JP2534201B2 - 帯電防止性に優れた合成樹脂成形品 - Google Patents

帯電防止性に優れた合成樹脂成形品

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JP2534201B2
JP2534201B2 JP7003448A JP344895A JP2534201B2 JP 2534201 B2 JP2534201 B2 JP 2534201B2 JP 7003448 A JP7003448 A JP 7003448A JP 344895 A JP344895 A JP 344895A JP 2534201 B2 JP2534201 B2 JP 2534201B2
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直己 山本
昭 柳ケ瀬
宏毅 畠山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱分解性に優れ、且
つ恒久的な帯電防止性能を有する合成樹脂成形品に関す
る。
【0002】現在、多くの合成樹脂成形品が市販されて
おり、これらは多くの優れた性質を有するが、一般に電
気抵抗値が高いため、摩擦等によって容易に帯電し、ゴ
ミ、ほこり等を吸引して外観を損ねる等の問題を起こし
ている。
【0003】
【従来の技術】合成樹脂成形品に帯電防止性能を付与す
る方法としては、 (1) 界面活性剤の内部添加 (2) 界面活性剤の表面塗布 (3) シリコン系化合物の表面塗布 (4) プラズマ処理による表面改質 があげられる。これらのうち(3),(4) はいずれもコスト
的に高価となるので、一般には(1),(2) の方法が用いら
れる。
【0004】界面活性剤の内部添加法は、重合前の合成
樹脂原料や成形前の合成樹脂に界面活性剤を混合又は分
散させるので、製造工程は簡単となるが、充分な帯電防
止性能を得るためには、一般に界面活性剤の添加量を多
くする必要があり、そうすると合成樹脂の機械的強度を
損う傾向があり、且つ得られた帯電防止性能が水洗や摩
擦等により容易に失なわれてしまう欠点がある。
【0005】界面活性剤を表面塗布する方法は、基材と
なる合成樹脂の物性を損うことがないうえ少量の界面活
性剤で良好な帯電防止性能が得られる利点を持つが、反
面表面塗布工程が必要なためコストが高くなったり、合
成樹脂成形品本来の美麗な外観を損ねる可能性があり、
また得られた帯電防止性能が水洗や摩擦等により容易に
失なわれてしまうという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】以上説明したよう
に、良好な帯電防止性能を恒久的に示し、且つ合成樹脂
本来の物性を保持しているような合成樹脂成形品は従来
なかった。
【0007】
【問題点を解決するための手段】本発明者等は、上記問
題点について鋭意検討の結果、ある種の四級アンモニウ
ム塩基を持つ重合体の皮膜を、ガラス又は金属の鏡型面
上に形成させたのち、該鋳型を使用して基材となる合成
樹脂の原料を重合させることにより、耐熱分解性に優
れ、且つ恒久的な帯電防止性能を有する合成樹脂成形品
が得られることを見出した。
【0008】すなわち本発明は、一般式
【0009】
【化4】
【0010】(R1 は水素原子又はメチル基、R2 〜R
4 は水素原子又は炭素数1〜9の置換基を含んでいても
よいアルキル基、mは1〜10、X- は4級化剤のアニ
オンで一般式R5 SO3 - 又はR5 OSO3 -(R5
水素原子又は炭素数1〜20のフェニル基を含んでいて
もよいアルキル基)で表される四級アンモニウム塩基を
有する単量体又は該単量体20重量%以上とこれと共重
合可能な少なくとも一種類の単量体80重量%以下より
なる単量体混合物を重合させた制電性重合体の皮膜が形
成されていることを特徴とする帯電防止性に優れた合成
樹脂成形品に関する物である。
【0011】本発明において制電性重合体を構成する四
級アンモニウム塩基を有する単量体成分は、一般式
【0012】
【化5】
【0013】(R1 は水素原子又はメチル基、R2 〜R
4 は水素原子又は炭素数1〜9の置換基を含んでいても
