JP2535030B2 - 放射線硬化性塗料 - Google Patents

放射線硬化性塗料

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JP2535030B2
JP2535030B2 JP62196141A JP19614187A JP2535030B2 JP 2535030 B2 JP2535030 B2 JP 2535030B2 JP 62196141 A JP62196141 A JP 62196141A JP 19614187 A JP19614187 A JP 19614187A JP 2535030 B2 JP2535030 B2 JP 2535030B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、放射線硬化性塗料に関し、特に、磁性粉を
混合して、磁気テープ、磁気デイスク等の磁気記録媒体
を製造する際に使用される磁性塗料として好適に用いら
れる放射線硬化性塗料に関するものである。
[従来の技術] 一般に磁気記録媒体は、ポリエステルフイルム等の支
持体上に、磁性粉、重合体、溶剤および各種の添加剤か
らなる磁性塗料を塗布し硬化して磁性層を形成したもの
である。
近年、上記磁性層の形成方法として、(メタ)アクリ
ロイル基を有する放射線硬化性重合体に磁性粉、溶剤等
を混合した磁性塗料を塗布し、放射線照射によつて硬化
する方法が知られている。
この放射線硬化方式は、製造工程の簡略化、省エネル
ギー等の点で、従来の熱硬化方式に比べて効果があるこ
とが知られている。
本発明者らは、先に特開昭62−112665号公報におい
て、磁性塗料に用いる重合体に(メタ)アクリロイル基
を側鎖状に導入することで磁性塗料が適度な硬化フイル
ム特性を有するようになり、該磁性塗料を用いて実用耐
久性にすぐれた磁気記録媒体を得ることを提案した。
しかしながら上記特開昭62−112665号公報で提案した
重合体を混合した磁性塗料を用いた磁気記録媒体は、室
温での実用耐久性が従来に比べて飛躍的に向上したもの
のその用途拡大にともない要請されるに至つた高温多湿
下または、低温下等のより苛酷な条件下では、実用耐久
性において未だ十分なものとはいうことができなかつ
た。
また、特開昭61−181872号公報には、磁性粉との親和
性にすぐれ、磁性粉を十分に分散し、かつ磁性塗料とし
ての実用耐久性にすぐれた放射線硬化用塗料が提案され
ている。しかし、この塗料を用いても苛酷な条件下で使
用に耐える磁気記録媒体が得られるにはいたつていな
い。
[発明が解決しようとする問題点] それ故本発明の目的は、高温多湿下、低温下等のより
苛酷な条件下においても、実用耐久性および電磁変換特
性の優れた磁気記録媒体を得ることのできる放射線硬化
性重合体を含有してなる放射線硬化性塗料を提供するこ
とにある。
本発明の他の目的は、磁性粉充填率が高く且つ表面平
滑性に優れた磁気記録媒体を与える放射線硬化性塗料を
提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、増加したポツトライフを
有し、磁気記録媒体の製造工程の簡略化、磁性塗料を硬
化するためのエネルギー消費の低減等を達成する放射線
硬化性塗料を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、 (イ) ジイソシアネート(A) (ロ) ポリエステルジオール、ポリエーテルジオー
ルおよびポリカプロラクトンジオールから選ばれた少な
くとも1種のジオール(B)、一分子中に複数個の(メ
タ)アクリロイル基を有するジオール(C)および必要
に応じて(ポリ)オキシアルキレンビスフエノール誘導
体であるジオール(D) ならびに(ハ)水酸基を有する(メタ)アクリル酸エ
ステル(E)を反応して成る重合体を、放射線硬化性重
合体成分として重合してなる放射線硬化性塗料を提供す
るものである。
本発明に使用されるジイソシアネート(A)は、例え
ば一般式(I) OCN−R1−NCO (I) (式中、R1はエチレン基、プロピレン基、テトラメチレ
ン基、ヘキサメチレン基、フエニレン基、シクロヘキシ
レン基、メチレンビスフエニレン基、メチレンビスシク
ロヘキシレン基、式 等の2価の有機基を示す) で表わされ、具体例としては2,4−トルエンジイソシア
ネート、2,6−トルエンジイソシアネート、1,3−キシレ
ンジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、m−フエニレ
ンジイソシアネート、p−フエニレンジイソシアネー
ト、3,3′−ジメチル−4,4′−ジフエニルメタンジイソ
シアネート、4,4′−ジフエニルメタンジイソシアネー
ト、3,3′−ジメチルフエニレンジイソシアネート、4,
4′−ビフエニレンジイソシアネート、ヘキサメチレン
ジイソシアネート、イソフオロンジイソシアネート、ジ
シクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられ
る。
これらのジイソシアネート(A)は、1種または2種
以上使用することができる。
本発明で使用されるポリエステルジオール(以下、
「ジオール(B−1)」と称す)は、例えば一般式(I
−a) (式中、R2は後記する多塩基酸残基であり、R3はエチレ
ン基、プロピレン基、テトラメチレン基などの炭素数2
〜10のアルキレン基でありmは1〜50の整数であり、n
は1〜30の整数を示す。)で示される化合物をいい、か
かるジオール(B−1)としてはエチレングリコール、
ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポ
リテトラメチレングリコール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール等の多価アルコールとグルタール酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマー
ル酸、スベリン酸、アジピン酸、メチルアジピン酸、セ
バチン酸、シユウ酸等の多塩基酸とを反応して得られる
ジオールが例示される。
ジオール(B−1)は市販品としても入手可能であ
り、例えば「ニツポラン4009」、「ニツポラン4002」、
「ニツポラン4010」、「ニツポラン4040」、「ニツポラ
ン4032」、「ニツポラン4042」、「ニツポラン4060」、
「ニツポラン4070」、「ニツポラン143」、「ニツポラ
ン150」、「ニツポラン5018」、「ニツポラン5019」、
「ニツポラン5035」(以上、日本ポリウレタン(株)
製)等を挙げることができる。
上記ジオール(B−1)のうちでは、ポリプロピレン
グリコール、ポリテトラメチレングリコール等と、アジ
ピン酸とを反応させて得られるジオールが好ましく、対
応する市販品としては「ニツポラン4009」、「ニツポラ
ン4002」等がある。
また上記ジオール(B−1)は1種または2種以上使
用することができる。
このジオール(B−1)は、前記ジイソシアネート
(A)と反応し、重合体中で例えば下記の構造を形成す
る。
(式中R1、R2、R3およびは、前記と同様である) 本発明で使用されるポリエーテルジオール(以下「ジ
オール(B−2)」と称す)とは、例えば一般式(I−
b) HOR3OmH ……(I−b) (式中R3は上記と同様であり、mは1〜50の整数であ
る。)で表わされる化合物で、ポリエチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等が例示される。
ジオール(B−2)は市販品として入手可能であり、
「PEG#200」、「PEG#300」、「PEG#400」、「PEG#6
00」、「PEG#1000」、「D−400」、「D−700」、
「D−1000」、「D−1200」、「D−2000」(以上、日
本油脂社製)、「PTMG 650」(デュポン社製)、「PTM
G 1000」、「PTMG 2000」、「PTMG 3000」(以上、
三菱化成工業製)等を挙げることができる。
これらのジオール(B−2)のうち、ポリテトラメチ
レングリコール、ポリエチレングリコール等が、市販品
では「PTMG 3000」、「PTMG 1000」、「PEG#400」、
「PEG#200」等が好ましい。
ジオール(B−2)は1種または2種以上使用するこ
とができる。
このジオール(B−2)は、前記ジイソシアネート
(A)と反応し、重合体中で例えば下記の構造を形成す
る。
(式中R1、R3およびmは前記と同様である。) また、ポリカプロラクトンジオール(以下、「ジオー
ル(B−3)」と称す)とは、例えば一般式(I−c) (式中、R3は前記と同様であり、nおよびn′は1〜30
の整数である。)で表わされる化合物で、カプロラクト
ンとポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコール等とを反応させるこ
とにより得られる。
ジオール(B−3)は市販品としても入手可能であ
り、「プラクセル203AL」、「プラクセル203」、「プラ
クセル205」、「プラクセル205AL」、「プラクセル21
2」、「プラクセル212AL」、「プラクセル220」、「プ
