JP2534756B2 - カラ―画像記録材料 - Google Patents

カラ―画像記録材料

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JP2534756B2
JP2534756B2 JP63161187A JP16118788A JP2534756B2 JP 2534756 B2 JP2534756 B2 JP 2534756B2 JP 63161187 A JP63161187 A JP 63161187A JP 16118788 A JP16118788 A JP 16118788A JP 2534756 B2 JP2534756 B2 JP 2534756B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (A)産業上の利用分野 本発明は、光硬化型マイクロカプセルを利用して1枚
物で画像保存に優れた高解像度のフルカラー画像を形成
させる記録材料およびそれを用いた画像形成法に関する
ものである。
(B)従来の技術 光硬化型マイクロカプセルを利用してカラー画像を形
成させる記録材料の例としては、特開昭59−30537号
(米国特許出願第339917号)、特開昭61−275742号、特
開昭62−187836号、特開昭62−39844号および特開昭62
−39845号公報に記載されている方法が知られている。
特開昭59−30537号(米国特許出願第339917号)公報
に記載されている実施態様の一つでは、シアン、マゼン
タおよびイエローのカラー前駆物質と感光性樹脂を内包
したマイクロカプセルを支持体上に配置した転写シート
から、該カラー前駆物質を現像物質からなる層を設けた
画像受像シートを転写することにより画像を形成させ
る。また、同公報に記載されている別の実施態様は、シ
アン、マゼンタおよびイエローのカラー前駆物質とそれ
ぞれ感光波長の異なる感光組成物を内包したマイクロカ
プセルを1つの支持体上に配置した転写シートを使用す
る。露光された転写シートのカプセル面を受像シートの
現像物質塗布面と合わせてカラー前駆物質を加圧転写さ
せることにより、1回の加圧転写において完全なカラー
画像を得ることができる。別法として、いわゆる「自己
含有(self−contained)技術」をこの実施態様に関連
させて使用することができる。たとえば、カラー前駆物
質を内包した感光性カプセルからなる層の下に、別の層
として現像物質からなる層を設け、セルフタイプで支持
体上に画像を形成させることもできる。しかしながら、
同公報において使用されるカラー前駆物質は、無色の電
子供与型のロイコ染料であり、耐光性や耐指紋性、耐溶
剤性等の画像保存性に劣る。また、画像受像シートへ転
写することにより画像を形成させる方法では、記録後転
写シートは不要になるので、廃棄するためのメンテナン
スが必要となり、また、経済的にも望ましくない。更
に、同公報の第1の実施態様の方法では、画像はシア
ン、マゼンタおよびイエローのそれぞれに対し3回露
光、3回転写しなければならず、画像の位置ずれの問題
から高解像度のカラー画像を得ることは困難である。ま
た、セルフタイプでは、可視光域に感度をもたせると地
肌が着色する。このため、地肌を白色に保つには紫外光
域の感光性組成物しか使用できない。
特開昭61−275742号公報に記載されている記録材料
は、支持体上に少なくとも感光性ハロゲン化銀、還元
剤、重合性化合物および色画像形成物質を有し、かつこ
れらの中の少なくとも重合性化合物と色画像形成物質が
同一のマイクロカプセルに封入されていることを特徴と
している。この方法は、感光性ハロゲン化銀を用いるた
め、可視光に感受性をもたせることができ、しかも高感
度であるという利点を有するが、高価という欠点があ
る。
本発明者らが出願した特開昭62−187836号公報に記載
されている記録材料は、支持体に(a)光硬化樹脂を主
として内包するマイクロカプセル、または、光硬化樹脂
と着色剤を主として内包するマイクロカプセル、(b)
白色遮光材料、(c)着色剤を主成分としてなる層を、
少なくとも2種以上組み合わせた多層が設けられてお
り、該白色遮光材料を主成分とする白色遮光層が光硬化
樹脂と着色剤を主として内包するマイクロカプセルまた
は着色剤からなる2色以上の画素をストライプ状あるい
はモザイク状に配した画素層上に直接または間接に設け
られたカラー画像記録材料である。同発明における実施
態様の一つとして、例えば、支持体上に着色剤からなる
少なくとも2色以上の画素をストライプ状あるいはモザ
イク状に配置してなる画素層を設け、該画素層の表面
に、光硬化樹脂を主として内包するマイクロカプセル含
有層および白色遮光材料からなる白色遮光層を順次設け
たカラー画像記録材料がある。この画像記録材料では、
従来印刷インキ等に使用されてきた有色の染顔料を利用
できるため、画像保存性は極めて良いが、高解像度のカ
ラー画像を得るには、ストライプ状あるいはモザイク状
に配置した画素の大きさを1/10(mm/ドット)以下、好
ましくは1/20(mm/ドット)以下にしなければならず、
通常の印刷技術では困難である。また、この方法では、