よいアルキル基、mは1〜10、X- は4級化剤のアニ
オンで一般式R5 SO3 - 又はR5 OSO3 -(R5
水素原子又は炭素数1〜20のフェニル基を含んでいて
もよいアルキル基)で表され、これはアミノ基を有する
アクリレートもしくはメタクリレートを四級化剤により
四級化することにより得られる。アミノ基を有するメタ
クリレートもしくはアクリレートとしては、ジメチルア
ミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタ
クリレート、ジメチルアミノプロピルメタクリレート、
ジメチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエ
チルアクリレート、ジメチルアミノブチルメタクリレー
ト、ジヒドロキシエチルアミノエチルメタクリレート、
ジプロピルアミノエチルメタクリレート、ジブチルアミ
ノエチルメタクリレート等があげられる。
【0014】四級化剤としては、ジメチル硫酸、ジエチ
ル硫酸、ジプロピル硫酸等のアルキル硫酸類、p−トル
エンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸メチル等の
スルホン酸エステルが用いられ、耐熱分解性の点より好
ましい。一般式中のmは1〜10であるが、2〜6が特
に好ましい。また、帯電防止性の点ではアルキル硫酸類
が好ましい。
【0015】四級アンモニウム塩基を有する単量体成分
と共重合可能な単量体としては、公知の単量体が使用で
きる。例えばメチルメタクリレート、エチルメタクリレ
ート等のメタクリル酸エステル類、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、ア
クリル酸、メタクリル酸等の不飽和カルボン酸、無水マ
レイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物、N−フェニル
マレイミド等のマレイミド誘導体、2−ヒドロキシエチ
ルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト等のヒドロキシ基含有単量体、アクリルアミド、アク
リロニトリル等の窒素含有単量体、アリルグリシジルエ
ーテル、グリシジルアクリレート等のエポキシ基含有単
量体、アリルメタクリレート、アリルアクリレート等の
二官能単量体、末端メタクリレートポリメチルメタクリ
レート、末端スチリルポリメチルメタクリレート、末端
メタクリレートポリスチレン、末端メタクリレートポリ
エチレングリコール、末端メタクリレートアクリロニト
リルスチレン共重合体等の高分子単量体が用いられる。
【0016】これらの共重合性の単量体としては、一般
【0017】
【化6】
【0018】(R5 は水素原子又はメチル基、R6 は水
素原子又は炭素原子数1〜18のアルキル基、アリル
基、アリール基又はアラルキル基、Aは炭素数2〜4の
アルキレン基、nは0〜500の整数)で表される化合
物より選ばれたものを使用することが曇価と帯電防止性
の点から好ましい。
【0019】本発明における制電性重合体の組成は、四
級アンモニウム塩基を有する単量体成分20〜100重
量%と共重合可能な単量体0〜80重量%である。共重
合体中の四級アンモニウム塩基を有する単量体成分が2
0重量%未満では、得られる合成樹脂成形品、例えばメ
タクリル樹脂キャスト板に良好な制電性が付与できな
い。
【0020】又、本発明における制電性重合体の分子量
は1000以上であることが好ましい。1000未満で
あると良好な恒久帯電防止性能を持つ皮膜が得られない
場合がある。
【0021】本発明において用いられる鋳型としては、
強化ガラス等の無機ガラスやステンレス鋼、アルミニウ
ム及びクロムメッキ等の金属で構成されるものが具体例
としてあげられる。ガラス及び金属の鋳型面は一般に鏡
面であるが、場合によっては、表面に微少な凹凸をつけ
て艶消し処理の施されたものも目的に応じて用いること
ができる。
【0022】本発明に用いられる基材合成樹脂として
は、メチルメタクリレート又はメチルメタクリレート5
0重量%以上とこれと共重合可能な少なくとも一種類の
