JP2535782B2 - アンギオテンシン変換酵素阻害物質 - Google Patents

アンギオテンシン変換酵素阻害物質

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JP2535782B2 JP6113396A JP11339694A JP2535782B2 JP 2535782 B2 JP2535782 B2 JP 2535782B2 JP 6113396 A JP6113396 A JP 6113396A JP 11339694 A JP11339694 A JP 11339694A JP 2535782 B2 JP2535782 B2 JP 2535782B2
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  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、アンギオテンシンI
をアンギオテンシンIIに変換させるアンギオテンシン変
換酵素の活性を阻害するアンギオテンシン変換酵素阻害
物質に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、アンギオテンシン変換酵素が
アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変換させる
作用を有することが知られている。そして、このように
アンギオテンシン変換酵素によってアンギオテンシンI
から変換されたアンギオテンシンIIが血圧を上昇させる
作用を有すると言われている。このため、アンギオテン
シンIをアンギオテンシンIIに変換させるアンギオテン
シン変換酵素の活性を阻害すれば、血圧の上昇を抑制す
ることができるとして、従来より、上記のようなアンギ
オテンシン変換酵素の活性を阻害する物質について様々
な研究が行われ、種々のアンギオテンシン変換酵素阻害
物質が開発されるに至った。
【0003】そして、上記のようなアンギオテンシン変
換酵素の活性を阻害する物質として、従来においては、
例えば、D−2−メチル−3−メルカプトプロパノイル
−L−プロリンのような合成物質の他、特開昭62−2
70533号公報,特開昭64−5497号公報,特開
昭64−83096号公報においてカゼインを分解させ
て得られる各種のペプチドが開示されている。しかし、
上記の合成物からなるアンギオテンシン変換酵素阻害物
質は、一般にアンギオテンシン変換酵素の阻害活性が高
いが、合成物であるため、多くの場合、副作用等の安全
性の点で若干問題を有していた。
【0004】一方、カゼイン等を分解して得られるアン
ギオテンシン変換酵素阻害物質の場合、上記の合成物か
らなるものに比べ、その阻害活性が一般に低いが、その
原料が天然物、特に食品由来のものであるため、一般に
その毒性が低く、安全性の高いものであった。このた
め、上記のように天然物、特に食品由来のアンギオテン
シン変換酵素阻害物質について、さらなる開発が望まれ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記のよ
うな事情に鑑みなされたものであり、アンギオテンシン
IをアンギオテンシンIIに変換させるアンギオテンシン
変換酵素の活性を有効に阻害して、血圧の上昇を抑制で
きると共に、人体に対する安全性も高く、食品等として
投与され、マイルドな作用で血圧の上昇を抑制すること
ができるアンギオテンシン変換酵素阻害物質を提供する
ことを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明においては、ア
ンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変換させるア
ンギオテンシン変換酵素の活性を阻害するアンギオテン
シン変換酵素阻害物質として、下記に示す構造式〔1〕
のペプチドまたはその塩を用いるようにしたのである。 〔1〕 Tyr-Arg-Ile-Leu-Glu-Phe
【0007】ここで、上記ペプチドにおける塩の形態と
しては、塩酸塩,臭化水素酸塩,ヨウ化水素塩,硫酸
塩,燐酸塩等の無機酸塩、酢酸塩,トリフルオロ酢酸
塩,クエン酸塩,マレイン酸塩,フマル酸塩,酒石酸
塩,乳酸塩,メタンスルホン酸塩,p−トルエンスルホ
ン酸塩等の有機酸塩が挙げられる。また、上記ペプチド
を構成するアミノ酸は、天然に存在するという点で、L
−体であることが望ましい。
【0008】上記〔1〕の構造式に示されるペプチド
は、大豆から分離された分離大豆蛋白をペプシンによっ
て分解させて製造することができる。そして、上記構造
式〔1〕に示されるペプチドまたはその塩は、アンギオ
テンシンIをアンギオテンシンIIに変換させるアンギオ
テンシン変換酵素の活性を阻害する作用を有すると共
に、上記のように食品として使用されている大豆から得
られた分離大豆蛋白を、ペプシンによって分解させて製
造することができる食品由来のものであり、安全性が高
いものとなっている。
【0009】
【実施例】次に、本発明を実施例により詳しく説明す
る。 実施例1 上記〔1〕に示す構造式のペプチドを製造する場合につ
いて説明する。この実施例においては、大豆から分離さ
せた分離大豆蛋白(不二製油(株)製、商品名:フジプ
ロ−R)3.0gを水に溶解させ、これに酢酸を加えて
