JP2534517Y2 - リクライニングシート - Google Patents

リクライニングシート

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JP2534517Y2
JP2534517Y2 JP10730590U JP10730590U JP2534517Y2 JP 2534517 Y2 JP2534517 Y2 JP 2534517Y2 JP 10730590 U JP10730590 U JP 10730590U JP 10730590 U JP10730590 U JP 10730590U JP 2534517 Y2 JP2534517 Y2 JP 2534517Y2
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至尚 坂井
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天龍工業株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、リクライニングシート、特にバックシート
の側部に操作空間のないバスや列車等の乗物において使
用されるリクライニングシートに関するものである。
(従来の技術) バスや列車等において採用されているリクライニング
シートにおいては、狭い車室内を有効に利用するため
に、通路を除いた互いの位置を制限一杯に詰めるととも
に、できるだけ窓際に接近させた状態で配置する必要が
ある。
また、リクライニングシートは、シートに対してリク
ライニングした、つまり倒した場合に、その上部を少し
持ち上げるような状態にすると、使用者は安楽な状態で
使用することができることから、その上部がリクライニ
ング時に少し前方に折曲できるようにすると便利であ
る。すなわち、リクライニングシートを使用する人にと
って、例えば上体を倒して新聞等を読みたい場合、上体
は倒した状態にあってもその頭部を起こした状態にした
い場合があるのである。
このようなリクライニングシートとしては、例えば、
特公昭63−13853号公報における「自動車用シートのリ
クライニング装置」等のように、車体側に取り付けられ
るシートボトムに対して、傾度自在なシートバックを上
下に2分割し、この上下シートバックに夫々リクライニ
ング装置を付けたものが種々提案されている。この特公
昭63−13853号公報に示されている「リクライニング装
置」は、同公報の第3欄の37行目以下に記載されている
如く、「第2リクライニング装置8は、ロアシートバッ
ク7に固定したブラケット15とアッパーシートバック9
に固定したブラケット16とを枢軸17を介して回動自在に
連結し、調節レバー18の操作によりブラケット16を揺動
してアッパーシートバック9の傾斜角度を調節できるよ
うにしている」ものであるが、特に「調節レバー18」が
「アッパーシートバック9」と「ロアシートバック7」
との境界部分において前方に大きく突出しているもので
ある。このように、「調節レバー18」が各シートバック
間において前方に大きく突出していると、その操作自体
が非常に困難であるだけでなく、この「調節レバー18」
自体が隣接するリクライニングシート間での使用者の移
動時等において非常に邪魔になるものである。
以上のことは、実公昭63−42855号公報において提案
されている「自動車用シートバックの構造」における
「つまみ部26」についても言えることである。
換言すれば、従来既に提案されているリクライニング
シートにおいては、これをバスや列車等の車室内空間の
限られた乗物において採用することを全く考慮していな
いのであり、特にリクライニングシートの側部に何も付
けたくないバスや列車等の乗物に適用できる折曲式シー
トバックが要望されてきているのである。
そこで、本考案者等は、バスや列車等の乗物に適用で
きる折曲式シートバックを、簡単な構造で提供するには
どうしたらよいかについて鋭意研究してきた結果、本考
案を完成したのである。
(考案が解決しようとする課題) 本考案は以上のような経緯に基づいてなされたもの
で、その解決しようとする課題は、リクライニングシー
トにおける折曲式シートバックの操作性の向上、及びシ
ートバック自体における突出物の除去である。
そして、本考案の目的とするところは、その操作を隣
接するリクライニングシートの使用者に邪魔にならない
ように行なうことができ、狭い空間内にてのシートバッ
クのリクライニングを確実に行なうことができて、しか
