JP2533962B2 - 半導体レ―ザ素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体レ―ザ素子及びその製造方法

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JP2533962B2 JP2129916A JP12991690A JP2533962B2 JP 2533962 B2 JP2533962 B2 JP 2533962B2 JP 2129916 A JP2129916 A JP 2129916A JP 12991690 A JP12991690 A JP 12991690A JP 2533962 B2 JP2533962 B2 JP 2533962B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は半導体レーザ素子及びその製造方法に関し、
特に、優れた温度特性を示し、室温でも可視光を連続発
振することができる半導体レーザ素子及びその製造方法
に関する。
(従来の技術) 近年、光情報処理システムの高機能化等を目的とし
て、短波長域で発振する半導体レーザ素子の実現が要求
されている。
GaAs基板1に格子整合する(AlYGa1-Y0.5In0.5P結
晶(0≦Y≦1)は、600nm帯の波長を有する光を放射
する可視光半導体レーザのための材料として注目されて
いる。以下、本明細書に於ては、特に断わらない限り、
(AlYGa1-Y0.5In0.5P(0≦Y≦1)をAlGaInPと称
する。
AlGaInP結晶をGaAs基板上に成長させる方法として
は、有機金属気相成長法(MOCVD法)の他に、分子線エ
ピタキシー法(MBE法)が期待されている。
MBE法を用いて作成されたAlGaInP系可視光半導体レー
ザ素子が、室温で可視光を連続的に発振したことの報告
がある(Hayakawa,et.al.Journal of Crystal Growt
h 95(1989)pp.949)。
第2図に、MBE法により作成された従来のAlGaInP系可
視光半導体レーザ素子の断面図を示す。
第1導電型GaAs基板1上に、第1導電型GaAsバッファ
層2、第1導電型GaInPバッファ層3、第1導電型AlGaI
nPクラッド層4、GaInP活性層5、第2導電型AlGaInP第
2クラッド層6、及び第2導電型GaInP層20が、この順
番で基板1側から積層されている。
第2導電型GaInP層20上には、絶縁性窒化シリコン膜2
1が形成されており、窒化シリコン膜21には、第2導電
型GaInP層20に達する幅10μmのストライプ状溝が形成
されている。
上記の積層構造の上面及び基板1の裏面には、電極1
5、14が形成されている。
第2図の半導体レーザ素子は、ストライプ状の溝を有
する絶縁性窒化シリコン膜21が電流を狭搾する利得導波
形半導体レーザ素子である。
この半導体レーザ素子は、発振閾値93mAを示し、ま
た、可視光を室温で連続的に発振することができる。
MBE法により成長されたAlGaInP結晶を有する半導体レ
ーザ素子は、第2図に示すように、利得導波型の半導体
レーザ素子が多い。しかし、利得導波型半導体レーザ素
子では、レーザ光の水平横モードが充分に制御されてい
ない。従って、AlGaInP結晶を有する半導体レーザ素子
についても、レーザ光の水平横モードの安定化に優れた
屈折率導波型半導体レーザ素子の開発が要求される。
第3図に、屈折率導波型半導体レーザ素子の従来例の
断面図を示す。
第1導電型GaAs基板1上に、MBE法により成長させら
れた第1導電型GaAsバッファ層2、第1導電型AlGaInP
クラッド層4、GaInP活性層5、第2導電型AlGaInP第2
クラッド層6、第2導電型GaAs層8、及び第2導電型In
GaAs層30が、この順番で基板1側から積層されている。
GaInP活性層5、第2導電型AlGaInP第2クラッド層6、
第2導電型GaAs層8、及び第2導電型InGaAs層30は、幅
10μmのリッジ形状にエッチングされており、リッジ部
分が形成されている。リッジ部分の表面は、その上面を
除いて、酸化シリコン層31に覆われている。この酸化シ
リコン層31の上面及び基板1の裏面には、電極15、14が
形成されている。