ラクセル220AL」(以上、ダイセル化学工業社製)等を
挙げることができ、「プラクセル205AL」、「プラクセ
ル212」等が好ましい。
これらのジオール(B−3)は1種または2種以上使
用することができる。
このジオール(B−3)は、前記ジイソシアネート
(A)と反応して重合体中で例えば下記の構造を形成す
る。
(式中R1、R3、nおよびn′は前記と同様である)。
本発明ではこれらのジオール(B−1)、ジオール
(B−2)およびジオール(B−3)から選ばれる少な
くとも1種のジオール(以下、「ジオール(B)」と称
す)を使用することが必要である。
本発明で使用される複数個の(メタ)アクリロイル基
を有するジオール(C)とは、例えば一般式(II−a) (式中、R4はCH2CH2O(qは1〜20の整数を示す。)、 (但し、ZおよびZ′は独立に または である)、または で表わされる基であり、R5は水素原子またはメチル基を
示す)で表わされる化合物をいい(以下「ジオール
(C)」と称す)、かかるジオール(C)としては1分
子中にエポキシ基を2個含むエポキシ化合物1モルに対
して、カルボキシル基を有する(メタ)アクリル系化合
物ならびに水酸基を有する(メタ)アクリル系化合物か
ら選ばれる少なくとも1種類の化合物1モル以上を反応
させ、反応系全体のエポキシ基が消失するまで、付加重
合することによつて合成されるジオールを挙げることが
できる。ここにおけるジエポキシ化合物としては例え
ば、ビスフエノールAとエピクロルヒドリンとを反応さ
せて得られる多価フエノールのグリシジルエーテル;ビ
スフエノールAにエチレンオキサイド、プロピレンオキ
サイド等のC2〜C4のアルキレンオキサイドを付加したも
のとエピクロルヒドリンとを反応させて得られる多価フ
エノールのアルキレンオキサイド付加物のグリシジルエ
ーテル;エチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、テトラメチレングリコール、ポリテトラメチレング
リコール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンとを
反応させて得られる多価アルコールのグリシジルエーテ
ル等を挙げることができる。
上記の付加重合の反応温度は通常20〜130℃、好まし
くは40〜70℃である。反応時の触媒としては、第3アミ
ン類、イミダゾール類、有機酸金属塩、ルイス酸、アミ
ン錯塩等を用いることができる。好適にはトリエタノー
ルアミン、N,N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミ
ン、N,N−ジメチルピペラジン、N−メチルモルフオリ
ン、三フツ化ホウ素エーテラートを用いることができ
る。
ジオール(C)は市販品としても入手可能であり「エ
ポキシエステル40EM」、「エポキシエステル70PA」、
「エポキシエステル200PA」、「エポキシエステル80MF
A」、「エポキシエステル3002M」、「エポキシエステル
3002A」(以上、共栄社油脂社製)等を挙げることがで
き、「エポキシエステル3002A」、「エポキシエステル7
0PA」等が好ましい。
ジオール(C)は1種または2種以上使用することが
できる。
このジオール(C)は、前記ジイソシアネート(A)
と反応し、重合体中で例えば下記の構造を形成する。
(式中、R1、R4およびR5は前記と同様である)。
本発明で使用される(ポリ)オキシアルキレンビスフ
エーノル誘導体であるジオール(D)(以下、「ジオー
ルD」と称す)とは、例えば下記式(III) (ここでR6およびR7は、同一でも異なつていてもよく、
炭素数2または3のアルキレン基であり、lおよびm′
は同一でも異なつていてもよく、1〜20の整数を示す)
で表わされる化合物であり、(ポリ)オキシエチレンビ
スフエーノルAエーテル、(ポリ)オキシプロピレンビ
スフエーノルAエーテル等が挙げられ、これらは市販品
として入手可能であり、例えば「DA−350F」、「DA−40
0」、「DB−900」、「DB−400」、「DA−1000」(以上
日本油脂社製)等を挙げることができる。
このジオール(D)は、前記ジイソシアネート(A)
と反応し、重合体中で例えば下記の構造を形成する。
(式中、R1、R6、R7、lおよびm′は前記と同様であ
る。) また、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル
(E)としては、(メタ)アクリル酸モノヒドロキシエ
ステルが好ましく、例えば下記式(IV) (式中、R5は前記と同様であり、R8はエチレン基、プロ
ピレン基、テトラメチレン基、ヘキサメチレン基などの
炭素数2〜8のアルキレン基でありn″は1〜3の整数
である。) で表わされる化合物および ペンタエリスリトールトリアクリレート、 グリセロールジアクリレート、 トリメチロールプロパンジアクリレート、 ネオペンチルグリコールモノアクリレート、等が挙げ
られる。
本発明の放射線硬化性塗料に用いられる上述の放射線
硬化性重合体は、例えば次の製法により製造することが
できる。
まず、第1工程において、ジイソシアネート(A)と
ジオール(B)、ジオール(C)および必要に応じてジ
オール(D)とを反応させる。
この第1工程の反応においてはジイソシアネート
(A)を使用されるジオールの混合物の総量すなわち、
使用するジオール(B)、ジオール(C)およびジオー
ル(D)の総量に対して化学量論的に過剰に使用し、ウ
レタン結合を形成させて各反応成分を結合させ、分子両
末端にイソシアネート基を有する重合体(以下「重合体
1」という)を生成させる。
このとき、重合体1において使用されるジオールはウ
レタン結合により結合し、通常、ランダムに分布する。
次に、第2工程において、第1工程で生成した重合体
1に、水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル
(E)を、重合体1が有するイソシアネート基に対して
化学量論的にほぼ当量で反応させる。この第2工程によ
り平均的には、重合体1の両末端に水酸基を有する(メ
タ)アクリル酸エステル(E)がウレタン結合により結
合し目的とする重合体が得られる。
上記第1工程の反応は、通常、ナフテン酸銅、ナフテ
ン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ラウリル酸n−ブチル
スズ、トリエチルアミン等の触媒を用いて実施される。
これらの触媒は、第1工程に用いる出発原料の総量100
重量部に対して0.01〜1重量部程度用いるのが好まし
い。反応温度は、通常30〜80℃とするのが好ましい。
上記第2工程の反応は、上記と同様の触媒の存在下に
実施することができる。触媒は第1工程で形成された重
合体(1)100重量部に対して好ましくは0.01〜1重量
部用いられる。第2工程の反応は、好ましくは30〜80℃
で実施される。
ここで、上記第1および第2工程の反応は各工程の生
成物を単離せずに逐次的に実施することができる。
各工程の反応を実施する際には、例えばメチルエチル
ケトン、シクロヘキサノン、トルエン、テトラヒドロフ
ラン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン等の反応を
阻害しない溶媒を必要に応じて使用することができる。
なお、本発明に用いられる放射線硬化性重合体を製造
する際に用いられるジオールとしてジオール(B)、ジ
オール(C)以外におよび必要に応じてジオール(D)
分子内に水酸基、カルボン酸基、カルボン酸金属塩基、
スルホン酸基、スルホン酸金属塩基、リン酸基等を有す
るジオールを用いてもよい。なお、得られる放射線硬化
性重合体中の上記極性基の含量は、1×10-7当量/g未満
の範囲内である。ここで分子内に水酸基を有するジオー
ルとしては、例えば が、 分子内にカルボン酸基および/またはカルボン酸金属
塩基を有するジオールとしては、 (式中、R9は炭素数2〜4のアルキレン基であり、pは
1〜50の整数であり、R10 等で示されるC2〜C20の4価の脂肪族基、脂環式基また
は芳香族基であり、Mは水素原子、カリウム、ナトリウ
ム等のアルカリ金属である。)が、 分子内にスルホン酸基および/または、スルホン酸金
属塩基を有するジオールとしては (式中、R9,p,およびMは、前記の定義のとおりであ
り、n″は1〜5の整数である)が、 分子内に、リン酸基を有するジオールとしては、 (式中、R11およびR12は、同一でも異なつていてもよ
く、炭素数1〜20のアルキレン基であり、R13は炭素数
1〜6のアルキレン基であり、R14およびR15は、同一で
も異なつてもよく炭素数1〜6のアルキル基であり、q
およびrは同一でも異なつてもよく1〜20の整数であ
る。)が挙げられる。
本発明において用いられる放射線硬化性塗料の製造に
用いるジオール(B)の使用量は、全ジオール成分中5
〜99モル%の範囲であり好ましくは5〜95モルである。
この値が5モル%以下であると得られる放射線硬化性
塗料を硬化して得られる塗膜の柔軟性を失う傾向が大き
く、99モル%以上であると、得られる放射線硬化性塗料
を硬化して得られる塗膜の硬化性が失われる傾向が大き
