JP2533155Y2 - ショルダアンカ高さ調節装置 - Google Patents

ショルダアンカ高さ調節装置

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JP2533155Y2
JP2533155Y2 JP10745091U JP10745091U JP2533155Y2 JP 2533155 Y2 JP2533155 Y2 JP 2533155Y2 JP 10745091 U JP10745091 U JP 10745091U JP 10745091 U JP10745091 U JP 10745091U JP 2533155 Y2 JP2533155 Y2 JP 2533155Y2
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end bearing
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滋 樹神
利昌 山本
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ウエビングの長手方向
中間部が挿通されかつ車両の側壁上部に配置されたショ
ルダアンカを車両上下方向に沿って移動させることによ
り、ショルダアンカの高さを調節するショルダアンカ高
さ調節装置に関する。
【0002】
【従来の技術】乗員拘束用の3点式シートベルト装置で
は、ウエビングの中間部に摺動自在に挿通されたタング
プレートをバックル装置へ係合させることにより、ウエ
ビングの中間部が挿通されこれを支持するショルダアン
カからタングプレートまでのウエビングをショルダ側の
ウエビング、タングプレートからアンカプレートまでの
ウエビングをラップ側のウエビングとしたウエビング装
着状態となる。
【0003】このショルダアンカは車両の側壁上部に配
置されており、従来から乗員の体格に合わせてその高さ
を調節するためのショルダアンカ高さ調節装置が用いら
れている。このショルダアンカ高さ調節装置には、乗員
が適宜ショルダアンカを選択的にフレーム側に係合させ
て高さを調節する手動操作式のものと、モータを用いて
ショルダアンカの高さを調節する電動操作式のものとが
ある。
【0004】このうち、電動操作式のショルダアンカ高
さ調節装置においては、一般にモータの駆動力を、車両
上下方向を軸線方向として配置されかつ軸方向両端部が
フレームに軸支された送り螺子に伝達し、この送り螺子
が回転することにより、これに螺合されたショルダアン
カを車両上下方向に沿って移動させるように構成されて
いる。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、この構
造によると、車両急減速時に乗員の慣性移動によりウエ
ビングに作用した荷重を送り螺子が受け、この送り螺子
によって支持するため、送り螺子を高剛性の金属で製造
して剛性を確保する必要があった。このため、送り螺子
ひいてはショルダアンカ高さ調節装置の重量増加を招
き、またコストアップに繋がるという問題点が生じる。
【0006】本考案は上記事実を考慮し、軽量化及びコ
スト削減を図ることができるショルダアンカ高さ調節装
置を得ることが目的である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案は、一端が巻取装
置に巻き取られ他端がアンカプレートに係止されたウエ
ビングの長手方向中間部が挿通されかつ車両の側壁上部
に配置されたショルダアンカを車両上下方向に沿って移
動させることにより、前記ショルダアンカの高さを調節
するショルダアンカ高さ調節装置であって、前記ショル
ダアンカの基部が螺合され、軸線回りに回転することに
より前記ショルダアンカを車両上下方向へ移動させる送
り螺子と、前記車両の側壁上部に取り付けられ、前記送
り螺子を支持する支持手段と、この支持手段に設けら
れ、前記送り螺子の軸方向の両端部を軸支する軸受け部
と、前記ショルダアンカの基部に設けられた係合部と、
前記支持手段における前記係合部と対向する位置に設け
られ、該係合部と係合可能な被係合部と、を有し、前記