記録の際も、シアン、マゼンタおよびイエローの画素の
位置を読み取らねばならず、画素が小さくなるに従い、
この読み取りが困難になる。
また、特開昭62−39844号ならびに特開昭62−39845号
公報に記載されている記録材料は、光硬化樹脂と有機溶
媒に溶解または分散した有色の染顔料溶液とを内包した
マイクロカプセルを支持体に塗設した塗工紙と普通紙と
を組み合わせることを特徴とする普通紙転写型感光感圧
記録シートであるが、これらの方法も転写シートを利用
する点で操作性および経済的に望ましくない。
(C)発明が解決しようとする課題 本発明の課題は、簡便な方法で、解像力に優れ、画像
保存性の良いフルカラー画像を安価に得ることができる
記録材料を提供することである。
(D)課題を解決するための手段 透明ないしは半透明の支持体上に、イエロー、マゼン
タあるいはシアンの染顔料および感光性樹脂を内包する
3種類の光硬化型マイクロカプセルからなる感光層と白
色画像受理層を順次設けた記録材料において、該感光層
中のイエロー、マゼンタあるいはシアンの染顔料を含む
光硬化型マイクロカプセルが、それぞれ、3つの異なる
波長の光に感光する光開始剤システムを含み、かつ、こ
れらの光硬化型マイクロカプセルが不規則に配置されて
いるカラー画像記録材料に、該支持体側から3つの異な
る感光波長の光にて露光を行った後、全面を加圧および
/または加熱することにより、本発明の課題を達成する
ことができた。
イエロー、マゼンタあるいはシアンの染顔料を含む光
硬化型マイクロカプセルが感光する3つの異なる波長の
光は、それぞれ、ブルー、グリーン、レッドの光が好ま
しいが、必ずしもこれに限定されない。イエロー、マゼ
ンタあるいはシアンのマイクロカプセルの分光感度曲線
が完全に分離していれば、いかなる波長でもかまわな
い。つまり、イエロー、マゼンタあるいはシアンのマイ
クロカプセルを硬化させる光が、それぞれ、マゼンタお
よびシアンのマイクロカプセル、イエローおよびシアン
のマイクロカプセル、あるいは、イエローおよびマゼン
タのマイクロカプセルに何ら影響を及ぼさないように選
択されれば良い。
このような3つの異なる波長の光に感光する光開始剤
システムは従来公知の光開始剤システムの中から自由に
選ぶことができる。例えば、光開始剤としては、芳香族
ケトン、キノン化合物、チオキサントン化合物、ケトク
マリン化合物、ハロゲン化物、ビイミダゾール化合物、
有機過酸化物が挙げられる。具第的には、アセトフェノ
ン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベン
ゾイン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメ
チルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル
ケトン、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、p−イソ
プロピル−α−ヒドロキシイソブチルフェノン、2,2−
ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、p−tert−
ブチルトリクロロアセトフェノン、p−tert−ブチルジ
クロロアセトフェノン、α,α,−ジクロロ−4−フェ
ノキシアセトフェノン、フルオレノン、キサントン、ジ
ベンズスベロン、アンスラキノン、2−エチルアンスラ
キノン、1,5−ジクロロアンスラキノン、9,10−フェナ
ンスレンキノン、ベンズアンスロン、2−クロロチオキ
サントン、2,4−ジエチルチオキサントン、3,3′−カル
ボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、7−ジエ
チルアミノ−3−シンナモイルクマリン、7−ジエチル
アミノ−3−(4−ジメチルアミノシンナモイル)クマ
リン、クロロメチルキサントン、クロロメチルチオキサ
ントン、クロロメチルナフタレン、クロロメチルアント
ラセン、クロロメチルキノリン、2,4,6−トリス−トリ
クロロメチル−S−トリアジン、2−メチル−4,6−ビ
ス(トリクロロメチル)−S−トリアジン、2,2′−ビ
ス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェ
ニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メトキシフェ
ニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾー
ル、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,4′,5,5′
−テトラ(m−メトキシフェニル)ビイミダゾール、3,
3′,4,4′−テトラ−(tert−ブチルパーオキシカルボ
ニル)ベンゾフェノン、ジ(tert−ブチルパーオキシ)
フタレート、ジ(tert−ブチルパーオキシ)イソフタレ
ート、ジ(tert−ブチルパーオキシ)テレフタレートを
挙げることができる。これらは、感光性樹脂に対し、0.
