JP2535473Y2 - ドレッシング - Google Patents

ドレッシング

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JP2535473Y2
JP2535473Y2 JP1124191U JP1124191U JP2535473Y2 JP 2535473 Y2 JP2535473 Y2 JP 2535473Y2 JP 1124191 U JP1124191 U JP 1124191U JP 1124191 U JP1124191 U JP 1124191U JP 2535473 Y2 JP2535473 Y2 JP 2535473Y2
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plastic film
dressing
nonwoven fabric
film
urethane
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正利 五十嵐
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、動物体特に人体に生じ
た傷の治療、カテーテルの固定、皮膚の保護などの目的
で皮膚上に貼付して使用する医療用のドレッシングに関
する。
【0002】
【従来の技術】一般に医療用のドレッシングは、皮膚の
動きに追従するフレキシビリティー(皮膚の伸び、縮み
に追従する性質、凹凸になじむ性質)が求められる。従
来このフレキシビリティーを有するドレッシングとして
はウレタンの30μm 程度の薄いフィルムに感圧粘着剤
を塗布したものがある(特公昭55−14108号公
報)。このドレッシングは使用時には感圧性粘着剤上に
載せてある剥離紙を取り除いてプラスチックフィルムを
例えば傷面上に置き、感圧性粘着剤でもって接着固定す
るようになっている。この種のドレッシングはプラスチ
ックフィルムが極めて薄く柔軟性に富み腰がないため、
剥離紙を取り除いた後の取扱いが極めて難しく、フィル
ムが伸びてしわが寄ったり、フィルム同志が付着し合っ
たりするため、傷面に密着するように取り付けるには高
度の技術力を必要とする。この点を改良するため、プラ
スチックフィルムの感圧性粘着剤を塗布した側と反対側
の周縁部に、中央に穴を有する枠体、いわゆるウインド
フレームを付着させたものが提案されている(特開昭5
7−115480号公報)。このドレッシングは、剥離
紙を取り除いた後、ウインドフレームを持って傷面上に
フィルムを当てがい、その後フレームをフィルムから取
り外しながらフィルムを傷口上に接着させるが、従来の
ドレッシングに比べて操作性はかなり向上するものの、
同様にフィルムより剥離紙を取り除くときフィルムが伸
び、又フレームが硬いため特に人体の湾曲部位への適用
には全くそぐわず、平面部位にも貼り難いという問題点
は依然として改良されていない。
【0003】この点を改善するため、プラスチックフィ
ルムと不織布とをラミネートし、プラスチックフィルム
の不織布と反対側の全面に粘着剤層を設けたドレッシン
グが本出願人により提案されている(実開昭63−12
0620号公報)。このドレッシングは操作性が極めて
よく、極く薄いフィルムであっても傷面に密着させて貼
り付けることができる。しかしながら、不織布を使用す
るため透明性に欠け、ドレッシングを通して傷面を見な
がら最適位置に貼り付けることも、貼り付けた後傷面を
観察することも不可能という別の大きな問題点がある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】本考案の目的は、操作
性が良好で、しかも貼り付けるべき面を透視することの
できるドレッシングを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本考案においては、不織布と光透過性で柔軟性のプ
ラスチックフィルムとをラミネートし、少なくとも不織
布はエンボス加工し、プラスチックフィルムの不織布と
反対側の全面に光透過性の粘着剤層を設けるものであ
る。
【0006】
【作用】本考案においては、不織布は柔軟性がありマル