リッジ部分の上面の酸化シリコン層31が形成されてい
ない領域を介して、両電極15、14間を電流が流れる。
第3図の半導体レーザ素子は、幅10μm程度の狭い活
性層5を有しているので、単一水平モードで発振するこ
とができる。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上述の従来技術においては、以下に述
べる問題点があった。
第3図の半導体レーザ素子には、エッチングにより形
成されたリッジ部分両側の空隙のため、活性層5内で発
生した熱が効率よく放熱されないので、室温での連続発
振は達成されていない。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので
あり、その目的とするところは、熱の放散に優れた構造
を有し、室温で可視光を連続発振することができる半導
体レーザ素子及びその製造方法を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明の半導体レーザ素子は、GaAs基板と、該GaAs基
板上に格子整合したAlGaInP結晶層からなるダブルヘテ
ロ構造と、該ダブルヘテロ構造上に形成されたGaInPエ
ッチングストップ層と、該GaInPエッチングストップ層
上に形成され、該GaInPエッチングストップ層に達する
ストライプ溝を有する光吸収層と、該光吸収層及び該Ga
InPエッチングストップ層上に形成されたAlGaAs層と、
を備えており、該GaInPエッチングストップ層の層厚
は、電子のドブロイ波長より短く、該GaInPエッチング
ストップ層の表面には数分子層の厚さを持つGaAs層が形
成されており、該AlGaAs層は、該ダブルヘテロ構造内で
発生する光のエネルギよりも、大きなバンドギャップエ
ネルギを有しており、そのことにより、上記目的が達成
される。
また、前記光吸収層の上面の上に、他のGaInPエッチ
ングストップ層が形成されていてもよい。
本発明の製造方法は、GaAs基板上に、該GaAs基板に格
子整合するAlGaInP結晶層からなるダブルヘテロ構造を
形成する工程と、該ダブルヘテロ構造上に、GaInPエッ
チングストップ層を形成する工程と、該GaInPエッチン
グストップ層上に、光吸収層を形成する工程と、該光吸
収層を選択的にエッチングすることにより、該GaInPエ
ッチングストップ層に達するストライプ溝を形成する工
程と、MBE装置内で、該ストライプ溝内の該GaInPエッチ
ングストップ層にAs分子線を照射しながら、該GaInPエ
ッチングストップ層のIn及びPが蒸発する温度にまで該
GaAs基板を加熱することにより、該As分子線が照射され
た該GaInPエッチングストップ層の表面近傍の数分子層
をGaAs層に変化させる工程と、該ダブルヘテロ構造内で
発生する光のエネルギより大きなバンドギャップエネル
ギを有するAlGaAs層を、該MBE装置内で、MBE法により、
該GaAs層及び該光吸収層の上に成長させる工程と、を包
含しており、そのことにより、上記目的が達成される。
また、GaAs基板上に、該GaAs基板に格子整合するAlGa
InP結晶層からなるダブルヘテロ構造を形成する工程
と、該ダブルヘテロ構造上に、第1のGaInPエッチング
ストップ層を形成する工程と、該第1のGaInPエッチン
グストップ層上に、光吸収層を形成する工程と、該光吸
収層上に、第2のGaInPエッチングストップ層を形成す
る工程と、該第2のGaInPエッチングストップ及び該光
吸収層を選択的にエッチングすることにより、該第1の
GaInPエッチングストップ層に達するストライプ溝を形
成する工程と、MBE装置内で、該第1のGaInPエッチング
ストップ層及び第2のGaInPエッチングストップ層にAs
分子線を照射しながら、該第1及び第2のGaInPエッチ
ングストップ層のIn及びPが蒸発する温度にまで該GaAs
基板を加熱することにより、該As分子線が照射された該
第1及び第2のGaInPエッチングストップ層の表面近傍
の数分子層をGaAs層に変化させる工程と、該ダブルヘテ
ロ構造内で発生する光のエネルギより大きなバンドギャ
ップエネルギを有するAlGaAs層を、該MBE装置で、MBE法
により、該GaAs層上に成長させる工程と、を包含してい
