JP2534521B2 - 3相半導体電動機 - Google Patents

3相半導体電動機

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JP2534521B2 JP62289536A JP28953687A JP2534521B2 JP 2534521 B2 JP2534521 B2 JP 2534521B2 JP 62289536 A JP62289536 A JP 62289536A JP 28953687 A JP28953687 A JP 28953687A JP 2534521 B2 JP2534521 B2 JP 2534521B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 コアレスのもの若しくはコアのある3相の直流電動機
として、産業機器、民生機器の動力源として利用される
ものである。
〔従来の技術〕
本件出願人による特公昭58−26264号、特公昭59−311
0号等がある。他に周知の整流個、刷子を有し、若しく
はホール素子を利用する3相直流電動機がある。
〔本発明が解決しようとしている問題点〕
整流子刷子を備えた3相直流電動機は長い歴史を持
ち、従つて技術的に研究しつくされている。
従つて、その構成の簡素さ、組立の容易さ、価格につ
いてほぼ問題なく、現在においても広い用途を持つてい
る。
しかし、整流子、刷子の磨耗により耐用時間がみじか
いことと、これによる故障率の多いこと及び機械ノイ
ズ、電気ノイズが大きいこと等の欠点は解決されていな
い。
カセツトレコーダ,コンパクトデスク等の駆動源とし
た場合に定速制御を行なう必要がある。この為に一般に
ブリツジサーボ回路が利用されているが、使用中に刷子
と整流子間の摺動により、抵抗が変化し、この変化は、
速度変化の信号と同じなので、逆に速度変動を発生し
て、再生音質を劣化せしめる問題点がある。
第2の問題点。
ホール素子(磁電変換素子の1つ)を位置検知素子と
してマグネツト回転子の角位相を検出し、トランジスタ
回路(3相ブリツジ回路)を付勢して、電機子電流の制
御をして3相の直流電動機を得る手段がある。
この手段によると、前述した整流子型の直流電動機の
欠点はすべて除去される。
しかし、組立作業が錯雑となり、又高価となる欠点が
発生する。特に小型偏平なものとなる程この問題は大き
くなる。
ホール素子を3個使用するので、その導出線が12本と
なる。ホール素子のある空間は狭い空隙部なので、この
処理を考えても理解される筈である。
第3の問題点。
構成を簡素化し、小型偏平な電動機(例えばウオーク
マンと呼ばれる小型テープレコーダのキヤプスタンモー
タ)とする為に、ホール素子を除去して、逆起電力を位
置検知信号とする手段も採用されているが、起動をステ
ツピングモータとして行なうので、起動が失敗する場合
が多い。
又2相の電動機とすると、リプルトルクが増大し、1
相の電動機とすると更にリプルトルクが増大し、又起動
に問題が多くなる。
上述したように、構成を簡素化し、偏平廉価なるもの
にすると特性上に問題点が発生し、実用性が失なわれて
いる現状である。
第4の問題点。
出力が10ワツト以下位の小型の半導体電動機(ブラシ
レス電動機)では、その制御回路は電動機の筐体内に収
納することが望まれている。
この目的を達成する為に電子回路を集積回路(以降は
ICと呼称する)とすることがよい。この為の商品もいく
つか出ているが、いずれも回路の一部のIC化が行なわれ
ているのみなので、上述した目的は達成できない。達成
できない問題点は次に述べることである。
即ち、ホール素子は3個ともに特定の位置に分離して
配設する必要があるので、全体のIC化が困難となるから
である。
第5の問題点として、ホール素子は、出力が小さく、
又高温で使用できないので、大きい出力の電動機に使用
できない問題点がある。
第6の問題点として、前述した特公昭59−3110号記載
の技術は、振動が多く、衝撃音(軸承と回転軸との衝突
する音)が構成上避けることが不可能で、耐用時間は数
時間となり実用性が失なわれている。耐用時間がみじか
いのは、含油軸承が衝撃により磨耗するからである。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明装置は、刷子整流子のないブラシレス電動機
(半導体電動機)となつているので、第1の問題点が解
決される。
ホール素子1個若しくはコイル1個〜2個を位置検知
素子とする3相直流電動機を構成した為に第2〜第6の
問題点が解決される。
次にその詳細を説明する。
ホール素子を1個とする為に、位置検知用のマグネツ
ト回転子をトルク発生用の界磁マグネツト回転子と区別
して設け、前者は、磁極巾が電気角で120度のN,S磁極を
1組として、これを複数組設け、これ等を電気角で120
度離間し、ホール素子の出力をN,S極に対向した電気角
で120度(以降は電気角の表示を省略する。)の第1,第
2の位置検知信号及び無磁界部に対向した第3の120度
の巾の位置検知信号を得る。これ等の位置検知信号をベ
ース入力として導通する第1,第2,第3のトランジスタ及
び他の3個のトランジスタよりなるトランジスタブリツ
ジ回路が必要となる。
3相ブリツジ回路(Y型接続)に含まれる3個の電機
子コイルに誘起される誘導出力(発電力)は位置検知信
号となるので、この信号より周知の論理回路により、12
0度の巾の所要の位置検知信号を得て、他の3個のトラ
ンジスタの導通制御をすると、3相Y型電動機と全く同
じ駆動力が得られるものである。
起動時においては誘導出力がないので、第1,第2,第3
のトランジスタのみの制御となり、他の3個のトランジ
スタは不導通に保持され、このときに、3相の電機子コ
イルの一端の接続点を設定された時間だけ、電極正極若
しくは負極と接続する回路が必要となる。又ホール素子
の代りに、径の小さいコイルを利用することができる。
この詳細については、実施例につき説明する。
位置検知用マグネツト回転子は特別に設けることな
く、界磁マグネツト回転子の一部を利用することができ
る。
軸方向空隙型のコアレス電動機の場合には、更に特別
な構成とすることにより、小型偏平化を行なうことがで
きる。
即ち、電動機の厚みを増加しない為に、隣接する電機
子コイルの隣接部及びその近傍の空隙にホール素子が設
けられるように、界磁磁極と位置検知用磁極の位相差を
調整する。又この状態において、電機子コイルの120度
の通電は、界磁磁極の中央部の磁界の最も強い部分とな
るようにして効率を上昇せしめる。
位置検知用マグネツトは界磁磁極の外周部の同一平面
内に円環状に設け、しかも扇型コイルの外周部の巻線巾
即ちコイル巾とほぼ等しい巾とする。
扇型コイルの外周部は出力トルクに寄与しないので、
この部分の空間を利用して、位置検知用マグネツトを設
けているので、径の小さい電動機とすることができる。
ホール素子は出力が小さく、温度特性が悪いので、大
きい出力の電動機には使用できない。
第5図につき後述する手段により、1個のコイル又は
2個のコイルを用いて、ホール素子と同じ位置検知信号
が得られるので、この手段を利用すると、出力が大き
く、耐熱性のある装置が得られる。従つて第5の問題点
が解決される。
小型の電動機の場合には、制御回路の全部を電動機本
体の内部に収納することが望まれている。
本発明装置は、ホール素子を含んで1個の集積回路
(IC)とすることができ、外付部材はコンデンサと可変
抵抗等のみとなり、又速度制御回路も含んでIC化できる
ので上記した目的に最適のものとなる。
コイルを位置検知素子とする場合には、コイルは外付
部品となる。コイルの径は数ミリメートルなので小型化
に問題はない。
コイルを2個使用する場合もあるが、この場合には、
電機子コイルの誘導出力を利用する必要がなく、電気回
路が簡素化される。回転モードは、周知の3相Y型の電
流電動機と全く同じとなるので、第6の問題点が解決さ
れる。又同時に第1〜第5の問題点も解決されるもので
ある。
〔作用〕
上述した構成により次に述べる作用がある。
第1、1個の部品(IC)により駆動されるので構成が
簡素化され、組立を容易とし、量産性がある。
第2に電機子コイルの通電制御は3相ブリツジ回路と
