JP2533761B2 - デイスク駆動装置のトラツク零制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、ディスク駆動装置の変換ヘッドをトラック
零の位置に確実に制御できるようにしたディスク駆動装
置のトラック零制御方法に関するものである。

（従来の技術） 近年、磁気ディスク等の回転する円板状の記録媒体デ
ィスクに対して、磁気ヘッド等の変換ヘッドを搭載する
キャリッジをステッピングモータで半径方法に移動さ
せ、ディスクの外周部に設定したトラック零を基準とし
て変換ヘッドの位置を制御して、情報の記録および再生
を行うディスク駆動装置が普及している。そして、電源
が投入されると、まず変換ヘッドをトラック零の位置と
なるよう制御し、変換ヘッドがトラック零に位置した状
態で出力されるトラック零検出信号によって、情報の記
録または再生が開始されるように構成されている。

このトラック零検出信号は、変換ヘッドをトラック零
に位置させるステッピングモータの駆動信号と、トラッ
ク零センサ機能から変換ヘッドがトラック零近くになる
と出力される検出信号との論理積によって得られてい
る。

ところで、特開昭60−207500号公報に詳述されるよう
に、変換ヘッドを移動させるステッピングモータに、変
換ヘッドをトラック零に位置させる駆動信号を与えて
も、必ずしも変換ヘッドはトラック零とならない。なぜ
ならば、例えば、ステッピングモータがトラック零の励
磁相に対して電気角で180度の位置にあると、トラック
零の励磁相にステッピングモータの駆動信号である励磁
電流が流されても、トラック零の位置とこれと電気角で
360度の位置にあってトラック零の励磁相と同相の別の
トラックの位置との中間で磁気的平衡点にあり、いずれ
の方向にも移動し得ない。そこで、変換ヘッドの位置が
トラック零より内方に電気角で180度にあるとともに、
トラック零センサ機構の位置精度が悪くて前述の変換ヘ
ッドの位置で検出信号を出力すると、変換ヘッドがトラ
ック零に位置していないにもかかわらず、トラック零検
出信号が出力されてディスク駆動装置が誤動作する虜が
ある。

そこで、この不具合を改善すべく、変換ヘッドをトラ
ック零に位置させる駆動信号で、変換ヘッドの位置が確
実にトラック零となる制御方法が、前述の公報に示され
ている。この公報に示された技術は、ディスク駆動装置
の電源を投入した際に、まず変換ヘッドをトラック零よ
り１ステップ（１トラック）分内方に位置するようステ
ッピングモータを駆動し、次に変換ヘッドをトラック零
とするようにステッピングモータを駆動するものであ
る。

つまり、変換ヘッドをトラック零に移動すべく励磁電
流を流したときに電磁的平衡点にないように、予め変換
ヘッドの位置をずらし、その後に変換ヘッドをトラック
零に移動させる。この、２段階のステッピングモータの
駆動により変換ヘッドをトラック零に制御することで、
前述の変換ヘッドがトラック零に位置していないにもか
かわらずトラック零検出信号が出力されるという不都合
が改善されている。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、前述の公報に記載される技術は、変換ヘッ
ドがトラック零より内方にステッピングモータの３ステ
ップ（３トラック）分を越えず、外方に１ステップ分を
越えない範囲で所望の作用が得られる。しかしながら、
変換ヘッドが外方に１ステップ分を越えた位置にあれ
ば、上記従来の技術では変換ヘッドがさらに外方に移動
することとなって、トラック零とすることはできず、デ
ィスク駆動装置の誤動作を生じさせ易い。なお、変換ヘ
ッドが内方に３ステップ分を越えて位置しても、トラッ
ク零センサ機能が検出信号を出力しないのでディスク駆
動装置を誤動作させることはない。

ここで、変換ヘッドのトラック零の外方への移動を制
限するリミッタ機構を設けることかが考えられる。この
リミッタ機構は、変換ヘッドをトラック零とするようス
テッピングモータを駆動した際に、トラック零に変換ヘ
ッドを引き込むように制御するためには、変換ヘッドの
位置を外方に１ステップ分を越えない範囲に制限しなけ
ればならない。そして、リミッタ機構の取付位置は、ス
テップ零より外方でしかもステップ零の外方の１ステッ
プ分よりも内方でなければならず、１ステップ分よりも
かなり狭い範囲に制限される。したがって、リミッタ機
構の取付位置に対する精度が厳しく、取付後の調節等を
必要として量産に向かないという不具合があった。

本発明の目的は、上記した従来のディスク駆動装置の
トラック零制御方法の不具合を改善すべくなされたもの
で、リミッタ機構の位置の許容範囲が広く、しかも変換
ヘッドの位置を確実にトラック零に制御できて、ディス
ク駆動装置の誤動作を生じさせないようにしたディスク
駆動装置のトラック制御方法を提供することにある。

