JP2535196B2 - 迅速取付けボタン装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、ボタン装置、より正確には織物が孔を有し
ているかどうかに関係なく、ボタンを織物の一部に取付
けることができるように構成された迅速取付けボタン装
置に関するものであるが、それらに限定されるものでは
ない。

このボタン装置は、ラベルまたはそれと同様のものを
取付けるために用いることができる。

この迅速取付けボタン装置は、主として、洋服等の物
品からうっかりして消失してしまったボタンの代わりを
一時的に行う予備のボタンとして使用するべく意図され
たものである。

背景となる従来技術 本発明と同一の発明者および出願人によるスウェーデ
ン特許第418 050号、および米国特許第3 925 855号は、
ボタンの頭部と一体に形成された組み合わされたボタン
頭部の保持および取付け装置からなる迅速取付けボタン
装置を提供するものである。この場合において、この組
み合わされた装置のボタン頭部保持部分は、該ボタン頭
部から離れて配置され頭部に対向する複数のかかりを含
んでおり、そしてこの装置のボタン取付け部分は細長い
針状の部分を含むとともに、この針状部分の先端部は、
剛性を有し先が尖っており、ボタン頭部保持部分に連結
されボタン頭部に隣接する中間部は、弾性を有してい
る。

ボタン頭部保持部分に配置されたかかりは、ボタン頭
部を織物に強固に保持するように、ボタン頭部と反対側
の織物面に係合させるべく意図されている。この装置の
ボタン頭部取付け部分は、この装置が取付けられる織物
中を貫通することができるような形状を有している。

この知られた迅速取付けボタン装置の特徴は、この装
置が非常に弾性的な部分を備えたことによって、前記装
置のボタン頭部取付け部分が織物中に押し込まれまたは
ねじこまれ、張力または引っ張り力を受けたときに、か
かりが織物中を通り抜け、そして織物面から距離をおい
た位置をとるようになっていることである。組み合わさ
れた取付けおよび保持装置から前記張力が除かれたと
き、かかりは弾性を有する取付け装置の後退とともに織
物との係合状態を維持するように移動する。

かかりは、取付け装置の断面よりも比較的広い面積に
わたって横に広がっており、前記ボタンと反対側の織物
面に係合するとき、少なくとも一つの織物支持面を形成
するようになっている。これらの支持面をこれに対向す
るボタン頭部の支持部分に近接させ、ボタン装置が使用
されるときに、織物が前記支持面と対向する支持部分と
の間に強固に保持されるようにしなければならない。前
記装置の細長い針状のボタン取付け部分は、ボタン頭部
から前記取付け部分の先端にわたって次第に剛性を増し
ていくようになっている。

またこの知られたボタン装置は、ボタン頭部取付け装
置の針状部分に最も近い位置に配置されるとともに、か
かり部分の内側に配置された凹部を有している。これら
の凹部は針状部分を除去することを容易にするものであ
る。

またスウェーデン特許第331 922号におけるボタン頭
部取付け装置は、既に知られた従来技術の一部をなして
いる。

この取付け装置は、少なくとも２層の織物を含む洋服
等の物品にボタン頭部またはラベルを取付けるために意
図されたものである。

この取付け装置は、第１に、実質的にボタン頭部の中
心に位置し、ボタン頭部の背面から、または望ましくは
この背面に隣接して一体形成された突起部から後方へ突
出する軸部を形成し、第２に、先の尖った自由端をもち
実質上軸部に対して垂直な平面内において軸部を取り巻
く開ループを形成する弓状に曲がった部分を形成し、第
３に、前記軸部を外側の針状部分と連結させ、半径方向
にのび外側の針状部分の外側にわずかに突出する留め金
状フック部を形成する中間部を形成する剛性をもった針
の形式のものである。またこの中間部の半径方向外側部
分は基本的に外側の針部分と同一の面内にあり、軸部か
ら横にのびかつ曲げられたひじ材を介してこの針部分に
合体している。それによって外側の針部分は、その先の
尖った自由端とひじ材との間に隙間を形成するように制
限された長さを有し、外側の針部分と中間部は一緒にな
って、一方側から見たときに、“G"という文字に似た形
状を有している。

さらに、装置の針部分の自由端は、端部へ向かって内
側へ緩やかに曲がっており、外側の針部分の面内にある
フックを形成する。またその先端は、外側針部分の先の
尖った自由端を提供し、装置軸部へ半径方向に向かうと
ともに、軸部から半径方向に間隔をおいており、実質上
針の中間部の中心領域に対向しこの領域からフックの半
径の大きさの約２倍の距離だけ離れて配置されている。