同じものとなるので、出力トルクが大きく、効率が上昇
する。
その他の作用は、一般のブラシレス電動機と全く同じ
である。
軸方向空隙型のコアレス電動機に適用すると、小型偏
平化に有効な技術を供与できる。
第3に、ホール素子は、一般に温度が上昇すると使用
することができない。この場合には、ホール素子の代り
に、位置検知素子として、小径のコイルを利用し、これ
に1〜5メガサイクル位の通電をし、位置検知用マグネ
ツト回転子の代りに、例えば3段の段差を円周面に有す
る導体回転子(マグネツト回転子と同期回転する)の段
差面に上記したコイルを対向せしめる。
かかる手段によると、コイルの磁束による渦流損失が
変化し、コイルの通電電流が変化する。この通電電流の
変化を位置検知信号とすることができるので、高出力で
温度上昇の大きい電動機にも本発明が適用できるもので
ある。
起動時には、3相片波の通電となるが、1個の電機子
コイルに全電圧が印加されて大きい起動トルクが得られ
るので、上記した不都合が除去できるものである。
第4に、位置検知素子となるコイルを2個とし、互い
に180度離間せしめて配設し、2個のコイルによる位置
検知出力により3相ブリツジ回路を駆動することができ
る。
従つて、周知の3相Y型の電動機と全く同じ駆動トル
クとなり、その特性を同じとなる。
IC化した場合に、コイルは外付部品となるが、導線は
3本(両コイルの1本は共通となる)ですむので、配線
が簡素化される。
〔実施例〕
第1図以降の実施例につき、本発明装置の詳細を説明
する。図面中の同一記号のものは同一部材なので、重複
した説明は省略する。
第1図において、基板2上には、磁路となる珪素鋼円
板7が貼着され、その上に扇型の電機子コイル6が貼着
されている。
電機子コイル6の詳細が第2図(b)に示されてい
る。トルクに有効な導体部の巾は機械角で90度で、等し
いピツチで、磁路となる磁性体円板7に図示のように、
電機子コイル10a,10b,10cが配設されている。基板2に
は、円筒3が植立され、その内部に嵌着された軸承1a
(打点部)に回転軸1が回動自在に支持されている。
軸承としては、オイルレスベアリング若しくはボール
ベアリングが利用される。基板2の突出部2aには、電機
子コイル10a,10b,10cの通電制御回路がIC化されて記号2
9aとして載置されている。
第1図に戻り、回転軸1には、軟鋼円板4の中央部が
固定され、この裏面には、円環状の界磁マグネツト回転
子5が貼着されている。
第2図(a)にその詳細が示されている。
界磁マグネツト回転子5は、円周面にそつて、N,S磁
極5a,5b,5c,5d(巾が機械角で90度)が等しいピツチで
設けられた円環状のフエライトマグネツトにより構成さ
れている。記号9は内部の空孔である。本実施例は、軸
方向空隙型のコアレス電動機となつている。
界磁マグネツト回転子5の外周は、円環状の位置検知
用マグネツト回転子8となり、その磁極は、図示のよう
にN,Sが1組となり、2組設けられている。1組のN,S極
と他の1組の間の間は無磁界部となり、0の表示がされ
ている。この巾はN,S極の巾と同じである。
N,S極の巾は機械角で60度、電気角で120度となつてい
る。
位置検知用マグネツト回転子8の磁極は記号8a,8b,…
として、又零磁界部若しくはマグネツトの切欠部は記号
9a,…として示されている。切欠部とした方がSN比の良
い信号が得られる。
次に第3図の展開図につき、上述した構成の作用効果
について説明する。
第3図において、電機子コイル10a,10b,10cは周知の
3相の電機子コイルである。点線の電機子コイル10を記
号10cの位置に移動した形式となつているので、電機子
コイル10a,10b,10cも3相の電機子コイルとなる。
各電機子コイルの巾は電気角で180度、間隔は60度で
ある。以降の角度表示はすべて電気角とする。
ホール素子11aは、第2図(b)に示すように、隣接
する電機子コイル10a,10cの隣接部の中間に載置され
て、位置検知マグネツト回転子8に対向している。
位置検知用マグネツト回転子8の径方向の巾は、第2
図(b)に示されるように、扇型の電機子コイルの外周
部のコイル巾とほぼ等しくされている。
この部分のコイルの通電は、出力トルクに無効なの
で、界磁磁極があつても無効である。
かかる無効部分に、位置検知用マグネツト回転子8を
設けて、電動機の外径を小さくしたことが本発明装置の
1つの特徴となつている。
又ホール素子11aは、前記した空間に載置固定してあ
るので、電機子コイルと重畳することがなく、従つて偏
平に構成できる特徴がある。
第3図に矢印B,Cで示すように、それぞれの巾は30度
となつて、界磁マグネツト回転子5が矢印A方向に30度
回転すると、ホール素子11aは磁極8dの磁界下に侵入す
るので、出力が得られ、この出力により電機子コイル10
aが通電される。更に120度回転すると、ホール素子11a
は磁極8cの磁界下に入りその出力により、電機子コイル
10cが通電される。
通電角は120度となり、界磁磁極5a,5dの最も磁界の強
い部分のフレミングの力により駆動トルクが得られる。
従つて効率は3相Y型のものと同じとなる特徴がある。
以上の条件を満足するように、界磁マグネツト回転子5
の磁極と位置検知用マグネツト回転子8の磁極の位相を
図示のようにして配設したことも本発明装置の特徴であ
る。界磁マグネツト回転子5が矢印A方向に回転すると
ホール素子11aが、磁極8d,8c,零磁界9aに侵入するに従
つて、電機子コイル10a,10c,10bがそれぞれ120度の通電
が行なわれて出力トルクが得られるので、3相の電動機
として回転するものである。
次に、上述した通電制御を、第9図(a)のタイムチ
ヤートと第7図(a),(b),(c)…の通電制御回
路を用いて説明する。
第7図(a)において、ホール素子11aの出力は、オ
ペアンプ27a,27bにより増巾され、矩形波の出力とな
る。記号31aは直流電源正極である。
オペアンプ27aは、ホール素子11aがN極に対向したと
き、オペアンプ27bはS極に対向したときに出力が得ら
れる。
オペアンプ27aの出力は、第9図(a)のタイムチヤ
ートにおいて、120度の巾の曲線となる筈であるが、N,S
磁極の境界点には、不感帯があるので、120度より小さ
くなる。
オペアンプ27bの出力も同じ事情で120度より巾が小さ
くなり、第9図(a)で曲線45bとして示されている。
オペアンプ27aの出力は曲線45aとなつている。
曲線44a,44bは、位置検知用マグネツト回転子8の磁
極N,Sの磁界分布曲線である。
第7図(a)に戻り、エクスタルーシブオア回路(不
一致回路)28の上,下段の入力は、それぞれオペアンプ
27bの出力とオペアンプ27aの出力を反転したものとな
る。
従つて、第9図(a)の曲線45bと曲線46となる。
不一致回路28の出力は、曲線47a,47bとなる。
従つて、端子30a,30b,30cの出力は、それぞれ第9図
(a)の曲線45a,45b,47a,47bとなる。記号31a,31bは電
源正負端子である。
第7図(a)の回路は、第7図(d)において記号71
としてブロツク図として示されている。同一記号の端子
30a,30b,30cの出力は、反転回路を介してトランジスタ3
5a,35b,35cのベースに入力されて導通制御をしている。
第7図(d)において、電機子コイル10a,10b,10cは
Y型に接続されて、トランジスタ35a,35b,…,35fにより
構成されたトランジスタブリツジ回路により通電制御が
行なわれている。
端子30a,30b,30cの出力により、それぞれ反転回路を
介してトランジスタ35a,35b,35cのベース制御が行なわ
れているので、第9図(a)の曲線45a,45b,47a,47bの
巾だけ各トランジスタは順次に導通される。
上述した通電により、電機子コイル10a,10b,10cは一
方向のみの通電が行なわれている。
このときに、トランジスタ35d,35e,35fは不導通に保
持されている。
しかし、トランジスタ35gが導通しているので、上述
した通電が行なわれている。トランジスタ35gの導通制
御は次のようにして行なわれている。
ブロツク回路で示されている記号72は、電機子コイル