い。
本発明において用いられる放射線硬化性重合体を製造
する際に用いるジオール(C)の使用量は全ジオール成
分中0.1〜60モル%の範囲であり、好ましくは0.1〜50モ
ル%である。この値が60モル%以上であると、得られる
放射線硬化性塗料を硬化して得られる塗膜の柔軟性を失
う傾向が大きく、0.1モル%以下であると、得られる塗
膜の硬化性が失われる傾向が大きい。
本発明において用いられる放射線硬化性重合体の製造
においては、ジオールとしてジオール(D)を用いるこ
とが好ましく、その使用量はジオール(B)に対してモ
ル比(D)/(B)が10以下、好ましくは9以下、特に
好ましくは9以下である。このモル比が10を超えると得
られる放射線硬化性塗料を硬化させた塗膜の柔軟性を失
いやすくなる。
上記のようにして得られる本発明に使用される放射線
硬化性重合体の数平均分子量は約10,000〜100,000が好
ましく、特に10,000〜80,000が好ましい。この数平均分
子量が約10,000未満であると、得られる放射線硬化性塗
料を硬化させた塗膜の強度が低下する傾向にあり、100,
000を超えると塗料として調整する際の溶液粘度が増大
し取り扱いに不都合となるだけでなく、特に磁性塗料と
して用いた場合に粘度低減のために使用する溶剤の量が
増加することになり好ましくない。
本発明に用いる放射線硬化性重合体は、必要に応じて
多の放射線硬化性重合体および/または放射線重合性不
飽和結合を有する化合物と併用することができる。他の
放射線硬化性重合体としては、以下のものを挙げること
ができる。
(1) 分子末端にアクリル系二重結合を有し、ポリマ
ー骨格がポリプロピレン、ポリウレタン、エポキシ、ポ
リエーテル、ポリカーボネート、ポリアミド等である重
合体。
(2) 下記一般式(イ)で表される重合体。
[式中、R16は−CH3または−C2H5、Xは (式中、R17はHまたはCH3)、Zは (R18およびR19は、C1〜C4のアルキル基、フエニル基ま
たはC1〜C4のアルコキシ基を示し、同一であつても異な
つてもよく、Yはアクリル系またはビニル系二重結合を
有する基である)、tは200〜800の整数、uは10〜200
の整数、vは0〜200の整数、wは3〜100の整数、w′
は0〜50の整数である] (3) 親水基、例えば−SO3M,−OSO3M, (式中、Mは水素原子、リチウム原子、ナトリウム原子
またはカリウム原子であり、M′は水素原子、リチウム
原子、ナトリウム原子、カリウム原子または炭化水素基
であり、R20は炭化水素基である)を少なくとも1個と
2個以上のアクリル系二重結合を有したポリエステル、
ポリエーテル、ポリウレタン、エポキシ、ポリブタジエ
ン、ポリアミド、ポリカーボネート等の重合体。
(4) 下記一般式(ロ)で表される重合体。
(式中、R21およびR22は、脂肪族、脂環族もしくは芳香
族炭化水素基またはその誘導体残基であり、R21は、−
O−結合を含んでもよく、R22は、−O−、−S−又は
−SO2−結合を含んでもよく、R23は水素原子またはメチ
ル基であり、yは1〜20の整数を示す) (5) フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハ
ク酸、アジピン酸、セバシン酸等の飽和多塩基酸とエチ
レングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、1,2−プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、
1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ペンタ
エリスリトール、ソルビトール、グリセリン、ネオペン
チルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等
の多価アルコールとのエステル結合により得られる飽和
ポリエステルもしくはこれらのポリエステルをSO3Na等
で変性した重合体またはこれらの重合体の後に述べる手
法により放射線硬化性を付与した重合体。
(6) ビスフエーノルAまたは臭素化ビスフエノール
Aとエピクロルヒドリンまたはメチルエピクロルヒドリ
ンとの反応により得られるエポキシ重合体フエノキシ樹
脂に後に述べる手法により放射線硬化性を付与した重合
体。
(7) ビスフエノールA又は臭素化ビスフエノールA
とエピクロルヒドリン又はメチルエピクロルヒドリンと
の反応により得られるエポキシ重合体フエノキシ樹脂に
後に述べる手法により放射線硬化性を付与した重合体。
(8) 硝化綿、セルローズアセトブチレート、エチル
セルローズ、ブチルセルローズ、アセチルセルローズ等
の繊維素系重合体に後に述べる手法により放射線硬化性
を付与した重合体。
(9) 水酸基を1個以上含有するポリエーテル等の多
官能性ポリエーテル類に後に述べる手法により放射線硬
化性を付与した重合体。
(10) ポリカプロラクト等の多官能性ポリエステル類
に後に述べる手法により放射線硬化性を付与した重合
体。
(11) 塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール系
共重合体、塩化ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニール−マレイン酸共重合体、塩化ビ
ニル−プロピオン酸ビニル−ビニルアルコール系共重合
体等に後に述べる手法により放射線硬化性を付与した重
合体。
(12) ポリエーテルエステル重量体、ポリビニルピロ
リドン重量体、ポリビニルピロリドン−オレフイン共重
合体、ポリアミド重量体、ポリイミド重量体、フエノー
ル重量体、スピロアセタール重量体、水酸基を含有する
アクリルエステル及びメタクリルエステルの少なくとも
一種を重合成分として含むアクリル系重量体等に後に述
べる手法により放射線硬化性を付与した重量体。
次に前述の放射線硬化性を付与する手法の具体例を示
す。
(I) 分子中に水酸基を有する上記の熱可塑性重合体
またはこれらのプレポリマー1分子に1分子以上のポリ
イソシアネート化合物のイソシアネート基を反応させ、
次いでイソシアネート基と反応する官能基および放射線
硬化性不飽和二重結合を有する単量体1分子以上と反応
させる。イソシアネート基と反応する官能基および放射
線硬化性不飽和二重結合を有する単量体としては、(メ
タ)アクリル酸の2−ヒドロキシエチルエステル、2−
ヒドロキシプロピルエステルもしくは2−ヒドロキシオ
クチルエステル等の水酸基を有するエステル系単量体;
(メタ)アクリルアマイド、N−メチロールアクリルア
ミド等のイソシアネート基と反応する活性水素を持ちか
つアクリル系二重結合を有する単量体;アリルアルコー
ル、マイレン酸多価アルコールエステル化合物、不飽和
二重結合を有する長鎖脂肪酸のモノあるいはジグリセリ
ド等のイソシアネート基と反応する活性水素を持ちかつ
放射線硬化性を有する不飽和二重結合を含有する単量体
を例示することができる。
(II) 分子中に水酸基を有する上記の熱可塑性重合体
またはこれらのプレポリマー1分子に1分子以上の放射
線硬化不飽和二重結合を有する酸または酸クロライドを
反応させてエステル二重結合を導入する。放射線硬化性
不飽和二重結合を有する酸または酸ハライドとしては、
(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロライド、
(メタ)アクリル酸ブロマイド等を挙げることができ
る。
(III) 分子中にカルボキシル基を有する上記の熱可
塑性重合体またはこれらのプレポリマー1分子に1分子
以上のカルボキシル基と反応する官能基および放射線硬
化性不飽和二重結合を有する単量体1分子以上とを反応
させる。カルボキシル基と反応する官能基および放射線
硬化性不飽和二重結合を有する単量体としては、グリシ
ジル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの他の放射線硬化性重合体は、2種以上併用す
ることができ、その使用量は、通常、本発明の特徴とな
る重合体100重量部に対して400重量部以下である。
放射線重合性不飽和結合を有する化合物としては、ア
クリル酸、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリス
リトールトリアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレ
ート、フエノキシエチルアクリレート、2−エチルヘキ
シルアクリレート、ジブロモプロピルアクリレート、ト
リエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレン
グリコールジアクリレート、トリメチロールプロパント
リアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレー
ト、イソホロンジイソシアネートとヒドロキシエチルア
クリレートの付加体、トリスヒドロキシエチルイソシア
ヌレートトリアクリレート等のアクリル酸またはアクリ
ル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリル
