JP2534655Y2 - 冷水機 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、飲用水を冷却するため
のエバポレータ、圧縮機およびコンデンサ等が閉回路を
なして接続されて成る冷却装置を備える冷水機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、かかる冷水機では、貯水タンクの
外周に冷却装置のエバポレータを設けておき、エバポレ
ータからの放冷により貯水タンク内の飲用水を冷却する
ようにしている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】上記従来のものでは、
冷水を得るときには比較的容量の大きな貯水タンク内の
飲用水をエバポレータで必要温度まで冷却する必要があ
り、冷却装置の大型化を招く。

【０００４】本考案は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、必要量の飲用水の冷却ですむようにして冷却
装置の小型化を可能とした冷水機を提供することを目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案によれば、飲用水を導く導管が、予備冷却器
およびサブタンクを介して注ぎ口に接続され、予備冷却
器は、前記導管に接続される一端側を最下方位置とする
とともに他端側に向かうにつれて上方位置となるように
螺旋状に巻回される内管と、該内管を囲繞する外管とで
構成され、該外管とともにエバポレータを構成する放冷
管が付設されるとともに前記内管の他端に接続されるサ
ブタンクが予備冷却器よりも上方位置に配設される。

【０００６】

【実施例】以下、図面により本考案を温・冷水機に適用
したときの一実施例について説明する。

【０００７】図１および図２は本考案の一実施例を示す
ものであり、図１は一部切欠き縦断正面図、図２は図１
の平面図である。

【０００８】ケーシング１内には、飲用水を貯留するた
めの貯水タンク２と、エバポレータ３を含む冷却装置６
と、貯水タンク２内の水を加熱すべく該貯水タンク２の
底部に付設されるヒータ７と、貯水タンク２内で加熱さ
れた水を導出すべく貯水タンク２に接続される温水供給
用ポンプ１０と、貯水タンク２内で加熱された水を導出
すべく貯水タンク２に接続される冷水供給用ポンプ１１
と、冷水供給用ポンプ１１に接続される放熱管１２と、
冷却装置６におけるエバポレータ３との熱交換で放熱管
１２からの水を冷却する予備冷却器１３と、予備冷却器
１３からの水をエバポレータ３との熱交換によりさらに
冷却するサブタンク１４とが収納されており、温水供給
用ポンプ１０は温水注ぎ口８に接続され、サブタンク１
４は冷水注ぎ口９に接続される。

【０００９】冷却装置６は、圧縮機４、コンデンサ５、
ドライヤ（図示せず）、ストレーナ（図示せず）、キャ
ピラリーチューブ（図示せず）およびエバポレータ３が
此の順に閉回路をなして接続されて成る従来周知のもの
である。

【００１０】ケーシング１は、卓上に載置するための複
数の脚部１５ａを有する支持板１５と、該支持板１５の
上方を覆う横断面矩形状のケーシング主体１６とから構
成されるものであり、支持板１５上には、該支持板１５
との間に放熱室１７を形成する支持枠１８が固定され
る。

【００１１】ケーシング１の水平方向一側寄りで支持枠
１８上には、載置台１９が固定されており、該載置台１
９上には、上部が開口した有底円筒状に形成される貯水
タンク２が固定的に配置される。而して該貯水タンク２
は、その周囲に空きスペースをあけて配置されるか、耐
熱性断熱材２０で覆われる。貯水タンク２の上部開口端
はカバー２１で覆われるものであり、このカバー２１
は、たとえばケーシング主体１６の天井部から上方に突
出する上方突出部２１ａと、ケーシング主体１６の側部
から側方に突出する側方突出部２１ｂとを備える。