の誘導出力により得られる位置検知信号の演算処理をし
て、トランジスタ35a,35b,…,35fのベース制御信号を得
る回路である。この詳細については後述する。
ブロツク回路72の端子72a,72b,…,72fの出力信号は、
第9図(c)の曲線76a,76b,76c及び曲線77a,77b,77cと
なる。
これ等の電気信号は、オア回路79a,79bを介して、単
安定回路80a,80bに入力され、その出力は、コンデンサ8
3で積分される。
従つて、オペアンプ33dの−端子の入力は、回転速度
に比例する信号電圧となつている。
回転速度に比例する電気信号を得る手段は、他の周知
の手段でもよい。
+端子の入力は、規準電圧端子33eの規準電圧であ
る。
前述したように、ブロツク回路71の出力により、トラ
ンジスタ35a,35b,35cが導通されたときに、回転速度が
設定値以下のときには、オペアンプ33dの出力はハイレ
ベルとなり、トランジスタ35gは導通する。
従つて、トランジスタ35a,35b,35cが120度の巾で導通
すると、電機子コイル10a,10c,10bも順次に120度の巾の
通電が行なわれる。
このときのトルク曲線が第9図(a)において、曲線
48a,48b,48cとして太線で示してある。点線部は電機子
コイルに180度の通電を行なつた場合のトルク曲線であ
る。
従つて起動して回転する。回転速度が上昇してオペア
ンプ33dの−端子の入力電圧が+端子の入力電圧を越え
ると、オペアンプ35dの出力は、ローレベルに転化して
トランジスタ35gは不導通となる。
抵抗36aは、起動時の電機子電流を制御するもので、
電機子コイル10a,10b,10cの焼損が発生しない範囲にお
いて、抵抗36aは小さい方が起動トルクが増大する。曲
線47b(第9図(a))による通電は反トルクとなり起
動時に逆転するが、すぐ正転して起動することができ
る。このときに、電機子コイル10a,10c,10bには誘導出
力(発電出力)が発生する。
かかる誘導出力は、第7図(d)のオペアンプ33a,33
b,33cに入力されている。即ち各電機子コイルの共通接
続点は、抵抗36を介してアースされ、アース点の電圧
は、電源電圧の1/2の点とされている。共通接続点は、
オペアンプ33a,33b,33cの−端子に入力され、それぞれ
の+端子には、電機子コイル10a,10c,10bの他端が接続
されている。
上述した構成なので、リニヤ増巾回路となつているオ
ペアンプ33a,33b,33cの+−端子の入力は、第9図
(c)のタイムチヤートにおいて、極線54a,54b,…及び
曲線55a,55b…及び曲線56a,56b…となる。中央部の平坦
部は、トランジスタ35a,35b,35cの導通区間となる。各
曲線の位相差は120度である。
しかし、コンデンサ34a,34b,34cの為に積分され、実
際の入力波形は、第9図(c)の曲線57,58,59となる。
各曲線は位相がおくれるものである。曲線54a,54bに対
し、曲線57は30度位相がおくれている。
30度のおくれのあるように、上記したコンデンサの容
量が選択されるものである。曲線58,59もそれぞれ位相
が30度おくれている。30度の位相おくれは、小さくて
も、又0度であつてもよい。しかし30度が最もトルクが
大きく、効率も良好となるものである。
曲線57,58,59の電気信号は、矩形波整流整形回路32a,
32b,32cにより、正の部分のみがとり出され、第9図
(c)の曲線73a,73b,…及び曲線74a,74b…及び曲線75
a,75b,…となる。
曲線73a,73b,…は180度離間している。他の曲線も同
様である。又極線73aと74aと75aは、120度ずつ位相がお
くれている。
記号72で示すブロツク回路は、上記した位置検知信号
が入力されたときに、端子72a,72b,…72fより、第9図
(c)の曲線76a,76b,76c,77a,77b,77cの位置検知信号
が出される慣用されている論理回路である。
論理回路72は、慣用されているホール素子3個を使用
したときの位置検知信号の処理の為の理論回路と全く同
じものが利用できる。
例えば、第8図示の論理回路である。第8図におい
て、端子67a,67b,67cの入力信号は、それぞれ第9図
(c)の曲線73a,73b,…及び曲線74a,74b,…及び曲線75
a,75b,…となつている。アンド回路68aの入力は、曲線7
3aと曲線74aを反転したものなので、その出力は曲線76a
となる。
アンド回路68b,68c,…,78fの出力は、それぞれ曲線76
b,76c,77a,77b,77cとなる。
従つて端子69a,69b,…,69fの出力信号は、第7図
(d)の端子72a,72b,…,72fの信号と同じものとなり目
的が達成されるものである。第9図(c)の曲線76aの
信号列は120度の馬力で互いに180度の位相差がある。他
の曲線76b,76c,77a,77b,77cについても同様である。
曲線76a,76b,76c及び曲線77a,77b,77cは、図示のよう
に、120度の巾で連続して得られている。
曲線76a,76b,76cの電気信号により、第7図(d)の
トランジスタ35a,35b,35cはそれぞれ導通され、又曲線7
7a,77b,77cの電気信号により、トランジスタ35d,35e,35
fが導通される。
上記したトランジスタ35a,35b,35cの導通角と位相
は、第7図(a)の端子30a,30b,30cの出力による導通
角と位相と完全に合致することがよいが、必ずしもその
必要はない。端子72a,72b,72cによるトランジスタ35a,3
5b,35cのベース制御を行なわなくても差支えない。
上述した説明より理解されるように、一般の3相Y型
の電動機と全く同じ特性で駆動され、ホール素子は1個
ですむ特徴がある。
点線32で囲んだ部分をIC化すると、ホール素子11aを
含んだものとなるので、第2図(b),第4図(a),
(b)(後述する。)に示すように、IC29a,17が1個の
みで、ICピン31a,31bその他の所要のICピンに、電源端
子,電機子コイルを接続することにより構成することが
できるので、構成が簡素化する、一般の整流子刷子の電
動機と同じく量産性のある廉価な電動機が得られる特徴
がある。
IC化した場合に、入力電流のピーク値は0.5アンペア
位以下とすることが望ましいので、小型電動機として特
に音響機器用として充分な出力を持つものが得られる。
ホール素子11aは、ガリウムアルセナイド若しくはシ
リコンをベースとしたものが利用できる。
出力の大きい電動機の場合には、第7図(d)のトラ
ンジスタ35a,35b,…,35fを外付部品とするICとし、該ト
ランジスタにより、6個の出力の大きいトランジスタを
駆動して、各電機子コイル10a,10c,10bの通電制御をす
ることにより目的が達成される。
第7図(d)において、論理回路72の上側3段の出力
を使用しないで、前述したように下側3段の出力即ち端
子72d,72e,72fのみの出力により、トランジスタ35d,35
e,35fを制御しても同じ目的が達成できる。
又電気回路71の3個の出力により、トランジスタ35d,
35e,35fのベース制御を行なつても同じ目的が達成でき
る。このときには、トランジスタ35gは、端子31aと電機
子コイルの共通接続点との間に接続されるものである。
トランジスタ35gの導通制御は、コンデンサを含む時
定数回路を利用し、起動してから設定された時間まで導
通せしめてもよい。設定時間後に、設定された回転速度
となるからである。
トランジスタ35d,35e,35fの導通制御が付加される
と、第9図(a)の曲線(太線部)の曲線49a,49b,49c
のトルクが付加されたものとなる。
点線間の巾Mは、両トルクの位相差で60度となる。
例えば、曲線49aは、電機子コイル10aが逆方向に通電
されたときのトルク曲線である。
第9図(a)の曲線47bは、反トルクとなるが、曲線4
9cの正トルクがあるので、正トルクが勝り差支えない。
しかし振動を誘発するので、第7図(a)のコンデン
サ31を付加し、ハイパスフイルタとして、曲線47bを消
滅することがよい。トルク曲線は、位置検知信号45a,45
bの巾が120度より少し小さいので、太い線の間に少し空