もシートバックを狭い空間内にて最大限有効に設置する
ことができる折曲式シートバックを備えたリクライニン
グシートを簡単な構造によって提供することにある。
(課題を解決するための手段) 以上の問題点を解決するために、まず、第一請求項に
記載の考案が採った手段は、実施例において使用する符
号を付して説明すると、 「シート(10)に対してリクライニング可能なロアシ
ートバック(20A)を構成するロアシートバックフレー
ム(21a)の上端に、アッパーシートバック(20B)を構
成するアッパーシートバックフレーム(21b)の下端を
回動可能に連結することによって、前記アッパーシート
バック(20B)をロアシートバック(20A)に対して前方
へ折曲可能としたシートバック(20)を備えたリクライ
ニングシート(100)において、 ロアシートバックフレーム(21a)を中間連結軸(2
3)にて前記シート(10)のシートフレーム(11)に対
して回動自在に連結するとともに、このリアシートバッ
クフレーム(21a)の下端にシートバック駆動装置(2
4)を連結し、 アッパーシートバックフレーム(21b)の下端に前方
へ突出させて設けた連結アーム(25)に上端が回動自在
に連結され、下端がシートフレーム(11)とロアシート
バックフレーム(21a)との中間連結軸(23)の前方部
分に回動自在に連結された連結ロッド(30)を、ロアシ
ートバックフレーム(21a)の前方側に配置したことを
特徴とするリクライニングシート(100)」 である。
すなわち、本考案に係るリクライニングシート(10
0)においては、シートバック(20)を二分割して構成
したロアシートバック(20A)とアッパーシートバック
(20B)とを折曲自在なものとするとともに、アッパー
シートバック(20B)を構成するアッパーシートバック
フレーム(21b)の下端に前方に突出する連結アーム(2
5)を一体的に形成して、この連結アーム(25)に、ロ
アシートバック(20A)の傾動をアッパーシートバック
(20B)側に連動して伝達するための連結ロッド(30)
を、ロアシートバックフレーム(21a)と略平行に配置
して連結したものである。
また、第二請求項に係る考案の採った手段は、同様
に、 「シート(10)に対してリクライニング可能なロアシー
トバック(20A)を構成するロアシートバックフレーム
(21a)の上端に、アッパーシートバック(21B)を構成
するアッパーシートバックフレーム(21b)の下端を回
動可能に連結することによって、前記アッパーシートバ
ック(20B)をロアシートバック(20A)に対して前方へ
折曲可能としたシートバック(20)を備えたリクライニ
ングシート(100)において、 ロアシートバックフレーム(21a)を中間連結軸(2
3)にてシート(10)のシートフレーム(11)に対して
回動自在に連結するとともに、このロアシートバックフ
レーム(21a)の下端にシートバック駆動装置(24)を
連結し、 アッパーシートバックフレーム(21b)の下端に前方
へ突出させて設けた連結アーム(25)に上端が回動自在
に連結され、下端が前記シートフレーム(11)とロアシ
ートバックフレーム(21a)との中間連結軸(23)の前
方部分に回動自在に連結された連結ロッド(30)を、中
間連結軸(23)に回動自在に連結した連結板(26)の一
端に連結するとともに、 この連結板(26)の他端に、シートバック駆動装置
(24)と略平行に配置したリンク駆動装置(27)を連結
したことを特徴とするリクライニングシート(100)」 である。
すなわち、この第二請求項に係るリクライニングシー
ト(100)においては、第一請求項に係る折曲構造に対
して、中間連結軸(23)に対して略L字状の連結板(2
6)を回動自在に支持させて、この連結板(26)の上端
に連結ロッド(30)を連結するとともに、この連結板の
他端にシートバック駆動装置(24)と同様な構成を有す
るリンク駆動装置(27)を連結したものである。これに
より、シートバック駆動装置(24)によってロアシート
バックフレーム(21a)を倒してからこのリンク駆動装
置(27)を作動させることにより、連結ロッド(30)を
積極的に駆動させて、アッパーシートバック(20B)を
折曲するようにいたものなのである。
さらに、第三請求項に係る考案の採った手段は、同様
に、 「シート(10)に対してリクライニング可能なシートバ
ック(20A)を構成するロアシートバックフレーム(21
a)の上端に、アッパーシートバック(20B)を構成する
アッパーシートバックフレーム(21b)の下端を回動可
