JP2534635Y2 - 結束機の伝動装置 - Google Patents

結束機の伝動装置

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JP2534635Y2
JP2534635Y2 JP1990112969U JP11296990U JP2534635Y2 JP 2534635 Y2 JP2534635 Y2 JP 2534635Y2 JP 1990112969 U JP1990112969 U JP 1990112969U JP 11296990 U JP11296990 U JP 11296990U JP 2534635 Y2 JP2534635 Y2 JP 2534635Y2
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英美 袴田
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Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はコンバイン等に装着される結束機の伝動装置
に関するものである。
従来の技術 コンバインには脱穀済みの排稈を細断して圃場に排出
したり所定束ごと結束して圃場に放出するためカッタや
ノッタ(結束機)を機体後部に装備したものが多い。そ
して、コンバイン用結束機には本機の脱穀部側から送給
された排稈の搬送通路株元側に、搬送作用面側を搬送始
端部から終端部にかけて順次穂先側に位置させた無端ベ
ルト等からなる株元寄せ装置や板体を稈身方向に往復運
動させて排稈の株元端を突揃えるようにした根揃え装置
を配設したものも既に公知であり且つ実用に供されてい
る。
考案が解決しようとする課題 しかし、圃場の立毛穀稈は品種や作柄或は稲・麦の相
違等により稈丈が異なる(稲の場合約800mm〜1100mm)
ため結束機に供給される排稈の株元側突出長が相違する
(穂先側突出長は扱室への侵入深さを一定に制御する扱
深さ調整装置により稈丈に関係なく略一定)。そのため
稈丈の長短に対応して株元寄せ装置や根揃え装置のセッ
ト位置を稈身方向に移動調整する必要があるが(結束機
全体のセット位置を変えるものもある)、それに伴って
根揃え装置等を駆動する伝動部も適正位置に移動調整し
なければならず、その調整作業を芯ずれ等をきたすこと
なく正確且つ迅速に行なうことは面倒であり、殊に組立
て誤差等があると伝動部の調整が正確に行なえなくなる
ため伝動に無理がかかり耐用命数を縮める等の問題があ
る。
本考案の上記のような問題を解消すべく創案されたも
のであって、根揃え装置等のセット位置を稈丈に合せて
調整する際、該根揃え装置等に連動連結されたノッタ入
力軸がスムーズにスライドするようにして根揃え装置等
のセッティングを伝動部に無理がかかることなく容易に
行なえるようにした結束機の伝動装置を提供しようとす
るものである。
課題を解決するための手段 そのため本考案に係る結束機の伝動装置は、排稈搬送
通路の株元側に根揃え装置又は株元寄せ装置を排稈の稈
身方向に移動調整固定自在に配設し、該根揃え装置又は
株元寄せ装置に連動連結されたノッタ入力軸を駆動部側
から導出した固定軸と、機体に固定のノッタケースに対
し軸方向に摺動自在に貫挿し且つ固定軸に対し軸方向に
のみ摺動自在に嵌合した可動軸とで構成すると共に、固
定軸と可動軸の嵌合部をノッタケースの駆動部寄り側外
側方に設けたことを要旨とするものである。
作用 ノッタ入力軸がノッタケースに摺動自在に支持されて
いるので、ノッタケースがノッタ入力用のギヤケースと
してのみならず、ノッタ入力軸に対する芯ずれ防止のた
めのガイド機能をも果たし、根揃え装置等のセット位置