pH3.2に調整し、さらに6規定の塩酸を加えてpH
2.0に調整した溶液60mlとした。そして、この溶
液にペプシンを上記分離大豆蛋白の1/500の量、す
なわち6mg加え、これを37℃で10時間反応させ、
上記分離大豆蛋白をペプシンによって酵素分解させた。
【0010】その後、これを100℃で15分間加熱
し、上記ペプシンを失活させた後、これを遠心分離機に
より、10000rpmで2分間遠心分離させて、沈澱
画分と溶液画分とに分離させ、沈澱画分を除去し、溶液
画分だけを取り出した。
【0011】次いで、このようにして取り出された溶液
画分を、分子ふるいクロマトグラフィー(ファルマシア
社製、セファデックスG−25)を用いて分画するよう
にした。ここで、上記の分子ふるいクロマトグラフィー
によって分画を行うにあたっては、カラム容積が200
mlのものを使用し、また展開液としては0.05Mの酢
酸溶液を使用し、流量が4ml/hrとなるようにし
て、各フラクションに3mlずつ分取するようにした。
【0012】次いで、このようにして分取された各フラ
クションのものについて、それぞれ蛋白量及びアンギオ
テンシン変換酵素阻害率を測定するようにした。ここ
で、蛋白量を測定するにあたり、この実施例において
は、公知のTNBS法を用いて測定するようにした。即
ち、この実施例においては、0.10%のTNBS(2,
4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸)溶液を0.5m
lと、0.01Mの亜硫酸ナトリウム溶液を0.5mlと0.
15Mのホウ酸緩衝液を2.0ml加えたものに、上記
の各フラクションにおけるサンプルを吸光度の測定範囲
に入るように適当に希釈したものを0.5ml加えて、こ
れらを37℃で60分間反応させた後、分光光度計によ
って420nmの光の吸収を測定し、その結果を、図1
に実線で示した。なお、上記分光光度計によって測定さ
れた420nmの光の吸収が大きいほど、サンプル中に
おけるペプチド数が多くなっている。
【0013】また、上記のように分取された各フラクシ
ョンにおけるアンギオテンシン変換酵素阻害率を測定す
るにあたり、この実施例においては、公知のアンギオテ
ンシン変換酵素阻害活性測定法(Cushman−Ch
eung法)によってアンギオテンシン変換酵素阻害率
を測定するようにした。ここで、この実施例において
は、ラビットラングアセトンパウダー(シグマ社製)1
0gを、100mlの50mMホウ酸緩衝液(pH8.
3)に溶解させ、40000g、40分間の遠心処理を
行った後、その上清液を50mMのリン酸カリウム緩衝
液で5倍に希釈してアンギオテンシン変換酵素溶液を調
製した。
【0014】一方、上記の各フラクションのものを凍結
乾燥させた後、これらのものをそれぞれ50mMのリン
酸カリウム緩衝液0.6mlに溶解させ、この溶液よりサ
ンプルとしてそれぞれ50μl採取した。そして、この
ように採取した50μlの各サンプルに対して、それぞ
れ基質Bz−Gly−His−Leu(ペプチド研究所
製)と、リン酸カリウム緩衝液と塩化ナトリウムとの混
合溶液と、上記のように調製したアンギオテンシン変換
酵素溶液50μlとを加えて250μlにした。この
時、上記溶液中における基質の最終濃度は2.5mM、
リン酸カリウム緩衝液の最終濃度は100mM、塩化ナ
トリウムの最終濃度は300mMであった。
【0015】次いで、このように調製された各混合溶液
を37℃で30分間反応させた後、1規定の塩酸を25
0μl添加させて反応を停止させ、その後、1.5ml
の酢酸エチルを加えて10秒間攪拌し、さらに3500
0rpmで2分間遠心分離させて、酢酸エチル層を1m
l採取した。そして、このように採取されたものを、エ
バポレートによって乾固させた後、これを1mlの蒸留
水に溶解させ、抽出されたヒブリル酸の吸収(228n
mの吸光度)を測定し、各フラクションにおけるサンプ
ルのアンギオテンシン変換酵素阻害率を、下記の〔1〕
式によって求めるようにした。
【0016】
【数1】
【0017】(但し、ODs は上記のようにしてサンプ
ルを加えて測定した時の吸光度。ODsbは上記の混合溶
液を反応させる前に1規定の塩酸を250μl添加させ
て測定した時の吸光度。ODc は上記の混合溶液にサン
プルを加えずに測定した時の吸光度。ODcbは上記の混
合溶液にサンプルを加えずに1規定の塩酸を250μl
添加させて測定した時の吸光度。)そして、このように
して測定した各フラクションのサンプルにおけるアンギ
オテンシン変換酵素阻害率(ACE阻害率)を図1に破
線で示した。この結果、同図に示すように、アンギオテ
ンシン変換酵素阻害率は、そのフラクション番号が44
〜60のものにおいて大きくなっていた。このため、こ
の実施例においては、フラクション番号が44〜60の
部分、すなわち分子量が約2000〜200のものを分
取するようにした。
【0018】そして、このようにして分取されたものを
凍結乾燥させ、次いで、このように凍結乾燥されたもの
を、分子ふるいクロマトグラフィー(ファルマシア社
製、セファデックスG−10)を使用してさらに分画す
るようにした。ここで、この分子ふるいクロマトグラフ
ィーによって分画を行うにあたっては、カラム容積が1
50mlになったものを使用し、また展開液としては0.