隙ができる。しかし電機子コイルのインダクタンスによ
り連続されるので、大きい障害はない。
第1図において、磁性体円板7を基板2の下側に移動
し、電機子コイル6を基板2上に固着し、磁性体円板7
を回転軸1の下端に固定して、界磁マグネツト回転子5
と同期回転する構成としても本発明を実施することがで
きる。
第2図(c)に示す電機子は、電機子コイルの数を2
倍とした場合の実施例である。
全体の構成は、第1図と同じで、界磁マグネツト回転
子5はN,S磁極8個となる。
扇型電機子コイルは6個となり、記号10a,10b,…,10f
として示され、トルクに有効な導体部の巾は45度(機械
角)である。
記号29aで示すICは、前実施例と同じもので、基板2
の突出部2b上に固定されている。
ホール素子11aは、電機子コイル10b,10cの間に載置さ
れる。この為に電機子コイル10b,10cの外側縁部が内側
に引込まれた形状に変形されている。
上述した構成より理解されるように、第2図(c)の
実施例によつても本発明を実施することができることは
明白である。
第2図(b),(c)の記号29bはICピンである。
第7図(d)のIC32には、次に述べる定速制御手段が
付加されている。抵抗91,トランジスタ35hは電機子回路
に直列に接続されている。抵抗91の電圧降下は、増巾回
路81により、リニヤ増巾され、その出力は、オペアンプ
33fの−端子に入力されている。
オペアンプ33mの+端子には、回転速度を指定する為
の規準正電圧が端子33nより入力され、−端子には、回
転速度信号が入力されている。
起動時には、オペアンプ33mの出力はハイレベルとな
るので、オペアンプ33fの出力もハイレベルとなり、ト
ランジスタ35hは導通する。
従つて、電源正端子31a,負端子31bの全電圧が電動機
に印加されて起動する。
設定された回転速度の近傍に到達すると、リニヤ増巾
をするオペアンプ33mの出力正電圧が降下し、オペアン
プ33fの−端子の入力電圧より小さくなると、オペアン
プ33fの出力はローレベルに転化し、トランジスタ35bは
不導通に転化する。
しかし、電機子電流は、電機子コイルの蓄積磁気エネ
ルギの放出により、抵抗91,ダイオード82を介して電流
が流れる。
この電流が減少して、オペアンプ33fの−端子の入力
電圧が+端子のそれより降下すると、オペアンプ33fの
出力はハイレベルに転化して、トランジスタ35hが導通
する。従つて電機子電流が増大する。
増大して、オペアンプ33fの−端子の入力電圧が、+
端子の入力電圧より大きくなると、オペアンプ33fの出
力はローレベルに転化し、トランジスタ35bは不導通に
転化する。
かかるトランジスタ35hのオン,オフのサイクルの繰
返しにより、電機子電流は設定値に保持されるので、負
荷に対応した通電が行なわれて定速回転が保持される。
一般の定速制御手段は、トランジスタ35hが活性領域
で作動しているので、ジユール損失が大きいが、本実施
例では飽和領域で作動しているのでジユール損失が僅少
となる。特に電源電圧が変化する乾電池が使用される場
合に有効な手段となる。
又使用電圧が変更された場合にも、定電流制御なの
で、電機子コイルの巻線の変更が不要となる利点があ
る。
定速回転速度を変更するときには、抵抗91を変更する
ときには、抵抗91を変更すればよい。従つて抵抗91は外
付部品とすることがよい。
他の外付部材を接続するICピンは、記号84a,84b,…,8
4gとして示されている。
オペアンプ33fはヒステリシス特性を持つものが必要
である。ヒステリシス特性により、電機子電流のリプル
値の巾が指定されるものである。
次に、コア(磁心)のある電動機に本発明を実施した
場合について説明する。
第4図(a)において、軟鋼製の外筐円筒12の両側に
は側板(円形)12a,12bが左右により嵌着されている。
側板12a,12bは中央突出部には、軸承13a,13bが嵌着さ
れ、回転軸1回動自在に支持されている。
回転軸1には打点部のプラスチツク充填材を介して、
円筒形の界磁マグネツト回転子14が固定されている。
又その端部(第4図(a)で右端の点線Rで示す右側
の部分)には、位置検知用マグネツト回転子が設けら
れ、第6図(a)図示のように120度の巾N,S磁極に着磁
され、各組のN,S磁極間は切欠部となり、その巾も120度
となつている。
N,S磁極は記号24a,24b,24d,24eで、又切欠部は記号24
c,24fとして示されている。
電機子15には、突極15a,15b,15cが設けられ、各突極
には、電機子コイル25a,25b,25cが捲着されている。各
突極の巾は180度で磁極14a,14b,…の巾と等しい。
又突極15a,15b,15cは互いに60度離間している。
第3図の展開図と第6図(a)の展開図を比較してみ
ると、突極15a,15b,15cの巾と電機子コイル10a,10b,10c
の数と巾と位置は同じである。又界磁マグネツト回転子
14と5の磁極も同じ構成である。
更に、位置検知用マグネツト回転子の磁極24a,24b,…
と磁極8a,8b,…の構成も又同じである。
ホール素子11a(両者とも同一記号となつている)の
位置も同じである。
従つて第7図(a)及び第7図(d)の回路で、電機
子コイル25a,25b,25cの通電制御をすることにより、3
相の直流電動機として運転することができることは明ら
かである。
第7図(d)に、電機子コイル25a,25b,25cが図示さ
れている。電機子コイル10a,10c,10bは、電機子コイル2
5a,25c,25bとなるものである。
本実施例は、コアがあるので、出力トルクが大きくな
る効果がある。界磁マグネツト回転子の磁極数を2倍,3
倍とすることができる。このときに突極数も対応して増
加する。
界磁マグネツトのN,S磁極1組に対して、突極数が3
個の周知の直流整流子電動機の構成としても本発明が実
施できる。他の作用効果は実施例と同様である。
第6図(a)の展開図について、上述した第7図
(a),(d)の回路による通電の1例を説明する。
界磁マグネツト回転子14が、矢印A方向に30度回転す
ると、ホール素子11aは、磁極24eの磁界下に入り、電機
子コイル25aが通電されてN極に着磁される。
磁極14a,14dの反撥と吸引作用により、界磁マグネツ
ト回転子14は矢印A方向に駆動される。
このときに、磁気誘導により、磁極15b,15cはともに
S極となるが、この磁極によりトルクは正トルク、反ト
ルクとなり打消し合うので、起動には差支えない。
ホール素子11aが磁極24dの磁界下に入ると、電機子コ
イル25cが通電されるので、N極に着磁される。従つて
磁極14b,14cの吸引、反撥力により、マグネツト回転子
は更に引続いて矢印A方向に回転される。
第7図(d)のトランジスタ35gが不導通に転化され
ると、論理回路72の出力により、トランジスタ35a,35b,
…,35eは前実施例と同じく導通制御が行なわれて、3相
Y型の電動機として駆動される。
出力の大きい点を除いては、前実施例と効果は同じで
ある。
〔従来の技術〕の項で引用した特公昭59−3110号に開
示された技術では、3個の突極が順次に1個ずつ励磁さ
れるので、次に述べる問題点がある。
即ち第6図(a)の展開図と同じ展開図となるので、
これを利用して説明する。
突極15aが励磁されて、界磁マグネツト回転子14は矢
印A方向に駆動されるが、このときに、磁気吸引力も発
生するので、回転軸と軸承が衝合して、回転中に大きい
機械音を発生する。
突極15b,15cの励磁のときも同じ衝合音が発生する重
欠点がある。この衝合磁に、軸承がオイルレスベアリン
グの場合に、打撃により軸承孔が拡大し、これが又打撃
エネルギを大きくし、この現象が互いに助長され、実測
によると出力1ワツト位の電動機で使用できるのは2〜
5時間である。これは致命的な欠点となる。更に又、突
極15aがN極に励磁されて出力トルクを発生していると
きに、磁気誘導により、、突極15b,15cはともにS極に
励磁される。従つてその後の90度の回転時に、突極15b
は反トルク,突極15cは正トルク、次の90度の回転時に
正,反トルクが反転する。正,反トルクは打消し合うと
しても、ジユール損失と振動を誘発する不都合がある。