単量体50重量%以下とからなる単量体混合物あるいは
それらの部分重合体を原料とするメタクリル樹脂が好ま
しい。
【0023】メチルメタクリレートと共重合可能な単量
体としては、エチルメタクリレート、ブチルメタクリレ
ート、2−エチルヘキシルメタクリレート等のメタクリ
ル酸エステル類、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリ
レート等のアクリル酸エステル類、アクリル酸、メタク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン
酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物、N
−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、N−t−ブチルマレイミド等のマレイミド誘導体、
2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート等のヒド
ロキシ基含有単量体、アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ジアセト
ンアクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタクリレー
ト等の窒素含有単量体、アリルグリシジルエーテル、グ
リシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の
エポキシ基含有単量体、スチレン、α−メチルスチレン
等のスチレン系単量体、エチレングリコールジアクリレ
ート、アリルアクリレート、エチレングリコールジメタ
クリレート、アリルメタクリレート、ジビニルベンゼ
ン、トリメチロールプロパントリアクリレート等の架橋
剤等があげられる。
【0024】共重合可能な単量体の種類と添加量は、目
的とする合成樹脂成形品に応じて決めることができる。
【0025】又、本発明の基材合成樹脂原料には着色
剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、各種充てん剤等の添加剤
を混合して用いることができる。
【0026】本発明において、制電性重合体の皮膜を鋳
型面上に形成させる際には、該制電性重合体の皮膜を鋳
型面上に形成させる際には、該制電性重合体を水及び/
又は有機溶媒の溶液の形で塗布するのが簡便で好ましい
方法である。特に基材合成樹脂がメタクリル樹脂である
場合には、制電性重合体を、メチルメタクリレート又は
メチルメタクリレート50重量%以上と共重合可能なビ
ニル系単量体50重量%以下との単量体混合物あるいは
それらの部分重合体との混合物の形で鋳型面上に塗布す
るのが、基材合成樹脂との密着性の点からさらに好まし
い。
【0027】上記制電性重合体の溶液又は混合物に対し
て該溶液又は混合物から得られる皮膜の帯電防止性能や
基材合成樹脂原料の重合性、基材樹脂の物性等を損わな
い範囲で離型材、消泡材、レベリング材等の成分を添加
することもできる。
【0028】上記制電性重合体の溶液又は混合物を鋳型
面に塗布する方法としては、スプレーコート法、フロー
コート法、バーコート法、ディップ法等があげられる。
【0029】本発明により板状のメタクリル樹脂成形品
を製造する場合には、同一方向に同一速度で進行する、
片面を鏡面研磨された2枚のステンレス鋼製のエンドレ
スベルトを鋳型として用いる連続キャスト法が生産性の
面から好ましい。
【0030】なお、本発明において恒久的な帯電防止性
を示すのは制電性重合体が基材である合成樹脂と一体化
しているためである。すなわち鋳型表面に作られた制電
性重合体のフィルムが基材である合成樹脂の重合時に合
成樹脂原料によって膨潤し、この状態で合成樹脂原料の
重合が進行し、重合後の成形品表面に基材である合成樹
脂と一体化された帯電防止層が形成されるため、帯電防
止性を付与する一般的な手法である成形品表面への界面
活性剤の塗布とは異なり、本発明に示されている手法に
おける帯電防止性能は水洗や摩擦等によって失なわれな
い。
【0031】また、本発明においては制電性重合体を表