並びにギヤケースのセット位置を稈丈に合せて変える
際、ノッタ入力軸がスムーズにスライドするので、根揃
え装置等のセッテングが容易に行なえ、しかもノッタ入
力軸の摺動嵌合部をノッタケースを挾んでギヤケースの
反対側に設けてあるので、結束機組立時やノッタ入力軸
の長さ調整時に芯がぶれるのが防止される。
実施例 本考案の構成を図面に示された一実施例により説明す
る。コンバイン(本機)の後部で脱穀装置1の排藁チェ
ン1aの終端側にカッタフレーム2aを有するカッタ2を装
着し、該カッタ2の背面側にステー3a及び連結具3bを介
し結束機3を着脱自在に連結してあり、カッタフレーム
4の上面に起倒自在に設けた切換板5の起倒操作により
脱穀済み排稈をカッタ2又は結束機3のいずれかに供給
して細断又は結束処理するように構成してある。
6は左右のノッタ側板で、ノッタフレーム7,8,9によ
り一体に連結してある。結束機3の上下中間部は案内板
10を有する排稈搬送通路11となっていて、該排稈搬送通
路11の下方にはニードル12、パッカ13、ドア14等の駆動
機構及び一回転クラッチ機構15を内蔵したノッタケース
16を配置し、また、排稈搬送通路11の上方にはノッタビ
ル17や放出杆R、ホルダ(図示せず)等を有する結節部
18を配置してある。そして、ノッタケース16から結節部
18への動力伝達経路は排稈搬送通路11の株元側を迂回さ
せて設けてあり、排稈通路11の穂先側は開放状に構成し
てある。即ち、排稈通路11を挟み株元側の上方に位置し
て結束軸19を内蔵したパイプ状上部ブラケット20を、株
元側の下方に位置してニードルクランク軸21を内蔵し且
つ基端をノッタケース16の一側に固定のパイプ状下部ブ
ラケット22を夫々横向き配置し、両ブラケット20,22の
先端側を角パイプからなり且つ外側にニードルクランク
軸21と結束軸19を連係する中間伝動部23を一体に設けた
縦フレーム24を介して一体的に連結し、これにより穂先
側を開放したコ字状の支持フレーム25を形成してある。
上記縦フレーム24は堅牢な角パイプからなり、上下のブ
ラケット20,22先端側は縦フレーム24を貫通して2点支
持状に固着すると共に、ブラケット20,22内の軸19,21を
縦フレーム24よりも外側方に延出し、該延出部に鎖車19
a,21a及びチェン23aからなる中間伝動部23を設けてあ
る。23bはチェンカバーである。
一方、上部ブラケット20には夫々稈身方向に沿う複数
の取付穴26a,27aを設けた取付金具26,27及びボルト27a
を介して株元側に株元寄せ装置Aを稈身方向位置変更固
定自在に設け、また、上部ブラケット20には株元寄せ装
置Aよりも穂先寄り側に位置して左右一対の掻込タイン
からなる掻込装置Bを取付座28を介して固定すると共に
結節部18を支持し、該結節部18の上方を覆うカバー9を
取付けてある。そして、株元寄せ装置Aの排稈搬送方向
前方に根揃え装置C、結束排稈の搬送装置Dを順次配設
してある。
ところで、株元寄せ装置Aは次のように構成されてい
る。即ち、フレーム兼用の上部カバー30の一側上面には
チェン駆動軸33に固定の小傘歯車31と後述の掻込装置入
力軸に固定の大傘歯車31aを噛合状態で内蔵し且つ前記
取付金具27に一体に連結された上部ベベルギヤケース32
を固定し、チェン駆動軸33の下方突出端側に駆動鎖車34
を、上方突出端側に根揃え装置Cのクランク機構Kに連
係されたアーム35を夫々固着し、上部カバー30の他側に
設けた長孔36に従動鎖車37を回転自在に嵌装したボルト
軸38を貫挿してナット39でカバー30に締付け固定する。
ボルト軸38は圧縮弾機40によりタイン41付きチェン42の
緊張方向に付勢してあり、前記長孔36の範囲内でチェン