本発明装置によれば、前述したように起動時の短時間
のみに上述した欠点があるが、その後は、欠点が除去さ
れる特徴がある。回転トルクの発生が、周知の3相Y型
整流子電動機と同じとなるからである。
第6図(b)に示す展開図は、界磁マグネツト回転子
14と位置検知用マグネツト回転子24a,24b,…のみの展開
図を示したものである。第6図(a)と異なるのは、磁
極24a,24bと磁極24d,24cのN,S磁極を反転していること
である。
従つて、記号Pで示す磁極の境界部の左側の磁極14a,
24aは同極N極となり、右側も同極S極となる。磁極14
c,14d,24d,24eについても事情は全く同じである。
従つて、磁極14a,14b,…と磁極24a,24b,…の着磁を1
回の作業で行なうことができ、又界磁マグネツト回転子
と位置検知用マグネツト回転子間の磁束の干渉が僅少と
なる特徴がある。上述した事情は、第3図のマグネツト
回転子5,8についても全く同じである。
次に、第4図(b)について説明する。第4図(b)
の実施例は、第4図(a)と同じく、コアのある電動機
に本発明を実施したものである。
第4図(b)において、基板18には、円筒19が植立さ
れ、その内部には、オイルレスベアリング20a,20bが嵌
着され、これ等に回転軸1が回動自在に支持されてい
る。
回転軸1には、カツプ状の軟鋼板をプレス加工して作
られた回転子21の中央部が固着されている。
回転子21の内側面には、円環状のマグネツト回転子22
が固着されている。
珪素鋼板を積層して作られた電動機23の中央空孔は、
円筒19に嵌着されている。
以上の構成より理解されるように外転型の電動機とな
つている。電機子23の突極,電機子コイル及びマグネツ
ト回転子22の構成は、第6図(a)の展開図と全く同じ
ものとなつているので、第4図(a)の実施例と同じく
3相の電動機として回転するものである。
第4図(a)の基板16及び第4図(b)の基板18に固
定した記号17で示す部材については後述する。
次に、電機子コイルの通電制御の為の他の実施例につ
き第7図(b)について説明する。
正電圧端子31aより供電されるホール素子11aのS,N磁
極に対応する出力は、オペアンプ38a,38bにより矩形波
となり、この電気信号は、第9図(b)のタイムチヤー
トにおいて、曲線45a,45bとして示される。曲線44a,44b
は、ホール素子11aが対向するS,N磁極の磁界分布曲線で
ある。
端子41aの出力巾は、第9図(b)の曲線45aの巾とな
る。微分回路39aの入力信号は、オペアンプ38aの出力を
反転したもので、第9図(b)の曲線46となる。
微分回路39aの出力は、曲線51となる。この信号パル
スはフリツプフロツプ回路(以降はF回路と呼称す
る。)40aのS端子に入力され、Q端子の出力がハイレ
ベルとなり、端子41bの出力もハイレベルとなる。
オペアンプ38bの出力を反転したもの(第9図(b)
の曲線50a,50b)を微分回路39bで微分した微分パルス信
号は、第9図(b)で曲線52として示されている。
曲線52の信号は、F回路40aのR端子に入力されて、
これを反転するので、端子41bの出力巾は、曲線53bの巾
となる。又同時に曲線52の信号は、F回路40bのS端子
に入力されるので、Q端子の出力がハイレベルとなる。
端子41aの出力巾は、第9図(b)の曲線53a(曲線45
aと巾,位相が同じとなる。)となり、端子41bの出力巾
は、曲線53bとなり、曲線53aと53b間の時間的空隙は無
くなる。次に再びオペアンプ38aの出力が得られると、
微分回路39cを介して、F回路40bのR端子に微分パルス
が入力され、反転して端子41cの出力巾は第9図(b)
の曲線53cとなる。
曲線53cの両側と曲線53a,53bとの時間的空隙は無くな
る。以上の説明のように、端子41a,41b,41cの出力は、
順次に連続して行なわれる効果がある。
各端子の出力巾を120度の巾とするには、位置検知用
マグネツト回転子のN,S磁極の巾を調整すればよい。端
子31a,31bは電源正負端子である。
微分回路39a,39b,39cには微分の為のコンデンサが必
要となり、これ等のコンデンサはICの外付部品となる。
これを避ける為には周知のエジトリガ回路を利用するこ
とができる。
第7図(c)に示す回路は、微分回路39a,39b,39cの
微分の為のコンデンサを1個とし、IC化したときに外付
部分を少なくする手段である。
端子61a,61b,61cには、矩形波の電気信号60a,60b,60c
が入力されている。曲線60cは曲線60aを反転したもので
ある。
オア回路62を介する曲線60a,60b,60cの電気信号は、
コンデンサ63,抵抗64に通電され、その立上り部の微分
パルス3個が順次に得られる。かかる微分パルスはアン
ド回路65a,65b,65cの下側の入力となる。上側の入力は
端子61a,61b,61cの入力なので、端子66a,66b,66cより、
上記した3個の微分パルスは分離して出力される。
端子66aの出力を、第7図(b)のF回路40bのR端
子、端子66bの出力をF回路40aのR端子及びF回路40b
のS端子、端子66cの出力をF回路40aのS端子に入力せ
しめることにより目的が達成される。即ち外付コンデン
サはコンデンサ63が1個ですむものである。
上記した場合に、端子61a,61b,61cの入力信号はそれ
ぞれ第9図(b)の曲線45a,曲線50a,50b,曲線46となる
ものである。
端子66a,66b,66c…の電気パルスをFV変換回路に変換
すると速度信号が得られるので、周知の手段により定速
制御を行なうことができる。
次に、第7図(b)の回路を第7図(d)の電気回路
71として使用した場合の作用効果の説明をする。
第7図(d)の端子30a,30b,30cは、第7図(b)の
端子41a,41b,41cとなる。
前述したように、端子41a,41b,41cの出力である位置
検知信号は互いに連続し、反トルクの発生がないので、
第7図(a)の回路を利用した場合より、よりすぐれた
トルク特性が得られるもので、他の作用効果は同じであ
る。
次に第7図(e)につき説明する。第7図(d)と同
一記号のものは同一の作用を行なうものなので説明を省
略する。
前実施例と異なつているのは、回転速度に比例する電
圧を得る為にブリツジサーボ回路の原理を利用している
ことである。
点線で示すICの記号は32dとされ、ICピンは記号88a,8
8b,…,88hに変更されている。
電動機の電機子電流の制御回路に直列に接続された抵
抗89cよりなる直列接続体に並列に接続された抵抗89a,8
9bは、ブリツジ回路を構成している。
電動機が停止したときの電機子電流(最大値とな
る。)のときに、オペアンプ33kの出力が零で、回転し
始めると、電機子電流が減少するので、オペアンプ33k
の正の出力電圧が、比例して増大するようになつてい
る。
従つて、オペアンプ33kの出力が速度信号となる。
外付けのコンデンサ87は、上記した速度信号を平滑化
する為のものである。外付けのコンデンサ86はICピン88
hを介して電源正極(31a)に1極が接続され、他極はIC
ピン88g即ち抵抗89b,89cの下端に接続されている。
ICピン88gと電源正極31a間の電圧即ちコンデンサ86の
充電電圧は、抵抗90a,90bで分割されて、オペアンプ33g
の−端子の入力となつている。オペアンプ33gの−端子
の入力は、コンデンサ86の電圧に比例するものとなる。
起動時には、オペアンプ33kの出力電圧が低いので、
オペアンプ33hの出力は最大となる。端子33nには、回転
速度を指定する為の基準正電圧が入力されているもので
ある。
従つて、オペアンプ33gの出力はハイレベルとなり、
トランジスタ35hは導通する。
従つて、コンデンサ86は急速に充電され、この電圧が
トランジスタブリツジ回路と抵抗89cの直列回路に印加
されるので、電動機は加速される。回転速度が設定値に
近づくと、オペアンプ33hの出力電圧も小さくなり、オ
ペアンプ33gの出力がローレベルに転化して、トンラン
ジスタ35hは不導通に転化する。
コンデンサ86の放電により、電機子電流が流れ、コン
デンサ86の電圧が降下するので、トランジスタ35hは導
通する。