面付近にのみ存在させるために少量でも良好な帯電防止
性能を示す。
【0032】
【実施例】次に実施例によりさらに具体的に本発明を説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。
【0033】なお、すべての試料の電気的性質は、23
℃65%相対湿度で1日間調湿して測定した。電荷半減
時間は、スタティックオネストメーター(宍戸商会製)
を使用し、印加電圧10000V、試料回転速度130
0rpm、印加時間30秒、測定温度23℃、測定湿度
65%の条件で測定し、電圧印加時の試料電圧を初期電
圧(V)、電圧印加後、試料電圧が初期電圧の半分にな
るまでの時間を電荷半減時間(sec)とした。表面抵
抗値は、超絶縁抵抗計(タケダ理研製、TR−860
1)を使用し、測定温度23℃、測定湿度65%の条件
で、印加電圧500Vで1分後の表面抵抗値(Ω)を測
定した。洗浄は30℃の温水中で超音波洗浄を30分間
行った。耐熱性は試料をアニール後、ASTM D 6
48に準じてHDT(℃)を測定した。強度はASTM
D638に準じて引張試験を行い、引張弾性係数及び
引張破壊強度を測定した。透明性は積分球式ヘーズメー
ター(日本精密光学製、SEP−H−SS)を使用し、
曇価を測定した。
【0034】実施例1 撹拌羽根付き3lガラス製フラスコにジエチルアミノエ
チルメタクリレート374重量部、ハイドロキノンモノ
メチルエーテル4重量部、メタノール450重量部を入
れ、撹拌しながらジメチル硫酸252重量部、メタノー
ル80重量部の混合物を30℃以下になるように滴下
し、滴下終了後30分間撹拌を続け、四級アンモニウム
塩基を有する単量体(M−1)溶液を得た。
【0035】この溶液に、アゾビスイソブチロニトリル
6重量部、n−オクチルメルカプタン4重量部、メタノ
ール480重量部、ポリエチレングリコール(23)モ
ノメタクリレートモノメチルエーテル〔カッコ内はポリ
エチレングリコールユニットの数〕620重量部を加
え、60℃窒素雰囲気下で4時間重合させた。重合後、
そのまま真空乾燥して制電性の共重合体(P−1)を得
た。
【0036】エタノール95重量%に上記共重合体P−
1を5重量%溶解して皮膜原料とし、長さ600mm、
巾450mm、厚さ3mmの片面鏡面研磨されたステン
レス板の鏡面側にスプレーを用いて塗布し乾燥させた。
このように処理したステンレス板2枚とガスケットを用
いて、あらかじめ厚さ3mmになるように設定された鋳
型中に、基材合成樹脂原料としてメチルメタクリレート
部分重合体〔粘度100センチポイズ(20℃で測定し
た値、以下同様)、重合率8%〕100重量部に対し、
重合開始剤として2,2′−アゾビスイソプチロニトリ
ル0.05重量部を溶解させ、減圧にして溶存空気を除
去したものを注いだ。重合は60℃において10時間、
110℃において4時間行った。得られたメタクリル樹
脂板の表面抵抗率は1.3×109 Ω、電荷半減時間1
秒以下、曇価1.2%であった。
【0037】又、得られた板に水洗処理を行い、ただち
に帯電防止性能を評価したところ、表面抵抗率1.8×
109 Ω、電荷半減時間1秒以下であった。又ASTM
D648に準じてHDT試変を作成しアニール後HD
Tを測定したところ100℃であり、ASTM D63
8に準じて引張試験を行ったところ、引張弾性係数3×
104 (kg/cm2 )、引張破壊強度は760(kg
/cm2 )であった。
【0038】比較例1 制電性の重合体による処理をしていないステンレス製鏡
面板を用いた他は実施例1と同様にして、厚さ3mmの
メタクリル樹脂板を得た。
【0039】この板の表面抵抗率は1016Ω以上であ
り、電荷半減時間120sec以上、曇価1.0%であ
った。
【0040】又、HDTは100℃であり、引張弾性係
数は3×104 (kg/cm2 )、引張破壊強度は76
0(kg/cm2 )であった。
【0041】実施例2 長さ600mm、巾450mm、厚さ6mmの強化ガラ
ス板を鋳造として用いた他は実施例1と同様にして、厚
さ3mmのメタクリル樹脂板を得た。
【0042】この樹脂板の表面抵抗率は109 Ω以下、
