JP2535379B2 - 精錬スラグの再利用方法 - Google Patents
精錬スラグの再利用方法Info
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- JP2535379B2 JP2535379B2 JP63123856A JP12385688A JP2535379B2 JP 2535379 B2 JP2535379 B2 JP 2535379B2 JP 63123856 A JP63123856 A JP 63123856A JP 12385688 A JP12385688 A JP 12385688A JP 2535379 B2 JP2535379 B2 JP 2535379B2
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Description
【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は転炉などの製鋼炉から発生するスラグを回収
し精錬剤として再利用する方法に関するものである。
し精錬剤として再利用する方法に関するものである。
<従来の技術> 転炉などの製鋼炉精錬で生成するスラグは溶鋼中の不
純物を吸収して除去するためのものであり、その発生量
は莫大である。製鋼炉で生成された精錬スラグは滓鍋と
称する容器に排出され冷却・凝固後にセメント原料,製
鉄原料等に一部使用されるものがあるが用途が限られて
いるため、精錬スラグの大部分は産業廃棄物として廃棄
されているのが実状である。
純物を吸収して除去するためのものであり、その発生量
は莫大である。製鋼炉で生成された精錬スラグは滓鍋と
称する容器に排出され冷却・凝固後にセメント原料,製
鉄原料等に一部使用されるものがあるが用途が限られて
いるため、精錬スラグの大部分は産業廃棄物として廃棄
されているのが実状である。
<発明が解決しようとする課題> 製鋼炉における精錬で生成するスラグ、例えば転炉の
吹錬で生成するスラグ中には鉄,マンガンなどの有用成
分が含まれており、また石灰,ドロマイトなどの転炉吹
錬に必要な物質が含まれており、このスラグを廃棄する
のは資源の無駄になるという問題点がある。
吹錬で生成するスラグ中には鉄,マンガンなどの有用成
分が含まれており、また石灰,ドロマイトなどの転炉吹
錬に必要な物質が含まれており、このスラグを廃棄する
のは資源の無駄になるという問題点がある。
近年,脱燐などの予備処理を施して燐含有量を低減さ
せた後溶銑を転炉で吹錬することが多くなっているが、
この場合、転炉では主として脱炭処理が行われ、生成し
た転炉スラグ(以下脱炭スラグという)は通常の転炉ス
ラグよりも燐濃度が低いため転炉吹錬時や溶銑予備処理
時の精錬剤として再利用することが提案されており、例
えば特開昭62−205212号公報には、溶銑予備処理により
錬含有量を低減させた溶銑を転炉で吹錬し、生成した脱
炭スラグを転炉に循環使用する方法が提案されている。
せた後溶銑を転炉で吹錬することが多くなっているが、
この場合、転炉では主として脱炭処理が行われ、生成し
た転炉スラグ(以下脱炭スラグという)は通常の転炉ス
ラグよりも燐濃度が低いため転炉吹錬時や溶銑予備処理
時の精錬剤として再利用することが提案されており、例
えば特開昭62−205212号公報には、溶銑予備処理により
錬含有量を低減させた溶銑を転炉で吹錬し、生成した脱
炭スラグを転炉に循環使用する方法が提案されている。
この方法は前記のように予備処理して燐を減少させた
溶銑を使用して転炉吹錬する場合には、脱炭スラグはそ
の燐濃度が小さくマンガン等の有用な成分を含有してい
るのでこれを造滓剤として再利用するものである。この
ような脱炭スラグの再利用においてはスラグ中の燐濃度
が低いほどより効果的に再利用することができる。
溶銑を使用して転炉吹錬する場合には、脱炭スラグはそ
の燐濃度が小さくマンガン等の有用な成分を含有してい
るのでこれを造滓剤として再利用するものである。この
ような脱炭スラグの再利用においてはスラグ中の燐濃度
が低いほどより効果的に再利用することができる。
本発明は低燐溶銑の脱炭精錬によって生成される脱炭
スラグを簡単な処理により燐濃度のより小さいスラグを
回収し、これを精錬剤として再利用することを目的とす
るものである。
スラグを簡単な処理により燐濃度のより小さいスラグを
回収し、これを精錬剤として再利用することを目的とす
るものである。
<課題を解決するための手段> 上記目的を達成するための本発明は、製鋼炉における
低燐溶銑の脱炭精錬によって生成されるスラグを回収し