アミド等のアクリルアミド類、メタクリル酸、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、トリメチロールプ
ロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリ
メタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、フ
エノキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、ジブロモプロピルメタクリレート、トリ
エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレン
グリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタク
リレート、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレート、
トリメタクリレート等のメタクリル酸エステル類;メタ
クリルアミド、N−メチルメタクリルアミド等のメタク
リルアミド類、ビニルピロリドン、放射線重合性不飽和
結合を有する燐酸エステルを例示することができる。こ
れらの放射線重合性不飽和結合を有する化合物は、2種
以上併用することができ、その使用量は、本発明の特徴
とする重合体100重量部に対して好ましくは5〜90重量
部、さらに好ましくは10〜80重量部である。
本発明の放射線硬化性塗料を磁性塗料として使用する
際に混合される磁性粉としては、γ−Fe2O3,Fe3O4,γ−
Fe2O3とFe3O4の中間の酸化状態の酸化鉄、Co含有γ−Fe
2O3,Co含有Fe3O4,Co含有のγFe2O3とFe3O4の中間の酸化
状態の酸化鉄、前記酸化鉄さらに環移金属元素等の金属
元素を含有させたもの、前記酸化鉄にCo酸化物または水
酸化物を主体とした被膜層を形成したもの、CrO2,CrO2
の表面を還元処理してCr2O3層を形成したもの,Fe,Co,Ni
等の金属もしくはこれらの合金またはこれらに金属元素
もしくは遷移金属元素等の金属元素を含有させたもの等
を例示することができる。これらの磁性粉は、本発明の
特徴とする重合体100重量部に対して通常200〜700重量
部使用される。
また本発明の放射線硬化性塗料を調製する際に使用す
る溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類;
メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノー
ル等のアルコール類;トルエン、キシレン、エチルベン
ゼン等の芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタン等の脂
肪族炭化水素類;エチレングリコールジメチルエーテ
ル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキサ
ン等のグリコールエーテル類を例示することができ、こ
れらの溶剤は単独または混合物として用いられる。これ
らの溶剤の使用量は、本発明の特徴となる重合体100重
量部に対して通常200〜2500重量部である。
また、本発明の放射線硬化性塗料を調製するに際して
は、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、エライ
ジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸、レ
シチン、有機チタン化合物、有機シラン化合物等の分散
剤;二硫化モリブデン、グラフアイト、シリコーンオイ
ル等の潤滑剤;酸化アルミニウム、酸化クロム、酸化ケ
イ素等の研磨剤;カーボンブラツクグラフトポリマー等
の導電性微粉末;サポニン等の天然界面活性剤;アルキ
レンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系等の
ノニオン界面活性剤;高級アルキルアミン類、第4級ア
ンモニウム塩類、ピリジン、ホスホニウム塩、スルホニ
ウム塩等のカチオン界面活性剤;カルボン酸、スルホン
酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基等との酸性
基を含むアニオン界面活性剤;アミノ酸類、アミノスル
ホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル
類等の両性活性剤;カーボンブラツク等の帯電防止剤;
リン酸、スルフアミド、ピリジン、ジシクロヘキシルア
ミンナイトライド、シクロヘキシルアンモニウムカーボ
ネート等の防錆剤を配合することができる。
更に本発明の放射線硬化性塗料には、必要に応じてポ
リビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリウレ
タン、ポリエステル、分子内にスルホン酸および/また
は金属塩基を有するポリエステル、エポキシ樹脂、エポ
キシウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、水酸基含有塩基ビニル−酢酸ビニル共
重合体、塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、水
酸基含有塩化ビニル−プロピオン酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体、
水酸基含有塩化ビニル−酢酸ビニル−アクリル酸エステ
ル共重合体、ポリ塩化ビニリデン、マレイン酸含有塩化
ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル
共重合体、塩化ビニリデン−メタクリル酸エステル共重
合体、フエノキシ樹脂、ニトロセルローズ、硝化綿、ケ
トン樹脂、(メタ)アクリル酸重量体または共重合体、
ポリイミド樹脂、1,3−ペンタジエン樹脂、エポキシ化
1,3−ペンタジエン樹脂、ヒドロキシル化1,3−ペンタジ
エン樹脂、アクリロニトリル重合体または共重合体、
(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合
体、フエノール−ホルマリン樹脂、フエノール−フルフ
ラール樹脂、キシレン−ホルマリン樹脂、尿素樹脂、メ
ラニン樹脂、アルキツド樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体等が配合される。
本発明の放射線硬化用塗料を磁性塗料として磁気記録
媒体を製造する際の被塗布材(基体:ベースフイルム)
としては、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリ
エステル:ポリプロピレン等のポリオレフイン;セルロ
ーストリアセテート、セルロースジアセテート等のセル
ロース誘導体;ポリカーボネート;ポリ塩化ビニル;ポ
リイミド;アルミニウム、銅等の非磁性金属;紙を挙げ
ることができ、また、この放射性硬化性塗料は磁気記録
媒体を製造する際のアンダーコート、トツプコート、バ
ツクコート等にも使用することができる。
本発明の放射線硬化性塗料を架橋、硬化するために使
用する放射線としては、電子線、γ−線、中性子線、β
−線、X線等を例示することができるが、特に放射線量
の制御、放射線照射装置の製造工程への導入等の容易性
の見地から、電子線が好ましく、塗膜を架橋、硬化する
際に使用する電子線は、透過力の面から加速電圧100〜7
50KV、好ましくは150〜300KVの電子線加速器を用い、塗
膜の電子線の吸収線量が0.5〜29メガラツドになる様に
照射するのが好ましい。
なお、本発明の放射線硬化性塗料の硬化後の力学的特
性は、放射線硬化条件等によつても異なるが、通常、弾
性率が10Kg/cm2以上、破断強度が90Kg/cm2以上、そして
破断伸びが7%以上となるように適宜本発明の特徴とな
る重合体を選択して使用される。
[実施例] 以下、本発明を実施例によつてさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
なお、以下の実施例において、分子量は浸透圧法によ
つて求めた値である。
また、各実施例の重合体の溶液粘度は、各実施例で該
重合体合成時に使用した溶媒中40重量%の溶液について
25℃で測定した値(センチポイズ、cp)である。
重合体の合成 合成例1 (1) 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量
1のフラスコに、イソフタル酸ジメチルエステル87.4
g、ポリエチレングリコール(平均分子量400)720.0g、
酢酸ナトリウム1.0gおよび酢酸亜鉛1.6gを加え130℃で3
0時間反応させた。得られた反応生成物をNMRスペクトル
によつて分析したところ、イソフタル酸ジメチルエステ
ルのメチル基のプロトンによるピークが検出されないこ
とからエステル交換反応は、ほぼ100%進行していると
判断された。さらに、未反応のポリエチレングリコール
が、存在することを確認した。また、反応生成物を液体
クロマトグラムにより分画分取してNMRスペクトルによ