42の経時的伸びに対処し得るように構成してある。上記
タイン41はチェン42の外周に所定間隔毎に多数垂下して
あり、該タイン41は、例えば、合成樹脂からなり外形は
搬送作用側が略半円弧状の中空棒状体で、強度性に富
み、また、タイン41の背面上部に設けた凹部41aの左右
両側に切欠き41bを設け、凹部41aにチェン42の突起部42
aを挿入してピン43で連結してある。上部カバー30の内
側で且つチェン42の搬送作用側には取付板44を介しチェ
ン42の移動軌跡に沿うガイド板45を立設し、チェン42の
回動によりタイン41の背面平坦部41cがガイド板45に沿
って移動するようにタイン41の軸回りの回動(首振り)
や揺動を阻止するようにしてある。そしてガイド板45の
始端側をタイン41の移動軌跡に沿う円弧状に形成し、該
円弧状部をヒンジ46によりチェン42の伸縮方向に回動自
在な可動体45aとし、該可動体45aはアーム47を介しボル
ト軸38に連係してあり、従動鎖車37の移動調整に応動し
て可動体45aが回動し、タイン41とガイド板45の隙間を
常に一定の微小隙間に保持するようにしてある。また、
株元寄せ装置Aの搬送作用側にはタイン41の垂下端寄り
に案内板48が対設され、該案内板48のタイン対向縁48a
はタイン41の移動軌跡に沿う形状とし、タイン41の下端
部が拡開するのを規制している。そして案内板48には排
稈搬送方向終端側にタイン41の移動軌跡外周に沿わせて
巻付き防止用のガイド棒49を、カツタ対向側にゴム等か
らなる弾性板50を夫々固着してあり、弾性板50の遊端側
をカッタ2の切換板5とガイド板51間に挟着し、カッタ
2と結束機3の連結部で排稈aが引掛からないようにし
てある。また、上部カバー30には連結板52を介して下部
カバー53を一体に連結し、両カバー30,53により株元寄
せ装置Aの枠体54を形成しており、枠体54の遊端側を本
機側に載せた状態で接触させ(実施例では下部カバー53
の遊端側をノッタフレーム8及びカッタフレーム2aに搭
載させてある)、片持支持状態の株元揃え装置Aであり
ながら枠体54の遊端側がカッタフレーム2a等に支えられ
安定した取付構造となっており、しかも、カッタフレー
ム2aが株元寄せ装置Aのセット位置変更時のガイド及び
支えの役目をも果たすように配慮してある。
次に、掻込装置Bは次のように構成されている。即
ち、前記上部ベベルギヤケース32に内蔵の大傘歯車31a
を固定した入力軸(6角軸)60が片側の掻込ケース61を
貫通すると共に、掻込軸62が掻込ケース61の外側方に貫
通し、掻込軸62の突出端に固定の鎖車63と入力軸60に固
定の鎖車63a間にチェン64を掛渡し、動力は掻込軸62に
減速して伝達されるように構成してあり、装置全体とし
てコンパクトで且つ合理的な構成となっている。65は掻
込タイン、65aはチェン、66はケース連結パイプであ
る。
次に、根揃え装置Cは次のように構成されている。即
ち、取付金具27の前後に設けた支軸70,71に三角形状の
揺動板72,73を夫々水平回動自在に枢着し、前部揺動板7
2の隅部72aと前記チェン駆動軸33の上方突出端に固定の
アーム35先端とをロッド74で、該揺動板72の隅部72bと
後部揺動板73の隅部73aをロッド75で夫々枢結し、後部
揺動板73の隅部73bに枢結したアーム76を該アーム76に
直交状に固着したプレート77及び該プレート77に枢結し
たプレート78からなるリンク79を介して前部揺動板72の
隅部72cに枢結すると共に、上記アーム76の先端に根揃
板Pを固定したもので、チェン駆動軸33の回転によりア
ーム35の回動して前後の揺動板72,73を前後揺動させ、
これにより根揃板Pが排稈aの稈身方向に往復運動する