（問題点を解決するための手段） かかる目的を達成するために、本発明のディスク駆動
装置のトラック零制御方法は、回転する記録媒体ディス
クに対して、このディスクに関係して情報を記録または
再生する変換ヘッドを半径方向にステッピングモータで
移動させ、前記ディスクの外周部に設定するトラック零
を基準として前記変換ヘッドの位置を制御するディスク
駆動装置であって、前記変換ヘッドがトラック零近くの
トラック１より外方に位置する状態で検出信号を出力す
るトラック零センサ機能と、前記変換ヘッドの位置がト
ラック零より外方に前記ステッピングモータの電気角で
360度を越さないように制限するリミッタ機構とを設
け、電源が投入された際に、まず前記変換ヘッドをトラ
ック零より前記電気角で180度未満外方であるとともに
前記リミッタ機構より前記電気角で180度未満に位置さ
せるように前記ステッピングモータを駆動し、次に変換
ヘッドをトラック零に位置させるように前記ステッピン
グモータを駆動し、このトラック零とする駆動信号と前
記トラック零センサ機構の検出信号の論理積から前記変
換ヘッドがトラック零の位置に制御されたことを示すト
ラック零検出信号を得る。

（作用） 変換ヘッドがトラック零より外方にステッピングモー
タの電気角で360度を越えないようにリミッタ機構を設
け、まず変換ヘッドを電気角で180度未満外方であると
ともにリミッタ機構より電気角180度未満に位置させ、
次にトラック零に位置させるようにステッピングモータ
を駆動するので、最初に変換ヘッドを駆動する位置に対
して、電気角で180度未満内方から電気角で180度未満外
方の範囲内にある変換ヘッドが確実にトラック零の位置
に制御される。

（実施例の説明） 以下、本発明の実施例を第１図および第２図を参照し
て説明する。第１図は、本発明のディスク駆動装置のト
ラック零制御方法の説明図であり、第２図は、本発明に
おけるトラック零センサ機構とリミッタ機構の概要図で
ある。

第２図において、ステッピングモータ１は２相励磁で
あって、制御回路２から４相のAB,A，，Ｂの駆
動信号が与えられ、さらにABの駆動信号がアンド回路３
の一方の入力端に与えられている。また、ステッピング
モータ１のプーリ４がスチールベルト５を介してキャリ
ッジ６に連結されている。このキャリッジ６に、回転す
る記録媒体ディスク７に関係して情報を記録まなは再生
する変換ヘッド８が搭載されている。そして、ガイドシ
ャフト９に案内されてステッピングモータ１の駆動によ
り変換ヘッド８を搭載するキャリッジ６がディスク７の
半径方向に移動される。さらに、キャリッジ６から側方
に遮断板10が突設されるとともに、キャリッジ６が所定
の位置までディスク７の外方に向けて移動すると遮断板
10によって光路が遮断されるフォトインタラプタ11が設
けられていて、トラック零センサ機構が形成されてい
る。このトラック零センサ機構から出力されるトラック
零検出信号はアンド回路３の他方の入力端に与えられて
いる。そしてさらに、キャリッジ６が所定の位置を越え
てディスク７の外方へ移動するのを制限すべく、キャリ
ッジ６に当接するようリミッタ部材12が設けられて、リ
ミッタ機構が形成されている。

ここで、トラック零センサ機構は変換ヘッド８がトラ
ック零近くのトラック１より外方に位置する状態でトラ
ック零検出信号を出力するように設定され、リミッタ機
構は変換ヘッド８がトラック零からステッピングモータ
１の電気角で360度未満外方、例えば３ステップ分を越
えて外方に移動しないように調整されている。

かかる構成において、第１図によりステッピングモー
タ１の制御方法を説明する。なお、第１図において、ス
テッピングモータ１の２ステップで１トラック分変換ヘ
ッド８が移動するとともに、ABの駆動信号で変換ヘッド
８がトラック零TK0に位置するものとする。