能に連結することによって、前記アッパーシートバック
(20B)をロアシートバック(20A)に対して前方へ折曲
可能としたシートバック(20)を備えたリクライニング
シート(100)において、 アッパーシートバックフレーム(21b)の下端に前方
へ突出する連結アーム(25)を形成して、この連結アー
ム(25)の前端または後端に前記ロアシートバックフレ
ーム(21a)の上端を回動可能に連結し、 このロアシートバックフレーム(21a)の背面側また
は前面側に伸縮する作動ロッド(41)を有した駆動装置
(40)を配置して、この駆動装置(40)の下端をロアシ
ートバックフレーム(21a)側に連結するとともに、そ
の上端を連結アーム(25)の後端または前端に連結した
ことを特徴とするリクライニングシート(100)」 である。
すなわち、このリクライニングシート(100)におい
ては、アッパーシートバック(20B)をロアシートバッ
ク(20A)に対して折曲自在に構成するとともに、アッ
パーシートバック(20B)を構成するアッパーシートバ
ックフレーム(21b)の下端に前方に突出する連結アー
ム(25)を一体的に形成して、この連結アーム(25)
に、ロアシートバックフレーム(21a)と略平行に配置
した駆動装置(40)を連結したものである。
(考案の作用及び使用の態様) 以上のように構成した各考案に係るリクライニングシ
ート(100)の作用を、シートバック(20)の使用と態
様と併せて説明する。
・第一請求項について まず使用者がリクライニングシート(100)のシート
バック(20)全体のリクライニングを行いたい場合に
は、側板(13)に設けた操作装置(50)を操作してシー
トバック駆動装置(24)を駆動させるのである。シート
バック駆動装置(24)が駆動させれば、ロアシートバッ
ク(20A)側のロアシートバックフレーム(21a)がシー
トフレーム(11)に対して回動されるから、一般的なリ
クライニングシートにおけるように、ロアシートバック
(20A)のリクライニングがなれるのである。勿論、シ
ートバック(20)はロアシートバック(20A)とアッパ
ーシートバック(20B)とを連結して構成してあるか
ら、ロアシートバック(20A)がリクライニングされれ
ば、アッパーシートバック(20B)もリクライニングさ
れるのである。
このロアシートバック(20A)を倒したとき、このロ
アシートバック(20A)にはそのロアシートバックフレ
ーム(21a)及び連結ロッド(30)を介してアッパーシ
ートバック(20B)が連結されているから、このロアシ
ートバック(20A)の倒伏に連動してアッパーシートバ
ック(20B)が次のように僅かに起上するのである。つ
まり、第1図及び第2図にて示した実施例においては、
中間連結軸(23)を介してシートフレーム(11)に連結
したロアシートバックフレーム(21a)の上端が連結軸
(22)を介してアッパーシートバックフレーム(21b)
側に連結してあり、このロアシートバックフレーム(21
a)と略平行に配置した連結ロッド(30)は、その下端
がシートフレーム(11)と一体的な連結板(26)の前端
部に下端連結軸(31)にて連結され、その上端がロアシ
ートバックフレーム(21a)の下端に前方に突出させて
形成した連結アーム(25)の前端に上端連結軸(32)を
介して連結してあるから、これらの下端連結軸(31)、
上端連結軸(32)、連結軸(22)及び中間連結軸(23)
を頂点とする一つの平行四辺形が形成されていることに
なる。
同様に、第3図に示した実施例においては、連結ロッ
ド(30)、シートフレーム(11)の後端上部、ロアシー
トバックフレーム(21a)及びアッパーシートバックフ
レーム(21b)の連結アーム(25)によって、連結ロッ
ド(30)とシートフレーム(11)との下端連結軸(3
1)、中間連結軸(23)、連結軸(22)及び上端連結軸
(32)を4つの頂点とする一つの平行四辺形が形成され
ていることになる。
上記の各実施例における各平行四辺形においては、連
結ロッド(30)の下端連結軸(31)とアッパーシートバ
ックフレーム(21b)の中間連結軸(23)とが作る下端
辺がシートフレーム(11)に対して位置不変なものであ
るから、ロアシートバック(20A)すなわち、ロアシー
トバックフレーム(21a)が倒伏すれば、この下端辺と
平行な連結アーム(25)はその下端辺と平行な状態を維
持しながらロアシートバック(20A)の倒伏に従って例
えば第2図に示したような位置にまで移動するのであ