上記したトランジスタ35hのオン,オフを繰返して、
コンデンサ86の電圧即ち電動機の印加電圧は負荷に対応
するものとなり、定速制御を行なうことができる。
トランジスタ35hは飽和領域で作動するので、ジユー
ル損失が小さくなる効果がある。
オペアンプ33gは、ヒステリシス特性を有するものが
必要である。
コンデンサ86,抵抗90a,90b,オペアンプ33gを除去し、
オペアンプ33hの出力により、トランジスタ35hを活性領
域で制御すると、周知のブリツジサーボ回路となるの
で、この手段によつて本発明を実施することもできる。
上記した手段による定速制御は速度変動が大きい。
この理由の1つは、逆起電力が界磁マグネツト回転子
の温度特性により変化し、他の1つは、抵抗89cと電機
子コイルの温度による抵抗値の変化である。
前者は、サーミスタによる補償を行ない、後者は、抵
抗89cを銅の細線を利用することにより完全に補償する
ことができる。
第7図(d),(e)に示すIC1個により、3相の電
動機を駆動することができるので、構成が簡素化され、
廉価となり、整流子刷子型の電動機より小型に、しかも
同じ程度の価格とすることができ、更に半導体電動機と
してのすぐれた特性のものが得られる特徴がある。本実
施例のように、ブリツジサーボ回路を採用すると、整流
子電動機の場合には、整流子と刷子間の抵抗値の変化が
速度変動となり、不安定な定速制御となる欠点がある。
本発明装置では、かかる欠点が除去される効果があ
る。
次に、第7図(d),(e)の電動機の逆転手段につ
いて説明する。両者とも同じ手段なので、第7図(e)
について説明する。
逆転の条件は、同一磁界下で電機子コイルを逆方向に
通電する手段を付加することである。
トランジスタ35a,35b,35cを導通すると、電機子コイ
ルは右方に通電され、トランジスタ35d,35e,35fを導通
すると、左方に通電される。
従つて、端子30a,30b,30cの出力により、トランジス
タ35d,35e,35fのベース制御をして導通するようにす
る。
かかる手段により、同一磁界下で各電機子コイルは、
左方に通電されて逆転する。
起動時には、トランジスタ35gを不作用とし、別設し
たトランジスタにより設定時間だけ、電機子コイルの共
通接続点と電源正端子31a間を導通せしめる必要があ
る。
この為に、オペアンプ33dの出力を電気切替スイツチ
(アンド回路2個を利用した周知の手段でよい)により
切替えて、トランジスタ35gと他の1つのトランジスタ
のベース入力の切替えをすればよい。
誘導出力により位置検知信号を得ている場合、即ち論
理回路72の出力により、トランジスタ35a,35b,…,35fの
導通制御を行なう場合には、正逆転いずれの場合にも駆
動トルクが得られるので、端子72a,72b,…とトランジス
タ35a,35b,…のベース間の配線を変更する必要はない。
第4図(a),(b)の実施例の場合には、IC17の一部
に収納されたホール素子11aにより駆動できる。IC17
は、IC32,32dに相当するものである。第4図(a)の点
線Rの右側が位置検知用マグネツト回転子となり、第4
図(b)の場合には、界磁マグネツト回転子22の下側が
位置検知マグネツト回転子として端面着磁されている。
ホール素子11aの代りに、コイルを利用することがで
きる。次に第5図につきその説明をする。
第5図(a)において、界磁マグネツト回転子14の右
端には、アルミニユーム導体板26が貼着されている。そ
の詳細が第5図(b)に示されている。プレス加工によ
り、図示の形状にされ、段部26a,26b,…,26fの巾は120
度で等しい。
コイル11は、20ターン位の空心巻線である。コイル11
は、段部に対向しているので、回転子26が矢印方向に回
転すると、順次に渦流損失が変化する。対向導体面積が
変化するからである。
従つてインダクタンスも変化する。段部26a,26b,26c
と対向するに従つてインダクタンスは段階的に大きくな
る。
コイル11−1は180度おくれて同じインダクタンスの
変化がある。
上記した目的の為には、切欠部の代りに高低の段差を
設けてもよい。
第5図(c)は、第4図(b)の実施例に適用される
ものである。
第5図(c)は、第4図(b)を矢印S方向から見た
図である。
界磁マグネツト回転子(打点部)22の端面には、アル
ミニユーム導体板に段部21a,21b,21c及び段部21d,21e,2
1fを設けたものが図示のように貼着されている。各段部
の巾は120度の巾となり、段部にコイル11,11−1が対向
している。コイル11,11−1は180度離間し、各コイルは
チツプ部品化されて、本体基板上に固着されている。
矢印方向に回転すると、コイル11,11−1のインダク
タンスは段階的に変化するものである。
次に第7図(g)につき、コイル11,11−1より位置
検知信号を得る手段を説明する。
第7図(g)において、記号40は、1〜5メガサイク
ルの交換の発振器である。この出力は、コイル11、抵抗
11b,11c,11d(ブリツジ回路を構成している。)に通電
されている。
上記したブリツジ回路の出力は、ダイオードとコンデ
ンサで平滑直流化されて、オペアンプ70の入力となつて
いる。
コイル11と導体部との対向面積の最も大きい段部26a
に対向したときには、インダクタンスが最も小さいの
で、抵抗11bの電圧降下が最も大きくなる。段部26b,26c
に対向するに従つて電圧降下は段階的に小さくなる。基
準電圧正端子43より、抵抗43a,43b,…は通電されている
ので、オペアンプ70a,70b,70cの−端子の入力は、段階
的に低下している。
コイル11が段部26cに対向したときのオペアンプ70の
出力電圧より抵抗43dの電圧降下は小さく設定されてい
るので、オペアンプ70cの出力はハイレベルとなる。
このときにオペアンプ70bの出力はローレベルなの
で、アンド回路29bの出力はハイレベルとなる。
コイル11が段部26bに対向すると、オペアンプ70の出
力電圧が増大し、オペアンプ70bの出力がハイレベルに
転化するので、アンド回路29bの出力はローレベルとな
る。
オンペアンプ70aの出力はローレベルなので、アンド
回路29aの出力はハイレベルに転化する。
段部26aがコイル11に対向すると、オペアンプ70aの出
力がハイレベルとなるので、アンド回路29aの出力はロ
ーレベルとなる。
コイル11が段部26fに対向すると、オペアンプ70a,70b
の出力はローレベルに、又オペアンプ70cの出力がハイ
レベルとなり、1サイクルが終了する。段部26a,26b,…
にコイル11が対向したときの端子42a,42b,42cのハイレ
ベルの出力巾は120度で連続し、第5図(b)の回転子2
6が矢印(時計方向)に回転すると、上記した位置検知
信号は、端子42a→42b→42cとサイクリツクに出力され
る。
上述した説明より理解されるように、端子42a,42b,42
cの出力は、120度の巾のハイレベルの位置検知信号が隣
接して得られるので、第7図(b)の回路と全く同じ作
用効果を有するものとなる。
従つて、第7図(d),(e)の電気回路の信号71で
示した電気回路と置換して使用することができる。
本実施例の特徴は次の点にある。
ホール素子は、高い温度では使用できなく、又出力信
号が小さいので、小型電動機に使用する場合には有効で
ある。
ホール素子は非常に小型化ができ、又IC内部に収納で
きるからである。しかし大きい出力の電動機は高温とな
り、電気ノイズも大きくなるので使用が困難となる。
コイル11を利用すると、上述した不都合はすべて除去
される効果がある。
コイル11による出力は高温でも余り変化がなく、発振
器40の出力電流を大きくすれば、大きい出力の位置検知
信号が得られるからである。
第7図(d)のコイル11(ICピン84e,84fに接続され
ている。)は、コイル11を外付部材として使用した場合
の例である。
ホール素子に比較して、コイル11は廉価にチツプ部品
とすることができ、配線端子は2個ですむので有効な技
術となる。
従つて、コイルを2個使用しても、ICピンは3本です
み、誘導出力を利用して位置検知信号を得る回路が不要
となるので、ICが廉価となる。
従つて、上述した手段も有効な技術となる。次に第7