電荷半減時間は1秒以下、曇価は1.2%であった。
【0043】又、水洗後の表面抵抗率は109 Ω以下、
電荷半減時間は1秒以下であった。
【0044】実施例3 共重合体(P−1)2.0重量%、メチルメタクリレー
ト51.0重量%、メチルメタクリレート部分重合体
(粘度100センチポイズ、重合率8%)47.0重量
%の混合液を皮膜原料とした他は実施例1と同様にし
て、厚さ3mmのメタクリル樹脂板を得た。
【0045】この樹脂板の表面抵抗率は1.5×109
Ω、電荷半減時間1秒以下、曇価1.3%であった。
【0046】又、水洗後の表面抵抗率は2.0×109
Ω、電荷半減時間は1秒以下であった。
【0047】実施例4〜12 単量体M−1溶液を用いて実施例1と同様の手法により
表1に示す組成の共重合体P−2〜P−10を得た。
【0048】これらの共重合体を用いて実施例1と同様
にして、厚さ3mmのメタクリル樹脂板を得た。
【0049】評価結果を表1に示す。
【0050】実施例13〜16、比較例2 表2に示す、アミノ基含有アクリレート又はメタクリレ
ートと四級化剤の組み合せを用いた他は実施例1と同様
の手法により、四級アンモニウム塩基を有する共重合体
P−11〜P−15を得た。
【0051】これらの重合体を用いて実施例1と同様に
して、厚さ3mmのメタクリル樹脂板を得た。
【0052】これらの樹脂板の評価結果を表3に示す。
【0053】実施例17 本実施例では鋳型として図面に示すようなメタクリル樹
脂の連続製板装置を使用した。
【0054】図面においてベルト1,1′は幅1.5
m、厚さ1mmの鏡面研磨されたエンドレスのステンレ
ス鋼製のベルトである。ベルトは主プーリー2′を駆動
することにより毎分2mの速度で走行せしめられ、ベル
トの初期張力はプーリー2,2′に油圧シリンダーを設
けることによって与えられ、ベルト断面あたり10kg
/mm2 に設定されている。3,3′もプーリーであ
る。
【0055】 共重合体P−1 2.0重量% メチルメタクリレート 51.0重量% メチルメタクリレート部分重合体 47.0重量% (粘度100センチポイズ、重合率8%) よりなる皮膜原料5,5′がロールコーター6,6′に
よりベルト1,1の鏡面に塗布された。
【0056】こうして皮膜処理されたベルトを対向さ
せ、相当量の可塑剤の入ったポリ塩化ビニル製中空パイ
プ15で両側辺部のシールを行ない、その間に メタクリル酸メチル部分重合物 100部 (平均重合度1800の重合体含有量21%) 2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.05部 チヌビンP 0.01部 よりなる基材合成樹脂の原料14を定量ポンプにより注
入装置を通じて供給した。
【0057】重合区域は全長96mであり、前半の66
mの区間は15cm間隔で配列したアイドルローラー
4,4′群でベルト面間距離を規制し、ベルト外面より
80℃の温水をノズルからスプレー状に散布して加熱
し、後半30mの区間は1m間隔で配列したアイドルロ
ーラーでベルトを支持し、赤外線ヒーター17で約13
0℃に加熱した後冷却した。冷却後ベルトから剥離する
ことにより、厚さ3mmのメタクリル樹脂板を連続的に
得た。
【0058】こうして得られた樹脂板の表面抵抗率は
1.5×109 Ω、電荷半減時間は1秒以下、曇価は
1.1%であった。
【0059】又、水洗後の表面抵抗率は1.3×109
Ω、電荷半減時間は1秒以下であった。
【0060】実施例18 皮膜原料として 共重合体P−6 20重量% メチルメタクリレート 80重量% よりなるものを用いた他は実施例1と同様にして、厚さ
3mmのメタクリル樹脂板を得た。
【0061】この樹脂板の表面抵抗率は1.3×109
Ω、電荷半減時間は1秒以下、曇価は1.2%であっ
た。
【0062】又、水洗後の表面抵抗率は1.5×109
Ω、電荷半減時間は1秒以下であった。
【0063】比較例3〜4 単量体M−1溶液を用いて実施例1と同様の手法により
表1に示す組成の共重合体P−16及びP−17を得
た。
【0064】これらの共重合体を用いて実施例1と同様
にして、厚さ3mmのメタクリル樹脂板を得た。
【0065】評価結果を表1に示す。