軸受け部は、通常時には前記係合部と前記被係合部とを
非係合状態に維持させる第1の位置に前記送り螺子を保
持し、車両急減速時には前記係合部と前記被係合部とを
係合状態に維持させる第2の位置に前記送り螺子を保持
することを特徴としている。
【0008】
【作用】本考案に係るショルダアンカ高さ調節装置で
は、通常時には乗員によるウエビング張力が所定値以下
なので、送り螺子の両端部が軸受け部の第1の位置に保
持される。このため、ショルダアンカの基部に設けられ
た係合部と支持手段における係合部と対向する位置に設
けられた被係合部とが、非係合状態に維持される。
【0009】この状態にある場合において乗員がショル
ダアンカの高さを調節する際には、送り螺子が軸線回り
に回転される。このため、ショルダアンカが車両上下方
向へ移動され、所望の高さにショルダアンカがセットさ
れる。これにより、ショルダアンカに挿通されたウエビ
ングの乗員に対する高さが変わるので、乗員のウエビン
グ装着高さが調節されることになる。
【0010】一方、車両急減速時になると、乗員がウエ
ビングに拘束されながらも慣性移動しようとするため、
ウエビングに加わる荷重がショルダアンカ及び送り螺子
へ作用する。このため、送り螺子は軸受け部の第2の位
置に保持され、係合部と被係合部とが係合状態とされ
る。従って、ウエビングを介してショルダアンカに作用
した荷重は、係合部及び被係合部が係合状態とされてい
るため、支持手段によって支持される。この支持手段は
車両の側壁上部に取り付けられているので、前記荷重は
車両の側壁上部によって支持されることになる。
【0011】この結果、送り螺子自体で前記荷重を支持
する必要がなくなるので、送り螺子の強度及び重量を低
減することが可能となる。
【0012】
【実施例】以下、図1〜図3を用いて、本考案の第1実
施例に係るショルダアンカ高さ調節装置10について説
明する。なお、これらの図において、適宜示される車両
FRは車両前方側、矢印UPは車両上方側、矢印INは
車両室内側をそれぞれ示している。
【0013】図3に示されるように、車両の側壁12の
下部には巻取装置14が配設されており、ウエビング1
6の一端を図示しない巻取軸に層状に巻き取っている。
また、車両の側壁12の下部にはアンカプレート18が
固定されており、ウエビング16の他端が巻き掛けられ
て係止されている。さらに、ウエビング16の中間部
は、車両の側壁12の上部に設けられたショルダアンカ
高さ調節装置10のショルダアンカ20に挿通されて折
り返されている。また、ウエビング16の中間部にはタ
ングプレート22が挿通されており、運転席のシート2
4の車両室内中央側に立設されたバックル装置26に係
合及び離脱可能とされている。
【0014】乗員は、タングプレート22を把持してバ
ックル装置26に係合させることにより、ショルダアン
カ20からタングプレート22までのウエビング16を
ショルダ側のウエビング16A、タングプレート22か
らアンカプレート18までのウエビング16をラップ側
のウエビング16Bとした3点式のシートベルト装置2
8のウエビング装着状態となることができる。乗員がウ
エビング装着状態を解除する場合には、バックル装置2
6のレリーズボタン26Aを押圧することにより、タン
グプレート22がバックル装置26から離脱されてウエ
ビング16が巻取装置14へ付勢力で巻き取られるよう
になっている。
【0015】さて、図2に示されるように、ショルダア
ンカ高さ調節装置10は、車両の側壁12の上部に固定
される支持手段としてのフレーム本体30を備えてい
る。フレーム本体30は、車両上下方向に沿って長手方
向とされた断面L字形状の一対の支持壁32、34と、
これらの支持壁32、34の車両上下方向両端部に固着
された方形平板状の軸受け壁36、38と、支持壁3
2、34の両側に固着されが取付用フランジ76、78
と、から成る。
【0016】取付用フランジ76、78は図示しないボ
ルトにより車両の側壁12の上部に取り付けられてい
る。また、支持壁32、34間には、車両上下方向に沿
って一条のスリット40が形成されており、このスリッ
ト40へはショルダアンカ20の取付ボルト42が貫通