発明の要約 技術的な課題 前述のように従来技術の状況を考察するとき、技術的
な課題は、織物中におけるボタン頭部取付けおよび保持
装置によって形成される孔の大きさは、かかりが織物を
貫通し得る範囲内において最小となるが、ボタンは依然
として織物に強固に保持されるような有用な迅速取付け
ボタン装置を提供することにあると理解されるべきであ
る。

また、この点に関する技術的な課題は、織物中におい
て要求される孔がボタンに適するべく最小になるが、依
然として織物と協同し織物にボタン頭部を保持するべく
意図された面が、織物中に形成された孔から僅かに離れ
て配置されることによって、広い接触面を提供すること
ができるような迅速取付けボタン装置を提供することに
ある。

この種の迅速取付けボタン装置に関連するさらなる技
術的な課題は、ボタン頭部取付け装置が織物中に突き刺
されるとき、ボタン装置のある部分が弾性的でなければ
ならないという要求の程度を減らし、それによって、か
かり部分全体が織物中を貫通しボタン頭部からかなりの
距離離れた位置を占める程度までボタン頭部保持面とボ
タン頭部それ自体との間の部分を弾性的にのばすような
大きさの張力を前記部分に与えねばならないという必要
性をなくするような特徴を備えることにある。

前述したような種類の迅速取付けボタン装置に関し
て、さらに別の課題は、ボタンが通常の直線的な突き刺
し運動において織物中に押し込まれ、さらにボタン頭部
の回転によって移動することができるような特徴を備え
ることにある。

また別の技術的な課題は、前記のようなボタン装置の
ボタン頭部取付け部分およびボタン頭部保持部分が、螺
旋形状または渦巻形状を有することにより、ボタン頭部
保持部分が織物中を貫通することができ、その際に必要
な孔の大きさを減少させ、ボタン装置を織物の厚さに適
合させる必要性を減らすことにある。

また、さらなる技術的な課題は、ボタン頭部保持面
が、意図された機能にうまく適するような形状を有する
ような前記のような迅速取付けボタン装置を提供するこ
とにある。

さらに別の技術的な課題は、弱い部分がボタン頭部保
持部分とボタン頭部取付け部分との間にある共通部分に
組み込まれ、それによって取付け装置の僅かに内側に配
置され得る前述のような非常に小さな寸法の迅速取付け
ボタン装置を提供することにある。

前述の特許において開示されたような従来技術に関し
て、もう一つ別の技術的な課題は、ボタン頭部取付け部
分に先端の尖った部分、望ましくは剛性を有する先端の
尖った部分を準備し、前記取付け部分の前記先端から距
離をおいた部分にねじこみ動作を促進するための螺旋形
にのびるねじれを備えることにある。

さらに別の技術的な課題は、ボタン装置のボタン頭部
取付け部分が、装置の寸法が小さいにもかかわらず、取
付け部分の先端へ向かって先細りになるような前述した
条件を満たす迅速取付けボタン装置を提供することにあ
る。

解決方法 上記の課題を解決するため、本発明によれば、ボタン
頭部と、前記ボタン頭部を織物に取り付けて保持するた
めの取付けおよび保持手段とを備えており、前記取付け
および保持手段は、前記ボタン頭部に一体形成され、軸
を介して前記ボタン頭部に連結されており、前記取付け
および保持手段は、織物に刺し通すための先の尖った先
端を有する針状部分と、前記取付けおよび保持手段を織
物を貫通させてねじ込むための前記針状部分の一部の外
周に形成された螺旋状ねじ山とを含んでおり、前記螺旋
状ねじ山の一端は前記針状部分の後端において面を形成
し、前記面は、前記ボタン頭部から予め定められた距離
だけ間隔をあけて前記ボタン頭部に対向するように配置
されて、前記ボタン頭部および前記面の間に織物が保持
されるようになっており、前記針状部分には弱い部分が
形成されて前記針状部分の先端が後端から容易に分離さ
れ得るようになっており、前記弱い部分および前記螺旋
状ねじ山は、前記螺旋状ねじ山の少なくとも一部分が、
前記針状部分における前記針状部分の後端と前記弱い部
分との間に配置されるように形成されていることを特徴
とする迅速取付けボタン装置が構成される。

本発明の好ましい実施例によれば、螺旋状ねじ山は、
２本のリードを有している。また、好ましくは、弱い部
分は、螺旋状ねじ山の面から、螺旋状ねじ山のピッチの
1/2にほぼ等しい距離だけ間隔をあけて配置されてい
る。

