JP2535586Y2 - トンネル用セグメントの連結装置 - Google Patents

トンネル用セグメントの連結装置

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JP2535586Y2
JP2535586Y2 JP1991018824U JP1882491U JP2535586Y2 JP 2535586 Y2 JP2535586 Y2 JP 2535586Y2 JP 1991018824 U JP1991018824 U JP 1991018824U JP 1882491 U JP1882491 U JP 1882491U JP 2535586 Y2 JP2535586 Y2 JP 2535586Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、シールド工法等によっ
て掘削されるトンネルの壁面を、多数のセグメントを連
結して構成させるものにおける、セグメントの連結装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種のトンネル用セグメントは、コン
クリートや鋳鉄製の材料を用いて円弧状に湾曲したブロ
ック体に形成されており、周方向及び軸方向に連結する
ことで筒状のトンネル壁を構成する。そして、それらセ
グメントどうしの連結は、図8に示すように、セグメン
トに埋設した鋳鉄製の連結ピース18どうしをセグメン
ト内面側の凹入部19から挿入するボルト・ナット20
によって行うものであった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、トンネル内
面におけるボルト式連結装置の締結作業は、ボルトの螺
着箇所が膨大な数になるうえに、上を向きながらの姿勢
で締結作業する割合も多く、多大な労力と多くの作業時
間が必要となるものであって、改善の余地があるように
見受けられる。本考案は、セグメントの連結装置を工夫
することにより、その連結に要する労力や時間の軽減を
図りつつ、セグメントどうしを連結ガタのない密着した
状態に連結することができるトンネル用セグメントの連
結装置を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的のために本考案
は、一対の連結具のうち、一方の連結具に、引っ掛かり
係止部を先端部に形成した突出部を突設するとともに、
他方の連結具に形成した凹入部に引っ掛かり係止部に係
合可能な係止片を装備し、突出部の凹入部への挿入に伴
って引っ掛かり係止部と係止片とが係合して、突出部の
凹入部からの抜け出しを阻止し、かつ、係止片と引っ掛
かり係止部との係合状態よりも、さらに突出部の凹入部
奥側への挿入移動を許容する一方向抜け止め機構を構成
し、この一方向抜け止め機構の複数を、突出部の挿入方
向で互いに異なる位置に配置すると共に、突出部の挿入
方向において隣接する係止片どうしを、凹入部の周方向
において異なる位置に配置したことを特徴とする。 さら
には、一方向抜け止め機構を構成するのに、係止片を、
凹入部の周方向に離間させ、かつ、凹入部の軸芯方向に
互いに位置を異ならせて一対設けると共に、引っ掛かり
係止部を、突出部の長手方向に沿って複数配置して一対
の係止部列を形成し、突出部を凹入部に挿入する際に、
一方の係止片と一方の係止部列に係る引っ掛かり係止部
との係合と、他方の係止片と他方の係止部列に係る引っ
掛かり係止部との係合とが択一的に行われるよう構成す
ることもできる。
【0005】
【作用】前記構成によると、突出部を凹入部に挿入操作
するだけで一方向抜け止め機構によって、突出部の凹入
部からの抜け出しを阻止、すなわち、一対の連結具を分
離不能に連結一体化できる。従って、トンネル用セグメ
ントにおいて相隣るセグメント対にその連結装置を装備
するに、一方のセグメント端面部に突出部を、他方のセ
グメント端面部にフックを備えた凹入部を夫々配設する
ことにより、一方のセグメントを他方のセグメントに接
近操作するのみで両セグメントが連結一体化されること
になり、セグメントの相互接近操作とは別に必要であっ
たボルト操作等の専用の連結作業が省略できるようにな
った。そして、一方向抜け止め機構では前記連結状態よ
りもさらに突出部を奥側へ挿入可能であり、それを突出
部の挿入方向で互いに位置ずれさせて複数設けてあるこ
とにより、突出部の挿入に伴う最初の一方向抜け止め機
構が作動しても尚挿入方向で連結ガタがあると、さらに
突出部を押し込んで次の一方向抜け止め機構を作動させ