チ方向に変形し皮膚の動きを抑制せず、又不織布はエン
ボス加工によりエンボス加工部分は光透過性となり、柔
軟性のプラスチックフィルムはこの不織布の非エンボス
加工部分によって保形支持され、使用の際はプラスチッ
クフィルムをそのまま貼り付けるべき面に当てがい、不
織布およびプラスチックフィルムを通して貼り付けるべ
き面を見ながら粘着剤層でもって所望の位置に貼り付け
ることにより装着が行われ、貼り付け後もその状態で不
織布、プラスチックフィルムを通して皮膚面が観察され
る。
【0007】
【実施例】次に本考案の実施例を図面について説明す
る。
【0008】図1は本考案によるドレッシングの断面図
で、1はプラスチックフィルム、2はプラスチックフィ
ルム1の一方の側にラミネートされた不織布、3はプラ
スチックフィルム1の不織布2とラミネートされた側と
反対側の全面に塗布した粘着剤層、4は粘着剤層3の上
に置かれた剥離紙である。不織布2は5の部分が所定の
パターンでエンボス加工され、その部分は透明になって
いる。
【0009】プラスチックフィルム1としては、ウレタ
ンフィルム、フッ素樹脂フィルム、ポリエチレンフィル
ム、エチレン酢酸ビニル共重合体フィルム等を使用する
ことができ、厚みは1〜60μm 、好ましくは5〜30
μm 、さらに好ましくは10〜20μm 、モジュラスは
100%モジュラスが10〜100kg/cm2 、好ましく
は15〜50kg/cm2 、さらに好ましくは20〜30kg
/cm2 のものが用いられる。プラスチックフィムルに特
に要求される性質は、低モジュラスで高伸縮性、透明性
大という点である。
【0010】不織布2としては、ポリウレタン、ポリエ
ステル、アクリル、ナイロンなど熱可塑性樹脂からなる
素材を使用することができる。特にポリウレタンを使用
したものは柔軟性、伸縮性、撥水性に優れている。不織
布の厚みは0.1〜0.8mm、好ましくは0.2〜0.
5mm、目付量は10〜100g/m2、好ましくは20〜
75g/m2、さらに好ましくは30〜60g/m2のもの
を用いることができ、モジュラスはプラスチックフィル
ム1と同じかそれより小さいことが好ましい。不織布の
エンボス加工は、エンボス面積率(エンボス率)が20
〜70%、好ましくは25〜50%で、エンボス数が1
cm2 当たり10個以上が好ましい。エンボス面積率は小
さい程腰は強くなるが透明度は悪くなり、大きい程腰は
弱く透明度は高くなる。20%以下では透明度が低過ぎ
皮膚面の観察が困難となり、70%以上では腰が弱くな
り過ぎプラスチックフィルムを保形支持することが困難
となり操作性が低下する。それ故プラスチックフィルム
の伸縮性を阻害せず、適度の腰の強さがあり、かつ透明
性が大であることが不織布に特に要求される性質であ
る。
【0011】エンボス加工のパターンには任意のものを
用いることができる。図2はその例を示したもので、a
は四角形、bは三角形、cは円、dは長円のパターンを
示す。
【0012】粘着剤層3としては、アクリル酸エステル
ブロック(グラフト)コポリマーが特に適しているが、
その他ポリエーテルエステルブロックコポリマーなども
用いることができる。粘着剤層3は光の透過性が良いこ
とが必要な条件である。
【0013】プラスチックフィルム1と不織布2とをラ
ミネートするには例えば次のような方法が用いられる。
【0014】図3aに示すように、溶剤にウレタンを溶
解してウレタン溶液を作り、ロール11より引き出した
離型紙12上にウレタン溶液13を塗布し、乾燥装置1
4内に導いて乾燥させ、離型紙12上にウレタンフィル
ム15を形成する。次にウレタンフィルム15上に接着
剤としてさらにウレタン樹脂16を塗布し、一方所定の
パターンを有する熱ロールによりエンボス加工を施した
ウレタン不織布17をロール18より引き出してウレタ
ンフィルム15上に重ね合わせ、ウレタン樹脂16によ
り両者を接着し、乾燥装置19に導いて乾燥させ、ロー
ル20に巻き取る。
【0015】次に図3bに示すように、ロール21より
引き出した剥離紙22上に粘着剤23を塗布し、乾燥装
置24で乾燥して剥離紙22上に粘着剤層25を形成
し、図3aのロール20のウレタンフィルム15とエン