る。このとき、連結アーム(25)は常に下端連結軸(3
1)と中間連結軸(23)とが作る辺と平行状態を維持す
るのであるから、アッパーシートバックフレーム(21
b)はその連結アーム(25)にて連結ロッド(30)によ
り引かれるため、ロアシートバックフレーム(21a)と
の連結軸(22)に中心に図示反時計方向に回動すること
になる。つまり、ロアシートバック(20A)が倒伏され
たとき、アッパーシートバック(20B)はロアシートバ
ック(20A)とともに後方に倒れながら、第2図に示し
たように、その上端が僅かに起き上がるのであり、この
アッパーシートバック(20B)の作用はロアシートバッ
ク(20A)と連動しているものである。
・第二請求項について 以上の第一請求項に係るリクライニングシート(10
0)においては、アッパーシートバック(20B)の初期折
曲は、ロアシートバック(20A)の動きと連動している
ものであるが、このアッパーシートバック(20B)の折
曲はリンク駆動装置(27)の作動によりさらに積極的に
折曲できるものである。
すなわち、このリクライニングシート(100)におい
ては、第4図及び第5図に示すように、リンク駆動装置
(27)を駆動させることにより、連結板(26)が中間連
結軸(23)を中心に、例えば第4図の図示反時計方向に
回動されるから、これによりアッパーシートバックフレ
ーム(21b)に連結されている連結ロッド(30)が図示
下方に更に引かれることになる。これにより、アッパー
シートバックフレーム(21b)はそれまでの前傾状態以
上に前傾することになって、アッパーシートバック(20
B)の折曲がより一層積極的になされるのである。これ
により、使用者はアッパーシートバック(20B)の前傾
状態を選択するに際して、その選択範囲が十分なものと
なっているため、好みに応じたアッパーシートバック
(20B)の前傾状態を任意に選択し得るのである。
・第三請求項について 上述した第一請求項に係るリクライニングシート(10
0)においてはアッパーシートバック(20B)はロアシー
トバック(20A)の操作と完全に連動しているものであ
ったが、この第三請求項に係るリクライニングシート
(100)においては、アッパーシート(20B)のロアシー
トバック(20A)に対する傾動は、使用者による駆動装
置(40)の操作によって任意に行われるものであり、言
わばロアシートバック(20A)の傾動に対して独立的な
ものである。
すなわち、第6図に示すように、この考案において
は、アッパーシートバック(20B)のアッパーシートバ
ックフレーム(21b)は、ロアシートバック(20A)のロ
アシートバックフレーム(21a)の上端に対して連結軸
(22)にて回動自在に連結されてはいるが、このアッパ
ーシートバックフレーム(21b)の下端に一体的に形成
した連結アーム(25)とロアシートバックフレーム(21
a)間には一つの操作装置(50)によって操作される駆
動装置(40)が配置しあって、アッパーシートバックフ
レーム(21b)はこの駆動装置(40)とロアシートバッ
クフレーム(21a)とによって支持されているのであ
る。
ここで、使用者がリクライニングされたシートバック
(20)上にて新聞等を読みたい場合には、アッパーシー
トバック(20B)をロアシートバック(20A)に対して前
方に少し起す必要があるのであるが、その操作は、側板
(13)の凹所(14)内に設けた二つの操作装置(50)の
内の一つを操作して、ロアシートバック(20A)のロア
シートバックフレーム(21a)と平行に設けた駆動装置
(40)を駆動させるのである。駆動装置(40)が駆動さ
れると、この駆動装置(40)の作動ロッド(41)が伸縮
する。第6図に示した実施例においては、この駆動装置
(40)がロアシートバックフレーム(21a)の背面側に
設けてあるとともに、その基体がアッパーシートバック
フレーム(21b)側に一体的な連結アーム(25)の後端
と連結軸(22)に連結してあり、第7図に示すように、
駆動装置(40)の作動ロッド(41)はロアシートバック
フレーム(21a)側に連結したものが示してあるから、
この実施例においては作動ロッド(41)は伸長するので
ある。これにより、アッパーシートバックフレーム(21
b)はその連結アーム(25)の後端にて図示上方に押し
上げられるから、このアッパーシートバックフレーム
(21b)はロアシートバックフレーム(21a)の上端連結
軸(32)に対して起上するのである。これにより、ロア
シートバック(20A)とアッパーシートバック(20B)と