て連結ガタを無くすといった具合に、連結具に多少の寸
法誤差や組付誤差があっても一対の連結具どうしを隙間
無く圧着させた状態で連結一体化することが可能にな
る。本発明の連結装置は、請求項1に記載したごとく、
凹入部の軸芯方向に隣接する係止片どうしを凹入部の周
方向に偏位して配置してあるから、互いの係止片どうし
の干渉を避けることができ、凹入部の軸芯方向での係止
片どうしの距離を短くすることができる。 また、本発明
の連結装置は、請求項2に記載したごとく、連結装置が
一対の係止片を有するものとし、当該一対の係止片を凹
入部の周方向に離間させつつ凹入部の軸芯方向にも互い
に位置を異ならせて配置し、夫々の係止片と係合する係
止部どうしも凹入部の軸芯方向に位置ずれさせた状態で
設けることができる。この場合には係止部どうしの干渉
が生じないため、凹入部の軸芯方向における係止片どう
しの距離をより短くすることができ、連結装置の係止ピ
ッチをさらに小さくすることができる。
【0006】
【考案の効果】従って、本考案の連結装置によればセグ
メントの連結操作を簡略化でき、連結に要する労力と時
間の双方共に軽減できるばかりでなく、連結するセグメ
ントどうしをより密着させ、ガタのない良好な連結状態
を得ることができる。
【0007】
【実施例】以下に、本考案の実施例を図面に基づいて説
明する。図5に配筋で補強されたコンクリート製のトン
ネル用セグメントAが示されている。この円弧状のブロ
ック体であるセグメントAを、装備した連結装置Bによ
って周方向及び横方向に多数繋ぎ合わせてることによっ
て筒状のトンネル壁を形成できるようになっている。
【0008】セグメントAの周方向端面1,1のうち、
一方には凸部2が、他方にはその凸部2を緊密に嵌入さ
せる溝部3が夫々形成され、トンネルの軸方向に相当す
る側面4,4のうち、一方には突出部5を有した雄連結
具6が、他方には突出部5が挿入可能な凹入部7を形成
した雌連結具8が夫々設けてあり、これら雄雌連結具
6,8によって連結装置Bが構成されている。図1に示
すように、突出部5は先端をC加工されたピン棒で成
り、そのC加工の根元側近接位置に周溝加工して引っ掛
かり係止部9を形成してある。図2に示すように、凹入
部7には突出部5の挿入方向と直交する方向にスライド
自在なピン(係止片に相当)10を設け、このピン10
の突出部5挿入側に斜めカットした傾斜部10aを形成
し、かつ、バネ11で突出付勢するとともに、そのピン
10を180度ずらして対向配置して第1ピン付勢手段
S1を構成してある。また、凹入部7には第1ピン付勢
手段S1と同構造の第2ピン付勢手段S2が付設してあ
り、それは突出部5挿入方向で第1ピン付勢手段S1存
在位置よりも奥側にずらして配置され、かつ、90度相
対回動した状態になっている。
【0009】次に、連結装置Bの作用を説明する。図1
に示すように、セグメントAどうしを接近操作し、突出
部5が凹入部7に入り込むと、先ず突出部5の先端が第
1ピン付勢手段S1の一対のピン10を押し広げ、図2
に示すようにピン10が引っ掛かり係止部9に嵌入す
る。このとき、一対のセグメントA,Aの継手面Asど
うし間に隙間があると、さらに突出部5を凹入部7に押
し込み操作する。すると、図3に示すように引っ掛かり
係止部9の溝土手9aと傾斜部10aとの接当によって
ピン10を再び押し広げ、突出部5の再挿入移動がで
き、図4に示すように、第2ピン付勢手段S2と引っ掛
かり係止部9とが係合し、継手面Asどうし間の隙間が
吸収される。 つまり、引っ掛かり係止部9とピン付勢
手段Sとによって、突出部5の凹入部7への挿入に伴っ
て引っ掛かり係止部9とピン10とが係合して、突出部
5の凹入部7からの抜け出しを阻止し、かつ、ピン10
と引っ掛かり係止部9との係合状態よりも、さらに突出
部5の凹入部7奥側への挿入移動を許容する一方向抜け
止め機構Wが構成されており、引っ掛かり係止部9と第
1ピン付勢手段S1および第2ピン付勢手段S2とで構
成される第1及び第2一方向抜け止め機構W1、W2が
突出部の挿入方向で互いに位置ずれした状態に配置され
ている。一方向抜け止め機構Wを3箇所以上設けたり、
ピン10を1個又は3個備えてピン付勢手段Sを構成す
るものであっても良い。また、この構造による連結装置
BをセグメントAの周方向端面1に備えさせるようにし
ても良い。
【0010】〔別実施例〕 図6に示すように、一対のピン10,10を挿入方向で
予め位置ずれさせて配設し、突出部5に形成した凹み9
を挿入方向に続けて複数連設することにより、いずれか
のピン10とどれかの凹み9とが係合する一方向抜け止