05Mの酢酸溶液を使用し、流量が3ml/hrとなる
ようにして、各フラクションに1mlずつ分取するよう
にした。
【0019】次いで、このようにして分取された各フラ
クションのものについて、上記の場合と同様にして、そ
れぞれ蛋白量及びアンギオテンシン変換酵素阻害率を測
定するようにした。そして、分光光度計によって測定さ
れた各フラクションにおける420nmの光の吸収結果
を、図2に実線で示す一方、各フラクションから採取さ
れた各サンプルにおけるアンギオテンシン変換酵素阻害
率(ACE阻害率)を図2に破線で示した。この結果、
図2に示すように、フラクション番号が105〜130
のものにおいては、ペプチド数に対するアンギオテンシ
ン変換酵素阻害率が高くなっていた。このため、この実
施例においては、フラクション番号が105〜130の
もの、すなわち分子量が約1000〜400のものを分
取するようにした。
【0020】そして、このようにして分取したものを、
今度は陽イオン交換分離によって、分画するようにし
た。ここで、陽イオン交換分離を行うにあたっては、フ
ァルマシア社製のFPLCユニットを使用すると共に、
カラムとして陽イオン交換樹脂Mono S HR5/
5(商品名)を使用し、また展開液として、0.05Mの
酢酸−アンモニア緩衝液(pH7.5)を用いる一方、
グラジエントとして、0.5Mの塩化ナトリウム溶液を用
い、この塩化ナトリウム溶液を加える量を当初から5分
間は0にし、5〜25分の間で0〜100%に増加させ
るようにし、流量が1ml/minとなるようにして、
各フラクションに0.5mlずつ分取するようにした。
【0021】そして、上記のようにして分画された各フ
ラクションのものについて、それぞれ蛋白量及びアンギ
オテンシン変換酵素阻害率を測定するようにした。ここ
で、各フラクションにおけるアンギオテンシン変換酵素
阻害率を測定するにあたっては、各フラクションのもの
を凍結乾燥させた後、これらのものをそれぞれ50mM
のリン酸カリウム緩衝液1mlに溶解させるようにし、
それ以外については、上記のアンギオテンシン変換酵素
阻害活性測定法と同様にして、各フラクションにおける
サンプルについてそれぞれのアンギオテンシン変換酵素
阻害率(ACE阻害率)を測定し、その結果を図3
(A)に示した。
【0022】一方、各フラクションにおけるサンプルに
ついての蛋白量の測定は、公知の紫外部吸光法によって
行い、280nmの光の吸収を測定し、その結果を、図
3(B)に示した。なお、この場合においても、280
nmの光の吸収が大きいほど、サンプル中における蛋白
量が多くなっている。
【0023】この結果、上記の図3(A)に示したよう
に、0.5Mの塩化ナトリウム溶液を加えていない時点に
おける素通り画分においては、アンギオテンシン変換酵
素阻害率が低くなっていた。そして、この実施例におい
ては、図3(A)において、アンギオテンシン変換酵素
阻害率が高いフラクション番号が38,39のものを分
取するようにした。次いで、このようにして分取したフ
ラクション番号が38,39のものを凍結乾燥させ、こ
れを40μlの蒸留水に溶解させた後、高速液体クロマ
トグラフィー((株)日立製作所製のHPLC L−4
200)を用いて、さらに分画を行った。ここで、上記
高速液体クロマトグラフィーによる分画においては、0.
