化炭素複合材料およびその製造方法
JP3342508B2 (ja) 不透過性炭素質プレートの製造方法
JPH044242B2 (ja)
JPS60112609A (ja) 硬質炭素成形品の製造法
JP2003020278A (ja) 炭素質薄板
JPH06104591B2 (ja) 薄板状炭素質成形体の製造方法
JPH0236551B2 (ja)
JPH0463806B2 (ja)
JPS62283807A (ja) 不浸透性炭素材料
JPH05270938A (ja) 多孔質炭素材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20070708

Year of fee payment: 11