め機構Wを構成してもよい。また、図7(イ),(ロ)
に示すように、突出部5の挿入方向に沿う軸心P回りで
回動自在及びバネで突出付勢されるフック10を設け、
このフック10と引っ掛かり係止部9とで一方向抜け止
め機構Wを構成しても良い。この場合でも、フック10
を挿入方向で位置ずれさせて複数箇所に設けるのであ
る。本考案では、ピン10やフック10等を総称して係
止片10と定義する。
【0011】尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面と
の対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本
考案は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】連結作動開始状態の連結装置を示す断面図
【図2】第1一方向抜け止め機構が作動した状態を示す
連結装置の断面図
【図3】連結作動途中の連結装置を示す断面図
【図4】第2一方向抜け止め機構が作動した状態を示す
連結装置の断面図
【図5】セグメントの斜視図
【図6】一方向抜け止め機構の別実施例を示す断面図
【図7】一方向抜け止め機構の別実施例を示す断面図
【図8】連結装置の従来例を示す図
【符号の説明】
5 突出部 6,8 連結具 7 凹入部 9 引っ掛かり係止部 10 フック W 一方向抜け止め機構

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の連結具(6),(8)のうち、一方の
    連結具(6)に、引っ掛かり係止部(9)を先端部に形
    成した突出部(5)を突設するとともに、 他方の連結具(8)に形成した凹入部(7)に前記引っ
    掛かり係止部(9)に係合可能な係止片(10)を装備
    し、 前記突出部(5)の前記凹入部(7)への挿入に伴って
    前記引っ掛かり係止部(9)と前記係止片(10)とが
    係合して、前記突出部(5)の前記凹入部(7)からの
    抜け出しを阻止し、かつ、前記係止片(10)と前記引
    っ掛かり係止部(9)との係合状態よりも、さらに前記
    突出部(5)の前記凹入部(7)奥側への挿入移動を許
    容する一方向抜け止め機構(W)を構成し、 この一方向抜け止め機構(W)の複数を、前記突出部
    (5)の挿入方向で互いに異なる位置に配置すると共
    に、 前記突出部(5)の挿入方向において隣接する係止片
    (10)どうしを、前記凹入部(7)の周方向において
    異なる位置に 配置してあるトンネル用セグメントの連結
    装置。
  2. 【請求項2】一対の連結具(6),(8)のうち、一方の
    連結具(6)に、引っ掛かり係止部(9)を先端部に形
    成した突出部(5)を突設するとともに、 他方の連結具(8)に形成した凹入部(7)に前記引っ
    掛かり係止部(9)に係合可能な係止片(10)を装備
    し、 前記突出部(5)の前記凹入部(7)への挿入に伴って
    前記引っ掛かり係止部(9)と前記係止片(10)とが
    係合して、前記突出部(5)の前記凹入部(7)からの
    抜け出しを阻止し、かつ、前記係止片(10)と前記引
    っ掛かり係止部(9)との係合状態よりも、さらに前記
    突出部(5)の前記凹入部(7)奥側への挿入移動を許
    容する一方向抜け止め機構(W)を構成し、 前記係止片(10)を、前記凹入部(7)の周方向に離
    間させ、かつ、前記凹入部(7)の軸芯方向に互いに位
    置を異ならせて一対設けると共に、 前記引っ掛かり係止部(9)を、前記突出部(5)の長
    手方向に沿って複数配 置して一対の係止部列を形成し、 前記突出部(5)を前記凹入部(7)に挿入する際に、
    一方の係止片(10)と一方の係止部列に係る引っ掛か
    り係止部(9)との係合と、他方の前記係止片(10)
    と他方の係止部列に係る引っ掛かり係止部(9)との係
    合とが択一的に行われるよう構成してあるトンネル用セ
    グメントの連結装置。
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JP2008019611A (ja) * 2006-07-12 2008-01-31 Jfe Metal Products & Engineering Inc セグメント用継手

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