している。取付ボルト42はフレーム本体30内に配置
された略直方体形状のショルダアンカの基部としてのブ
ロック44に螺合されている。ブロック44の中央部に
は車両上下方向を長手方向として配置された送り螺子4
6が螺合されている。この送り螺子46は従来のものよ
りも小径、即ち細く形成されており、従って軽量化され
ていると共に比較的低剛性とされている。また、ブロッ
ク44の車両前後方向側の各側面は、各支持壁32、3
4の内側面に当接している。従って、送り螺子46が回
転することにより、ブロック44は一対の支持壁32、
34の内側の面にガイドされながら、昇降するようにな
っている。
【0017】このブロック44の車両室内側の表面に
は、車両下方側へ歯が向けられた係合部としてのロック
歯48が形成されている。また、一対の支持壁32、3
4におけるロック歯48と対向する側の表面には、車両
上方側へ歯が向けられかつロック歯48と噛み合い可能
な被係合部としての噛み合い歯50が形成されている。
【0018】また、送り螺子46の軸方向の一方の端部
(車両上方側の端部)46Aは、車両上方側に位置する
軸受け壁36の鍵穴状の上端凹部52に嵌入された軸受
け部としての上端軸受け54に軸支されている。同様
に、送り螺子46の軸方向の他方の端部(車両下方側の
端部)46Bは、車両下方側に位置する軸受け壁36の
鍵穴状の下端凹部56に嵌入された軸受け部としての下
端軸受け58に軸支されている。なお、これらの上端軸
受け54及び下端軸受け58の詳細については、後述す
る。
【0019】さらに、送り螺子46の軸方向の他方の端
部46B(車両下方側に位置する軸受け壁38側)は中
空円筒形状とされていると共に、その軸線方向に見てマ
イナス状のキー溝(図示省略)が形成されている。そし
て、送り螺子46の軸方向の他方の端部46Bの中空部
分には略円柱形状とされた回転軸62が挿入されてい
る。この回転軸62には、前記キー溝へ嵌入されるマイ
ナス状の突起(図示省略)が一体形成されている。この
回転軸62は、モータ64と連結されている。従って、
回転軸62はモータ64の駆動力を受けて正転または逆
転するようになっている。なお、モータ64は、図示し
ないアームレスト等に設けられた操作スイッチを操作す
ることにより駆動(正転、逆転)及び停止するようにな
っている。
【0020】図1及び図2に示されるように、送り螺子
46の軸方向の両端部46A、46Bを軸支している上
端軸受け54及び下端軸受け58は、樹脂製とされた円
筒形状とされている。この上端軸受け54が鍵穴状の上
端凹部52の円孔部に嵌入されている。同様にして、下
端軸受け58が鍵穴状の下端凹部56の円孔部に嵌入さ
れている。図1(A)に示されるように、通常時には送
り螺子46の一方の端部46A及び他方の端部46Bが
上端軸受け54及び下端軸受け58に軸支されている。
なお、これらの上端軸受け54及び下端軸受け58にお
いて、その内周面と送り螺子46の一方の端部46A及
び他方の端部46Bの外周面との間には、図示しない比
較的軟質の樹脂が介在されており、送り螺子46がガタ
つくのを防止している。
【0021】また、図1(B)に示されるように、この
上端軸受け54及び下端軸受け58は、車両急減速時に
おける荷重が作用した場合、送り螺子46に押圧されて
円筒形状から鍵穴形状へと塑性変形するようになってい
る。
【0022】上述した送り螺子46の両端部46A、4
6Bが円筒形状にある上端軸受け54及び下端軸受け5
8に軸支されている状態(図1(A)に示される状態)
では、ブロック44のロック歯48と一対の支持壁3
2、34の噛み合い歯50とは離間した状態にある。一
方、送り螺子46の両端部46A、46Bが鍵穴形状に
ある上端軸受け54及び下端軸受け58に軸支されてい
る状態(図1(B)に示される状態)では、ブロック4
4のロック歯48と一対の支持壁32、34の噛み合い
歯50とが係合するようになっている。なお、この円筒
形状の上端軸受け54及び下端軸受け58の軸支位置が
本考案における第1の位置であり、鍵穴形状の上端軸受
け54及び下端軸受け58の軸支位置が本考案における
第2の位置である。