てもよい。
(実施例) 以下に本発明を実施例について説明する。
第1図(d)に、本実施例の半導体レーザ素子の断面
図を示す。この半導体レーザ素子に於いては、第1導電
型GaAs基板1上に、第1導電型GaAsバッファ層2、第1
導電型GaInPバッファ層3、第1導電型AlGaInP第1クラ
ッド層4、GaInP活性層5、第2導電型AlGaInP第2クラ
ッド層(層厚、1500Å)6、GaInP第1エッチングスト
ップ層(層厚、70Å)7、GaAs光吸収層8、及びGaInP
第2エッチングストップ層9が、この順番で基板1側か
ら積層されている。
ダブルヘテロ構造半導体、第1導電型AlGaInP第1ク
ラッド層4、GaInP活性層5、及び第2導電型AlGaInP第
2クラッド層6により構成されている。
GaAs光吸収層8及びGaInP第2エッチングストップ層
9には、GaInP第1エッチングストップ層7に達するス
トライプ溝(幅、5μm)が形成されている。
ストライプ溝を埋め込むようにして、熱伝導性に優れ
た第2導電型Al0.7Ga0.3As再成長クラッド層11が、GaAs
層8上に形成されている。Al0.7Ga0.3As再成長クラッド
層11のAl混晶比は、活性層5で発生した光をダブルヘテ
ロ構造内に閉じ込めるために必要な充分低い屈折率(約
3.3)を呈するように設計されている。このAl0.7Ga0.3A
s再成長クラッド層11の熱伝導率は、約0.1W/cm・degで
ある。
第2導電型Al0.7Ga0.3As再成長クラッド層11上には、
第2導電型GaAsキャップ層12が形成されている。
第2導電型GaAsキャップ層12の上面及び基板1の裏面
の各々には、電極45、14が形成されている。
次に、第1図(a)〜(d)を参照しながら、上記半
導体レーザ素子の製造方法を説明する。
まず、第1図(a)に示すように、第1導電型GaAs基
板1上に、第1導電型GaAsバッファ層2、第1導電型Ga
InPバッファ層3、第1導電型AlGaInP第1クラッド層
4、GaInP活性層5、第2導電型AlGaInP第2クラッド層
6、GaInP第1エッチングストップ層7、GaAs光吸収層
8、及びGaInP第2エッチングストップ層9を、この順
番で基板1側から、MBE法により成長させた。成長時の
基板温度は、約450℃から約570℃の範囲となるようにし
た。
なお、成長層の清浄性を保つために、上記各層を成長
させる工程中に於いて、基板1をMBE装置の外部に取り
出すことはしなかった。
ここで、第2導電型AlGaInP第2クラッド層6の層厚
は、活性層5で発生する光がGaAs光吸収層8にまで漏れ
出すように、1500Å程度とした。
この後、基板1をMBE装置外に取り出した後、GaInP第
2エッチングストツプ層9及びGaAs光吸収層8の一部
を、フォトマスク13を用いて選択的にエッチングするこ
とにより、GaInP第1エッチングストップ層7に達する
ストライプ溝を形成した(第1図(b))。
ストライプ溝を形成するためのエッチング工程後、Ga
InP第1エッチングストップ層7の表面には、大気等と
の接触により酸素や水蒸気等の不純物が吸着してしま
う。このような不純物によりGaInP第1エッチングスト
ップ層7の表面が汚染すると、その層上に成長させた他
の層の結晶性が劣化してしまうことになる。
基板1を再びMBE装置内に導入した後、GaInP層7、9
の表面を清浄化するために、MBE装置内で、GaInP層7、
9に、充分な量のAs分子線を照射しながら、基板温度を
620℃に上昇させ、その状態を数分間維持するという工
程を行った。
この工程によって、GaInP第1エッチングストップ層
7及びGaInP第2エッチングストップ層9の表面近傍のI
n及びPが、As分子線のAsと置換することにより、これ
らのGaInP層7、9の表面近傍の数分子層が、数分子層
のGaAs層10に変化した(第1図(c))。
このとき、GaInP層7、9の表面から汚染物質が除去
され、それらの表面の清浄化が行われた。また、この工
程により形成されたGaAs層10は、680℃程度以下では、
組成元素の蒸発がほとんど生じない熱的に安定な材料か
らなる層である。このため、620℃程度で通常盛んに生
ずるはずのGaInP層7、9からのIn又はPの蒸発が、こ
