JP2534004B2 - 結霜防止性付与組成物 - Google Patents

結霜防止性付与組成物

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JP2534004B2
JP2534004B2 JP4093452A JP9345292A JP2534004B2 JP 2534004 B2 JP2534004 B2 JP 2534004B2 JP 4093452 A JP4093452 A JP 4093452A JP 9345292 A JP9345292 A JP 9345292A JP 2534004 B2 JP2534004 B2 JP 2534004B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は所定の領域内または外気
中の水分がガラス、プラスチック等の表面に結露、凍結
し、透明性を損なうのを防止するための結霜防止性付与
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、結露によりガラス、プラスチック
等の透明性が損なわれるのを防ぐ対策として種々の方法
が提案され、また実用化されている。すなわち、従来の
結露防止方法を大別すると、 a)界面活性剤を混練して成形品の表面の濡れ性を改善
する方法:例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルおよびショ糖脂肪酸エス
テル等の界面活性剤を樹脂中に添加し、フィルムあるい
はシート状に成形すると、樹脂との相溶性から成形品の
表面に界面活性剤がブリードしてくる。そこに水滴が付
着すると界面活性剤が水滴内に入り込み、水滴の表面張
力を低下させて水滴を広がらせ透明性を維持する。
【0003】b)疎水性物質を成形品の表面に塗布し表
面のはっ水性を向上する方法:例えば、フィルム、シー
トなどの成形品の表面にシリコーンオイル、流動パラフ
ィン、ワセリン等の疎水性物質を塗布し、表面のはっ水
性を向上させ水滴を流下させる。
【0004】c)水に対して親和性の高い樹脂から成形
品を成形し、表面に付着した水滴を吸収してしまう方
法:例えば、水に対して親和性の高い樹脂として、デン
プン/ポリアクリル系高吸水性樹脂、ポリビニルアルコ
ール、メチルセルロースなどを用い、これより成形品を
成形し、表面に付着した水滴を吸収する。
【0005】d)成形品の表面を常に露点以上の温度に
保ち結露を防ぐ方法:例えば、ガラス内面に発熱体を取
り付けて加熱し、結露を防止する。
【0006】しかし、a)の方法により成形したフィル
ムで冷凍食品を包装して冷凍ショーケース等に保管する
と、フィルムに付着した水滴が凍結して中の食品が見え
なくなる;b)の方法は持続性に乏しく、また細かい水
滴の場合には全く効果がなく結霜防止効果が低い;c)
の方法は一般にポリビニルアルコールおよびその誘導体
が用いられているが、これらには水に対する親和性が高
いと耐水性に劣るという相反する性質があって、その耐
水性を向上させるために、熱処理を行って結晶化度を上
げると、水に対する親和性が失われて結霜防止効果が低
下してしまう;d)の方法は初期投資が大きく電力費も
高く、また特殊な用途にしか利用することができない;
などの理由で実用化されるに至っていない。
【0007】一方、ポリビニルアルコールフィルムの耐
水性を向上させる方法として、従来から1) 160〜 200
℃の温度で熱処理する方法と、2)ホルムアルデヒド、
アセトアルデヒドなどのアルデヒド類、N−メチロール
尿素、N−メチロールメラミンなどのメラミン化合物、
ジビニルスルホン酸、ビス(β−ヒドロキシエチルスル
ホン)などの活性ビニル化合物、Cu,Al,Ti,
B,Zr,Sn,Cr,Vなどの金属の化合物等の架橋
剤あるいは架橋助剤を添加する方法とが知られている。
【0008】しかし、1)の方法で耐水化を行った場
合、ポリビニルアルコールフィルムの耐水性は改善され
るが、水素結合が強まるため水に対する親和性が低下し
たり、樹脂の変質によりフィルムが変色したりするなど