【0023】以下に、本実施例の作用を説明する。乗員
がシート24に着座した後ウエビング16を装着するに
は、タングプレート22をバックル装置26へ係合すれ
ばよい。これにより、乗員はショルダアンカ20からタ
ングプレート22までのウエビング16をショルダ側の
ウエビング16A、タングプレート22からアンカプレ
ート18までのウエビング16をラップ側のウエビング
16Bとした3点式のシートベルト装置28のウエビン
グ装着状態となることができる。
【0024】ウエビング装着後の状態において、乗員の
体格とショルダ側のウエビング16の装着位置とが不適
切な場合がある。この場合には、図示しない操作スイッ
チを操作することにより、モータ64を駆動させ、ブロ
ック44を車両上方または車両下方へ向けて移動させれ
ばよい。これにより、ショルダアンカ20の乗員に対す
る高さが変更され所望の高さに調節される。なお、この
状態においては、送り螺子46の軸方向の両端部46
A、46Bは、円筒形状にある上端軸受け54及び下端
軸受け58に軸支された状態を維持する。従って、ロッ
ク歯48と噛み合い歯50とは非係合状態にある。
【0025】次に、この状態から車両急減速時になる
と、乗員はウエビング16に拘束されつつも車両前方側
へ慣性移動しようとする。この際、ウエビング16には
乗員からの押圧力が作用し、この押圧力がウエビング張
力としてショルダアンカ20に伝達される。そして、シ
ョルダアンカ20を介して送り螺子46が車両室内側か
つ車両略下方側へ向けて引っ張られることになる。
【0026】ここで、ショルダアンカ20に所定値以上
の荷重が作用すると、送り螺子46の軸方向の両端部4
6A、46B(特に、軸方向の一方の端部46A)が車
両室内側かつ車両下方側へ引っ張られる。このため、送
り螺子46の軸方向の両端部46A、46B(特に、軸
方向の一方の端部46A)によって、上端軸受け54及
び下端軸受け58の周面が図1(B)の矢印A方向へ押
圧される。従って、上端軸受け54及び下端軸受け58
は、図1(A)に示される円筒形状から図1(B)に示
される鍵穴形状へと塑性変形する。この結果、送り螺子
46の上端軸受け54及び下端軸受け58への軸支位置
が、第1の位置から第2の位置へと変更され、ロック歯
48が噛み合い歯50と噛み合い、即ち係合状態とな
る。従って、ショルダアンカ20を介して送り螺子46
に作用していた荷重は、フレーム本体30へ伝達され、
フレーム本体30が取り付けられている車両の側壁12
に支持されることになる。
【0027】このように本実施例では、車両急減速時に
なると、ショルダアンカ20に一体的に取り付けられた
ブロック44に形成されたロック歯48がフレーム本体
30の一対の支持壁32、34に形成された噛み合い歯
50と噛み合い、係合状態となることにより、ウエビン
グ16からの荷重を送り螺子46で受けることなく、フ
レーム本体30で受けることができ、ひいては車両の側
壁12で前記荷重を支持することができる。このため、
送り螺子46は、上端軸受け54及び下端軸受け58を
塑性変形させる程度の強度を備え、かつブロック44を
昇降させる機能だけを備えていれば充分となるので、送
り螺子46を細くして軽量化することができると共に剛
性を低下させることができる。従って、ショルダアンカ
高さ調節装置10の軽量化及びコストダウンを図ること
ができる。
【0028】また、本実施例では、送り螺子46の軸方
向の両端部46A、46Bを樹脂製の上端軸受け54及
び下端軸受け58で軸支する構成であるので、上端軸受
け54及び下端軸受け58の設定硬度を容易に変更する
ことができるので、送り螺子46が第1の位置から第2
の位置へと移動する際の荷重を容易に調節することがで
きる。
【0029】さらに、本実施例では、樹脂製の上端軸受
け54及び下端軸受け58は上端凹部52及び下端軸受
け58に嵌入させる構成であるため、一度塑性変形した
上端軸受け54、下端軸受け58を取り替える場合等に
おける互換性に優れている。
【0030】なお、本実施例では、鍵穴形状の上端凹部
52及び下端凹部56に円筒形状の上端軸受け54及び
下端軸受け58を嵌入させているが、これに限らず、図