つて分析した結果、反応生成物は、下記構造式であらわ
される化合物とポリエチレングリコールとの混合物であ
り、 (式中R19は、ポリエチレングリコール(平均分子量40
0)の両末端OH基を除いた残基である。) 且つ上記構造で示した化合物と未反応ポリエチレング
リコールとの比は、56/44(重量比)であつた。これら
の混合物を以下特定ジオール化合物(I)とする。特定
ジオール化合物(I)の水酸基当量は3.45×10-3当量/g
であつた。
(2) 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量
1のフラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネート121.9g、ジブチルスズジラウレート1.2g
およびメチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶
媒(容量比50:50)200gを加え60℃に加温したのち、滴
下ロートより系の温度が上昇しない様に注意しながら、
ポリエステルジオール(日本ポリウレタン社製ニツポラ
ン4009;以下ポリエステルジオール(I)と呼ぶ)124.6
g、ポリオキシエチレンビスフエノールAエーテル(日
本油脂社製DA−350F)93.1g、ビスフエノールAアルキ
レンオキサイド誘導体のアクリル酸付加物(共栄社油脂
社製)、エポキシエステル3002A;以下特定ヒドロキシ化
合物(I)と呼ぶ)29.3g、特定ジオール化合物(I)2
8.34g、およびメチルエチルケトンとシクロヘキサノン
の混合溶媒(容量比50:50)400gを均一に混合したもの
を滴下し、滴下終了後、60℃で4時間反応させた。次い
でこれに、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.8gを加
え、さらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を、重合体(A)とする。
重合体(A)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例2 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート132.8g、ジブチルスズジラウレート1.2gおよび
メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容
量比50:50)200gを加え60℃に加温したのち、滴下ロー
トより、系の温度が上昇しない様に注意しながら、ポリ
エステルジオール(I)131.8g、ポリオキシエチレンビ
スフエノールAエーテル(日本油脂社製DA−350F)98.4
g、特定ヒドロキシル化合物(I)34.6g、およびメチル
エチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容量比5
0:50)400gを均一に混合したものを滴下し、滴下終了
後、60℃で4時間反応させた。次いでこれに、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート2.3gを加え、さらに60℃で4
時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を、重合体(B)とする。
重合体(B)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例3 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、2,4−トルエンジイソシアネート68.2g、ジ
ブチルスズジラウレート1.2gおよびメチルエチルケトン
200gを加え60℃に加温したのち、滴下ロートより系の温
度が上昇しない様に注意しながら、ポリエステルジオー
ル(日本ポリウレタン社製)ニツポラン4002;以下ポリ
エステルジオール(II)と呼ぶ)306.6g、ポリオキシア
ルキレンビスフエノールAエーテル(日本油脂社製DA−
350F)17.4g、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル誘導体のアクリル酸付加物(共栄社油脂社製)エポキ
シエステル40EM;以下特定ヒドロキシル化合物(II)と
呼ぶ)1.7g、およびメチルエチルケトン400gを均一に混
合したものを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間反応さ
せた。次いでこれに、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト6.2gを加えさらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を、重合体(C)とする。
重合体(C)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例4 (1) 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量
1のフラスコにアクリル酸105.9gとポリプロピレング
リコール#400ジグリシジルエーテル(共栄社油脂社
製、エポライト400P)394.1gを加え、60℃で6時間反応
させたのち、赤外吸収スペクトルにより反応生成物中に
はエポキシ環の吸収が無いことを確認した。この反応生
成物を、特定ヒドロキシ化合物(III)とする。特定ヒ
ドロキシル化合物(III)の主たる構造は次のとおりで
ある。
(2) 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量
1のフラスコに2,4−トルエンジイソシアネート95.4
g、ジブチルスズジラウレート1.2gおよびテトラヒドロ
フラン200gを加え60℃に加温したのち、滴下ロートより
系の温度が上昇しない様に注意しながら、ポリエステル
ジオール(I)46.7g、ポリオキシエチレンビスフエノ
ールAエーテル(日本油脂社製DA−400)106.1g、特定
ヒドロキシル化合物(III)150.8gおよびテトラヒドロ
フラン400gを均一に混合したものを滴下し、滴下終了
後、60℃で4時間反応させた。次いでこれに、2−ヒド
ロキシエチルアクリレート1.0gを加えさらに60℃で4時
間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を、重合体(D)とする。
重合体(D)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例5 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、イソホロンジイソシアネート81.8g、ジブ
チルスズジラウレート1.2gおよびトルエンとシクロヘキ
サンの混合溶媒(容量比50:50)200gを加え60℃に加温
したのち滴下ロートより、系の温度が上昇しない様に注
意しながら、ポリエステルジオール(日本ポリウレタン
社製ニツポラン4010:以下ポリエステルジオール(III)
と呼ぶ189.9g、ポリオキシエチレンビスフエノールAエ
ーテル(日本油脂社製DA−400)46.5g、プロピレングリ
コールジグリシジルエーテルのアクリル酸付加物(共栄
社油脂社製エポキシエステル70PA;以下特定ヒドロキシ
ル化合物(IV)と呼ぶ)80.6g、およびトルエンとシク
ロヘキサノンの混合溶媒(容量比50:50)400gを均一に
混合したものを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間反応
させた。次いでこれに、2−ヒドロキシエチルアクリレ
ート1.3gを加えさらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を、重合体(E)とする。
重合体(E)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例6 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、イソホロンジイソシアネート55.6g、ジブ
チルスズジラウレート1.2gおよびシクロヘキサノン200g
を加え60℃に加温したのち滴下ロートより、系の温度が
上昇しない様に注意しながら、ポリエステルジオール
(日本ポリウレタン社製ニツポラン4040;以下ポリエス
テルジオール(IV)と呼ぶ)236.9g、ポリオキシエチレ
ンビスフエノールAエーテル(日本油脂社製DB−900)9
0.8g、特定ヒドロキシル化合物(I)14.8g、およびシ
クロヘキサノン400gを均一に混合したものを滴下し、滴
下終了後、60℃で4時間反応させた。次いで、これに、
2−ヒドロキシプロピルメタクリレート1.9gを加えさら
に60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(F)とする。重合体(F)の