の欠点がある。また、2)の方法は反応を進行させるた
めにアルカリ性もしくは酸性などのpH調整を必要と
し、さらに反応時に有毒物質を発生するものもある。ま
た架橋反応によりポリビニルアルコール中のOH基の数
が減少し、ポリビニルアルコール本来の優れた吸水性が
失われてしまう。
【0009】そこで、近年になって耐水性を損なうこと
なく結霜防止性(いわゆる低温防曇性)を得る方法とし
て、ポリビニルアルコールに、ハロゲン原子、低級ア
ルコキシ基、低級アシロキシ基、シラノール基などの無
機物材料と化学結合する反応基と、ビニル基、エポキシ
基、メタクリル基、マーカプルアルキル基、アミノ基な
どの有機物材料と化学結合する反応基との、2個以上の
異なった官能基を分子中に有するシランカップリングを
含有させた結霜防止用(防曇性)組成物(特開昭48-479
39号公報)、分子内にシリル基を有する変性ポリビニ
ルアルコールと無機物よりなる結霜防止用(防曇性)組
成物(特開昭59-179684 号公報)およびポリビニルア
ルコールとシリカと水とからなるポリビニルアルコール
系組成物(特開昭53-39347号公報)がそれぞれ提案され
た。
【0010】しかし、の結霜防止用(防曇性)組成物
は成形中に発泡するため、成形品に膚荒れを生じて不透
明となる、〜の結霜防止用(防曇性)組成物はいず
れも無機物を含有するので、不透明となるほか、溶融押
出成形の際に押出機内で硬化してフィルムまたはシート
に成形できないなどの欠点があって、いずれも満足でき
るものではなかった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的はポリビニルアルコール系樹脂を主剤とする組成物
でありながら、各種成形品の表面での結霜を完全に防止
すると共に耐水性、透明性を向上することができ、溶融
押出成形が可能で、得られる成形品の透明性が損なわれ
ることのない結霜防止性付与組成物を提供しようとする
ものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】この結霜防止性付与組成
物はポリビニルアルコール系樹脂 100重量部と下記一般
式で示されるシラン化合物 0.1〜 100重量部とシリコー
ンオイルのエマルジョン0.05〜15重量部とからなるもの
である。 Ra SiX4-a (ただし、式中のRは水素原子、アルキル基またはフェ
ニル基、Xはハロゲン原子またはアルコキシ基を表わ
し、1分子中のRおよびXはすべて同一でも異なってい
てもよい。aは1〜3である。)
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明者らはポリビニルアルコール系樹脂からなる成形品
の結霜を完全に防止でき、さらに優れた耐水性を付与す
る方法として、前述したシランカップリング剤やシリカ
と同様の有機珪素化合物である上記シラン化合物に着目
して研究を重ねた結果、ポリビニルアルコール系樹脂に
上記シラン化合物を添加した組成物は、ポリビニルアル
コール本来の極めて良好な結霜防止効果を発揮し、さら
に優れた耐水性を有する成形品が形成されること、ま
た、これにさらにシリコーンオイルのエマルジョンを添
加すると、成形品の透明性が向上するほか溶融押出成形
が可能となることを見出し、本発明に到達した。
【0014】本発明による組成物が優れた結霜防止効果
と耐水性を発揮する理由としては、シラン化合物を添加
することによりフィルム表面にアルキル基、フェニル基
等の疎水性基が現れ、ポリビニルアルコールのOH基の
分子間あるいは分子内の水素結合を妨げ、結晶化度の向
上を抑制するため、ポリビニルアルコール本来の結霜防
止効果を示すものと推測される。
【0015】また、このシラン化合物の添加はポリビニ
ルアルコールの結晶化度を低下させるが、フィルムの耐
水性はシラン化合物のシラノール基とポリビニルアルコ
ールのOH基が分子内あるいは分子間で架橋反応し、こ
れによって強固なフィルムが形成するため維持されるも
のと推測される。なお、この場合のシラノール基の導入
度、すなわち架橋度は用いられるシランの量、反応時間
によって任意に調整することができる。