本発明の別の好ましい実施例によれば、螺旋状ねじ山
は、針状部分の実質上円柱状部分の外周に配置された三
角形断面を有する帯からなっている。また、好ましく
は、螺旋状ねじ山のピッチは、三角形断面を有する帯の
幅の約３倍の大きさになっている。

本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、弱い部
分は、針状部分を貫通する孔を含んでいる。弱い部分
は、三角形の孔を含んでいることが好ましい。

本発明のさらに別の好ましい実施例によれば、螺旋状
ねじ山の一端は、ボタン頭部および螺旋状ねじ山の面の
間に織物を保持するための、複数の互いに隣接する面を
形成している。さらに好ましくは、ボタン装置は、ボタ
ン頭部と取付けおよび保持手段とを連結する軸に同軸に
配置され、前記複数の互いに隣接する面に隣接する円形
面を有している。

さらに好ましくは、螺旋状ねじ山は、その後端におい
て半径方向の幅が最も広くなるように形成されている。

利点 本発明による迅速取付けボタン装置の取付けは、針状
部分を織物に突き刺した後、ボタン頭部を回転すること
により、螺旋状ねじ山の作用によって織物中にねじ込み
ながら刺し通し、そして、螺旋状ねじ山の一端の面が織
物の反対側面に出た時点で、針状部分の弱い部分におい
て針状部分の先端および螺旋状ねじ山の少なくとも一部
分を手で折り取ることによってなされる。こうして、ボ
タン頭部と螺旋状ねじ山の面との間に織物が保持される
ことにより、ボタン装置は、織物に固定される。

本発明によれば、ボタン装置を、その取付けおよび保
持手段を織物中に刺し通すためにあまり大きな孔を必要
とせずに、織物の一部に素早く、極めて簡単に取付ける
ことができる。

好ましい実施例の説明 次に、添付図面を参照しながら、本発明の主要な特徴
を有する迅速取付けボタン装置の好ましい実施例を詳細
に説明する。

第１図において、本発明によるボタン装置（１）は、
ボタン頭部（２）と、ボタン頭部（２）を織物（３）に
取り付けて保持するための取付けおよび保持手段（５）
とを備えている。取付けおよび保持手段（５）は、ボタ
ン頭部（２）に一体形成され、軸を介してボタン頭部
（２）に連結されている。

取付けおよび保持手段（５）は、織物（３）に刺し通
すための先の尖った先端を有する針状部分（5b）と、取
付けおよび保持手段（５）を織物（３）を貫通させてね
じ込むための針状部分（5b）の一部の外周に形成された
螺旋状ねじ山（5a）とを備えている。

螺旋状ねじ山（5a）は、２本のリードを有している。
螺旋状ねじ山（5a）の一端は、針状部分（5b）の後端に
おいて面（４）を形成しており、面（４）は、ボタン頭
部（２）から予め定められた距離だけ間隔をあけてボタ
ン頭部（２）に対向するように配置され、ボタン頭部
（２）および面（４）の間に織物（３）が保持されるよ
うになっている。また、螺旋状ねじ山（5a）は、後端に
おいて半径方向の幅が最も広くなるように形成されてい
る。

こうして、ボタン装置（１）を取り付ける際には、先
の尖った針状部分（5b）は織物（３）に刺し込まれ、ボ
タン装置の全体は取付けおよび保持手段（５）の軸の周
りにねじられ、針状部分（5b）の最先端部は織物を貫通
し、すぐその後から螺旋状ねじ山（5a）が続く。

螺旋状ねじ山（5a）が織物（３）と係合する位置にき
たとき、面（４）は、ボタン頭部（２）とは反対側の織
物面（3a）に接触し、それによってボタン頭部（２）を
織物面（3a）と反対側の面（3b）に固定する。

針状部分（5b）の後端には、ボタン頭部（２）と取付
けおよび保持手段（５）を連結する軸に同軸的に、複数
の互いに隣接する面、すなわち螺旋状ねじ山（5a）の一
部を形成する面（4a）および（4b）とこれらよりも小さ
い円形の面（4c）が備えられている。

針状部分（5b）には、弱い部分（６）が形成されてお
り、これによって、針状部分の先端が後端から容易に分
離されるようになっている。

弱い部分（６）は、螺旋状ねじ山（5a）の面（４）か
ら、螺旋状ねじ山（5a）のピッチの1/2にほぼ等しい距
離だけ間隔をあけて配置されている。

針状部分（5b）および螺旋状ねじ山（5a）は一体形成
されているとともに、螺旋状ねじ山（5a）は、針状部分
（5b）の実質上円柱状部分（5c）の外周に配置された三
角形断面を有する帯（７）および（８）からなってい
る。