1重量%ないし15重量%程度添加される。光開始剤シス
テムとして、これらの光開始剤に、公知の増感剤、連鎖
移動剤、分光増感色素、熱重合開始剤あるいは熱重合禁
止剤を添加することができる。
本発明に用いる光硬化型マイクロカプセルに内包され
る感光性樹脂としては、ビニルまたはビニリデン基を1
個以上好ましくは複数個有するモノマーおよびオリゴマ
ーであり、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル
基、アクリルアミド基、ビニルエーテル基を有する化合
物を挙げることができる。例えば、2−エチルヘキシル
アクリレート、3−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエ
チルアクリロイルホスフェート、1,3−ブタンジオール
ジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジエチレ
ングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコー
ルアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、ヒド
ロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジア
クリレート、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサアクリレートなどである。オリゴ
マーとしては、ポリエステルアクリレート、エポキシア
クリレート、ポリウレタンアクリレート、ポリエーテル
アクリレート、オリゴアクリレート、アルキッドアクリ
レートなどである。
本発明に用いることができるイエロー、マゼンタおよ
びシアンの染顔料は、カラーバランスがとれていれば、
染料でも顔料でも使用できるが、画像保存性の良い着色
剤が好ましい。例えば、イエローの顔料としては、黄
鉛、亜鉛黄、クロム酸バリウム、カドミウムエロー、黄
色酸化鉄、黄土、チタン黄、鉛シアナミド、鉛酸カルシ
ウム、ナフトールエローS、ハンザエロー10G、ハンザ
エロー5G、ハンザエロー3G、ハンザエローG、ハンザエ
ローGR、ハンザエローA、ハンザエローRN、ハンザエロ
ーR、ピグメントエローム、ベンジジンエロー、ベンジ
ジンエローG、ベンジジンエローGR、パーマネントエロ
ーNCG、バルカンファストエロー5G、バルカンファスト
エローR、タートラジンレーキ、キノリンエローレー
キ、アンスラゲンエロー6GL、パーマネントエローFGL、
パーマネントエローH10G、パーマネントエローHR、アン
スラピリミジンエロー、マゼンタの顔料としては、べん
がら、鉛丹、銀朱、カドミウムレッド、カドミウムマー
キュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、
パラレッド、ファイヤーレッド、パラクロルオルトニト
ロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、
ブリリアンファストスカーレット、洋朱、ブリリアント
カーミンBS、パーマネントレッドF2R、パーマネントレ
ッドF4R、パーマネントレッドFRL、パーマネントレッド
FRLL、パーマネントレッドF4RH、ファストスカーレット
VD、バルカンファストルビンB、バルカンファストピン
クG、ライトファストレッドトーナーB、ライトファス
トレッドトーナーR、パーマネントFB、ピラゾロンレッ
ド、リソールレッド、レーキレッドC、レーキレッド
D、アンソシンB、ブリリアントスカーレットG、リソ
ールルビンGK、パーマネントレッドF5R、ブリリアント
カーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、
トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2R、ヘリ
オボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボ
ンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレー
キB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオイ
ンジゴレッドB、チオインジゴマルーン、パーマネント
レッドFGR、PVカーミンHR、モノライトファストレッドY
S、パーマネントレッドBL、シアンの顔料としては、群
青、紺青、コバルトブルー、セルリアンブルー、呉須、
アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ピー
コブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタ
ロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストス
カイブルー、インダスレンブルーRS、インダスレンブル
ーBC、インジゴを挙げることができる。
また染料としては、モノアゾ系、ビスアゾ系、金属錯
塩型モノアゾ系、アンスラキノン系、フタロシアニン
系、トリアリルメタン系等の有色染料から選ばれる。具
体的にカラーインデックスナンバーを示すと、イエロー
には、11020、11021、12055、12700、18690、18820、47
000等、マゼンタには12010、12150、12715、26105、261
25、27291、45170B、60505等、シアンには61100、6170
5、61525、62100、42563B、74350等、である。
本発明の着色剤としては、少なくともイエロー、マゼ
ンタおよびシアンの3色が必要であるが、これらにブラ
ックを加えて4色としても問題はない。但し、ブラック
の染顔料を含む光硬化型マイクロカプセルには、イエロ
ー、マゼンタおよびシアンの光硬化型マイクロカプセル
が感光しないような第4の感光波長をもつ光開始剤シス
テムを使用しなくてはならない。ブラックの顔料として
は、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブ
ラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、ミネラルブラッ
ク、アニリンブラック、シアニンブラック、また染料と
しては、カラーインデックスナンバー12195、26150、50
415等が挙げられる。
本発明に用いるマイクロカプセルは当業界公知の方法
で製造することができる。例えば、米国特許第2800457
号、同第2800458号明細書等に示されるような水溶液か
らの相分離法、特公昭38−19574号、同昭42−446号、同
昭42−771号公報等に示されるような界面重合法、特公
昭36−9168号、特開昭51−9079号公報等に示されるモノ
マーの重合によるin−situ法、英国特許第952807号、同
第965074号明細書等に示される融解分散冷却法、米国特
許第3111407号、英国特許第930422号明細書等に示され
るスプレードライング法などがあるがこれらに限定され
るものではない。また壁膜形成材としては、ゼラチン、
アラビアゴム、デンプン、アルギン酸ソーダ、エチルセ
ルロース、カルボキシエチルセルロース、ポリビニルア
ルコール、ポリエチレン、ポリアミド、ポリエステル、
ポリウレタン、ポリエチレンイミン等が用いられるが、
露光する光を十分透過させ、かつ、重合禁止剤となる酸
素の膜透過係数の小さい材質がより好ましい。
また光硬化型マイクロカプセルの大きさは、製造時に
自由にコントロールすることができるが、得られるカラ
ー画像の画質に影響を与えるため微小である方が好まし
い。該カプセルの平均粒径は、1μ〜50μ、好ましくは
2μ〜20μである。
本発明による光硬化型マイクロカプセルからなる感光
層には、セルロース粉末、デンプン粒子、プラスチック
粒子等のカプセル保護剤等を添加してもよい。
これらを後に述べるバインダーと共に塗布することに
より、感光層を形成させることができる。
本発明による白色画像受理層は、単に、加圧および/
または加熱によって破壊されたマイクロカプセルから流
出した染顔料を受理するだけではなく下層にある感光層
の染顔料の色を遮蔽しておく役割をも持つ。よって白色
画像受理層を形成する材料は、白色で吸油性が大きく遮
光効果の高い公知の材料の中から任意に選ぶことができ
る。例えば、酸化亜鉛、酸化鉛、酸化マグネシウム、硫
酸バリウム、酸化チタン等の無機白色顔料のほか、微粒
子状の高分子物質やセルロース等が挙げられる。
これらの単独あるいは組合せて用いることができ、バ
インダーと共に塗布することにより白色画像受理層を形
成させることができる。
本発明による感光層と白色画像受理層を塗布する場
合、バインダーと共に塗布することが好ましく、一般に
は水溶性バインダー、ラテックス類が用いられる。
例えば、ゼラチン、カゼイン、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシメチルセルロース、酸化デンプン、
エステル化デンプン、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドン、ポリアクリル酸、酢酸ビニル−アクリル
酸共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
塩化ビニリデン系共重合体等の水溶性高分子及びラテッ