からなるシートバック(20)が倒伏された場合に、操作
装置(50)の任意の操作によって、倒伏されたロアシー
トバック(20A)に対してアッパーシートバック(20B)
は第6図の仮想線にて示したように起上して、使用者は
安楽な姿勢で新聞等を読むことができるようになるので
ある。
なお、このアッパーシートバック(20B)のロアシー
トバック(20A)に対する傾斜角度は、使用者が駆動装
置(40)の駆動停止時期を任意に決定することにより行
えばよく、操作装置(50)による操作を止めたときにア
ッパーシートバック(20B)のロアシートバック(20A)
に対する傾斜動作が停止するから、アッパーシートバッ
ク(20B)のロアシートバック(20A)に対する傾斜角度
は任意の状態に設定可能である。
勿論、ロアシートバック(20A)に対して傾斜させた
アッパーシートバック(20B)を元の状態に戻したい場
合には、前述したのと逆の操作を行なえばよく、駆動装
置(40)としてモーター等の駆動源を採用したものであ
る場合にはその回転方向を逆にする操作を行ない、また
駆動装置(40)として圧縮スプリングや圧力流体を収納
したものを採用したものである場合には、使用者がアッ
パーシートバック(20B)に後方への力を入れて戻せば
よいものである。
以上のいずれの場合にも、シートバック(20)におい
てはこれ自体、及びロアシートバック(20A)に対する
アッパーシートバック(20B)の傾斜角度が変化するの
みで、シートバック(20)の周囲には何等の突出物がな
いのであるから、このリクライニングシート(100)を
互いに近接した状態で配置することが可能であることは
当然として、このリクライニングシート(100)は乗物
の窓側に接近させて配置できるものとなっているのであ
る。従って、このリクライニングシート(100)は、こ
れをバスや列車等の車室内空間の限られた乗物におい
て、採用するのに十分適したものとなっているのであ
る。
(実施例) 次に、本考案に係るリクライニングシート(100)
を、図面に示した各実施例に従って詳細に説明する。
・第一請求項について 第1図及び第2図には、シートバック(20)を備えた
第一請求項に係るリクライニングシート(100)の側面
図が示してあり、このリクライニングシート(100)
は、シート(10)に対してリクライニング可能なロアシ
ートバック(20A)を構成するロアシートバックフレー
ム(21a)の上端に、アッパーシートバック(20B)を構
成するアッパーシートバックフレーム(21b)の下端を
回動可能に連結することによって、アッパーシートバッ
ク(20B)をロアシートバック(20A)に対して前方へ折
曲可能としたシートバック(20)を備えたものである。
すなわち、このリクライニングシート(100)におい
ては、ロアシートバック(20A)を構成するロアシート
バックフレーム(21a)を、シート(10)を支持してい
るシートフレーム(11)の後部上端に中間連結軸(23)
を介して回動可能に支持したものであり、このロアシー
トバックフレーム(21a)の下端に連結したシートバッ
ク駆動装置(24)の一端をシートフレーム(11)側に連
結して、このシートバック駆動装置(24)の操作によっ
てこのロアシートバック(20A)のリクライニングを行
なうように構成してある。また、ロアシートバック(20
A)のロアシートバックフレーム(21a)の上端側には、
略水平状態にある連結軸(22)が支持してあり、この連
結軸(22)にアッパーシートバック(20B)のアッパー
シートバックフレーム(21b)の下端部が回動自在に連
結してある。これにより、このアッパーシートバック
(20B)は、ロアシートバック(20A)に対してリクライ
ニング可能となっているのである。
また、この第1図及び第2図に示したリクライニング
シート(100)にあっては、連結板(26)が中間連結軸
(23)を利用しながらシートフレーム(11)側に一体的
に設けてあり、この連結板(26)は、その上部前端部が
中間連結軸(23)の前方に位置するように形成してあ
る。一方、ロアシートバックフレーム(21a)の上端に
連結してあるアッパーシートバックフレーム(21b)の
下端には前方に突出する連結アーム(25)が一体的に形
成してある。そして、ロアシートバックフレーム(21
a)の前方側には、これと略平行に連結ロッド(30)が
配置してあるのである。
連結ロッド(30)は、その下端連結軸(31)により連
結板(26)の前端に回動可能に連結してあり、またその