分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例7 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート103.4g、ジブチルスズジラウレート1.2gおよび
メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容
量比40:60)200gを加え60℃に加温したのち滴下ロート
より、系の温度が上昇しない様に注意しながら、ポリエ
ステルジオール(II)52.8g、ポリオキシエチレンビス
フエノールAエーテル(日本油脂社製DB−900)190.0
g、特定ヒドロキシル化合物(II)44.1gおよびメチルエ
チルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容量比40:6
0)400gを均一に混合したものを滴下し、滴下終了後、6
0℃で4時間反応させた。次いでこれに、2−ヒドロキ
シプロピルメタクリレート5.8gを加えさらに60℃で4時
間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を、重合体(G)とする。
重合体(G)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例8 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート69.8g、ジブチルスズジラウレート1.2gおよび
メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容
量比70:30)200gを加え60℃に加温したのち滴下ロート
より、系の温度が上昇しない様に注意しながら、主たる
構造が式 で表わされる分子量約3000のポリエステルジオール(以
下、「ポリエステルジオール(V)」と呼ぶ)213.0g、
ポリオキシプロピレンビスフエノールAエーテル(日本
油脂社製DB−400)6.8g、特定ヒドロキシル化合物(II
I)105.8gおよびメチルエチルケトンとシクロヘキサノ
ンの混合溶媒(容量比70:30)400gを均一に混合したも
のを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間反応させた。次
いでこれに、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート4.
6gを加えさらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(H)とする。
重合体(H)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例9 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、2,6−トルエンジイソシアネート50.0g、ジ
ブチルスズジラウレート1.2gおよびシクロヘキサノン20
0gを加え60℃に加温したのち滴下ロートより、系の温度
が上昇しない様に注意しながら主たる構造が式 で表わされる分子量約3000のポリエステルジオール(V
I)(以下、「ポリエステルジオール(VI)」と呼ぶ)1
61.3g、ポリオキシエチレンビスフエノールAエーテル
(日本油脂社製DA−1000)161.3g、特定ヒドロキシル化
合物(IV)24.7gおよびシクロヘキサノン400gを均一に
混合したものを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間反応
させた。次いでこれに、2−ヒドロキシプロピルメタク
リレート2.5gを加えさらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(I)とする。
重合体(I)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例10 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、2,4−トルエンジイソシアネートと2,6−ト
ルエンジイソシアネートの混合物(重量80:20)73.9g、
ジブチルスズジラウレート1.2gおよびトルエンとシクロ
ヘキサノンの混合溶媒(容量比70:30)200gを加え60℃
に加温したのち滴下ロートより、系の温度が上昇しない
様に注意しながら、主たる構造が式 で表わされる分子量約500のポリエステルジオール(以
下、「ポリエステルジオール(VII)」と呼ぶ)57.2g、
ポリオキシエチレンビスフエノールAエーテル(日本油
脂社製DA−1000)212.6g、特定ヒドロキシル化合物
(I)54.0gおよびトルエンとシクロヘキサノンの混合
溶媒(容量比70:30)400gを均一に混合したものを滴下
し、滴下終了後、60℃で4時間反応させた。次いでこれ
に、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート2.3gを加え
さらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(J)とする。
重合体(J)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例11 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート146.4g、ジブチルスズジラウレート1.2gおよび
メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容
量比50:50)200gを加え60℃に加温したのち滴下ロート
より、系の温度が上昇しない様に注意しながら、ポリテ
トラメチレングリコール(デュポン社製テラタン650)1
8.5g、ポリオキシアルキレンビスフエノールAエーテル
(日本油脂社製DA−350F)90.9g、特定ヒドロキシル化
合物(I)142.1gおよびメチルエチルケトンとシクロヘ
キサノンの混合溶媒(容量比50:50)400gを均一に混合
したものを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間反応させ
た。次いでこれに、2−ヒドロキシエチルアクリレート
2.2gを加えさらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(K)とする。
重合体(K)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例12 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、2,4−トルエンジイソシアネート72.1g、ジ
ブチルスズジラウレート1.2gおよびテトラヒドロフラン
200gを加え60℃に加温したのち滴下ロートより、系の温
度が上昇しない様に注意しながら、ポリテトラメチレン
グリコール(三菱化成工業社製PTMG1000)276.1g、ポリ
オキシアルキレンビスフエノールAエーテル(日本油脂
社製DA−400)36.8g、特定ヒドロキシル化合物(II)1
2.9gおよびテトラヒドロフラン400gを均一に混合したも
のを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間反応させた。次
いでこれに、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.1gを
加えさらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(L)とする。
重合体(L)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例13 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、2,4−トルエンジイソシアネート104.6g、
ジブチルスズジラウレート1.2g、およびメチルエチルケ
トン200gを加え60℃に加温したのち滴下ロートより、系
の温度が上昇しない様に注意しながら、ポリカプロラク
トンジオール(ダイセル工業社製PL−205AL)287.1g、
ポリオキシアルキレンビスフエノールAエーテル(日本
油脂社製DB−400)0.8g、特定ヒドロキシル化合物(I
I)2.8gおよびメチルエチルケトン400gを均一に混合し
たものを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間反応させ
た。次いでこれに、2−ヒドロキシエチルアクリレート
4.8gを加えさらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(M)とする。
重合体(M)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例14 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート82.5g、ジブチルスズジラウレート1.2gおよび
シクロヘキサノン200gを加え60℃に加温したのち滴下ロ
ートより、系の温度が上昇しない様に注意しながら、ポ