ボス加工された不織布17とのラミネートされたものか
ら離型紙12を外して形成したロール26より、ウレタ
ンフィルム15と不織布17とのラミネートを引き出
し、ウレタンフィルム15側を粘着剤層25と対向させ
ながら剥離紙22と重ね合わせロール27に巻き取るこ
とによりドレッシングの巻回体が形成される。
【0016】このようにして作られたドレッシングは、
所定の大きさに切断され、滅菌バッグに封入される。ま
た場合によってはドレッシングのプラスチックフィルム
側の感圧粘着面上にパッドを設けることもできる。
【0017】本考案によるドレッシングの装着に当たっ
ては、剥離紙4(図1)を取り除いて粘着剤層3の面を
露出させ、不織布2、プラスチックフィルム1を通して
皮膚面、例えば創傷面を見ながら創傷面上の所定の箇所
に貼り付ける。この場合、プラスチックフィルム1は極
めて薄く柔軟性があるが、不織布2がラミネートされて
いるため、プラスチックフィルム1から剥離紙4を除い
てもプラスチックフィルム1が伸びたりしわになること
は全くなく、また不織布2、プラスチックフィルム1を
通して直接皮膚面を見ることができ、極めて簡単な操作
で皮膚面上に貼り付けることができる。
【0018】上述の実施例では、不織布のみにエンボス
加工し、製作に当たってはプラスチックフィルムとあら
かじめエンボス加工した不織布とをラミネートしたもの
について説明したが、エンボス加工しない不織布とプラ
スチックフィルムとをラミネートした後両者にエンボス
加工を施すようにしてもよい。
【0019】なお不織布はプラスチックフィルムとラミ
ネートした後、必要に応じて表面にシリコーン系樹脂、
フッ素系樹脂等で撥水処理を施してもよい。
【0020】次に本考案によるドレッシングの具体例を
説明する。
【0021】具体例1 柔軟性のプラスチックフィルムとして、厚み10μm の
ウレタンフィルム、不織布としてウレタン100%から
メルトブローン法で作られ、目付け量50g/m2のもの
(例えば鐘紡社製の商品名「エスパンシオーネ」)に予
め正方形のエンボスパターンでエンボス数50個/c
m2 、またエンボス面積率31%のエンボス加工を施し
たものを使用し、両者をウレタン系接着剤でラミネート
し、不織布面にフッ素系の撥水処理を行いプラスチック
フィルム面にポリアクリル酸エステル系粘着剤を35〜
40g/m2(ドライ時の塗布量)塗布してドレッシング
を製作した。このドレッシングの総合の厚みは210μ
m 、目付け量は100g/m2、透湿度は790g/m
2(JIS・Z・0208による測定)以上、耐水圧は
1000mmH2 O(JIS・L・1096低圧法による
測定)以上、撥水度は50(JIS・L・1096によ
る測定)以上、透明性も中程度を示し、操作性も良好
で、ドレッシングとして優れた性質を示した。
【0022】具体例2 柔軟性のプラスチックフィルムとして、厚み20μm の
ウレタンフィルム、不織布としてSISブロックポリマ
ー90%ポリプロピレン10%からメルトブローン法で
作られ、目付け量40g/m2のもの(例えばクラレ社製
の商品名「セプトン」)に予め楕円形のエンボスパター
ンでエンボス数40個/cm2 、またエンボス面積率38
%のエンボス加工を施したものを使用し、両者をウレタ
ン系接着剤でラミネートし、不織布面にフッ素系の撥水
処理を行いプラスチックフィルム面にポリアクリル酸エ
ステル系粘着剤を35〜40g/m2(ドライ時の塗布
量)塗布してドレッシングを製作した。このドレッシン
グの総合の厚みは420μm 、目付け量は103g/
m2、透湿度は830g/m2(JIS・Z・0208によ
る測定)以上、耐水圧は1000mmH2 O(JIS・L
・1096低圧法による測定)以上、撥水度は50(J
IS・L・1096による測定)以上、透明性も中程度
を示し、操作性も良好で、ドレッシングとして優れた性
質を示した。
【0023】具体例3 柔軟性のプラスチックフィルムとして、厚み10μm の
ウレタンフィルム、不織布としてウレタン100%から
メルトブローン法で作られ、目付け量50g/m2のもの
(例えば鐘紡社製の商品名「エスパンシオーネ」)を使
用し、両者をウレタン系接着剤でラミネートし、正方形