ようになっている。そして、根揃え装置Cは取付金具27
を介して根元寄せ装置Aと一体的に連結した構造となっ
ている。
尚、前部揺動板72の隅部72cと後部揺動板73の隅部73b
を結ぶ仮想線lと前部揺動板72の隅部72bと後部揺動板7
3の隅部73aとを結ぶ線l1は常に平行となるように設定さ
れており、前記リンク79は設計誤差や組付誤差を吸収す
るためのもので、信頼性の高い構造にしてある。
次に、排稈束の搬送装置Dは次のように構成されてい
る。即ち、突起80a付き無端チェン80と該チェン80を覆
う搬送ケース81からなる搬送体82の基端側に固定したブ
ラケット83を、ノッタケース16に固着した取付座84にブ
ラケット83に固定の支点軸85を介して枢結し、搬送体82
を該支点軸85を中心にして横方向回動自在に構成すると
共に、支点軸85の一側突出端に、ピン86を設けた回動規
制体87を固定する。一方、ノッタケース16に固定のブラ
ケット88に一端に係合部89aを有する略L字形状の長孔8
9と把手90aを設けたアーム90を支軸91で枢結し、該アー
ム90の回動基端寄り側とノッタケース16間に引張り弾機
92を張設してアーム90を前方に付勢すると共に、長孔89
に前記回動規制体87のピン86を摺動自在に嵌入させてア
ーム90と回動規制体87により前後方向に屈曲自在なリン
ク機構cを構成する。そして搬送体82を手で機体進行方
向に対して直交する位置(格納姿勢)まで回動させると
爪クラッチ93が外れて束搬送装置Dへの動力の伝達が遮
断されるように構成してある。
さて、結束機3の伝動機構を詳述すれば、第6図等に
示すように、動力は本機(実施例ではカッタ回転軸
2′)側からチェン伝動100により、ノッタケース16、
下部ベベルギヤケース101及び軸受部102の3点で支持さ
れ且つパイプ軸からなる固定軸103aと該固定軸103aに対
しスライド嵌合部Sを介し軸芯方向にのみ摺動自在に嵌
合した可動軸103bにより連結構成したノッタ入力軸103
に伝達すると共に、ノッタケース16内でニードルクラン
ク軸21、中間伝動部23及び結束軸19を経て結節部18へ至
る伝達系と、束搬送装置Dに至る伝達系とに分岐する一
方、ノッタ入力軸103の軸端部から下部ベベルギヤケー
ス101内の傘歯車104,105の噛合で出力軸106に伝達し、
該出力軸106からスライド部S1により伸縮自在な自在継
手軸107を介して前記株元寄せ装置Aの駆動軸33に伝達
し、該駆動軸33から前述する如く根揃え装置Cのクラン
ク機構K側と掻込装置B側へ分配するように構成してあ
り、各装置は所定のタイミングをもって関連作動するよ
うになっている。
一方、ノッタ入力軸103はノッタケース16、下部ベベ
ルギヤケース101及び固定軸103aの軸受部102の3点で支
持されており、この3点の軸芯位置を芯出し組立調整す
るにはノッタケース16と下部ベベルギヤケース101を位
置決め固定後、軸受部102を軸芯方向に対し直交方向に
移動調整して適正位置にセッティングするように構成し
てある。尚、上記軸受部102として実施例では調芯タイ
プのホルダ102aを使用しており、ノッタ入力軸103が多
少傾斜しても充分対処し得るようにしている。
ところで、前記株元寄せ装置Aは前述する如く稈長
(短稈・長稈の違い等)に応じ稈身方向に移動させるこ
とによりセット位置可変に構成してあり、このためノッ
タ入力軸103を前述の如く伸縮自在に構成すると共に下
部ベベルギヤケース101の取付位置も可変に構成してあ
る。即ち、先ず、ノッタ入力軸103を構成する固定軸103
aと可動軸103bの伸縮嵌合部Sをノッタケース16の駆動
部寄り側外側方に設け、また、可動軸103bをノッタケー