リカプロラクトンジオール(ダイセル工業社製PL−21
2)291.6g、ポリオキシアルキレンビスフエノールAエ
ーテル(日本油脂社製DA−350F)18.7g、特定ヒドロキ
シル化合物(IV)4.6gおよびシクロヘキサノン400gを均
一に混合したものを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間
反応させた。次いでこれに、2−ヒドロキシエチルアク
リレート2.7gを加えさらに60℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(N)とする。
重合体(N)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例15 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、2,4−トルエンジイソシアネート42.1g、ジ
ブチルスズジラウレート1.2gおよびメチルエチルケトン
とジクロヘキサノンの混合溶媒(容量比50:50)200gを
加え60℃に加温したのち滴下ロートより、系の温度が上
昇しない様に注意しながら、ポリカプロラクトンジオー
ル(ダイセル工業社製PL−220)297.5g、ポリオキシア
ルキレンビスフエノールAエーテル(日本油脂社製DB−
900)33.5g、特定ヒドロキシル化合物(I)22.3gおよ
びメチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒
(容量比50:50)400gを均一に混合したものを滴下し、
滴下終了後、60℃で4時間反応させた。次いでこれに、
2−ヒドロキシエチルアクリレート4.3gを加えさらに60
℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(O)とする。
重合体(O)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
合成例16 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート91.4g、ジブチルスズジラウレート1.2gおよび
シクロヘキサノン200gを加え60℃に加温したのち滴下ロ
ートより、系の温度が上昇しない様に注意しながら、ポ
リテトラメチレングリコール(三菱化成工業社製PTMG10
00)293.7g、特定ヒドロキシル化合物(II)5.4gおよび
シクロヘキサノン400gを均一に混合したものを滴下し、
滴下終了後、60℃で4時間反応させた。次いでこれに、
2−ヒドロキシエチルアクリレート8.5gを加えさらに60
℃で4時間反応させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(P)とする。
重合体(P)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
比較合成例1 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量1の
フラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシ
アネート86.0g、ジブチルスズジラウレート1.2gおよび
シクロヘキサノン200gを加え60℃に加温したのち滴下ロ
ートより、系の温度が上昇しない様に注意しながら、ポ
リエステルジオール(I)295.3g、ポリオキシエチレン
ビスフエノールAエーテル15.8gおよびシクロヘキサノ
ン400gを均一に混合したものを滴下し、滴下終了後、60
℃で4時間反応させた。次いでこれに、2−ヒドロキシ
エチルアクリレート3.0gを加えさらに60℃で4時間反応
させた。
反応終了後、赤外吸収スペクトルにより系中のイソシ
アネート基が残存していないことを確認した。この様に
して得た重合体を重合体(R)とする。
重合体(R)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
比較合成例2 (1) 温度計、攪拌器および還流冷却管を備えた容量
1のフラスコに、5−ナトリウム−スルホ−イソフタ
ル酸ジメチルエステル74g、ポリエチレングリコール
(平均分子量400)400g、酢酸ナトリウム1.0gを加え130
℃で6時間反応させた。得られた反応生成物をNMRスペ
クトルによつて分析したところ、5−ナトリウム−スル
ホ−イソフタル酸ジメチルのメチル基のプロトンによる
ピークが検出されないことからエステル交換率はほぼ10
0%進行していると判断された。さらに未反応のポリエ
チレングリコールが存在することも確認した。
また、反応生成物を液体クロマトグラムにより分画分
取して、NMRスペクトルによつて分析した結果、反応生
成物は下記の構造式であらわされる化合物とポリエチレ
ングリコールとの混合物であり、 (式中、R13′はポリエチレングリコール(平均分子量
400)の両末端OH基を除いた残基であり、l″は1.1であ
る。) かつ、上記構造で示した化合物と未反応ポリエチレン
グリコールの比は55対45(重量比)であつた。これらの
混合物を特定スルホン酸化合物(I)とする。特定スル
ホン酸化合物(I)の水酸基当量は3.28×10-3当量/gで
あつた。
(2) 温度計、攪拌器および還流管を備えた容量2
のフラスコに、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソ
シアネート145.2g、ジブチルスズジラウレート0.5g、シ
クロヘキサノン550gを加え60℃に加温したのち、滴下ロ
ートにより、系の温度が上昇しない様に注意しながら、
ポリエステルジオール(I)211.1g、ポリオキシエチレ
ンビスフエノールAエーテル(日本油脂社製DA−350F)
73.9g、特定ヒドロキシル化合物(I)31.4g、特定スル
ホン酸化合物(I)32.2g、シクロヘキサノン200gを均
一に混合したものを滴下し、滴下終了後、60℃で4時間
反応させた。
次いでこれに、2−ヒドロキシエチルアクリレート6.
1gを加えて4時間反応させた。反応終了後、赤外吸収ス
ペクトルにより系中にイソシアネート基が残存していな
いことを確認した。
この様にして得た重合体を重合体(S)とする。
重合体(S)の分子量と溶液粘度を第1表に示す。
放射線硬化性塗料の調製および評価 実施例1 合成例1で得られた重合体Aのシクロヘキサノン−メ
チルエチルケトン混合溶液を用いて次の組成の磁性塗料
を下記の要領で調製し、基体に塗布して電子線照射によ
り硬化させた。
Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体A 20重量部 (固形分換算) シクロヘキサノンとメチルエチルケトンの混合溶媒(容
量比50:50) 200重量部 500mlアルミ製缶に上記組成中の磁性粉、シクロヘキ
サノンとメチルエチルケトンの混合溶媒および3mm径ス
テンレスボール(約150ml)を入れ、米国レツドデビル
社製ペイントコンデイシヨナーにて2時間振とうした。
次いで重合体Aのシクロヘキサノン−メチルエチルケト
ン混合溶液を加えてさらに4時間振とうした後、ステン
レスボールを取り除き磁性塗料を得た。次いで直ちに厚
さ15μmポリエステルフイルム上に乾燥膜厚が6μmに
なるように上記磁性塗料を塗布し、直ちに磁場配向処理
を行ない室温で一夜乾燥した。その後エレクトロカーテ
ンタイプ電子線加速装置を使用して加速電圧160キロボ
ルト、7メガラツドの吸収線量で電子線を塗膜に照射
し、塗膜を硬化させ、磁性硬化塗膜を得た。
また、別に上記磁性塗料組成において、磁性粉を除外
した以外同一の組成の塗料を、塗料の乾燥膜厚が、ガラ
ス板上には40〜60μmとなるように、また厚さ100μm
のポリエステルフイルム上には40〜50μmとなるように
それぞれ塗布し、室温で一夜乾燥後、加速電圧160キロ
ボルト、5メガラツドの吸収線量で電子線を塗膜に照射
して塗膜を硬化させ、非磁性硬化塗膜を形成した。
得られた磁性塗料、磁性硬化塗膜および非磁性硬化塗
膜の諸特性を評価するために下記の(1)〜(9)の試
験を次のように行なつた。
磁性塗料について……試験(1) 磁性硬化塗膜について……試験(3)〜(6) 非磁性硬化塗膜……試験(7)および(8) (基体:ガラス板) 非磁性硬化塗膜……試験(9) (基体:ポリエステルフイルム) 試験の結果を第2表に示す。
(1) 濾過テスト:平均孔径2μmを有するフイルタ
ーで磁性塗料を1分間で100%濾過できるかどうか観察
した。
(2) 光沢:デイジタル光沢計(村上色彩技術研究所
製)を使用して磁性硬化塗膜の反射角45゜の光沢を測定
し、光沢が70〜90の場合を◎、50〜70の場合を○、30〜
50の場合を△、30以下の場合を×と評価した。
(3) 表面観察:走査型電子顕微鏡を使用して磁性硬
化塗膜の表面を観察し、複数の被検試料全てに磁性粉の
凝集が認められない状態を◎、複数の被検試料のいくつ
かに一部の凝集が認められた状態を○、被検試料の全て
に一部の凝集が認められた状態を△、そして、被検試料
の全てに、全面にわたる凝集が認められた状態を×と評
価した。
(4) 接着テスト:磁性硬化塗膜を表面に粘着テープ