4に示されるような円筒が周縁一部で重なった形状の軸
受け66を用いてもよい。この軸受け66は平面視で楕
円形状の凹部68に嵌入されており、上述したように円
筒が周縁一部で重なった形状とされている。すなわち、
軸受け66の中間部には互いに近接する方向へ向けて若
干突出する突起66Aが形成されており、この突起66
Aによって送り螺子46の両端部46A、46Bが不用
意に外側円筒部66B(第1の位置)から内側円筒部6
6C(第2の位置)へと移動するのを規制している。上
記構成によれば、通常時には送り螺子46の両端部46
A、46Bが外側円筒部66Bに軸支されており、車両
急減速時には突起66Aを乗り越えて内側円筒部66C
に軸支されるようになっている。この変形例において
も、前述した実施例と同様の効果が得られる。
【0031】さらに、上端軸受け54及び下端軸受け5
8の代わりに、図5に示されるようなU字形状の軸受け
70を用いてもよい。この軸受け70では、U字形状の
内部に送り螺子46の両端部46A、46Bが嵌入され
ており、その開口部が中間部で屈曲された板ばね72に
よって押圧されている。従って、通常時には図5に実線
で示されるように、送り螺子46の両端部46A、46
Bが板ばね72によって押圧されて第1の位置に保持さ
れており、車両急減速時になると図5に二点鎖線で示さ
れるように、板ばね72が送り螺子46の両端部46
A、46Bによって押圧されて弾性変形し、送り螺子4
6の両端部46A、46Bを第2の位置へと移動させ
る。この構成においても、前述した実施例、変形例と同
様の効果が得られる。さらに、この変形例によれば、送
り螺子46の両端部46A、46Bが第1の位置から第
2の位置へ移動した後に、再び両端部46A、46Bを
第1の位置へ復帰させることができる。
【0032】次に、図6及び図7を用いて、本考案の第
2実施例に係るショルダアンカ高さ調節装置100につ
いて説明する。なお、第1実施例と同一構成部分につい
ては同一番号を付してその説明を省略する。
【0033】図6に示されるように、このショルダアン
カ高さ調節装置100は、車両側方から見て矩形枠状と
された支持手段としてのフレーム102を備えている。
フレーム102の車両前後方向の両側部102Aは、車
両室外側へ向けて直角に屈曲されている。フレーム10
2の両側部102Aには、その端部に被係合部としての
鋸歯状の噛み合い歯104が形成されている。なお、噛
み合い歯104の向きは、前述した第1実施例の噛み合
い歯50と同一である。
【0034】このフレーム102には、ショルダアンカ
20が取付ボルト42で取り付けられるショルダアンカ
の基部としてのスライダ106が対応している。スライ
ダ106は、取付ボルト42が螺合される雌ねじ部11
0と、送り螺子46が螺合されるブロック112と、こ
れらの雌ねじ部110及びブロック112が一体的に組
み付けられ、かつショルダアンカ20を昇降させるスラ
イダ本体114と、から構成されている。
【0035】スライダ本体114は、鋼板を略コ字形に
屈曲させて形成されており、その車両室内側の面には開
口部116が形成されている。この開口部116へは、
略直方体形状のブロック112の室内側端部が固着され
ている。このブロック112の室内側端部を除く部分は
スライダ本体114内に突出した状態で位置し、またそ
の中央部には周面に雌ねじが形成された貫通孔118が
形成されている。そして、この貫通孔118へは螺子4
6が螺合されている。従って、モータ64(図6には図
示を省略している)の駆動力を受けて送り螺子46が回
転すると、ブロック112が昇降するようになってい
る。
【0036】ブロック112の下方側には、雌ねじ部1
10が配置されており、この雌ねじ部110のボス11
0Aへ取付ボルト42が螺合されている。そして、スラ
イダ本体114の車両室外側の端部114Aには、車両
上下方向に沿って所定の間隔で係合部としての矩形状の
係合孔120が複数形成されている。この係合孔120
は前述した噛み合い歯104と車両側方視で重合する位
置に設定されており、その開口面積は噛み合い歯104
が噛み合い可能な大きさとされている。