上端連結軸(32)により連結アーム(25)の前端に回動
可能に連結したものであり、前述した連結アーム(2
5)、ロアシートバックフレーム(21a)及び連結板(2
6)とによって一つの平行四辺形を形成しているもので
ある。
以上の第1図及び第2図に示した実施例においては、
連結ロッド(30)の下端連結軸(31)を連結するための
連結板(26)をシートフレーム(11)とは別体に構成し
たものを例示しているが、この下端連結軸(31)は、第
3図に示すように、シートフレーム(11)に直接連結し
て実施してもよいものである。第1図のリクライニング
シート(100)が連結板(26)を採用しているのは、シ
ート(10)やシートフレーム(11)等の状態によって
は、第3図に示したようなシートフレーム(11)そのも
のに対して連結ロッド(30)の下端連結軸(31)を連結
することができないことがあり、そのような場合に、下
端連結軸(31)の連結場所を確保するためである。従っ
て、第一請求項に係る考案を実施するにあたっては、シ
ートフレーム(11)に下端連結軸(31)のための部分が
確保できれば、この連結板(26)は必ずしも必要なもの
ではないが、いずれの場合も、連結ロッド(30)の下端
連結軸(31)を中間連結軸(23)の前方に配置する必要
はある。
・第二請求項について 第4図及び第5図には、第二請求項に係るリクライニ
ングシート(100)が示してあるが、このリクライニン
グシート(100)においては、第一請求項に係るリクラ
イニングシート(100)において採用されている連結ロ
ッド(30)が、中間連結軸(23)に回動自在に連結され
た連結板(26)、及びこの連結板(26)に連結したリン
ク駆動装置(27)を介して積極的に駆動されるものであ
る点が第一請求項のそれと異なっているものである。な
お、その他の構成については、第一請求項における構成
と略同じであるので、共通する部材について同一符号を
付すことによって、その説明は省略する。
さて、このリクライニングシート(100)におけるリ
ンク駆動装置(27)は、第5図に示したように、シート
バック駆動装置(24)と同様な構成を有していてこれと
略平行に配置されるものである。勿論、このリンク駆動
装置(27)は、シート(10)のアームレスト等に設けた
スイッチによりシートバック駆動装置(24)とは独立し
て駆動されるものである。そして、このリンク駆動装置
(27)に対しては、図示上端が連結ロッド(30)に連結
される略L字状の連結板(26)の下端に連結されるもの
である。
連結板(26)は、ロアシートバックフレーム(21a)
を支持している中間連結軸(23)を共通の支持軸として
連結されるものであり、本実施例においては、この中間
連結軸(23)に対して自由に回動し得るものとしてあ
る。
・第三請求項について 第6図及び第7図には、第三請求項に係るリクライニ
ングシート(100)が示してあるが、このリクライニン
グシート(100)は、第一請求項に係るリクライニング
シート(100)が有していた連結ロッド(30)に代え
て、使用者の操作によって伸縮する駆動装置(40)を有
している点が第一請求項に係るそれぞれと異なる点であ
る。なお、その他の構成部材で第一請求項に係るリクラ
イニングシート(100)と共通するものについては、同
一部材に同一符号を付してその説明を省略する。
第6図に示した駆動装置(40)は、本実施例の場合前
述したシートバック駆動装置(40)と同様な構成を有し
たものであって、圧縮スプリングまたは圧力流体を封入
したものであり、第7図に示したように、その図示下端
に設けたスイッチ(42)を操作ケーブル(28)を介して
操作される操作レバー(43)の揺動によって押動するこ
とにより、作動ロッド(41)を伸張するように構成した
ものである。この駆動装置(40)としては、他に例えば
モーターとボールネジとを組み合わせたものを採用する
ことができるものである。
第6図に示した実施例においては、この駆動装置(4
0)は、ロアシートバックフレーム(21a)の背面側に配
置してあって、その基体の上端をアッパーシートバック
フレーム(21b)と一体的な連結アーム(25)の後端に
連結軸(22)により連結してあり、一方駆動装置(40)
の作動ロッド(41)の図示下端は、第7図に示したよう
に、ロアシートバックフレーム(21a)の下端背面に取
付けたブラケット(44)に回動自在に連結してある。そ
して、この駆動装置(40)は、作動ロッド(41)の図示
下端に設けたスイッチ(42)を操作ケーブル(28)によ