クス類が挙げられる。これらは膜面強度、分散性等の点
から選択され単独もしくは組合わせて用いる。
また、本発明の白色画像受理層上に、更にオーバーコ
ート層を設けても良い。
本発明のカラー画像記録材料では、支持体側から像様
に露光される。従って、支持体は、露光される光、つま
り、光硬化型マイクロカプセルを硬化させる光に対して
透明ないしは半透明でなくてはならない。本発明に用い
る光硬化型マイクロカプセルを硬化させる光は、紫外
光、可視光および赤外光領域から、3波長または4波長
選択される。このような光に対して透明ないしは半透明
の支持体として、例えば、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン、セルローストリアセテート等のプラ
スチックフィルム、セロファン、トレーシングペーパー
やコンデンサー紙等の透明紙、合成紙、あるいはこれら
を組合わせた複合シートを用いることができる。
本発明による感光層および白色画像受理層を塗布する
方法としては、例えばエアーナイフコーター、ブレード
コーター、グラビアコーター等で支持体の全面に、ま
た、フレキソ印刷機、グラビア印刷機等で支持体の一部
分に塗布する方法があげられる。
本発明に用いられる光源としては、太陽光やキセノン
ランプ、低圧および高圧水銀ランプおよびタングステン
ランプからの光を、光硬化型マイクロカプセルの感光波
長に合わせて単色光化したものが使用される。また、波
長が合えば、レーザーも使用可能である。
(E)作用 本発明に用いる光硬化型マイクロカプセルは、染顔
料、感光性樹脂および光開始剤システムを主として内包
するマイクロカプセルであり、次の様な特徴をもつ。従
来からマイクロカプセルは液状あるいは固体状のものを
内包物としカプセル化することで通常状態では、他の物
質から分離させておき、必要な時に外部より圧力及び/
または熱を加えることによりマイクロカプセルを破壊
し、内包物をとり出し、他の物質と反応または混合させ
ることを目的としている。
このためマイクロカプセルを塗布した支持体を加圧及
び/または加熱すれば、その部分のマイクロカプセルは
必ず全部破壊し、内包物が侵出することはさけられない
ことであった。しかしながら、光硬化型マイクロカプセ
ルはマイクロカプセルへの加圧及び/または加熱による
破壊を光によって制御するものである。すなわち、内包
物をとり出したいときには通常のマイクロカプセルと同
様に外部より圧力及び/または熱を加えればマイクロカ
プセルは破壊し内包物が侵出する。しかし、内包物をそ
のまま包み込んでおきたい時には、マイクロカプセルに
光をあてるとマイクロカプセルの壁材を通過した光が内
包物の一部である感光性樹脂を硬化させ、内包物を液状
物あるいは軟質樹脂から硬質の樹脂へと変化させる。そ
の結果、マイクロカプセルは剛体カプセルとなり、外部
から圧力及び/または熱が加わっても、もはやマイクロ
カプセルは破壊せず内包物の侵出は起らなくなる。
本発明によるイエロー、マゼンタあるいはシアンの染
顔料を含む光硬化型マイクロカプセルは、それぞれ、3
つの異なる波長の光に感光する光開始剤システムを内包
している。例えば、イエロー、マゼンタおよびシアンの
染顔料を含む光硬化型マイクロカプセルが、それぞれ、
波長λ、λ、λの光に感光する光開始剤システム
を内包しているとすると、イエロー、マゼンタ、シア
ン、レッド、グリーン、ブルーおよびホワイトに発色さ
せるためには、それぞれ、λとλ、λとλ、λ
とλ、λ、λ、λおよびλとλとλ
光を照射すれば良い。ブラックは未照射により達成され
る。λ、λ、λは、それぞれ、ブルー、グリー
ン、レッドの光であれば望ましいが、必ずしも、これに
限定されない。
本発明による白色画像受理層は、イエロー、マゼンタ
およびシアンの染顔料を内包する光硬化型マイクロカプ
セルからなる着色した感光層を隠ぺいするとともに、本
発明の記録材料を像様に露光後、加圧および/または加
熱することによって破壊したマイクロカプセルの内容物
を記録材料表面にまで浸透させることにより、画像を白
色の地肌上に形成させる役割を有している。
本発明に使用する透明ないし半透明の支持体は、単
に、感光層および白色画像受理層を支持するだけでな
く、マイクロカプセルを硬化させる光を効率良く透過さ
せる役割もしている。
(F)実施例 以下実施例によって本発明を更に具体的に説明する。
(1) シアンの顔料を内包する光硬化型マイクロカプ
セル:エチレン−無水マレイン酸共重合体の10%水溶液
100部、尿素10部、レゾルシン1部及び水200部を混合し
て溶液とし、水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH3.5に
調節した。
別に、トリメチロールプロパントリアクリレート100