のエンボスパターンでエンボス数50個/cm2 、またエ
ンボス面積率31%のエンボス加工を施し、不織布面に
シリコン系の撥水処理を行いプラスチックフィルム面に
ポリアクリル酸エステル系粘着剤を35〜40g/m
2(ドライ時の塗布量)塗布してドレッシングを製作し
た。このドレッシングの総合の厚みは210μm 、目付
け量は100g/m2、透湿度は800g/m2(JIS・
Z・0208による測定)以上、耐水圧は1000mmH
2O(JIS・L・1096低圧法による測定)以上、
撥水度は50(JIS・L・1096による測定)以
上、透明性も中程度を示し、操作性も良好で、ドレッシ
ングとして優れた性質を示した。
【0024】次に比較のため従来の構成によるドレッシ
ングの例を示す。
【0025】比較例1 柔軟性のプラスチックフィルムとして、厚み20μm の
ウレタンフィルム(例えば東洋クロス社の輸入による商
品名「バイオンII」)、不織布としてポリエステル1
00%からスパンレース法で作られた厚み230μm 、
目付け量40g/m2のもの(例えばベラテクジャパン社
の商品名「フレキシロン140−072」)を使用し、
両者をウレタン系接着剤でラミネートし、不織布面にシ
リコン系の撥水処理を行いプラスチックフィルム面にポ
リアクリル酸エステル系粘着剤を35〜40g/m2(ド
ライ時の塗布量)塗布してドレッシングを製作した。こ
のドレッシングの総合の厚みは300μm 、目付け量は
72g/m2、透湿度は800g/m2(JIS・Z・02
08による測定)以上、耐水圧は1000mmH2 O(J
IS・L・1096低圧法による測定)以上、撥水度は
50(JIS・L・1096による測定)以上、操作性
は良好であったが、透明性は全くなく、ドレッシングと
して満足できるものではなかった。
【0026】比較例2 柔軟性のプラスチックフィルムとして、厚み30μm の
ウレタンフィルムを使用し、その片面にポリビニルエー
テル系粘着剤を35〜40g/m2(ドライ時の塗布量)
塗布してドレッシングを製作した。このドレッシングの
総合の厚みは60μm 、目付け量は65g/m2、透湿度
は840g/m2(JIS・Z・0208による測定)以
上、耐水圧は1000mmH2 O(JIS・L・1096
低圧法による測定)以上、撥水度は50(JIS・L・
1096による測定)以上、透明性も優れているが、操
作性が極めて悪く、ドレッシングとして満足できるもの
ではなかった。
【0027】
【考案の効果】本考案によれば、不織布、プラスチック
フィルム、粘着剤層が共に透明であるから、不織布、プ
ラスチックフィルムを通して皮膚面を見ながら所定の正
確な位置に容易に貼り付けることができ、また貼り付け
た状態で随時皮膚面の状態を観察することができるか
ら、治療に最適な処置をとることが可能となり、プラス
チックフィルムは不織布に保形支持されているから操作
も極めて容易である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の実施例の断面図である。
【図2】エンボス加工のパターンの例の説明図である。
【図3】製造工程の説明図である。
【符号の説明】
1 プラスチックフィルム 2 不織布 3 粘着剤層 5 エンポス加工部分

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不織布と光透過性で柔軟性のプラスチッ
    クフィルムとをラミネートし、少なくとも不織布はエン
    ボス加工し、プラスチックフィルムの不織布と反対側の
    全面に光透過性の粘着剤層を設けたことを特徴とするド
    レッシング。
JP1124191U 1991-02-06 1991-02-06 ドレッシング Expired - Lifetime JP2535473Y2 (ja)

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JP2008073163A (ja) * 2006-09-20 2008-04-03 Alcare Co Ltd 医療用貼付材とその製造方法

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