って操作される操作レバー(43)により、基体内の圧力
流体の流れを変えて作動ロッド(41)を伸縮させるもの
である。なお、この実施例の駆動装置(40)において
は、その作動ロッド(41)を元位置に復帰させるために
は、使用者がアッパーシートバック(20B)に背中で力
を入れることにより行うようになっている。
また、操作ケーブル(28)の先端は、側板(13)等に
設けた操作装置(50)に連結してあり、この操作装置
(50)を使用者が任意に操作することにより、駆動装置
(40)の作動を行うものである。なお、この操作ケーブ
ル(28)としては、駆動装置(40)の駆動を遠隔(手
元)操作するものであるから駆動装置(40)の構成に応
じたものが採用されるものであり、本実施例においては
所謂ケーブルを採用してある。勿論、駆動装置(40)と
してモーターを採用するものであれば、この操作ケーブ
ル(28)としては電力線が採用される。
なお、本実施例においては、上記駆動装置(40)を駆
動操作するための操作装置(50)が側板(13)に形成し
た凹所(14)内に設けてあり、これにより各操作装置
(50)が直接使用者の手等に触れないようにしてある。
また、側板(13)に対しては、当該リクライニングシー
ト(100)を使用する使用者のためのアームレスト(1
2)が設けてあり、このアームレスト(12)は側板(1
3)に対して回動可能なものとしてある。
第6図に示した実施例においては、駆動装置(40)を
ロアシートバックフレーム(21a)の背面側に配置し
て、ロアシートバック(20A)をリクライニングしたと
きに作動ロッド(41)を伸長させることにより、アッパ
ーシートバック(20B)の前傾を行うようにした例が示
してあるが、この駆動装置(40)をロアシートバックフ
レーム(21a)の前面側に配置して実施してもよいもの
である。この場合には、駆動装置(40)の基体を連結ア
ーム(25)の前端に連結するとともにロアシートバック
フレーム(21a)の上端を連結アーム(25)の後端側に
連結する必要はある。そして、このときの駆動装置(4
0)としては、アッパーシートバック(20B)の前傾を行
う場合に、その作動ロッド(41)が縮小するものを採用
する必要がある。
(考案の効果) 以上説明したように、第一請求項に係る考案にあって
は、上記実施例にて例示した如く、ロアシートバック
(20A)内に、ロアシートバックフレーム(21a)、連結
アーム(25)及び連結ロッド(30)によって構成される
平行四辺形を構成して、この平行四辺形の下辺をシート
フレーム(11)側に固定するとともに、平行四辺形の上
辺側にアッパーシートバック(20B)を一体化したこと
にその構成上の特徴があり、これにより、その操作を隣
接するリクライニングシートと使用者に邪魔にならない
ように行うことができ、狭い空間内にてのシートバック
のリクライニングを確実に行なうことができて、しかも
シートバックを狭い空間内にて最大限有効に設置するこ
とができるリクライニングシート(100)を簡単な構造
によって提供することができるのである。
また、第二請求項に係るリクライニングシート(10
0)においては、連結ロッド(30)を略L字状の連結板
(26)を介して、シートバック駆動装置(24)とは別の
リンク駆動装置(27)に連結したから、このリンク駆動
装置(27)を作動させることにより、アッパーシートバ
ック(20B)を使用者の好みに応じてより一層折曲する
ことができるのである。これにより、この第二請求項に
係るリクライニングシート(100)によれば、そのアッ
パーシートバック(20B)の傾動をより一層使用者の好
みに応じた任意のものとすることができるのである。
さらに、第三請求項に係るリクライニングシート(10
0)においては、ロアシートバックフレーム(21a)の上
端にアッパーシートバックフレーム(21b)を回動可能
に連結するとともに、ロアシートバックフレーム(21
a)と平行で作動ロッド(41)が伸縮する駆動装置(4
0)を配置したことにその特徴があり、これにより、上
記第一請求項に係る考案と同様な効果を有しているとと
もに、駆動装置(40)の操作を使用者の好みに応じて任
意に行うことができて、使用者の便ならしめるリクライ
ニングシート(100)を提供することができるのであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は第一請求項の考案に係るリクライニングシート
の概略側面図、第2図はシートバックを傾斜させた状態