【0066】比較例5 皮膜原料として四級アンモニウム塩基を有する塗布型帯
電防止剤スタチサイド(Analytical Chemical Laborato
ries社製)の10%イソプロピルアルコール溶液を用い
た他は実施例1と同様にして、厚さ3mmのメタクリル
樹脂板を得た。
【0067】この樹脂板の表面抵抗率は1.6×109
Ω、電荷半減時間1秒以下と良好なものの、樹脂板の表
面に重合中に鋳型面から部分的に剥離した凹凸欠陥を多
数生じたため、その商品価値はなかった。
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】
【表3】
【0071】
【発明の効果】本発明によれば良好かつ恒久的な帯電防
止性能を有し、基材合成樹脂本来の物性を低下させるこ
とのない合成樹脂成形品を提供することができるため、
合成樹脂を利用するうえで問題となっていた静電気によ
るトラブルを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】皮膜原料の塗布装置を設置したメタクリル樹脂
の連続製板装置の1例を示すもの図である。
【符号の説明】 1,1′ エンドレスベルト 2,3,2′,3′ プーリー 4,4′ アイドルローラー 5,5′ 皮膜原料 6,6′ ロールコーター 14 基材合成樹脂原料 15 ガスケット 16 加熱器 17 赤外線ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 133/14 PFY C09D 133/14 PFY (72)発明者 田山 末広 広島県大竹市御幸町20番1号 三菱レイ ヨン株式会社内 審査官 井出 隆一 (56)参考文献 特開 昭54−96590(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材合成樹脂の表面に、一般式 【化1】 (R1 は水素原子又はメチル基、R2 〜R4 は水素原子
    又は炭素数1〜9の置換基を含んでいてもよいアルキル
    基、mは1〜10、X- は4級化剤のアニオンで一般式
    5 SO3 - 又はR5 OSO3 -(R5 は水素原子又は
    炭素数1〜20のフェニル基を含んでいてもよいアルキ
    ル基)で表される四級アンモニウム塩基を有する単量体
    又は該単量体20重量%以上とこれと共重合可能な少な
    くとも一種類の単量体80重量%以下よりなる単量体混
    合物を重合させた制電性重合体の皮膜が形成されている
    ことを特徴とする帯電防止性に優れた合成樹脂成形品。
  2. 【請求項2】 請求項1において、制電性重合体の皮膜
    が、一般式 【化2】 (R1 は水素原子又はメチル基、R2 〜R4 は水素原子
    又は炭素数1〜9の置換基を含んでいてもよいアルキル
    基、mは1〜10、X- は4級化剤のアニオンで一般式
    5 SO3 - 又はR5 OSO3 -(R5 は水素原子又は
    炭素数1〜20のフェニル基を含んでいてもよいアルキ
    ル基)で表される四級アンモニウム塩基を有する単量体
    35〜50重量%、一般式 【化3】 (R1 は水素原子又はメチル基、R6 は水素原子、炭素
    数1〜18のアルキル基、アリル基、アリール基又はア
    ラルキル基、Aは炭素数2〜4のアルキレン基、nは0
    〜500)で表される単量体35〜50重量%、及びこ
    れらと共重合可能な少なくとも一種類の単量体0〜30
    重量%よりなる単量体混合物を重合させたものであるこ
    とを特徴とする帯電防止性に優れた合成樹脂成形品。
  3. 【請求項3】 請求項1において、基材合成樹脂の原料
    として、メチルメタクリレート又はメチルメタクリレー
    ト50重量%以上とこれと共重合可能な少なくとも一種
    類の単量体50重量%以下とからなる単量体混合物ある
    いはそれらの部分重合体を使用することを特徴とする帯
    電防止性に優れた合成樹脂成形品。
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