精錬剤として再利用する方法であって、製鋼炉から排出
した溶融スラグが凝固せしめる過程中、凝固率70%以下
の時点で燐濃度の高い液相スラグを分解除去し、燐濃度
の低い固相スラグのみを回収し再利用することを特徴と
する精錬スラグの再利用方法である。
低燐溶銑の脱炭精錬によって生成されるスラグを回収し
精錬剤として再利用する方法であって、製鋼炉から排出
した溶融スラグが凝固せしめる過程中、凝固率70%以下
の時点で燐濃度の高い液相スラグを分解除去し、燐濃度
の低い固相スラグのみを回収し再利用することを特徴と
する精錬スラグの再利用方法である。
<作 用> 製鋼炉から排出した溶融スラグが滓鍋内で凝固する過
程でスラグ中の燐は固相から液相中に移行して濃縮され
るので、液相と固相が共存状態にあるときに、燐が濃縮
した液相スラグを滓鍋から排出して分離除去し、燐濃度
が低くマンガンなどの有用成分を含有している固相スラ
グのみを回収し、これを転炉の造滓剤や溶銑予備処理剤
などの精錬剤として再利用する。
程でスラグ中の燐は固相から液相中に移行して濃縮され
るので、液相と固相が共存状態にあるときに、燐が濃縮
した液相スラグを滓鍋から排出して分離除去し、燐濃度
が低くマンガンなどの有用成分を含有している固相スラ
グのみを回収し、これを転炉の造滓剤や溶銑予備処理剤
などの精錬剤として再利用する。
液晶スラグの排出は、凝固率70%以下の時点で行う。
第1図は代表的な脱炭スラグの凝固率(%)とスラグ
中のP2O5濃度(%)の関係を液相スラグおよび固相スラ
グについて示したものである。液相スラグ中のP2O5は凝
固率の増加と共に急上昇するのに対し、固相スラグ中の
P2O5は吹止直後の脱炭スラグのP2O5より低く、凝固率が
70%に達するまではほぼ一定のレベルで推移し、その後
上昇に転じている。このことは凝固率が70%以下の時点
で滓鍋から液相スラグを排出して固相スラグを回収する
のが低燐の精錬剤を得るのによいことを裏付けている。
中のP2O5濃度(%)の関係を液相スラグおよび固相スラ
グについて示したものである。液相スラグ中のP2O5は凝
固率の増加と共に急上昇するのに対し、固相スラグ中の
P2O5は吹止直後の脱炭スラグのP2O5より低く、凝固率が
70%に達するまではほぼ一定のレベルで推移し、その後
上昇に転じている。このことは凝固率が70%以下の時点
で滓鍋から液相スラグを排出して固相スラグを回収する
のが低燐の精錬剤を得るのによいことを裏付けている。
<実施例> 以下、本発明の実施例を説明する。
溶銑予備処理によって燐の含有率を低下させた溶銑を
使用して転炉の吹錬を行ったのち、転炉から排出された
脱炭スラグを滓鍋に受け約2〜3時間程度放置し、スラ
グの70%凝固した時点で滓鍋の液相スラグを滓鍋を傾動
して放流し、固相スラグを回収した。
使用して転炉の吹錬を行ったのち、転炉から排出された
脱炭スラグを滓鍋に受け約2〜3時間程度放置し、スラ
グの70%凝固した時点で滓鍋の液相スラグを滓鍋を傾動
して放流し、固相スラグを回収した。
回収に際しては、滓鍋に付着している固相スラグを破
砕機を用いて落下させ、滓鍋より排出した。排出した固
相滓は直径1mにも及ぶ大塊があるため、破砕機により60
mm以下まで破砕した後、転炉の造滓剤としてリサイクル
利用したが、何ら支障なく転炉を操業することができ
た。
砕機を用いて落下させ、滓鍋より排出した。排出した固
相滓は直径1mにも及ぶ大塊があるため、破砕機により60
mm以下まで破砕した後、転炉の造滓剤としてリサイクル
利用したが、何ら支障なく転炉を操業することができ
た。
第1表に本発明の多数の処理実績による転炉吹止時の
脱炭スラグと滓鍋内でスラグが70%凝固した時点におけ
る液相スラグおよび固相スラグの各成分の分析結果を示
している。
脱炭スラグと滓鍋内でスラグが70%凝固した時点におけ
る液相スラグおよび固相スラグの各成分の分析結果を示
している。
第1表に示すように転炉吹止時の脱炭スラグのT・Fe
およびP2O5に比較して滓鍋内の液相スラグはT・Feおよ
びP2O5が高くなっている。これに対して滓鍋内の固相ス
ラグは、液相スラグは勿論、吹止時の脱炭スラグに比較
してT・FeおよびP2O5が低くなっており、転炉にリサイ
クル利用するのに好ましい成分となっている。
およびP2O5に比較して滓鍋内の液相スラグはT・Feおよ
びP2O5が高くなっている。これに対して滓鍋内の固相ス
ラグは、液相スラグは勿論、吹止時の脱炭スラグに比較
してT・FeおよびP2O5が低くなっており、転炉にリサイ
クル利用するのに好ましい成分となっている。