ディスク駆動装置の電源が投入されると、まずトラッ
ク零TK0よりステッピングモータ１の電気角で180度未満
外方であるとともにリミッタ部材12による制限位置より
電気角で180度未満、例えばトラック零TK0より１ステッ
プ外方に変換ヘッド８を位置させるようステッピングモ
ータ１にＡの駆動信号が与えられる。このＡの駆動
信号により、変換ヘッド８がトラック零TK0より内方に
１ステップ分の内方0.5トラックから外方に３ステップ
分の外方1.5トラックを越えない範囲にあれば、変換ヘ
ッド８は外方に１ステップ分の外方0.5トラックに位置
制御される。そして、変換ヘッド８が内方0.5トラック
を越えて内方にあれば、さらに内方1.5トラックに位置
される。次に、トラック零TK0とするABの駆動位置をス
テッピングモータ１に与えると、外方0.5トラックにあ
る変換ヘッド８はトラック零TK0に位置制御される。こ
の状態でトラック零センサ機構より検出信号が出力され
ており、アンド回路３からトラック零検出信号が出力さ
れる。一方、内方1.5トラックにある変換ヘッドは、さ
らに１ステップ内方に移動してトラック2TK2に位置制御
される。ここで、トラック零センサ機構から検出信号が
出力されないので、アンド回路３からトラック零検出信
号は出力されない。

ところで、リミッタ機構の調整は、変換ヘッド８が外
方に３ステップ分を越えないように制限すれば良いが、
制限を実際上でより確実に行うためには、リミッタ機構
の取付位置がステップ零の外方の１ステップ分よりも外
方でしかもステップ零の外方の３ステップ分よりも内方
にあれば良く、２ステップ分よりは狭いが１ステップ分
程度のずれが許容される。よって、本発明の装置にあっ
ては、従来装置に比較してリミッタ機構の取付位置の精
度が緩くて足りる。もって、量産に好適である。

なお、上記実施例では、１ステップがステッピングモ
ータ１の電気角で90度となるよう使用しているため、変
換ヘッド８の最初の駆動がトラック零より電気角で180
度未満で最も外方となる外方１ステップの電気角で90度
に位置させている。そして、この変換ヘッド８の最初に
位置する電気角の90度外方から180度未満に相当する270
度未満の位置、すなわち３ステップ外方を越えないよう
にリミッタ部材12が配置されている。しかしながら、ス
テッピングモータの１ステップがより小さな電気角のも
のを使用するならば、変換ヘッド８が最初に駆動制御さ
れる位置をより電気角で180度外方に近づけることがで
き、これにともなって、リミッタ部材12を配置する位置
をより電気角で360度外方に近づけることができる。ま
た、２相励磁のステッピングモータであれば、２相励磁
と１相励磁を用いることで、実質的な１ステップの電気
角を小さくでき、リミッタ部材12の配置する位置を電気
角で360度外方により近づけることができる。さらに、
２相励磁のステッピングモータであれば、変換ヘッド８
を電気角で180度外方に位置させる励磁状態の２相の電
流値を細かく調整することで、変換ヘッド８を電気角で
180度より僅かに内方に位置させることができ、これに
よりリミッタ部材12を配置する位置を電気角で360度外
方により一層近づけることができる。

また、上記実施例では、２ステップで１トラック分変
換ヘッド８を移動するよう設定されているが、１ステッ
プで１トラック分移動するものであっても良いことは勿
論である。

（発明の効果） 上記説明したように、本発明のディスク駆動装置のト
ラック零制御方法によれば、変換ヘッドをトラック零の
位置に確実にでき、しかも変換ヘッドの外方への移動を
制限するリミッタ機構の取付位置の精度が、従来装置に
比較して緩くて足り、量産に好適であるという優れた効
果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明のディスク駆動装置のトラック零制御
方法の説明図であり、第２図は、本発明におけるトラッ
ク零センサ機構とリミッタ機構の概要図である。 1:ステッピングモータ、2:制御回路、6:キャリッジ、7:
記憶媒体ディスク、8:変換ヘッド、10:遮断板、11:フォ
トインタラプタ、12:リミッタ部材。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】回転する記録媒体ディスクに対して、この
   ディスクに関係して情報を記録または再生する変換ヘッ
   ドを半径方向にステッピングモータで移動させ、前記デ
   ィスクの外周部に設定するトラック零を基準として前記
   変換ヘッドの位置を制御するディスク駆動装置であっ
   て、前記変換ヘッドがトラック零近くのトラック１より
   外方に位置する状態で検出信号を出力するトラック零セ
   ンサ機構と、前記変換ヘッドの位置がトラック零より外
   方に前記ステッピングモータの電気角で360度を越さな
   いように制限するリミッタ機構とを設け、電源が投入さ
   れた際に、まず前記変換ヘッドをトラック零より前記電
   気角で180度未満外方であるとともに前記リミッタ機構
   より前記電気角で180度未満に位置させるように前記ス
   テッピングモータを駆動し、次に変換ヘッドをトラック
   零に位置させるように前記ステッピングモータを駆動
   し、このトラック零とする駆動信号と前記トラック零セ
   ンサ機構の検出信号の論理積から前記変換ヘッドがトラ
   ック零の位置に制御されたことを示すトラック零検出信
   号を得ることを特徴とするディスク駆動装置のトラック
   零制御方法。