部にフタロシアニンブルー6部をサンドグラインダーを
用いて十分に均一に分散させた後、1−ヒドロキシシク
ロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社、イルガキ
ュア184、λmax330nm)2部を溶解した。この溶液を上
記水溶液中に乳化分散し、油滴が4〜8ミクロンの水中
油滴型エマルジョンとした。次いで、37%ホルムアルデ
ヒド水溶液2.5部を加え、液温を55℃に保ち、4時間撹
拌を続けたのち室温まで冷却し、マイクロカプセル化を
終了した。
(2) マゼンタの顔料を内包する光硬化型マイクロカ
プセル;上記(1)のシアンの顔料のかわりに、マゼン
タの顔料として、パーマネントカーミンFB8部を、ま
た、光開始剤システムとして、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトンのかわりに、2−クロロチオキサ
ントン(日本化薬CTX、λmax=380nm)2部とN,N−ジメ
チルアミノ安息香酸エチル2部を用いる以外(1)と同
様にしてマイクロカプセルを作製した。
(3) イエローの顔料を内包する光硬化型マイクロカ
プセル;上記(1)のシアンの顔料のかわりにイエロー
の顔料としてパーマネントエローH10G10部を、また、光
開始剤システムとして、3,3′−カルボニルビス(7−
ジエチルアミノクマリン)(コダック、λmax450nm)1
部とN,N−ジメチル安息香酸エチル3部を用いる以外
(1)と同様にしてマイクロカプセルを作製した。
(4) 上記のシアン、マゼンタおよびイエローの顔料
を内包した光硬化型マイクロカプセル分散液各30gに小
麦デンプン50gおよび20%ポリビニルアルコール水溶液7
gを混合した塗液を、赤色ランプ光下にて、厚さ60μの
ポリプロピレンフィルムに、ワイヤー巻きロッドで塗布
し、感光層を作製した。
(5) 上記感光層の表面に、40%炭酸カルシウム分散
液100部に、10%ポリビニルアルコール水溶液80部を混
合した塗液を、ワイヤー巻きロッドで塗布し、白色画像
受理層を形成し、カラー画像記録材料を得た。
(6) 得られたカラー画像記録材料に、カラー画像を
3色色分解したシアン版ポジフィルムを重ね、回折分光
照射装置を用い、330nmの単色光を照射した。次いで、
マゼンタ版ポジフィルムを重ね、380nmの光で、更に、
イエロー版ボジフィルムを重ね、450nmの光を露光し
た。この露光済カラー記録材料を、温度80℃、線圧75Kg
/cmのロール間に通すことにより、白色の地肌上にきれ
いなカラー画像を得ることができた。
(G)発明の効果 本発明のカラー画像記録材料は、有色の染顔料を含有
した光硬化型マイクロカプセルからなる感光層と白色画
像受理層を、透明ないしは半透明の支持体上に順次塗布
することにより、簡単に作製できる。得られた画像は、
解像力および画像保存性に優れたフルカラー画像であ
る。これは、カラー複写やビデオプリンター等のカラー
画像記録が要望されている現在において、極めて工業的
に意義の高いものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−187836(JP,A) 特開 昭48−89007(JP,A) 特開 昭62−143044(JP,A) 特開 昭62−94843(JP,A) 特公 昭49−33783(JP,B1)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】透明ないしは半透明の支持体上に、イエロ
    ー、マゼンタあるいはシアンの染顔料および感光性樹脂
    を内包する3種類の光硬化型マイクロカプセルからなる
    感光層と白色画像受理層を順次設けた記録材料におい
    て、 該感光層中のイエロー、マゼンタあるいはシアンの染顔
    料を含む光硬化型マイクロカプセルが、それぞれ、3つ
    の異なる波長の光に感光する光開始剤システムを含み、
    かつ、イエロー、マゼンタあるいはシアンの染顔料を含
    む光硬化型マイクロカプセルが感光層中に不規則に配置
    していることを特徴とするカラー画像記録材料。
  2. 【請求項2】透明ないしは不透明の支持体上に、イエロ
    ー、マゼンタあるいはシアンの染顔料を内包し、それぞ
    れ3つの異なる波長の光に感光する光硬化型マイクロカ
    プセルを不規則に配置した感光層と白色画像受理層を順
    次設けた記録材料に、該支持体側から3つの異なる感光
    波長の光にて3回露光を行った後、全面を加圧および/
    または加熱することを特徴とするカラー画像形成方法。
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