図(f)についてその詳細を説明する。
第7図(f)において、前実施例と同一記号のものは
同一部材なのでその説明は省略する。
ICは点線32eとして、又ICピンは記号31a,92a,92b,…,
92g,31bとして示されている。
電機子コイルは、記号25a,25b,25cとなり、第4図
(a),(b)の実施例に適用されるものである。
電気回路71aは、第7図(g)の回路を示し、端子42
a,42b,42cの出力(第9図(b)の曲線53a,53b,53cに対
応するものとなる。)により、トランジスタ35a,35b,35
cのベース制御が行なわれて導通制御が行なわれる。電
気回路71bは、第7図(g)と全く同じ回路で、コイル1
1がコイル11−1に置換されたものである。
コイル11と11−1は外付部材となる。
電気回路71bの出力は、端子42d,42e,42fより得られ、
かかる出力は端子42a,42b,42cの出力より、180度位相の
おくれた位置検知信号となる。
端子42d,42e,42fの出力により、トランジスタ35d,35
e,35fの導通制御が行なわれるので、電機子コイル25a,2
5b,25cの通電は、一般の3相Y型の通電となり、全く同
じ特性の駆動が行なわれて回転する。
ICピン92dと92fは共通に1本とすることができる。
電動機を逆転する為には、次の手段により行なう。即
ち端子42a,42b,42cの出力により、それぞれトランジス
タ35d,35e,35fのベース制御をして、導通制御を行な
い、同時に端子42d,42e,42fの出力により、トランジス
タ35a,35b,35cのそれぞれのベース制御を行なつて導通
制御をすると逆転する。
この為に電子切替装置が必要となる。端子42a,42b,42
cの出力の切替手段が第7図(h)に示されている。
第7図(h)において、端子42a,42b,42cは、第7図
(f)の同一記号の端子の出力が入力される端子であ
る。
端子94a,94b,94cは、第7図(f)のトランジスタ35
a,35b,35cのベースに接続された反転回路の入力となつ
ている。
端子94d,94e,94fは、トランジスタ35d,35e,35fのそれ
ぞれのベース入力となつている。
端子95にハイレベルの入力があると、アンド回路93a,
93b,93cを介して、端子42a,42b,42cの入力は、端子94a,
94b,94cの出力となる。この状態が第7図(f)の正転
のモードである。端子95の入力がローレベルとなると、
アンド回路93d,93e,93fを介して、端子42a,42b,42cの入
力は、端子94d,94e,94fの出力となり、トランジスタ35
d,35e,35fの導通制御が行なわれて、電動機は逆転のモ
ードとなる。第7図(f)の端子42d,42e,42fの出力に
ついても全く同じ構成の電子切替スイツチにより、通電
のモードの切替が行なわれる。
端子95の入力信号は共通となつているので、端子95の
入力がハイレベルのときには正転し、ローレベルとする
と逆転せしめることができるものである。第7図(f)
の実施例のICに、第7図(d)の定速制御回路を付設す
ると、負荷に対応した電機子電流制御を行なうことがで
き、定速度回転となることは明白である。従つてその説
明は省略する。
又第7図(d)の定速制御回路を付設すると、負荷に
対応した印加電圧の制御を行なうことができ、定速度回
転となることは明白である。従つてその説明も省略す
る。
更に又第7図(e)について説明したように、周知の
ブリツジサーボ回路を第7図(f)のIC回路に付設して
定速制御を及なうこともできる。
第5図(b),(c)のコイル11と11−1の離間角は
180度であるが、一般的な表現とすると、(60+120n)
度で、nは0,1,2,…となる。
〔効果〕
第1に、位置検知素子が1個なので、制御回路の全部
をIC化でき、電動機本体内にICを収納することができ
る。
第2に、位置検知素子をコイルとすることもできるの
で、出力の大きい3相電動機を構成することができる。
第3に、位置検知素子となるコイル2個で駆動する
と、誘導出力より位置検知信号を得る回路が省略できて
回路が簡素化される。コイルはチツプ部品としてICの外
付けができるので、廉価で量産性のある電動機の構成が
できる。又第2項の効果もある。
第4に、電気回路をIC化した場合に1個のICとなるの
で、量産効果により3相整流子電動機とほぼ同じ生産価
格となり有効な手段となる。
第5に、位置検知素子がコイルの場合には、3相電動
機を駆動するときに、制御回路が本体外部にある場合
に、位置検知素子と制御回路との回線が簡素化される。
第6に、定速制御回路が、定電流制御若しくは定電圧
制御手段により行なつているので、電源電圧が変更され
ても同じ制御ICを利用することができる。又定速制御の
ときの電力損失が小さくなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、コアレス型の本発明装置の構成の説明図、第
2図は、第1図の装置のマグネツト回転子と固定電機子
の平面図、第3図は、第1図の装置のマグネツト回転
子、電機子コイルの展開図、第4図は、コアのある形式
の本発明装置の2つの実施例及び位置検知装置の説明
図、第5図は、位置検知素子としてコイルを利用した場
合の位置検知装置の説明図、第6図は、第4図の装置の
マグネツト回転子、電機子コイルの展開図、第7図は、
本発明装置の電機子コイルの通電制御回路図、第8図
は、第7図(d)のブロツク論理回路72の回路図、第9
図は、発明装置の位置検知信号,出力トルクのタイムチ
ヤートをそれぞれ示す。 1……回転子、1a……軸承、2……基板、3,9……円
筒、4……軟鋼板、5,8,14,22……マグネツト回転子、
6,10a,10b,10c,…,25a,25b,25c……電機子コイル、9…
…空孔、5a,5b,…,8a,8b,…,14a,14b,…,24a,24b,……
磁極、7……磁性体板、11a……ホール素子、26,26a,26
b,…,21a,21b,……回転子、およびその段部、11,11−1
……コイル、17,32,32d,32e……IC、15,23……電機子、
12,12a,12b……外筐、13a,13b,20a,20b……軸承、21…
…回転子、18……基板、15a,15b,15c……突極、27a,27
b,38a,38b,33a,33b,33c,…,70,70a,70b,70c……オペア
ンプ、35a,35b,…,35g,35h,……トランジスタ、32a,32
b,32c……矩形波整形回路、72……論理回路、71,71a,71
b……第7図(a)又は(b)又は(g)の電気回路、3
1a,31b……電源正負極、40……発振器、40a,40b……フ
リツプフロツプ回路、39a,39b,39c……微分回路、33a,3
3b,…,33e,33f,33m,33h,33k……オペアンプ、81……増
巾回路、80a,80b……単安定回路、28……不一致回路、7
9a,79b,62……オア回路、44a,44b……磁界曲線、45a,45
b,46,47a,47b,50a,50b,53a,53b,53c……位置検知信号曲
線、51,52……微分パルス曲線、48a,48b,48c,49a,49b,4
9c……トルク曲線、54a,54b,55a,55b,56a,56b,57,58,5
9,73a,73b,74a,74b,75a,75b,76a,76b,76c,77a,77b,77c
……発電力(逆起電力)曲線及び位置検知信号曲線。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3相の半導体電動機において、3相の電機
    子コイルが装着された固定電機子と、該固定電機子に設
    けた軸承により回動自在に支持された回転軸と、該回転
    軸に中央部が固定されて同期回転するとともに、磁束が
    電機子コイルを貫挿して駆動トルクを発生する界磁磁極
    を備えた界磁マグネツト回転子と、該マグネツト回転子
    と同期回転する位置検知用の回転子と、該回転子の回転
    面に対向し、回転位置を検出して、電気角で120度巾の
    第1,第2,第3の互いに隣接した位置検知信号がサイクリ