の数分子層のGaAs層10に覆われることによって防止され
た。
本実施例では、上述のように、上記工程中の基板温度
を620℃としたが、GaAs層10を形成するためには、この
温度を、Inの蒸発が起こる温度である580℃程度以上に
すればよい。Inの蒸発が起こる温度では、Pも蒸発する
ので、充分な良のAs分子線を照射することによって、In
及びPは、Asと置換し、GaAs層10が形成される。
ただし、As分子線の照射により形成されたGaAs層10
が、上記工程中に於いても安定に存在するためには、基
板温度を、680℃程度以下とすることが好ましい。
このように、上記工程を行うことによって、特に、58
0℃程度以上に於いて顕著となるGaInP層7、9のIn又は
Pの蒸発による劣化を、680℃程度に於いても防止する
ことができる。
次に、基板温度を680℃程度として、第2導電型Al0.7
Ga0.3As再成長クラッド層11、及び第2導電型GaAsキャ
ップ層12をこの順番で基板1側から、GaAs層10上にMBE
法により成長させる工程を行った。
Al0.7Ga0.3As再成長クラッド層11を成長させるために
必要となる温度に於いては、通常、GaInP層7、9のIn
又はPの蒸発による劣化が顕著となるが、本実施例で
は、上述した熱的に安定なGaAs10のために、GaInP層
7、9の劣化を防止することができた。
なお、Al0.7Ga0.3As再成長クラッド層11のAl混晶比を
調整することにより、活性層5内で発生する光のエネル
ギ(約1.9eV)よりも大きなバンドギャップエネルギ
(2.1eV)を有する再成長クラッド層11を形成した。こ
うして、活性層5で発生した光をダブルヘテロ構造内に
充分閉じ込めることができた。
ストライプ溝の両側に位置するGaAs層8は、そのバン
ドギャップエネルギが活性層5で発生する光のエネルギ
よりも小さく、活性層5で発生した光を吸収しやすい。
上記構成により、ダブルヘテロ構造上方に設けられた
ストライプ溝内外に於て、実効的な屈折率差が生じ、レ
ーザ光の水平横モードが単一化される。
このようにして形成した積層構造の上面及び基板1の
裏面に、電極15、14を形成することにより、第1図
(d)に示す利得導波型の半導体レーザ素子を作成し
た。
本実施例の半導体レーザ素子は、670nmの波長光を室
温で連続発振した。レーザ光の水平横モードは、単一化
されたものであった。
また、本実施例の半導体レーザ素子は、比較的に熱伝
導性に優れたAlGaAsからなる第2導電型AlGaAs再成長ク
ラッド層11を有しているため、活性層5で発生した熱が
効率的に半導体レーザ素子外へ放散された。このため、
第3図の半導体レーザ素子の温度特性よりも、優れた温
度特性を達成することができた。
しかし、上述の作成方法から、As分子線を照射しなが
ら基板温度を620℃に上昇させる工程を省略した方法に
より作成した半導体レーザ素子(比較例)では、その発
振閾値が上昇したため、室温での連続発振を実現するこ
とはできなかった。これは、比較例の第2導電型GaInP
第1エッチングストップ層7の表面が清浄化されず、そ
の上に良質のAlGaAs再成長クラッド層11を成長させるこ
とができなかったためである。
なお、GaAs層10は、数分子層からなる薄い層であるた
め、半導体レーザ素子の特性に対しては、光学的及び電
気的な影響を直接及ぼさなかった。
また、本実施例の半導体レーザ素子は、GaAs層10上
に、第2のエッチングストップ層9であるGaInP層を有
している。この層の存在によって、AlGaAs再成長層11の
光吸収層8上方に於ける部分の結晶性は、光吸収層8が
除去されたストライプ溝上に成長したAlGaAs再成長層11
の結晶性と同様に優れたものとなった。しかし、AlGaAs
再成長層11の光吸収層8上方に於ける部分では、活性層
5で発生した光の漏れ出しは少ない。このため、上記実
施例の構成から、第2のエッチングストップ層9のみを
除いた構成を有する半導体レーザ素子も、上記実施例と
同様に、室温で安定に発振した。しかし、AlGaAs再成長
層11の光吸収層8上方に於ける部分の結晶性が、上記実
施例のものと比較して劣るため、発振閾値がわずかに増
加した。従って、発振閾値が低く、室温で安定に発振す
る半導体レーザ素子を得るためには、光吸収層8上に
