JP2535757Y2 - 制振機構を有する地中連続壁 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、高層棟等の各種の構造物における支持壁等
として好適な地中連続壁に関するものである。

（従来の技術） 従来の地中連続壁は、一般的に、油圧バケット等によ
り地中を支持地盤まで深く掘削して、この掘削溝内にシ
ンターロッキングハイプ（連結継手）、鉄筋籠等を配置
してコンクリートを打設し、インターロッキングハイプ
を引抜きこの工程を繰り返して一連に構築されており、
この地中連続壁は、高い剛性、大きな耐力等を有し、高
層棟の直下に構築されてこの荷重を確実に支持地盤に伝
達する支持壁等として適用されている。

（考案が解決しようとする課題） 従来の地中連続壁は、前記のように一連に構築されて
高い剛性、大きな耐力等を有し、高層棟等の構造物の直
下に構築してこの荷重を支持地盤に伝達する支持壁とし
て適用されているが、耐震性について格別の配慮がなさ
れてない。また、インターロッキングハイプ等の引抜工
程が必要になるなどの課題がある。

本考案は、前記のような課題に対処するために開発さ
れたものであり、その目的とする処は、構造物を支持し
ている複数の壁杭の間に介装した振動減衰材層により、
地震エネルギー等を効果的に吸収、減衰して、施工性と
ともに耐震性能を高めた制振機構を有する地中連続壁を
提供するにある。

（課題を解決するための手段） 本考案は、構造物を支持する複数の壁杭の間に、振動
減衰材層を介装して連続的に構築したことにより、容易
に施工されるとともに、地震エネルギー等を効果的に吸
収、減衰する制振機構を有する地中連続壁に構成してい
る。

（作用） 構造物を支持する複数の壁杭の間に介装した振動減衰
材層によつて、容易に施工されるとともに、地震等によ
り水平力が作用すると、この連続壁が全体的に弾性変形
して地震エネルギー等を吸収、制御し、支持している構
造物への地震入力を効果的に減衰する。

（実施例） 図１及び図２に本考案の一実施例を示している。図中
ａは高層棟等の各種の構造物、ｂは支持地盤、１は地中
に構築されている壁杭、２は各壁杭の間の鉛直継手部に
介装されている振動減衰材層、３は鉄筋籠である。

図１及び図２に示す実施例は、構造物ａを支持する複
数の壁杭1,1・・の間に、振動減衰材層２を介装して連
続的に構築したことを特徴とする制動機構を有する地中
連続壁になつている。

さらに詳述すると、前記の制振機構を有する地中連続
壁は、油圧バケット（図示省略）等により地中を支持地
盤ｂまで深く掘削し、この掘削溝に鉄筋籠３を適宜の間
隔をおき挿入して、この鉄筋籠３の相互間に硬質ゴムや
発泡体等の弾性材を装填してコンクリートを打設し、こ
れらの工程を繰り返して地中連続壁に施工されるととも
に、各壁杭1,1の相互間に、前記の弾性材で構築された
減衰材振動減衰材層２をそれぞれ介装して連続的に構築
された制振機構を有する地中連続壁に比較的に簡単な工
程で容易に構築されている。

前記の制振機構を有する地中連続壁は、図示のように
各壁杭１の間に振動減衰材層２を介装して連続的に構築
され、構造物ａの基礎下に構築した構造となつており、
基本的に高い剛性及び大きな耐力等を有するとともに、
地震力等の水平力が作用すると、各振動減衰材層２の介
装よつてこの連続壁が全体的に弾性変形して、地震エネ
ルギーを効果的に吸収、制御し、支持している構造物ａ
への地震入力を減衰するなど、優れた耐震性能を有し各
種の構築物を支持する支持壁、支周壁等として効果的に
機能する。

（考案の効果） 本考案は、前述のような構成からなり、構造物を支持
する複数の壁杭の間に介装した振動減衰材層によつて、
比較的に容易に施工されるとともに、地震力等による水
平力の作用時に、この連続壁が全体的に弾性変形して、
地震エネルギー等を効果的に吸収、制御し、支持してい
る構造物ａへの地震入力を減衰するなど、優れた耐震性
能を有し構築物を効果的に制振する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す縦断面図、第２図は第
１図の横断面図になつている。 符号の説明 1;壁杭 2;振動減衰材層 3;鉄筋籠 a;構造物 b;支持地盤

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】構造物を支持する複数の壁杭の間に、振動
   減衰材層を介装して連続的に構築したことを特徴とする
   制振機構を有する地中連続壁