のリクライニングシートの側面図、第3図は第一請求項
に係る考案の他の実施例を示すリクライニングシートの
側面図、第4図及び第5図は第二請求項に係る考案を示
すもので、第4図はこれを採用したリクライニングシー
トの概略側面図、第5図は連結ロッドとリンク駆動装置
との関係を示す部分拡大斜視図、第6図は第三請求項の
考案に係るリクライニングシートの概略側面図、第7図
は第6図のV−V線部の部分拡大側面図である。 符号の説明 100…リクライニングシート、10…シート、11…シート
フレーム、13…側板、20…シートバック、20A…ロアシ
ートバック、20B…アッパーシートバック、21a…ロアシ
ートバックフレーム、21b…アッパーシートバックフレ
ーム、22…連結軸、23…中間連結軸、24…シートバック
駆動装置、25…連結アーム、26…連結板、27…リンク駆
動装置、30…連結ロッド、31…下端連結軸、32…上端連
結軸、40…駆動装置、41…作動ロッド、50…操作装置。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートに対してリクライニング可能なロア
    シートバックを構成するロアシートバックフレームの上
    端に、アッパーシートバックを構成するアッパーシート
    バックフレームの下端を回動可能に連結することによっ
    て、前記アッパーシートバックを前記ロアシートバック
    に対して前方へ折曲可能としたシートバックを備えたリ
    クライニングシートにおいて、 前記ロアシートバックフレームを中間連結軸にて前記シ
    ートのシートフレームに対して回動自在に連結するとと
    もに、このリアシートバックフレームの下端にシートバ
    ック駆動装置を連結し、 前記アッパーシートバックフレームの下端に前方へ突出
    させて設けた連結アームに上端が回動自在に連結され、
    下端が前記シートフレームとロアシートバックフレーム
    との中間連結軸の前方部分に回動自在に連結された連結
    ロッドを、前記ロアシートバックフレームの前方側に配
    置したことを特徴とするリクライニングシート。
  2. 【請求項2】シートに対してリクライニング可能なロア
    シートバックを構成するロアシートバックフレームの上
    端に、アッパーシートバックを構成するアッパーシート
    バックフレームの下端を回動可能に連結することによっ
    て、前記アッパーシートバックを前記ロアシートバック
    に対して前方へ折曲可能としたシートバックを備えたリ
    クライニングシートにおいて、 前記ロアシートバックフレームを中間連結軸にて前記シ
    ートのシートフレームに対して回動自在に連結するとと
    もに、ロアシートバックフレームの下端にシートバック
    駆動装置を連結し、 前記アッパーシートバックフレームの下端に前方へ突出
    させて設けた連結アームに上端が回動自在に連結され、
    下端が前記シートフレームとロアシートバックフレーム
    との中間連結軸の前方部分に回動自在に連結された連結
    ロッドを、前記中間連結軸に回動自在に連結した連結板
    の一端に連結するとともに、 この連結板の他端に、前記シートバック駆動装置と略平
    行に配置したリンク駆動装置を連結したことを特徴とす
    るリクライニングシート。
  3. 【請求項3】シートに対してリクライニング可能なロア
    シートバックを構成するロアシートバックフレームの上
    端に、アッパーシートバックを構成するアッパーシート
    バックフレームの下端を回動可能に連結することによっ
    て、前記アッパーシートバックを前記ロアシートバック
    に対して前方へ折曲可能としたシートバックを備えたリ
    クライニングシートにおいて、 前記アッパーシートバックフレームの下端に前方へ突出
    する連結アームを形成して、この連結アームの前端また
    は後端に前記ロアシートバックフレームの上端を回動可
    能に連結し、 このロアシートバックフレームの背面側または前面側に
    伸縮する作動ロッドを有した駆動装置を配置して、この
    駆動装置の下端を前記ロアシートバックフレーム側に連
    結するとともに、その上端を前記連結アームの後端また
    は前端に連結したことを特徴とするリクライニングシー
    ト。
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