【００１２】カバー２１において、上方突出部２１ａに
は、貯水タンク２内に水を補給すべく貯水タンク２の上
部を開放可能な蓋２２がヒンジ機構２３を介して開閉可
能に設けられており、この蓋２２には、蓋２２を閉鎖し
たときにその閉鎖状態を自動的にロックするためのロッ
ク機構２４の一部と、該ロック機構２４によるロック状
態を解除して蓋２２を開放可能とするための押しボタン
２５とが設けられる。また側方突出部２１ｂには、温水
注ぎ口８と、冷水注ぎ口９とが下方に向けて開口して並
設されており、側方突出部２１ｂの上面には、温水供給
用ポンプ１０および冷水供給用ポンプ１１のいずれを作
動せしめるかを選択するための温水スイッチ２６および
冷水スイッチ２７が並列して配設される。

【００１３】またカバー２１内には、前記スイッチ２
６，２７の選択に応じて両ポンプ１０，１１の作動を制
御するとともに、貯水タンク２の底部に付設されている
サーモスタット２８の作動に応じてヒータ７の電力付勢
量を制御するための制御回路（図示せず）が内蔵されて
いる。

【００１４】温水供給用ポンプ１０および冷水供給用ポ
ンプ１１は、貯水タンク２よりも下方位置で支持枠１８
上に固定的に配設される。一方、貯水タンク２の底部に
連結されて下方に延びる導出管２９の下端には、Ｔ字形
の分岐管３０が連結されており、この分岐管３０の一端
が温水供給用ポンプ１０の入口に接続され、該温水供給
用ポンプ１０の出口に接続された導管３１が温水注ぎ口
８に接続される。

【００１５】前記分岐管３０の他端は冷水供給用ポンプ
１１の入口に接続されており、該冷水供給用ポンプ１１
の出口に接続された導管３２は、冷水供給用ポンプ１１
側への逆流を阻止する逆止弁３３を介して導管３４に接
続される。

【００１６】放熱管１２は、蛇行するように屈曲成形さ
れて放熱室１７内に収納配置されるものであり、多数の
板状フィン３５が、放熱管１２の外面に設けられる。而
して放熱管１２の入口に接続された導管３４が支持枠１
８から上方に突出して前記逆止弁３３に接続され、放熱
管１２の出口に接続された導管３６が支持枠１８から上
方に突出される。しかも放熱管１２の最下端部には、開
閉可能な排水管（図示せず）が接続される。

【００１７】冷却装置６は、ケーシング１の水平方向他
側寄りで支持枠１８上に配設されるものであり、該支持
枠１８と、支持枠１８上に固定される枠体３７とで固定
的に支持される。而して圧縮機４は支持枠１８上に固定
配置されており、コンデンサ５は、たとえば圧縮機４を
囲むようにして横断面略Ｕ字状に形成される。

【００１８】予備冷却器１３は、放熱管１２の出口に連
なる導管３６に一端を連通させて螺旋状に巻回されるス
テンレス鋼管製内管３８を銅管から成る外管３９ａでた
とえば同軸に囲繞して成る二重管構造を有するものであ
り、載置台１９を囲繞するようにして支持枠１８上に配
置される。而して内管３８は、その一端を最下方位置と
するとともに他端が最上方位置となるようにして支持枠
１８上に配置されることになる。

【００１９】また外管３９ａの一端にはコンデンサ５か
らの冷媒を導く管路４０が接続され、外管３９ａの他端
には管路４１が接続される。

【００２０】サブタンク１４は、横断面矩形の密閉箱形
に形成されるものであり、予備冷却器１３の最上方位置
よりも上方位置でケーシング１内に配置される。サブタ
ンク１４の外面には、前記予備冷却器１３の外管３９ａ
とともにエバポレータ３を構成する螺旋状の放冷管３９
ｂが固着され、サブタンク１４および放冷管３９ｂは断
熱材４２で覆われる。而してサブタンク１４の底部に予
備冷却器１３における内管３８の他端が接続され、サブ
タンク１４の上部に接続される導管４３が冷水注ぎ口９
に接続される。