も、GaInP層からなる第2エッチングストップ層9を設
けることが好ましい。
上記実施例の半導体レーザ素子のGaInP第1エッチン
グストップ層7の層厚は70Åであった。このGaInP第1
エッチングストップ層7の層厚を200Åとした半導体レ
ーザ素子は、室温で安定に発振することができなかっ
た。これは、GaInP第1エッチングストップ層7の層厚
の値が、ドブロイ波長の値に比較して大きい場合、GaIn
P第1エッチングストップ層7による光吸収の程度が高
まり、導波路損失が増大し、発振閾値が増加したためで
ある。
従って、室温で、可視光を連続発振させるためには、
GaInP第1エッチングストップ層7の層厚の値を、電子
ドブロイ波長の値よりも、小さくする必要がある。具体
的には、GaInP第1エッチングストップ層7の層厚は、
約30〜約150Åの範囲であることが好ましい。
この場合、GaInP第1エッチングストップ層7中に量
子準位を形成することにより、GaInP第1エッチングス
トップ層7のバンドギャップエネルギを、活性層5のバ
ンドギャプエネルギよりも大きくすることができ、光吸
収の程度を低減できるからである。
エッチングストップ層として用いたGaInP層は、活性
なAlを含んでいないために、AlGaInP層に比較して、酸
素、水蒸気等によって汚染されることが少ないという利
点を有している。従って、上述のようなGaInPエッチン
グストップ層をAlGaInP層からなるダブルヘテロ構造上
に有する本実施例の半導体レーザ素子は、製造工程中に
汚染されにくく、室温での可視光を連続的に発振するこ
とができるという利点を有している。
なお、上記半導体レーザ素子について、ダブルヘテロ
構造は、第1導電型AlGaInP第1クラッド層4、GaInP活
性層5、及び第2導電型AlGaInP第2クラッド層6から
なるものとしたが、他の組成のAlGaInP系半導体層から
なる構造であってもよい。例えば、第1及び第2クラッ
ド層4、6として、AlInP三元混晶からなる層を用いて
もよい。また、活性層5として、AlGaInP四元混晶から
なる層を用いてもよい。また、活性層5として、量子井
戸構造や超格子構造を有する層を用いてもよい。また、
クラッド層と活性層5の間に利得や吸収損失の少ないガ
イドを設けることによって、SCH構造を形成してもよ
い。
また、上記実施例では、光吸収層8としてGaAsからな
る層を用いたが、活性層5で発生する光を吸収しやすい
材料であれば、他の材料、例えば、AlGaAs等を用いても
よい。
(発明の効果) このように、本発明の半導体レーザ素子は、熱伝導性
に比較的優れたAlGaAs層を有しているため、AlGaInPか
らなるダブルヘテロ構造内で発生した熱を効率的に半導
体レーザ素子外に放散することができる。このため、本
発明の半導体レーザ素子は、優れた温度特性を示し、室
温でも、可視光を連続発振することができる。
また、GaInPエッチングストップ層は、活性なAlを含
んでいないために、汚染されにくいという利点を有して
いる。
本発明の製造方法によれば、AlGaAs層を形成する前
に、MBE装置内で、GaInPエッチングストップ層の表面が
清浄化され、しかも、その表面に熱的に安定なGaAs層が
形成されるため、該GaAs層上に、結晶性に優れたAlGaAs
層を形成することができる。従って、本発明の方法によ
れば、ストライプ溝部分での光吸収損失が少なく、発振
閾値の低い可視光半導体レーザ素子を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例を示す断面図、第2図は従来例
を示す断面図、第3図は他の従来例を示す断面図であ
る。 1……第1導電型GaAs基板、2……第1導電型GaAsバッ
ファ層、3……第1導電型GaInPバッファ層、4……第
1導電型AlGaInP第1クラッド層、5……GaInP活性層、
6……第2導電型AlGaInP第2クラッド層、7……GaInP
第1エッチングストップ層、8……GaAs光吸収層、9…
…GaInP第2エッチングストツプ層、10……GaAs層、11
……第2導電型Al0.7Ga0.3As再成長クラッド層、12……
第2導電型GaAsキャップ層、14、15……電極。