ス16に対し軸芯方向摺動自在に貫挿支持し、固定軸103a
を駆動部側で軸芯方向に対し直交方向に移動調整固定自
在に設けた軸受部102を介して支持してある。本実施例
では上記伸縮嵌合部Sをノッタ入力軸103の長手方向略
中間部に設け、また、固定軸103aの軸受部102を該軸受
部102に設けた長孔dの範囲で前後方向に移動し得るよ
うに構成してある(第45図及び第46図参照)。
尚、軸受部102の上下方向の調整は軸受部102の下面に
適宜厚さの座(図示せず)を介装させて行なうようにし
てあり、従って、固定軸103aの軸受部102は前後のみな
らず上下方向にも移動調整し得るようにしてある。
次に、下部ベベルギヤケース101は該ケース101に固着
の取付金具108をノッタフレーム7に固着した取付金具1
09にボルト止めしてあり、取付金具108,109には夫々稈
身方向に沿う複数の取付穴108a,109aを設けてあり、取
付穴109を変えることにより下部ベベルギヤケース101の
セット位置を調整できるようになっている。
ところで、本実施例では第23図に示すように、株元寄
せ装置A側取付金具27に設けた取付穴27aの穴間隔に対
応して上部ブラケット20に固定の取付金具26に稈身方向
に5列等配した取付穴26aを適宜選択することにより株
元寄せ装置Aのセット位置を稈身方向にlピッチで4段
階切換可能に構成する一方、ノッタフレーム7に付着の
取付金具109にはケース101側取付金具108に設けた取付
穴108aの穴間隔に対応して取付穴109aを稈身方向に4列
等配してあり、移動巾L(L>l)となるように設定し
てある。
尚、本実施例では株元寄せ装置A及び下部ベベルギヤ
ケース101のセット位置の調整を取付穴の変更による有
段階調整としたが例えば一方の取付穴を長孔としたり或
は株元寄せ装置A等の支持構造を摺動固定自在なスライ
ド式に構成することにより無段階調整とすることも可能
である。また、下部ベベルギヤケース101への動力の伝
達経路は本実施例のものに限定されるものではない。
さて、ノッタケース16の穂先側外側方でノッタ入力伝
動部110の後方空間部にゴムバンド111aで保持される結
束紐玉bの収納用バスケット111を設けてあり、該バス
ケット111は後方を開放した箱形に形成し、バスケット1
11の構成枠をノッタ入力伝動部110を保護する保護カバ
ー及び安全カバーの機能を果たすように構成してある。
即ち、ノッタフレーム7に固定したバスケット111の外
側板112、天板113及び底板114をカッタ側板2b近傍まで
延出し、該延出部とバスケット前面板115とにより入力
鎖車116、メタル部102及び伝動チェン117等からなるノ
ッタ入力伝動部110を3面から囲う構造としている。
尚、バスケット天板113は排稈搬送通路11の案内板10と
略同一高さとなっていて排稈穂先側の案内作用を果たす
ようになっている。
上記の構成において、本機側の排藁チェン1aで結束機
3側に送給された排稈aは株元寄せ装置Aで穂先方向へ
寄せられながら株元が揃えられると共に掻込装置Bで排
稈搬送通路11を通って順次後方へ掻込まれ、さらに根揃
え装置Cで株元が略一列状に根揃えされながらドア14を
有する集稈室14aへ送られ、所定束毎結束された後に、
束搬送装置Dで圃場の既刈地側に排出される。
ところで、圃場の立毛穀稈が例えば短稈から長稈に変
った場合には、株元寄せ装置Aのセット位置を稈丈に合
せて株元方向に移動調整するが(根揃え装置Cは株元寄
せ装置Aと一体的に移動する)、この際、稈丈の変化が
さほど大きくない場合は、下部ベベルギヤケース101の
セット位置はそのままにして株元寄せ装置Aのみを株元
方向へlピッチだけ変えればよく、また、稈丈が大巾に