【0016】本発明の結霜防止性付与組成物で用いられ
るシラン化合物は、前述したように一般式:Ra SiX
4-a で示される構造を持つもので、式中のRは水素原
子、アルキル基またはフェニル基、Xはハロゲン原子ま
たはアルコキシ基を表わし、1分子中のRおよびXはす
べて同一でも異なっていてもよく、aは1〜3で示され
るものである。
【0017】これには、例えばメチルジクロロシラン、
ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フ
ェニルトリクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等
のクロロシラン;メチルトリメトキシシラン、ジメチル
ジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフ
ェニルジメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラ
ン、ジフェニルジエトキシシラン、イソブチルトリメト
キシシラン、デシルトリメトキシシラン等のアルコキシ
シランなどが挙げられる。
【0018】添加するシラン化合物の量はポリビニルア
ルコール系樹脂 100重量部当り 0.1〜 100重量部で、好
ましくは 0.5〜80重量部である。この添加量が 0.1重量
部未満では結霜防止効果が不十分であり、また 100重量
部を超えると得られる成形品が白濁したり機械的強度や
耐水性が低下するようになる。
【0019】次の成分であるシリコーンオイルのエマル
ジョンは、20℃における粘度が5〜50,000cSであるシリ
コーンオイル3〜20重量%、とくには5〜15重量%と、
界面活性剤1〜20重量%、とくには5〜15重量%と、残
部が水とからなるものが好ましい。
【0020】ここで用いられるシリコーンオイルの添加
量が3重量%未満では溶融ポリビニルアルコール系樹脂
のダイ離れ性が悪く、成形品表面に膚荒れ現象が生じて
外観を損ない透明性を低下させる。また、これが20重量
%を超えるとエマルジョン化が困難となって実用的でな
い。
【0021】このシリコーンオイルとしては一般式:R
3 Si(OSiR2n OSiR3(ここに、Rはメチ
ル基、フェニル基、水酸基、クロロフェニル基、フロロ
基、ポリエーテル基、エポキシ基、アミノ基、アミド
基、アルコキシ基、トリフロロプロピル基、カルビノー
ル基、メタクリル基、カルボキシ基、長鎖アルキル基、
ビニル基などを示し、1分子中のRはすべて同一でも異
なっていてもよい。nは8〜 550である。)で示される
直鎖状シロキサン構造を有する、20℃における粘度が5
〜50,000cS、とくには10〜30,000cSのオイル状のものが
好ましい。ここで粘度が5cS未満のものはエマルジョン
の安定性に乏しくなり、また50,000cSを超えるものはエ
マルジョン化の際の分散性に劣るため均一化しにくくな
る。
【0022】このようなシリコーンオイルを具体的に示
すと、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリ
コーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイ
ル、クロロフェニルシリコーンオイル、フロロシリコー
ンオイル、ポリエーテル変性シリコーンオイル、エポキ
シ変性シリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイ
ル、アミド変性シリコーンオイル、アルコキシ変性シリ
コーンオイル、カルボキシ変性シリコーンオイル、トリ
フロロプロピル変性シリコーンオイル、カルビノール変
性シリコーンオイル、メタクリル変性シリコーンオイ
ル、長鎖アルキル変性シリコーンオイル、ビニル基変性
シリコーンオイルなどが挙げられる。
【0023】他方の成分である界面活性剤は、その添加
量が1重量%未満ではシリコーンオイルエマルジョンの
安定性が悪くなり、ポンプ、ミキサーなどによる機械的
撹拌を行うとエマルジョンが破壊され易くなり、また20
重量%を超えると成形後に界面活性剤が成形物の表面に