フロントページの続き (72)発明者 須山 尚宏 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 松井 完益 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−168091(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】GaAs基板と、 該GaAs基板上に格子整合したAlGaInP結晶層からなるダ
    ブルヘテロ構造と、 該ダブルヘテロ構造上に形成されたGaInPエッチングス
    トップ層と、 該GaInPエッチングストップ層上に形成され、該GaInPエ
    ッチングストップ層に達するストライプ溝を有する光吸
    収層と、 該光吸収層及び該GaInPエッチングストップ層上に形成
    されたAlGaAs層と、を備えており、 該GaInPエッチングストップ層の層厚は、電子のドブロ
    イ波長より短く、該GaInPエッチングストップ層の表面
    には数分子層の厚さを持つGaAs層が形成されており、 該AlGaAs層は、該ダブルヘテロ構造内で発生する光のエ
    ネルギよりも大きなバンドギャップエネルギを有してい
    る、半導体レーザ素子。
  2. 【請求項2】前記光吸収層の上面の上に、他のGaInPエ
    ッチングストップ層が形成されている請求項1に記載の
    半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】GaAs基板上に、該GaAs基板に格子整合する
    AlGaInP結晶層からなるダブルヘテロ構造を形成する工
    程と、 該ダブルヘテロ構造上に、GaInPエッチングストップ層
    を形成する工程と、 該GaInPエッチングストップ層上に、光吸収層を形成す
    る工程と、 該光吸収層を選択的にエッチングすることにより、該Ga
    InPエッチングストップ層に達するストライプ溝を形成
    する工程と、 MBE装置内で、該ストライプ溝内の該GaInPエッチングス
    トップ層にAs分子線を照射しながら、該GaInPエッチン
    グストップ層のIn及びPが蒸発する温度にまで該GaAs基
    板を加熱することにより、該As分子線が照射された該Ga
    InPエッチングストップ層の表面近傍の数分子層をGaAs
    層に変化させる工程と、 該ダブルヘテロ構造内で発生する光のエネルギより大き
    なバンドギャップエネルギを有するAlGaAs層を、該MBE
    装置内で、MBE法により、該GaAs層及び該光吸収層の上
    に成長させる工程と、 を包含する半導体レーザ素子の製造方法。
  4. 【請求項4】GaAs基板上に、該GaAs基板に格子整合する
    AlGaInP結晶層からなるダブルヘテロ構造を形成する工
    程と、 該ダブルヘテロ構造上に、第1のGaInPエッチングスト
    ップ層を形成する工程と、 該第1のGaInPエッチングストップ層上に、光吸収層を
    形成する工程と、 該光吸収層上に、第2のGaInPエッチングストップ層を
    形成する工程と、該第2のGaInPエッチングストップ層
    及び該光吸収層を選択的にエッチングすることにより、
    該第1のGaInPエッチングストップ層に達するストライ
    プ溝を形成する工程と、 MBE装置内で、該第1のGaInPエッチングストップ層及び
    第2のGaInPエッチングストップ層にAs分子線を照射し
    ながら、該第1及び第2のGaInPエッチングストップ層
    のIn及びPが蒸発する温度にまで該GaAs基板を加熱する
    ことにより、該As分子線が照射された該第1及び第2の
    GaInPエッチングストップ層の表面近傍の数分子層をGaA
    s層に変化させる工程と、 該ダブルヘテロ構造内で発生する光のエネルギより大き
    なバンドギャップエネルギを有するAlGaAs層を、該MBE
    装置内で、MBE法により、該GaAs層上に成長させる工程
    と、 を包含する半導体レーザ素子の製造方法。
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