【００２１】また放冷管３９ｂの一端には冷却装置６に
おけるコンデンサ５からドライヤ、ストレーナおよびキ
ャピラリーチューブを経て流通してきた冷媒が導入さ
れ、放冷管３９ｂの他端は、予備冷却器１３における外
管３９ａの一端に管路４４を介して接続される。また該
外管３９ａの他端は管路４１を介して圧縮機４に接続さ
れる。なお、エバポレータ３において冷媒流通順序を上
述と逆、すなわち外管３９ａから放冷管３９ｂを経て圧
縮機４に冷媒が戻るようにしてもよい。

【００２２】枠体３７の上部には、ファン支持枠４４が
設けられており、コンデンサ５、圧縮機４および放熱管
１２の外面に接触する空気流を生じさせるためのたとえ
ば４つのファン４５がファン支持枠４４に設けられ、ケ
ーシング１におけるケーシング主体１６の上部には、前
記４つのファン４５に対応した開口部４６が設けられ
る。

【００２３】次にこの実施例の作用について説明する
と、温・冷水機を電源に接続した状態では、ヒータ７が
電力付勢されるとともに冷却装置６の圧縮機４が作動状
態となり、貯水タンク２内に貯留されている飲用水はヒ
ータ７により一定温度まで加熱され、また冷却装置６に
おいて循環流通する冷媒により予備冷却器１３およびサ
ブタンク１４がそれぞれ冷却される。

【００２４】而して温水スイッチ２６を押すと、温水供
給用ポンプ１０が作動し、貯水タンク２内で一定温度ま
で加熱された飲用水が温水注ぎ口８から供給される。

【００２５】また冷水スイッチ２７を押すと、冷水供給
用ポンプ１１が作動し、貯水タンク２内で一定温度まで
加熱された飲用水が放熱管１２から予備冷却器１３の内
管３８およびサブタンク１４を流通することにより冷却
され、冷水が冷水注ぎ口９から供給されることになる。
この際、貯水タンク２内でたとえば８０度Ｃとなってい
た飲用水は、放熱管１２を流通する間にたとえば４０〜
５０度Ｃに降温し、さらに予備冷却器１３を流通する間
に冷却された後に、サブタンク１４内に導入されること
になる。このサブタンク１４では、その外面に固着され
ている放冷管３９ｂからの放冷により飲用水がさらに冷
却され、たとえば５〜１２度Ｃとなった冷水が冷水注ぎ
口９から供給されることになる。

【００２６】このような温・冷水機によると、予備冷却
器１３の外管３９ａおよび放冷管３９ｂで構成されるエ
バポレータ３は、必要とする水量を冷却するだけの容量
を有するものであればよく、貯水タンク２全体を冷却し
ていた従来のものと比べると、エバポレータ３を含む冷
却装置６の小型化すなわち冷水機の小型化を図ることが
できるとともに、冷却に要する時間が少なくてすむ。

【００２７】またヒータ７で一旦加熱した飲用水を再度
冷却して冷水を得るので、水道水中に含まれているカル
キ等の不純物を除去して美味くなった冷水を供給するこ
とができる。

【００２８】ところで、サブタンク１４では飲用水の流
路断面積が比較的広く、熱交換効率が比較的低いものと
なるが、そのようなサブタンク１４の採用構造により、
比較的低温となった飲用水の放冷管３９ｂからの放冷に
よる凍結を回避することができる。而して、サブタンク
１４での低効率を補償するものとして、予備冷却器１３
は、飲用水の流路断面積を比較的狭くするとともに伝熱
面積を比較的広くするように、内管３８を外管３９ａで
囲繞して構成されており、この予備冷却器１３およびサ
ブタンク１４で全体として満足し得る温度にまで飲用水
を冷却することができる。

【００２９】しかも予備冷却器１３では、放熱管１２に
通じる一端側を最下方位置とするとともにサブタンク１
４に通じる他端側が最上方位置となるようにして螺旋状
の内管３８が配置され、サブタンク１４が内管３８の最
上端よりも上方位置に配置されるので、内管３８内にエ
アーが滞留することがなく、エアーの滞留に伴う凍結に
より内管３８内の水の流通阻害が生じるおそれはない。