帯は、円柱形の細長い部分（5c）に沿って帯の幅の３
倍より大きなピッチを有している。螺旋状ねじ山（5a）
のピッチは、また、円柱形の細長い部分に沿って帯の幅
の10倍よりも小さくなるように、または望ましくは約６
倍よりも小さくなるように選ばれている。

弱い部分（６）および螺旋状ねじ山（5a）は、螺旋状
ねじ山（5a）の少なくとも一部分が、針状部分（5b）に
おける、針状部分の後端と弱い部分（６）との間に配置
されるように形成されている。

実施例において、この弱い部分（６）は、一つの頂点
（9a）が下方に向いている三角形（９）を含んでいる。
別の実施例によれば、弱い部分（10）は、螺旋状ねじ山
（5a）と針状部分（5b）との間のより広い領域における
三角形の孔（９）の上部（9b）に隣接して配置される。
この弱い部分（10）は、針状部分（5b）を一体的に除去
することを容易にするものである。

本発明は、この実施例に限定されるものではなく、他
の実施例がまた請求の範囲に記載の構成の範囲内で可能
である。

図面の簡単な説明 第１図は、本発明による迅速取付けボタン装置の一実
施例の側面図、 第２図は、第１図に示されたボタン装置における、組
み合わされたボタン頭部保持装置および取付け装置の間
の位置での拡大側面図である。

１……ボタン装置 ２……ボタン頭部 ３……織物 ４……面 ５……取付けおよび保持手段 5a……螺旋状ねじ山 5b……針状部分 5c……円柱状部分 ６……弱い部分 ７、８……帯

Claims (10)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ボタン頭部と、前記ボタン頭部を織物に取
   り付けて保持するための取付けおよび保持手段とを備え
   ており、前記取付けおよび保持手段は、前記ボタン頭部
   に一体形成され、軸を介して前記ボタン頭部に連結され
   ており、前記取付けおよび保持手段は、織物に刺し通す
   ための先の尖った先端を有する針状部分と、前記取付け
   および保持手段を織物を貫通させてねじ込むための前記
   針状部分の一部の外周に形成された螺旋状ねじ山とを含
   んでおり、前記螺旋状ねじ山の一端は前記針状部分の後
   端において面を形成し、前記面は、前記ボタン頭部から
   予め定められた距離だけ間隔をあけて前記ボタン頭部に
   対向するように配置されて、前記ボタン頭部および前記
   面の間に織物が保持されるようになっており、前記針状
   部分には弱い部分が形成されて前記針状部分の先端が後
   端から容易に分離され得るようになっており、前記弱い
   部分および前記螺旋状ねじ山は、前記螺旋状ねじ山の少
   なくとも一部分が、前記針状部分における前記針状部分
   の後端と前記弱い部分との間に配置されるように形成さ
   れていることを特徴とする迅速取付けボタン装置。
2. 【請求項２】前記螺旋状ねじ山は、２本のリードを有し
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   ボタン装置。
3. 【請求項３】前記弱い部分は、前記螺旋状ねじ山の面か
   ら、前記螺旋状ねじ山のピッチの1/2にほぼ等しい距離
   だけ間隔をあけて配置されていることを特徴とする特許
   請求の範囲第１に記載のボタン装置。
4. 【請求項４】前記螺旋状ねじ山は、前記針状部分の実質
   上円柱状部分の外周に配置された三角形断面を有する帯
   からなっていることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載のボタン装置。
5. 【請求項５】前記螺旋状ねじ山のピッチは、前記三角形
   断面を有する帯の幅の約３倍の大きさであることを特徴
   とする特許請求の範囲第４項に記載のボタン装置。
6. 【請求項６】前記弱い部分は、前記針状部分を貫通する
   孔を含んでいることを特徴とする特許請求の範囲第１項
   に記載のボタン装置。
7. 【請求項７】前記弱い部分は、三角形の孔を含んでいる
   ことを特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のボタン
   装置。
8. 【請求項８】前記螺旋状ねじ山の一端は、前記ボタン頭
   部および前記螺旋状ねじ山の面の間に織物を保持するた
   めの、複数の互いに隣接する面を形成していることを特
   徴とする特許請求の範囲第１項に記載のボタン装置。
9. 【請求項９】前記軸に同軸に配置され、前記ボタン頭部
   および前記螺旋状ねじ山の面の間に織物を保持するため
   の前記複数の互いに隣接する面に隣接する円形面を有し
   ていることを特徴とする特許請求の範囲第８項に記載の
   ボタン装置。
10. 【請求項１０】前記螺旋状ねじ山は、その後端において
    半径方向の幅が最も広くなるように形成されていること
    を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載のボタン装
    置。