05%のテトラヒドロフルフリルアクリレート(TF
A)と5%のアセトアニリドとを加えたA溶液と、0.0
5%のTFAと100%のアセトアニリドとを加えたB
溶液とを用い、当初から5分間は上記A溶液だけを加
え、5〜35分の間で、上記A溶液を100〜0%に減
少させる一方で、B溶液を0〜100%に増加させるよ
うにして分画を行った。
【0024】このように分画されたものについて、前記
の紫外部吸光法により、その蛋白量を測定するようにし
た。その結果、280nmの光に対して、図4に示した
ような光の吸収結果が得られた。そして、図4において
光の吸収が高く、蛋白量が多くなっている(b)の部分
を分取し、これを凍結乾燥させた後、0.4mlの蒸留水
に溶解させ、この溶液を20μl採取したものに、50
mMのリン酸カリウム緩衝液30μlを加えて50μl
になったサンプルを調製し、前記のアンギオテンシン変
換酵素阻害活性測定法と同様にして、アンギオテンシン
変換酵素阻害率を測定したところ、このサンプルにおけ
るアンギオテンシン変換酵素阻害率は37.4%と高い
値を示した。
【0025】次いで、上記の図4に示す(b)の部分を
分取し、これを凍結乾燥させて完全に溶剤を除去した
後、再度、上記と同様な方法で高速液体クロマトグラフ
ィーによる精製を行い、その蛋白量を前記の紫外部吸光
法により測定するようにした。この結果、このものは2
80nmの光に対して、図5に示すように1つの山にな
った光の吸収が得られた。そして、同図に山で示される
(b1)の部分について、前記のようにしてアンギオテン
シン変換酵素阻害率を測定したところ、アンギオテンシ
ン変換酵素阻害率は28.4%と高い値を示したため、
この山の部分を分取した。
【0026】次いで、上記のようにして分取した図5に
示す(b1)の部分について、アミノ酸シーケンサー(ア
プライズバイオシステム社製の477A型)により、こ
れに含まれるペプチドの構造を特定した。この結果、図
5に示す(b1)の部分のものは、下記の構造式〔1〕に
示されるペプチドであることが判明した。 〔1〕 Tyr-Arg-Ile-Leu-Glu-Phe
【0027】このようにして得られた上記構造式〔1〕
のペプチドについて、前記のアンギオテンシン変換酵素
阻害活性測定法(Cushman−Cheung法)に
よって、アンギオテンシン変換酵素阻害率が50%にな
るのに必要なペプチドの濃度ID50を測定したところ、
ID50は156μMであった。
【0028】また、上記構造式〔1〕のペプチドが、そ
の原料として使用した分離大豆蛋白に由来するものであ
るかを確認したところ、上記構造式〔1〕に示されるア
ミノ酸配列は、大豆蛋白における蛋白質画分が7sα’
サブユニット配列中に存在しており、上記構造式〔1〕
のペプチドが、その原料として使用した分離大豆蛋白に
由来するものであることが確認された。
【0029】従って、上記構造式〔1〕に示されるペプ
チドは、アンギオテンシンIをアンギオテンシンIIに変
換させるアンギオテンシン変換酵素に対して、その活性
を有効に阻害することができ、食品等として投与するこ
とによって、血圧の上昇をマイルドな作用で抑制するこ
とが期待でき、このペプチドは食品として利用されてい
る大豆蛋白に由来するものであるため、副作用等の問題
がなく、人体に対する安全性も高いものであった。
【0030】
【発明の効果】以上、詳述したように、この発明に係る
アンギオテンシン変換酵素阻害物質は、アンギオテンシ
ンIをアンギオテンシンIIに変換させるアンギオテンシ
ン変換酵素の活性をマイルドな作用で有効に阻害するこ
とができると共に、食品として使用されている大豆から
得られた分離大豆蛋白を、ペプシンによって分解させて
製造できる食品由来のものであり、副作用等がなく、安
全性が高いものである。この結果、この発明に係るアン
ギオテンシン変換酵素阻害物質は、人体に対する安全性
が高く、食品等として投与して、マイルドな作用で血圧
を下げることができ、また高血圧の予防効果も期待でき
るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 分子ふるいクロマトグラフィー(ファルマシ
ア社製、セファデックスG−25)によって分画された
各フラクションにおける420nmの光に対する吸光度
及びアンギオテンシン変換酵素阻害率を示す図である。
【図2】 分子ふるいクロマトグラフィー(ファルマシ
ア社製、セファデックスG−10)によって分画された
各フラクションにおける420nmの光に対する吸光度
及びアンギオテンシン変換酵素阻害率を示す図である。
【図3】 (A),(B)は陽イオン交換分離によって
分画された各フラクションにおけるアンギオテンシン変
換酵素阻害率及び280nmの光に対する吸光度を示す
図である。
【図4】 高速液体クロマトグラフィーを用いて最初に
分画を行った場合における280nmの光に対する吸光
度を示す図である。
【図5】 高速液体クロマトグラフィーを用いて再度、
分画を行った場合における280nmの光に対する吸光
度を示す図である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の構造式〔1〕で示されるペプチド
    またはその塩を含有することを特徴とするアンギオテン
    シン変換酵素阻害物質。 〔1〕 Tyr-Arg-Ile-Leu-Glu-Phe
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