【００３０】以上、本考案の実施例を詳述したが、本考
案は上記実施例に限定されるものではなく、実用新案登
録請求の範囲に記載された本考案を逸脱することなく種
々の小設計変更を行なうことが可能である。

【００３１】たとえば、温水を供給するための温水注ぎ
口８と、冷水を供給するための冷水注ぎ口９とを分離し
て設けたが、同一の注ぎ口から温水および冷水を切換え
て供給することも可能である。その場合、温水および冷
水を混合することで所望の温度の飲用水を得るようにす
ることも可能である。

【００３２】逆止弁３３に代えて電磁弁を設け、貯水タ
ンク２内の飲用水が所定の温度まで加熱された後に電磁
弁を開くようにすることも可能であり、そうすると、加
熱されないままの飲用水が冷却器で冷却されることが防
止される。また貯水タンク２内の飲用水が所定のレベル
以下となったときには、温水供給用ポンプ１０および冷
水供給用ポンプ１１の作動を強制的に停止させたり、そ
の状態を表示させたりすることも可能である。

【００３３】放熱管１２を配置するスペースが、所定温
度まで飲用水を降温させるのに充分である場合には、放
熱管１２にフィン３５を設けなくともよく、コンデンサ
５として、上記実施例のワイヤコンデンサではなく、フ
ィンコンデンサを用いることも可能であり、水道管から
貯水タンク２に直接給水する構成とすることも可能であ
る。

【００３４】さらに貯水タンク２の上部を覆うカバー２
１の形状は、上記各実施例の形状に限定されるものでは
なく、ケーシング１から上方および側方に突出しない形
状のものであってもよい。

【００３５】しかも本考案は、飲用水を冷却すのだけの
冷水機についても適用可能であり、その場合、水道管に
連なる導管からの水を直接冷却するようにすることも可
能である。

【００３６】

【考案の効果】以上のように本考案によれば、飲用水を
導く導管が、予備冷却器およびサブタンクを介して注ぎ
口に接続されるので、必要量だけの飲用水を冷却するだ
けですみ、冷却装置の小型化および冷却時間の短縮を図
ることができる。

【００３７】しかも予備冷却器は、前記導管に接続され
る一端側を最下方位置とするとともに他端側に向かうに
つれて上方位置となるように螺旋状に巻回される内管
と、該内管を囲繞する外管とで構成され、該外管ととも
にエバポレータを構成する放冷管が付設されるとともに
前記内管の他端に接続されるサブタンクが予備冷却器よ
りも上方位置に配設されるので、予備冷却器で冷却され
て比較的低温となった水がサブタンク内で洞穴すること
を回避してエバポレータによる飲用水の効率的な冷却を
可能とするとともに、予備冷却器における内管内でのエ
アーの滞留に伴う凍結を回避して内管内の水の円滑な流
通を確保することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の一部切欠き縦断正面図である。

【図２】図１の平面図である。

【符号の説明】

２ 貯水タンク ３ エバポレータ ４ 圧縮機 ５ コンデンサ ６ 冷却装置 １３ 予備冷却器 １４ サブタンク ３６ 導管 ３８ 内管 ３９ａ 外管 ３９ｂ 放冷管

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 飲用水を冷却するためのエバポレータ
   （３）、圧縮機（４）およびコンデンサ（５）等が閉回
   路をなして接続されて成る冷却装置（６）を備える冷水
   機において、飲用水を導く導管（３６）が、予備冷却器
   （１３）およびサブタンク（１４）を介して注ぎ口
   （９）に接続され、予備冷却器（１３）は、前記導管
   （３６）に接続される一端側を最下方位置とするととも
   に他端側に向かうにつれて上方位置となるように螺旋状
   に巻回される内管（３８）と、該内管（３８）を囲繞す
   る外管（３９ａ）とで構成され、該外管（３９ａ）とと
   もにエバポレータ（３）を構成する放冷管（３９ｂ）が
   付設されるとともに前記内管（３８）の他端に接続され
   るサブタンク（１４）が予備冷却器（１３）よりも上方
   位置に配設されることを特徴とする冷水機。