を貼りつけ、全面に均一に接着させた後、瞬間的に引き
剥がしたときの状態を観察して行ない、磁性硬化塗膜が
基体から完全に剥離された場合を×、若干剥離された場
合を△、ほとんど剥離されない場合を○、全く剥離が認
められないものを◎と評価した。
(5) 粉落ち試験:#1000のエメリー紙上で磁性硬化
塗膜を20回シエデイングしてその時の粉落ち量を測定し
た。なお、測定条件として下記3条件を用いた。
−10℃ 25℃、50%相対湿度 60℃、80%相対湿度 (6) 角型比(Br/Bm):東英工業KK製 VSM−3型を用いて外部磁場5,000Oeで磁気特性を測定
した。(Br=残留磁束密度、Bm=最大残留磁束密度) (7) 破断強度、伸び、初期モジユラス:非磁性硬化
塗膜から短冊状のテストピース(0.5cm×10cm×40〜60
μm)を切り出し、室温で50m/minの引張り速度で測定
した。
(8) テトラヒドロフラン(THF)抽出残:非磁性硬
化塗膜について、THFソツクスレー抽出を24時間行な
い、抽出残の割合を測定した。
(9) 屈曲試験:非磁性硬化塗膜を基板のポリエステ
ルフイルムごと幅1cmの短冊状に切り、両端を固定して
中央部分から屈曲させたのちにただちにもとの状態に復
元する操作を1秒間に20回行ない、屈曲部位において透
明硬化型塗膜の剥離あるいは破壊が起こるかどうかを観
察した。500時間の屈曲に耐えたものを優とし、400時間
の屈曲に耐えたものを良と評価した。
実施例2〜11および比較例1 各実施例において、磁性塗料として、下記の組成を有
するものを使用した以外は実施例1と同様にして磁性硬
化塗膜を得た。またガラス板上およびポリエステルフイ
ルム上には磁性粉を含まない以外は同一組成の塗料を用
いて実施例1と同様にして非磁性硬化塗膜を形成した。
得られた磁性塗料、磁性硬化塗膜および非磁性硬化塗膜
の諸特性を実施例1と同様にして評価した。結果を第2
表に示す。
使用した磁性塗料の組成 実施例2の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体B 20重量部 (固形分換算) シクロヘキサノンとメチルエチルケトン混合溶媒(容量
比50:50) 200重量部 実施例3の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体C 17重量部 (固形分換算) トリメチロールプロパントリアクリレート 3重量部 メチルエチルケトン 200重量部 実施例4の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体D 20重量部 (固形分換算) テトラヒドロフラン 200重量部 実施例5の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体E 20重量部 (固形分換算) トルエンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容量比50:5
0) 200重量部 実施例6の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体F 20重量部 (固形分換算) シクロヘキサノン 200重量部 実施例7の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体G 20重量部 (固形分換算) メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容
量比40:60) 200重量部 実施例8の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体H 20重量部 (固形分換算) メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容
量比70:30) 200重量部 実施例9の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体I 17重量部 (固形分換算) ペンタエリスリトールトリアクリレート 3重量部 シクロヘキサノン 200重量部 実施例10の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体J 20重量部 (固形分換算) シクロヘキサノンとトルエンの混合溶媒(容量比30:7
3) 200重量部 実施例11の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体K 20重量部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容
量比50:50) 200重量部 実施例12の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体L 20重量部 テトラヒドロフラン 200重量部 実施例13の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体M 20重量部 メチルエチルケトン 200重量部 実施例14の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体N 20重量部 シクロヘキサノン 200重量部 実施例15の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体O 20重量部 メチルエチルケトンとシクロヘキサノンの混合溶媒(容
量比50:50) 200重量部 実施例16の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体P 20重量部 シクロヘキサノン 200重量部 比較例1の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体R 20重量部 (固形分換算) シクロヘキサノン 200重量部 比較例2の磁性塗料 Co含有γ−Fe2O3 80重量部 重合体S 20重量部 シクロヘキサノン 200重量部 [発明の効果] 本発明は、下記の効果を有するものである。
(1) 本発明の放射線硬化塗料は、実用耐久性特に、
高温多湿下、低温下等の苛酷な条件下でも実用耐久性お
よび電磁変換特性の優れた磁気記録媒体を与える。
(2) 本発明の放射線硬化性塗料は磁性粉充填率が高
く且つ表面平滑性に優れた磁気記録媒体を与える。
(3) 本発明の放射線硬化性塗料は増加したポツトラ
イフを有する。
(4) 本発明の放射線硬化性塗料の硬化塗膜は、機械
的特性においてすぐれているだけでなく、磁気記録媒体
等の基体に対する接着性にもすぐれたものである。
(5) 本発明の放射線硬化性塗料は、放射線照射によ
り架橋性にすぐれることにより、低放射線照射線量で充
分に架橋硬化し、耐溶剤性にすぐれた硬化塗膜を得るこ
とができ、塗膜を硬化させるために要するエネルギーを
低減させることができる。
(6) 本発明の放射線硬化性塗料に磁性粉を配合した
磁性塗料は、配合される磁性粉との親和性にきわめてす
ぐれており、塗料中への磁性粉の分散が容易であり、か
つ塗料中への磁性粉の配合率を大幅に向上させることが
できる。
(7) 本発明の放射線硬化性塗料の塗膜は、放射線照
射量を増加させることによつて架橋密度を向上させて
も、適度な柔軟性と表面硬度とを有する硬化塗膜を得る
ことができ、磁性塗料として磁気記録媒体の1種である
磁気テープの製造に用いた場合に、磁気ヘツドと良好な
接触状態を有し、磁性粉の脱落が少なく、変調ノイズが
少ない耐久性のすぐれた磁気テープを得ることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松村 喜雄 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本 合成ゴム株式会社内 (72)発明者 ロバート イー.アンセル アメリカ合衆国60194イリノイ州ホフマ ン イステイツ、コールドウエル レー ン 1440 (56)参考文献 特開 昭60−90211(JP,A) 特開 昭60−90212(JP,A) 特開 昭60−210674(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ) 過剰量のジイソシアネート(A)
    と、 (ロ) ポリエステルジオール、ポリエーテルジオール
    およびポリカプロラクトンジオールから選ばれた少なく
    とも1種のジオール(B)、一分子中に複数個の(メ
    タ)アクリロイル基を有するジオール(C)および必要
    に応じて(ポリ)オキシアルキレンビスフエノール誘導
    体であるジオール(D)とを反応させ、得られた両端に
    イソシアネート基を有する重合体に (ハ) 水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステル
    (E)を反応して成る重合体を、放射線硬化性重合体成
    分として重合して成る磁気記録媒体用放射線硬化性塗
    料。
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