JP2534353Y2

JP2534353Y2 - 目地カバー装置

Info

Publication number: JP2534353Y2
Application number: JP13032590U
Authority: JP
Inventors: 昭三小林
Original assignee: カネソウ株式会社
Priority date: 1990-11-30
Filing date: 1990-11-30
Publication date: 1997-04-30
Anticipated expiration: 2005-11-30
Also published as: JPH0486804U

Description

【考案の詳細な説明】〈産業上の利用分野〉本考案は、側壁と、床面，天井面等の水平壁とを有
し、該側壁相互及び水平壁相互をほぼ面一として隣接す
る構築物間に適用するものであって、前記水平壁間の目
地を覆う目地カバー装置の改良に関する。

〈従来技術〉隣接する構築物間にあって、側壁と、該側壁と直交状
に交叉する水平壁（床壁または天井壁）とを有し、該側
壁相互及び水平壁相互をほぼ面一として隣接する構築物
間の目地を、各構築物の相対移動に追従して覆うものは
実開平2-36810号等に開示されている。

このものは、一方の壁面側に沿って設けられたカバー
板の端縁に摺動可能に装着した端部カバー片を押しバネ
の作用により、他方の壁面側に弾接するものである。

〈考案が解決しようとする問題点〉ところで上述の構成にあっては、該押しバネの伸張ス
トロークを越える構築物間の相対移動を生ずると、端部
カバー片が他方の壁面側に弾接することができず、この
ため、該端部カバー片と壁面との間に空隙を生ずるとい
う問題があった。

また、前記押しバネは端部カバー片とカバー板との間
に付装するものであり、その後端はカバー板側に固定さ
れることとなり、該カバー板にバネ掛け片を溶接固定す
る必要がある。しかもカバー板の長さは現場で調整する
必要があるから、あらかじめバネ掛け片を取付けておく
ことはできず、現場施工に頼らざるをえない。このた
め、施工が面倒であるという問題点があった。

本考案は、側壁と、該側壁と直交状に交叉する水平壁
とを有し、該側壁相互及び水平壁相互をほぼ面一として
隣接する構築物間の目地を覆うものにあって、かかる問
題点のない目地カバー装置の提供を目的とするものであ
る。

〈問題点を解決するための手段〉本考案は、側壁と、該側壁と直交状に交叉する水平壁
とを有し、該側壁相互及び水平壁相互をほぼ面一として
隣接する構築物間の目地を覆うものであって、前記構築
物の水平壁間に掛渡して目地を覆う水平カバー板と、前
記構築物の側壁間に掛渡して目地を覆う側壁カバー板と
を備え、前記水平壁カバー板と、側壁カバー板の各端部
裏面に、長手方向への摺動ガイドを介して夫々端部カバ
ー片を摺動可能に装着して、両端部カバー片を側壁と水
平壁との交叉部で直角状配置するとともに、端部カバー
片対間に引きばねを介装して、該端部カバー片対を該発
条を介して接続したことを特徴とするものである。

〈作用〉隣接する側壁と水平壁相互が相対移動した場合にあっ
て、前記両端部カバー片は引きばねにより連係してお
り、該端部カバー片に対して、各カバー板は該壁面に追
従して移動する。

このとき、隣接する側壁相互または隣接する水平壁相
互が移動して段差を生じた場合に、この目地を覆うカバ
ー板及び端部カバー片は、他方の目地を覆うカバー板に
対して傾動するが、前記発条の付勢作用により、端部カ
バー片相互は近接方向に付勢されながら、その接続を維
持して相対傾動が許容されるため、端部カバー片相互の
傾動が可能となる。

従って、隣接する両側壁及び両水平壁相互が各自異な
った方向に相対移動した場合にもその交叉部を両端部カ
バー片が覆うこととなり、該交叉部での空隙の発生が防
止されることとなる。

〈実施例〉本考案を側壁ｘ₁,x₂と、天井壁ｙ₁,y₂相互の目地ｓを
覆うために適用した実施例を示す。

前記側壁ｘ₁,x₂間の目地ｓは側壁カバー板10によって
覆われる。この側壁カバー板10は、該側壁ｘ₁,x₂が相対
移動してもこれを覆う支持装置を備える。この支持装置
の一例を第８図に従って説明する。