変る場合には株元寄せ装置Aと下部ベベルギヤケース10
1双方のセット位置を変えることにより、株元寄せ装置
Aの移動量を大きく(3l)とることができる。このため
稈丈の長短に対する株元寄せ装置Aの適応性が大巾に高
められる。このように、株元寄せ装置Aの移動調整量を
大きくとる場合は、株元寄せ装置Aと下部ベベルギヤケ
ース101の双方を同一方向に移動させるものであるが、
下部ベベルギヤケース101の移動に応動してノッタ入力
軸103の可動軸103bも稈身方向に移動し、この際、可動
軸103bがノッタケース16にガイドされながらスムーズに
摺動すると共にパイプ軸103aに対しノッタケース16を挟
み下部ベベルギヤケース101の反対側に設けた伸縮嵌合
部Sで摺動するので芯ずれすることなく軸長は自動的に
且つ適確に調整される(伸縮嵌合部をノッタケース16と
下部ベベルギヤケース101間に設けるとどうしても芯ず
れが生じ易い)。このため、株元寄せ装置A等のセッテ
ィングが容易に行なわれると共に、株元寄せ装置A等へ
の動力の伝達は無理がかかることなく極めて円滑に行な
われる。
また、ノッタ入力軸103は、ノッタケース17、下部ベ
ベルギヤケース101及び軸受部102の3個所で回動自在に
支持されているので、固定軸103aと可動軸103bを摺動自
在に連結した分割式のノッタ入力軸103でありながらそ
の支持構造が極めて安定する。一方、ノッタ入力軸103
の芯出しを行なう際には、先ず、ノッタケース16と下部
ベベルギヤケース101を機体側に固定することによりノ
ッタ入力軸103の向きが特定されるので、その向きに合
せて固定軸103aの軸受部102を長孔dの範囲内で前後
に、また必要に応じて軸受部102の下面に図示外の座を
介装させて適正取付位置に固定する。これにより、安定
性に富んだ3点支持構造のノッタ入力軸103でありなが
ら、組立て等が容易で芯出しを正確に行なうことができ
る。
考案の効果 本考案は上記のように構成したので、ノッタケースが
ノッタ入力用のギヤケースとしてのみならず、ノッタ入
力軸に対する芯ずれ防止のためのガイド機能をも果た
し、且つノッタ入力軸の伸縮嵌合部がノッタケースの駆
動部寄りに設けられていることと相まって、根揃え装置
や株元寄せ装置のセット位置を稈丈に合わせて変える
際、ノッタ入力軸が排稈の稈身方向にスムーズにスライ
ドするので、根揃え装置等のセッテングが容易に行える
ものである。そして根揃え装置や株元寄せ装置への動力
の伝達を行うギヤケースが、ノッタ入力軸の可動軸に軸
方向に移動調整固定自在に設けてあり、ノッタ入力軸の
伸縮嵌合部をノッタケースを挾んでギヤケースの反対側
に設けてあるので、結束機組立時やノッタ入力軸の長さ
調整時に芯がぶれるのを防止することができる。また、
固定軸の軸受部を軸芯方向に対して直交方向に移動調整
固定自在に支持させることにより、安定した3点支持構
造のノッタ入力軸でありながら組立てが容易で芯出しを
正確に行なうことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は結束機の側面図、第2図は株元寄せ装置の伝動
機構を示す断側面図、第3図は株元寄せ装置の側面図、
第4図は下部ベベルギヤケースの断平面図、第5図は上
部ベベルギヤケースの断平面図、第6図は結束機の伝動
経路を示す概略図、第7図はノッタケース部の伝動経路
を示す拡大図、第8図はケースの背面図、第9図乃至第
11図は夫々結束機の斜視図、第12図は結束機の支持フレ
ームの断背面図、第13図は支持フレームとノッタケース
の分解斜視図、第14図はカッタと結束機の連結部の拡大
斜視図、第15図はカッタと結束機の連結部の分解斜視
図、第16図は株元寄せ装置の分解斜視図、第17図は株元