ブリードし、透明性の低下あるいはブロッキングの発生
等をもたらす。
【0024】この界面活性剤は非イオン系界面活性剤、
陰イオン系界面活性剤および陽イオン系界面活性剤の内
の1種または2種以上の混合物として用いられるが、こ
れらの界面活性剤を具体的に示すと、非イオン系界面活
性剤にはソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ショ糖脂肪酸エステルなど、陰イ
オン系界面活性剤にはアルキル硫酸エステル塩、ポリオ
キシエチレンアルキル(アリル)硫酸エステル塩、アル
キルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エス
テルなど、さらに陽イオン系界面活性剤には第4級アン
モニウム塩、アルキルベタインなどが、それぞれ例示さ
れる。
【0025】本発明の結霜防止性付与組成物では、この
シリコーンオイルのエマルジョンをポリビニルアルコー
ル系樹脂 100重量部に対して、0.05〜15重量部、好まし
くは0.2〜10重量部添加配合される。この添加量が0.05
重量部未満のときは溶融ポリビニルアルコール系樹脂の
離型性が悪く、長期連続運転において成形品の表面に微
少な樹脂の停滞を引き起こして徐々に樹脂の流れを乱
し、成形品表面に膚荒れ現象が生じて外観を損ない、透
明性を低下させてしまう。また15重量部を超えると成形
品自体が白濁してしまって実用性を損なうようになる。
【0026】本発明の組成物で使用されるポリビニルア
ルコール系樹脂は、けん化度98.0モル%以上、重合度 5
00以上、とくには重合度1500以上のものが好ましい。こ
のけん化度が98.0モル%未満では耐水性が悪くなり易
く、また重合度が 500未満では得られる成形品の機械的
強度が低くなり易く実用的でない。
【0027】また、このポリビニルアルコール系樹脂に
は、そのOH基に、無水マレイン酸、無水トリメリット
酸、無水コハク酸、無水アジピン酸、無水イタコン酸な
どの不飽和カルボン酸を反応させた変性ポリビニルアル
コール、およびカルボキシル基、硫酸基、スルホン酸
基、リン酸基、4級アンモニウム塩基、アミン基等で変
性した変性ポリビニルアルコールにおいて、前記シラン
化合物と架橋反応可能なものであれば同様に用いること
ができる。
【0028】本発明の結霜防止性付与組成物には、さら
に必要に応じて、カルボキシメチルセルロース、ヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース誘導体、キカンタ
ンガム、カラギナン等の多糖類、ポリアクリル酸または
その誘導体、ポリアクリルアミド、ポリ−N−ビニルピ
ロリドン、スチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレ
ン−無水マレイン酸共重合体、ポリエチレンオキシド等
の水溶性合成高分子などの水溶性樹脂、タルク、酸化チ
タンあるいは炭酸カルシウム等の充填剤、各種界面活性
剤、pH調節剤、着色剤、発泡剤、防腐剤などを透明性
を損なわない範囲で添加することができる。
【0029】本発明の組成物はあらかじめ適用する成形
加工方法に応じて混合調製して保管し使用に供される
か、あるいは上記の各成分を個別に保管した後、同様に
混合調製して使用に供される。混合調製に際しては水を
添加するのが好ましく、その量はポリビニルアルコール
系樹脂の重合度やケン化度によって異なるが、一般には
ポリビニルアルコール系樹脂 100重量部に対し10〜 140
重量部の量に、シラン化合物のハロゲン原子またはアル
コキシ基を加水分解させてOH基とするのに必要な量で
ある、これらのモル数と等モルないし 1.5倍モルの量を
加えた量とするのが好ましい。
【0030】シラン化合物の加水分解はまず水中にシラ
ン化合物を添加し15〜60分間撹拌することによって行わ
れる。その際、使用するシラン化合物がハロシラン類の
ときは、加水分解により生ずる酸を中和するために、ア
ルカリ水溶液を用いるのが好ましい。シラン化合物が水