ここで１は、図中左側の側壁ｘ₁の角部に当接するＬ
形の短尺状固定板であって、その壁面ｚに接する左右辺
部の左端には円形溝を有する回動支持部２が形成され、
目地ｓ内の壁面ｚに接する前後辺部の上端には円孔３を
穿設された係止片４が設けられている。前記固定板１
は、前記左右辺部に設けられた巾方向に長い上下の長孔
5,5から壁面に埋設された固結プラグ７に固定螺子８を
螺合することにより、図中右側の角部に沿って適宜間隔
で固定される。

側壁カバー板10はその両端部にコ字状端部11が形成さ
れ、その内面に側壁ｘ₁,x₂の外面に接触するパッキング
13が接合している。また前記プレート本体11の内面に
は、前記固定板１の数と同数の複数の板状のホルダー15
がビス16,16により固定板１と同一間隔毎に固着されて
いる。前記ホルダー15の図中右端には前記コ字状端部11
の厚よりも少し長い当接片17が直角状に後方突出してい
る。また前記ホルダー15の図中左端には先端が回動支持
部２の円形溝と同径の円形隆部を有する連結腕18が直角
突出し、該隆部を前記回動支持部２の円形溝内に嵌入し
ている。さらにホルダー15の略中央部には円孔19aが穿
設されたＬ形の係止鈎片19が設けられていて、該固定板
１の係止片４の円孔３と、前記円孔19aに発条６の両端
が掛けられ、これにより前記側壁カバー板10を回動支持
部２と連結腕18との連結部を支点として、側壁ｘ₁,x₂の
外面側に付勢している。該付勢により、前記側壁カバー
板10の両端のパッキング13は側壁ｘ₁,x₂の外面に圧接
し、かつ当接片17の先端が前記壁面ｚに接触する。而
て、前記目地ｓは側壁カバー板10により遮蔽されること
となる。

この取付け状態において、不同沈下，地震，暴風雨等
によって側壁ｘ₁,x₂相互が揺動した場合において、第１
図鎖線のように側壁ｘ₁,x₂間に図中左右方向の近接又は
離間が生じたときには、前記側壁カバー板10の右端は右
の建築構造物ｘに対して開放状態にあるから、前記側壁
カバー板10の右側の舌片14が壁面ｚに摺擦するだけで、
該側壁カバー板10に歪を生じることなく該移動を許容し
得る。また側壁ｘ₁,x₂に図中前後方向への相対移動を生
じたときには、前記連結部を支点として側壁カバー板10
は傾動可能であるから、該移動に伴って前記側壁カバー
板10の傾動を生ずるのみで前記移動を許容し得ることと
なる。

一方前記天井壁ｙ₁,y₂間の目地ｓは水平壁カバー板30
によって覆われる。この水平壁カバー板30は、天井壁ｙ
₁,y₂が相対移動してもこれを覆う支持装置を備える。こ
の支持装置の一例を第９図に従って説明する。

前記天井壁ｙ₁,y₂の裏面に差渡した介装バー20,20上
には目地ｓに跨がって断面コ字状の長尺状保持片21が乗
載され、その中央部から目地ｓ側に螺子杆22を該保持片
21に対して傾斜可能に垂持している。

23は摺動案内片であって図中左側面には、下端開口を
内側へ直角屈曲してなる係止端25を有する上下方向の長
溝案内26が設けられている。また摺動案内片23上端の直
角屈曲部には前記螺子杆22が挿通する透孔27が設けら
れ、前記螺子杆22の螺子頭に透孔27周面を係止されて下
方に垂下している。さらにまたその図中右方にはばね掛
け片28が突成されている。

水平壁カバー板30は、両端のコ字状端部31,31の外面
に、天井壁ｙ₁,y₂の下面に接触するパッキング32,32が
嵌着している。また、カバー板30の内面には、前記摺動
案内片23の数と同数の複数の板状のホルダー33が摺動案
内片23と同一間隔毎にビス固着されている。