寄せ装置のガイド板の斜視図、第18図はタインの構造を
示す斜視図、第19図はチェンに対するタインの取付構造
を示す平面図、第20図及び第21図は夫々株元寄せ装置と
根揃え装置の関係を示す平面図、第22図はクランク機構
の概略平面図、第23図は株元寄せ装置のセット位置調整
部の分解斜視図、第24図は脱穀部と結束機の関係を示す
斜視図、第25図は株元寄せ装置と下部ベベルギヤケース
相互の移動関係を示す背面図、第26図は根揃え装置の分
解斜視図、第27図は掻込装置の断平面図、第28図は掻込
ケースの側面図、第29図は掻込ケースの一部切欠き平面
図、第30図は掻込ケースと入力軸の関係を示す側面図、
第31図は掻込ケースの内部構造を示す側面図、第32図は
ノッタケースと束搬送装置の分解斜視図、第33図は束搬
送装置の平面図、第34図は束搬送装置取付部の側面図、
第35図は束搬送装置取付部の部分正面図、第36図は搬送
体の断側面図、第37図は束搬送装置回動部の平面図、第
38図はアームと回動規制体の関係を示す側面図、第39図
はノッタケースに対する束搬送装置の取付構造を示す側
面図、第40図及び第41図は束搬送装置を格納姿勢及び作
業姿勢にセットした状態の夫々概略平面図、第42図及び
第43図は結束紐玉収納用バスケット部の夫々斜視図、第
44図は束搬送装置の姿勢切換作業状態を示す斜視図、第
45図はバスケット部とノッタ入力伝動部の関係を示す断
平面図、第46図はバスケット部とノッタ入力伝動部の関
係を示す側面図、第47図はバスケットの分解斜視図であ
る。 1……コンバインの脱穀装置、2……カッタ、3……結
束機、11……排稈搬送通路、16……ノッタケース、101
……ギヤケース、102……固定軸の軸受部、103……ノッ
タ入力軸、103a……固定軸、103b……可動軸、A……株
元寄せ装置、C……根揃え装置、S……伸縮嵌合部、d
……長孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 吉田 英一 (56)参考文献 実開 平1−181723(JP,U) 実開 昭61−50549(JP,U) 実開 昭63−17328(JP,U)

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】排稈搬送通路の株元側に根揃え装置又は株
    元寄せ装置を排稈の稈身方向に移動調整固定自在に配設
    し、該根揃え装置又は株元寄せ装置に連動連結されたノ
    ッタ入力軸を駆動部側から導出した固定軸と、機体に固
    定のノッタケースに対し軸方向に摺動自在に貫挿し且つ
    固定軸に対し軸方向にのみ摺動自在に嵌合した可動軸と
    で構成すると共に、固定軸と可動軸の嵌合部をノッタケ
    ースの駆動部寄り側外側方に設けたことを特徴とする結
    束機の伝動装置。
  2. 【請求項2】固定軸を駆動部側で軸芯方向に対し直交方
    向に移動調整固定自在に設けた軸受部を介して支持し、
    ノッタケースに貫挿支持された可動軸の反摺動部側端部
    を軸芯方向に移動調整固定自在に設けたギヤケースを介
    して支持すると共に、ノッタ入力軸の芯出しを行なう
    際、ノッタケースとギヤケースの位置固定後、前記固定
    軸の軸受部を適正位置に移動調整するように構成したこ
    とを特徴とする請求項第1項記載の結束機の伝動装置。
JP1990112969U 1990-10-26 1990-10-26 結束機の伝動装置 Expired - Lifetime JP2534635Y2 (ja)

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