に溶けにくいときはメタノール、エタノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、
ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどを併
用するのがよい。その際、塩酸、酢酸等でpH3〜5に
調整した酸性水溶液を使用すると、さらに効果的であ
る。得られたシラン化合物の水溶液は、つぎにポリビニ
ルアルコール系樹脂とシリコーンオイルのエマルジョン
と、さらに必要に応じて各種添加剤を加えて混合し、本
発明の組成物とすることができる。
【0031】本発明の組成物は公知の成形加工方法によ
り各種の成形品とすることができる。例えば、フィル
ム、シート状物は通常のポリビニルアルコール系樹脂か
らの成形法である、溶融キャスティング方式あるいは溶
液キャスティング方式によりフィルム、シート状物に成
形した後、加熱乾燥し、さらに後加熱処理を行うことに
より得られるほか、従来ポリビニルアルコール系樹脂に
は適用困難であった、一軸または多軸押出機を用いた溶
融押出方式(Tダイ成形法、インフレーション成形法)
によっても得ることができる。また、容器、その蓋、ボ
トル等はインジェクション成形法、ブロー成形法等によ
り成形した後、加熱乾燥し、さらに後加熱処理を行うこ
とによって得ることができる。
【0032】さらに、既存の透明性材料に結霜防止効果
を付与するには、本発明の組成物をハケ塗り、ディッピ
ング、ロールコーティング、流し塗り、スプレー塗装等
の公知の方法により透明性材料に塗布し、加熱乾燥し、
さらに後加熱処理を行うことにより得られる。
【0033】上記各処理に際しての加熱乾燥条件は水分
をほぼ完全に取り除ける条件であればよく、通常は80〜
150℃で5〜 180分で行われ、また後加熱処理条件は 1
80〜200℃で10秒〜5分間で十分であり、これによりポ
リビニルアルコール系樹脂に対するシラン化合物の架橋
が達成され、結霜防止効果を一層向上させることができ
る。
【0034】
【作用】本発明の組成物によれば、各種成形品面での結
霜を完全に防止すると共に耐水性を付与することができ
る。また、溶融押出方式での成形もできる。
【0035】
【実施例】次に、本発明の具体的態様を実施例および比
較例により説明する。 実施例1〜17.まず、表1に示す種類と量のシリコーン
オイルと界面活性剤、これに残量の水を加えてホモジナ
イザーで撹拌してシリコーンオイルのエマルジョンA〜
Iを得た。次に、表2および表3に示す種類と量のポリ
ビニルアルコール系樹脂と溶媒とシラン化合物と上記シ
リコーンオイルのエマルジョンとを配合して本発明の組
成物を調製した。なお、この調製に当たっては、まずシ
ラン化合物を溶媒に溶解して20〜30℃で15〜60分間撹拌
した後、他の成分を加えて混合した。また、メチルトリ
クロロシランとジフェニルジクロロシランを用いたもの
については、炭酸水素ナトリウムを用いてpHを 7.5に
調整して混合した。
【0036】この組成物を粉砕機を取付けた圧縮成形機
に供給しペレットを作成した。これを図1に示すL/D
=28、圧縮比3倍のフルフライトスクリューを使用した
40mm汎用一軸押出機1(シリンダー設定温度‥C1 :45
℃、C2 、C3 およびC4 :各 120℃、ダイシリンダー
設定温度‥D1 、D2 およびD3 :各 100℃)に投入し
て溶融混練を行い、幅 400mm、リップ幅 0.4mmのT−ダ
イ2より吐出し、80℃に加熱された第1ロール3との間
で引落としと乾燥とを同時に行い、さらに 190℃に加熱
された第2ロール4で乾燥した後、表2および表3に示
す条件で後加熱処理を行い、ポリビニルアルコール系樹
脂フィルム5を得た。
【0037】得られたフィルムについて下記の方法で結
霜防止性と耐水性の評価を行い、その結果を表2および
表3に併記した。また、同時に透明性の評価も行った
が、その結果はすべて「透明性あり」であった。
【0038】・結霜防止性:ポリプロピレン製の容器 2
00ccの丸コップに木綿製不織布8gを入れ、水を加えて
全体の重さを30gとした後、−20℃の冷凍庫内で凍らせ
たものを、上記の各フィルムで包装して再度−20℃の冷