前記ホルダー33の略中央部には、前記長溝案内26の横
巾に一致する直角屈曲状の係止端を先端に形成された連
係腕34が突設され、該連係腕34を摺動案内片23の側方か
ら長溝案内26に嵌入し、前記係止端25との係合により下
方脱出不能に係止している。

さらにホルダー33の略中央部にはＬ形の係止鈎片35が
連係腕34と隣接して設けられていて、前記摺動案内片23
のばね掛け片28と、前記係止鈎片35とに発条36の両端が
掛けられ、これにより保持片21と水平壁カバー板30とを
接近方向に付勢している。そして該付勢により、カバー
板30のパッキング32,32が、天井壁ｙ₁,y₂の壁面に圧接
する。

かかる構成にあって、天井壁ｙ₁,y₂が相対移動しても
左右方向に相対移動すると、発条36の付勢作用により水
平壁カバー板30はその両端を天井壁ｙ₁,y₂に接触してそ
の相対移動を許容する。

かかる構成の側壁カバー板10と、水平壁カバー板30と
は第1,2図に示すように、側壁ｘ₁,x₂と、天井壁ｙ₁,y₂
との交叉部で、本考案にかかる目地カバー装置が適用さ
れる。

かかる構成にあって、側壁カバー板10と、水平壁カバ
ー板30の交叉部の各端縁には端部カバー片40,45がその
折曲端を前記コ字状端部11,11,31,31に嵌装してこれを
長手方向への摺動ガイドとし、長尺方向に摺動可能に装
着している。

前記側壁カバー板10の端部に装着される端部カバー片
40にはその略中央部にばね掛け片41が固着され、前記水
平壁カバー板30の端部に装着される端部カバー片45に
は、その中央部位置でばね掛け片46が固着されると共
に、端縁部にコ字状案内片44が設けられ、該ばね掛け片
46に介装片47が移動可能に装着される。そして、前記介
装片47の先端は、水平壁カバー板30の端縁よりも少し前
方に突出するようにし、その突出端と、前記ばね掛け片
41とに引きばね49を掛け、前記介装片47の屈曲端48と、
端部カバー片45のばね掛け片46に補助ばね50を掛けてい
る。この構成にあって、前記介装片47の先端は後述する
ように常に外方へ突出し、これにより引きばね49は垂直
方向に維持され、端部カバー片45の先端に巻き込んで、
該先端がコイル間隙内に食い込むようなことはない。

そしてかかる構成にあって端部カバー片40,45は、側
壁ｘ₁,x₂と、天井壁ｙ₁,y₂との交叉部で直角状配置され
る。このとき、前記端部カバー片45は端部カバー片40上
に被るような配置としている。而して、第１図のよう
に、端部カバー片40,端部カバー片45により角部で目地
ｓが覆われることとなる。

かかる構成にあって、側壁カバー板10,水平壁カバー
板30が上述の各構成による発条6,36の付勢作用により各
壁面に圧接し、これに追従して端部カバー片40は第５図
に示すように側壁ｘ₁,x₂に圧接し、端部カバー片45は第
３図に示すように天井壁ｙ₁,y₂に圧接する。

一方、天井壁ｙ₁,y₂が上下方向に相対移動して段差を
生ずると、第４図に示すように前記端部カバー片45は水
平壁カバー板30と共にその両端を該天井壁ｙ₁,y₂下面に
圧接して端部カバー片40に対して傾斜する。ところが、
該端部カバー片40と端部カバー片45とは、引きばね49の
みにより連結されているため、支障なく傾動し、かつ該
引きばね49の付勢力により端部カバー片40の一端のみが
下方位置にある天井壁ｙ₂にのみ接触することとなる。

また、側壁ｘ₁,x₂が前後方向に相対移動して段差を生
ずると、第６図に示すように、端部カバー片40は側壁カ
バー板10と共にその両端を該側壁ｘ₁,x₂外面に圧接して
端部カバー片45に対して傾斜する。ところでこの段差が
大きく、大きな傾動を生ずると、引きばね49の付勢力に
より端部カバー片45は引張されて、一方の側壁ｘ₁に端
部カバー片45の端縁が当接し、さらに介装片47が補助ば
ね50に抗して引張される。このとき前記介装片47を摺動
可能としているから、第７図に示すように、該介装片47
は伸出し、その先端が突出して、引きばね49は垂直状に
維持され、該引きばね49をコイルバネとした場合に前記
端部カバー片45の先端に巻き込まれるようなことはな
い。