    ツクに得られる1個の位置検知素子を含む位置検知装置
    と、直流電源正電圧側にエミツタが接続されたPNP型の
    第1,第2,第3のトランジスタ及び負電圧側にエミツタが
    接続されたNPN型の第4,第5,第6のトランジスタよりな
    るトランジスタブリツジ回路にY型接続された前記した
    3相の電機子コイルと、3相の電機子コイルの第1相,
    第2相,第3相の電機子コイルが所定方向に通電された
    ときの両端の電圧を検出し、検出電圧を矩形波に整形し
    て、各相に対応する電気角で180度の巾の第1,第2,第3
    の電気信号列を得る電気回路と、第1,第2,第3の電気信
    号列より、電気角で120度の巾で、互いに電気角で180度
    の位相差のある第4の位置検知信号及びこれより電気角
    で120度位相のおくれた同じ巾、同じ位相差の第5の位
    置検知信号及びこれより電気角で120度位相のおくれた
    同じ巾、同じ位相差の第6の位置検知信号が得られる論
    理回路と、第1,第2,第3の位置検知信号により、それぞ
    れ第1,第2,第3のトランジスタのベース制御を行なつ
    て、各トランジスタを導通せしめる第1のモード若しく
    はそれぞれ第4,第5,第6のトランジスタのベース制御を
    行なつて、各トランジスタを導通せしめる第2のモード
    のいずれかの第1の通電制御回路と、第1のモードの場
    合には、第4,第5,第6の位置検知信号により、第4,第5,
    第6のトランジスタのベース制御を行なつて各トランジ
    スタを導通せしめるとともに、各相の電機子コイルの一
    端の共通の接続点を設定された回転速度に上昇するま
    で、電源負極に接続した第7のトランジスタを介して電
    機子コイルの通電を行ない、第2のモードの場合には、
    第4,第5,第6の位置検知信号により、第1,第2,第3のト
    ランジスタのベース制御を行なつて各トランジスタを導
    通せしめるとともに、各相の電機子コイルの一端の共通
    の接続点を設定された回転速度に上昇するまで、電源正
    極に接続した第7のトランジスタを介して電機子コイル
    の通電を行なう第2の通電制御回路と、回転速度の検出
    回路と、該検出回路の出力信号により、設定速度を保持
    して回転せしめる定速制御回路とより構成されたことを
    特徴とする3相半導体電動機。
  2. 【請求項2】第(1)項記載の特許請求の範囲におい
    て、第1,第2の通電制御回路に直列に接続された抵抗の
    電圧降下より電機子電流値を検出する検出回路と、回転
    速度の検出回路の出力を−端子の入力とし、規準電圧を
    +端子の入力とするオペアンプと、該オペアンプの出力
    を+端子の入力とし、前記した電機子電流の検出回路の
    出力を−端子の入力とするヒステリシス特性を有するオ
    ペアンプと、該オペアンプの出力によりベース制御が行
    なわれるとともに、第1,第2の通電制御回路に直列に接
    続されたトランジスタとより構成されたことを特徴とす
    る3相半導体電動機。
  3. 【請求項3】第(1)項記載の特許請求の範囲におい
    て、第1,第2の通電制御回路とコンデンサの並列回路
    と、該並列回路に直列に接続されたトランジスタと、コ
    ンデンサの充電電圧の検出回路と、回転速度検出回路の
    出力により、回転速度が設定値を越えたときには、前記
    したトランジスタを不導通とし、設定回転速度より降下
    したときには導通せしめる定速制御回路とより構成され
    たことを特徴とする3相半導体電動機。
  4. 【請求項4】第(1)項記載の特許請求の範囲におい
    て、位置検知素子となるホール素子と第1,第2の通電制
    御回路を含む1個の集積回路と、コンデンサ,可変抵抗
    及び電機子コイル等の外付部材とより構成されたことを
    特徴とする3相半導体電動機。
  5. 【請求項5】3相の半導体電動機において、3相の電機
    子コイルが突極に装着された珪素鋼板積層体により作ら
    れた固定電機子と、該固定電機子に設けた軸承により回
    動自在に支持された回転軸と、該回転軸に中央部が固定
    されて同期回転するとともに、磁束が突極及び電機子コ
    イルを貫挿して駆動トルクを発生する界磁マグネツト回
    転子と、該マグネツト回転子と同軸で同期回転する導体
    回転子と、該導体回転子の回転面に空隙を介して対向す
    る第1のコイル及び該コイルより電気角で(60+120n)
    度…nは零を含む正整数…離間した第2のコイルと、第
    1,第2のコイルに高周波交流を通電せしめる発振器と、
    導体回転子が電気角で120度回転する毎に、順次に第1,
    第2のコイルによる渦流損失を変化せしめて、インダク
    タンスが変化する装置と、第1のコイルのインダクタン
    スの変化を検知して、電気角で120度の巾で、180度の位
    相差の第1の位置検知信号及びこれより電気角で120度
    位相のおくれた同じ巾,同じ位相差の第2の位置検知信
    号及びこれより電気角で120度位相がおくれた同じ巾,
    同じ位相差の第32の位置検知信号を得る電気回路と、第
    2のコイルのインダクタンスの変化を検知して、第1,第
    2,第3の位置検知信号よりそれぞれ電気角で180度位相
    のおくれた同じ性質の第4,第5,第6の位置検知信号を得
    る電気回路と、直流電源正電圧側にエミツタが接続され
    たPNP型の第1,第2,第3のトランジスタ及び負電圧側に
    エミツタが接続されたNPN型の第4,第5,第6のトランジ
    スタよりなるトランジスタブリツジ回路にY型接続され
    た前記した3層の電機子コイルと、第1,第2,第3の位相
    検知信号により、それぞれ第1,第2,第3のトランジスタ
    のベース制御を行なつて各トランジスタを導通せしめる
    第1の通電制御回路と、第4,第5,第6の位置検知信号に
    より、それぞれ第4,第5,第6のトランジスタのベース制
    御を行なつて各トランジスタを導通せしめる第2の通電
    制御回路と、回転速度の検出回路と、該検出回路の出力
    信号により、設定速度を保持して回転せしめる定速制御
    回路とより構成されたことを特徴とする3相半導体電動
    機。
  6. 【請求項6】第(5)項記載の特許請求の範囲におい
    て、第1,第2の通電制御回路に直列に接続された抵抗の
    電圧降下より電機子電流値を検出する検出回路と、回転
    速度の検出回路の出力を−端子の入力とし、規準電圧を
    +端子の入力とするオペアンプと、該オペアンプの出力
    を+端子の入力とし、前記した電機子電流の検出回路の
    出力を−端子の入力とするヒステリシス特性を有するオ
    ペアンプと、該オペアンプの出力によりベース制御が行
    なわれるとともに、第1,第2の通電制御回路に直列に接
    続されたトランジスタとより構成されたことを特徴とす
    る3相半導体電動機。
  7. 【請求項7】第(5)項記載の特許請求の範囲におい
    て、第1,第2の通電制御回路とコンデンサの並列回路
    と、該並列回路に直列に接続されたトランジスタと、コ
    ンデンサの充電電圧の検出回路と、回転速度検出回路の
    出力により、回転速度が設定値を越えたときには、前記
    したトランジスタを不導通とし、設定回転速度より降下
    したときには導通せしめる定速制御回路とより構成され
    たことを特徴とする3相半導体電動機。
  8. 【請求項8】第(5)項記載の特許請求の範囲におい
    て、第1,第2の通電制御回路を含む1個の集積回路と、
    第1,第2のコイル、可変抵抗及びコンデンサ等の外付部
    材とより構成されたことを特徴とする3相の半導体電動
    機。
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