凍庫内に24時間放置した。これについて結霜状態を観察
し、次の基準で評価した。 ・結霜防止効果が著しいもの‥‥◎、 ・結霜防止効果が認められたもの(注意深く見れば微か
に霜が付いているが、一見しただけでは霜の付着が認め
られない程度のもの)‥‥○、 ・結霜防止効果が認められなかったもの‥‥×。
【0039】・耐水性: (常温耐水性および耐熱水性)上記の各フィルムを7cm
角にカットした後、20〜30℃の室温水に24時間浸漬した
もの(常温耐水性)および90〜95℃の熱水中に24時間浸
漬したもの(耐熱水性)について観察し、下記の基準で
評価した。 ・外観に全く変化が認められなかったもの‥‥○、 ・部分的には溶解してしまうが、フィルムとしての形状
は保持されているもの‥‥△、 ・完全に溶解してしまったもの‥‥×。
【0040】(溶出量)フィルムの表面積1cm2 当たり
溶出液が2ccとなるように調整し、60℃の温水中に30分
間浸漬した後、フィルムを取出し、その溶液を過マンガ
ン酸カリウムで滴定し、その消費量から溶出物の量を測
定した(厚生省告示20号試験)。
【0041】(透明性)フィルムを観察して透明性の高
いものを「透明性あり」とし、白濁などを生じ、透視で
きないものを「透明性なし」とした。
【0042】
【表1】
【0043】
【表2】
【0044】
【表3】
【0045】比較例1〜12.表4に示す種類と量のポリ
ビニルアルコール系樹脂と溶媒とシリカとシラン化合物
とを配合した。なお、この調製は実施例と同様の手順で
行った。この組成物を実施例と同様に、ペレット化し、
汎用一軸押出機を用いて溶融混練し、乾燥し、表4に示
す条件で後加熱処理を行って、フィルムを作製し、透明
性について評価したところ、すべて「透明性なし」であ
り、結霜防止性と耐水性の評価をするまでもなく、製品
として不適当であった。
【0046】
【表4】
【0047】以上の結果より、各実施例で得られたフィ
ルムは、優れた透明性、結霜防止性と耐水性を示すこと
が分かった。これに対し各比較例で得られたフィルム
は、不透明で、発泡または白濁現象が認められた。
【0048】
【発明の効果】本発明の結霜防止性付与組成物によれ
ば、各種成形品面における結霜の完全防止と耐水性と透
明性とが同時に満足され、しかも溶融押出成形法による
成形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における溶融押出成形の概略を
示す説明図である。
【符号の説明】
1:押出機、 2:ダイ、 3:第1ロール、 4:第
2ロール、5:ポリビニルアルコール系樹脂フィルム。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリビニルアルコール系樹脂 100重量部と
    下記一般式で示されるシラン化合物 0.1〜 100重量部と
    シリコーンオイルのエマルジョン0.05〜15重量部とから
    なることを特徴とする結霜防止性付与組成物。 Ra SiX4-a (ただし、式中のRは水素原子、アルキル基またはフェ
    ニル基、Xはハロゲン原子またはアルコキシ基を表わ
    し、1分子中のRおよびXはすべて同一でも異なってい
    てもよい。aは1〜3である。)
  2. 【請求項2】シリコーンオイルのエマルジョンが、20℃
    における粘度が5〜50,000cSであるシリコーンオイル3
    〜20重量%と、界面活性剤1〜20重量%と、残部が水と
    からなるものである請求項1記載の結霜防止性付与組成
    物。
JP4093452A 1992-03-19 1992-03-19 結霜防止性付与組成物 Expired - Lifetime JP2534004B2 (ja)

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JP4093452A JP2534004B2 (ja) 1992-03-19 1992-03-19 結霜防止性付与組成物

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