而して、側壁カバー板10に摺動可能に装着された端部
カバー片40と、水平壁カバー板30に摺動可能に装着され
た端部カバー片45とを、引きばね49により連結して、各
構築物間の移動に対して追従し得るようにしたから、側
壁ｘ₁,x₂と天井壁ｙ₁,y₂間の交叉部で、間隙を生じて目
地を露出するようなことはない。

かかる構成にあって、端部カバー片40,45を引きばね4
9で接続したから、押しバネと異なり、該引きバネ49の
伸張可能な範囲までその追従が可能となり、このため、
追従性能が向上する。

また、前記側壁カバー板10,水平壁カバー板30には、
引きばね49の付装のための加工を要せず、現場では、各
カバー板10,30の寸法決めと、端部カバー片40,45の装着
のみを施せば良い。

さらに上述の実施例にあっては、補助ばね50により退
避方向に付勢された介装片47を用いて、その先端を端部
カバー片45の端縁から突出し、引きばね49を常に垂直方
向に維持するようにしたから、引きばね49による巻き込
みがなく、そのばね作用を良好に維持し得ることとなる
利点を生ずる。

上述の構成にあって、介装片47,引きばね49等を幅方
向に複数個配設するようにしても良い。

一方、上述の基本的作動を生じさせるためには前記端
部カバー片40と端部カバー片45間に発条が付装されてい
れば良く、例えばばね掛け片41,46間に単一構造のコイ
ルばねを適用しても良い。ただしこの場合に、該コイル
バネが端部カバー片45の端縁に食い込まないように、コ
イルばねを耐摩耗性材料で被覆するようにすればよい。
さらには、板ばね等他の構成の引きばねを端部カバー片
40,端部カバー片45間に掛渡すようにしても良い。

〈考案の効果〉本考案は、上述のように、側壁カバー板10に端部カバ
ー片40を、水平壁カバー板30に端部カバー片45を夫々装
着し、該端部カバー片40と端部カバー片45を引きばね49
で相対的移動可能に接続し、側壁ｘ₁,x₂と、天井壁ｙ₁,
y₂とが相対移動した場合に、その交叉部で目地ｓを覆う
ようにしたものであるから、引きばね49を用いているた
めに追従性能が向上する。また側壁カバー板10,水平壁
カバー板30側には、ばね掛け等のための加工を要せず、
従って、複雑な現場施工を要せず、施工が簡単となる等
の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置の装着状態を示す斜視図、第２図は
分離斜視図、第３図は縦断側面図、第４図は作業を示す
同図、第５図は横断側面図、第６図は作動を示す同図、
第７図はＡ−Ａ線位置で縦断して示す作動状態図、第８
図は側壁カバー板10の支持装置を示す横断面図、第９図
は水平壁カバー板30の支持装置を示す縦断側面図であ
る。 10;側壁カバー板 30;水平壁カバー板 40;端部カバー片 45;端部カバー片 47;介装片 49;引きばね 50;補助ばねｘ₁,x₂；側壁ｙ₁,y₂；天井壁 s;目地

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】側壁と、該側壁と直交状に交叉する水平壁
とを有し、該側壁相互及び水平壁相互をほぼ面一として
隣接する構築物間の目地を覆うものであって、前記構築
物の水平壁間に掛渡して目地を覆う水平カバー板と、前
記構築物の側壁間に掛渡して目地を覆う側壁カバー板と
を備え、前記水平壁カバー板と、側壁カバー板の各端部
裏面に、長手方向への摺動ガイドを介して夫々端部カバ
ー片を摺動可能に装着して、両端部カバー片を側壁と水
平壁との交叉部で直角状配置するとともに、端部カバー
片対間に引きばねを介装して、該端部カバー片対を該発
条を介して接続したことを特徴とする目地カバー装置。