液相スラグの排出は、凝固率70%以下の時点で行う。
第1図は代表的な脱炭スラグの凝固率(%)とスラグ
中のP2O5濃度(%)の関係を液相スラグおよび固相スラ
グについて示したものである。液相スラグ中のP2O5は凝
固率の増加と共に急上昇するのに対し、固相スラグ中の
P2O5は吹止直後の脱炭スラグのP2O5より低く、凝固率が
70%に達するまではほぼ一定のレベルで推移し、その後
上昇に転じている。このことは凝固率が70%以下の時点
で滓鍋から液相スラグを排出して固相スラグを回収する
のが低燐の精錬剤を得るのによいことを裏付けている。
中のP2O5濃度(%)の関係を液相スラグおよび固相スラ
グについて示したものである。液相スラグ中のP2O5は凝
固率の増加と共に急上昇するのに対し、固相スラグ中の
P2O5は吹止直後の脱炭スラグのP2O5より低く、凝固率が
70%に達するまではほぼ一定のレベルで推移し、その後
上昇に転じている。このことは凝固率が70%以下の時点
で滓鍋から液相スラグを排出して固相スラグを回収する
のが低燐の精錬剤を得るのによいことを裏付けている。
<発明の効果> 上記のように本発明によれば燐濃度の低いスラグを回
収して転炉にリサイクル利用できるので脱炭スラグの有
用成分が活用され、溶鋼ton当たり造滓剤の原単位を0.4
5kg程度削減出来る。
収して転炉にリサイクル利用できるので脱炭スラグの有
用成分が活用され、溶鋼ton当たり造滓剤の原単位を0.4
5kg程度削減出来る。
第1図は脱炭スラグの凝固率(%)とスラグ中のP2O5濃
度(%)の関係を示すグラフである。
度(%)の関係を示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】製鋼炉における低燐溶銑の脱炭精錬によっ
て生成されるスラグを回収し精錬剤として再利用する方
法であって、製鋼炉から排出した溶融スラグを凝固せし
める過程中、凝固率70%以下の時点で燐濃度の高い液相
スラグを分離除去し、燐濃度の低い固相スラグのみを回
収し再利用することを特徴とする精錬スラグの再利用方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63123856A JP2535379B2 (ja) | 1988-05-23 | 1988-05-23 | 精錬スラグの再利用方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63123856A JP2535379B2 (ja) | 1988-05-23 | 1988-05-23 | 精錬スラグの再利用方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01294814A JPH01294814A (ja) | 1989-11-28 |
JP2535379B2 true JP2535379B2 (ja) | 1996-09-18 |
Family
ID=14871089
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63123856A Expired - Lifetime JP2535379B2 (ja) | 1988-05-23 | 1988-05-23 | 精錬スラグの再利用方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2535379B2 (ja) |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5933641B2 (ja) * | 1976-10-28 | 1984-08-17 | 新日本製鐵株式会社 | 転炉滓の処理方法 |
JPS5377897A (en) * | 1976-11-25 | 1978-07-10 | Nippon Steel Corp | Converter slag separating method |
JPS5377815A (en) * | 1976-12-03 | 1978-07-10 | Nippon Steel Corp | Converter slag separating method |
-
1988
- 1988-05-23 JP JP63123856A patent/JP2535379B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01294814A (ja) | 1989-11-28 |
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