【0037】さて、フレーム102の上端部及び下端部
にはフレーム固定用の上端フランジ102B、下端フラ
ンジ102Cが一体形成されている。これらの上端フラ
ンジ102B、下端フランジ102Cは共に半円形状と
されており、かつ車両室内側の面には軸受け部としての
上端軸受け部材122、下端軸受け部材124が密着配
置されている。そして、上端フランジ102B及び上端
軸受け部材122、下端フランジ102C及び下端軸受
け部材124は、それぞれスポット溶接されて一体化さ
れている。なお、スポット溶接の代わりにリベット等で
固定してもよい。
【0038】上端軸受け部材122及び下端軸受け部材
124は共にアングル状とされており、比較的軟質の鋼
板等の板材で形成されている。この上端軸受け部材12
2及び下端軸受け部材124は、軸支部122A、12
4Aと取付部122B、124Bとを備えている。この
内、取付部122B、124B及び上端フランジ102
B、下端フランジ102Cには同軸上の貫通孔126、
128が形成されており、図示しない固定ボルトが螺入
されるようになっている。また、軸支部122A、12
4Aにも車両上下方向に同軸上とされた軸支孔130、
132が形成されており、これらの軸支孔130、13
2へ送り螺子46の軸方向両端部46A、46Bが軸支
されている。
【0039】さらに、上端軸受け部材122、下端軸受
け部材124における取付部122B、124Bと軸支
部122A、124Aとが接続する角部122C、12
4Cは、上端フランジ102B、下端フランジ102C
よりも若干突出した状態に配置されており、車両急減速
時に所定の高荷重が作用することにより塑性変形するよ
うになっている。
【0040】上記構成によれば、通常は係合孔120と
噛み合い歯104とは離間した状態(図6及び図7
(A)に図示された状態)とされ、この状態でフレーム
102及びショルダアンカ20が昇降する。しかし、車
両急減速時になると、ショルダアンカ20を介してスラ
イダ106に所定の高荷重が加わるので、送り螺子46
の軸方向両端部46A、46Bが車両室内側かつ車両下
方側へ引っ張られる。このため、軸方向両端部46A、
46Bによって上端軸受け部材122、下端軸受け部材
(特に、上端軸受け部材122)が引っ張られ、上端軸
受け部材122、下端軸受け部材124の角部122
C、124Cが、図7(A)に示される状態から図7
(B)に示される状態へと塑性変形する。この結果、送
り螺子46の上端軸受け部材122及び下端軸受け部材
124への送り螺子46の軸支位置が、第1の位置から
第2の位置へと変更され、係合孔120と噛み合い歯1
04とが噛み合い、即ち係合状態となる。従って、ショ
ルダアンカ20を介して送り螺子46に作用していた荷
重は、フレーム102へ伝達され、フレーム102が取
り付けられている車両の側壁12に支持されることにな
る。
【0041】従って、本実施例のショルダアンカ高さ調
節装置100においても、前述した第1実施例と同様に
送り螺子46の小径化、軽量化、コストダウン等の効果
が得られる。また、互換性にも優れている。さらに、本
実施例のフレーム102は第1実施例のフレーム本体3
0よりも簡易な構造であり、しかも上端軸受け部材12
2及び下端軸受け部材124はスポット溶接等によりフ
レーム102に取り付けることができるので、本実施例
のショルダアンカ高さ調節装置100は第1実施例のシ
ョルダアンカ高さ調節装置10よりも組付性が良く、し
かも部品点数の少ない簡単な構造にすることができると
いうメリットがある。
【0042】次に、図8〜図10を用いて、第2実施例
の変形例に係るショルダアンカ高さ調節装置140を説
明する。なお、第2実施例と同一構成部分については同
一番号を付してその説明を省略する。
【0043】このショルダアンカ高さ調節装置140で
は、軸受け部としての上端軸受け片142及び下端軸受
け片144に特徴がある。
【0044】この上端軸受け片142及び下端軸受け片
144は、平面視で共に扇形状とされており、打抜き成
形で形成されている。そして、上端軸受け片142及び
下端軸受け片144は、送り螺子46を軸支する軸支部
142A、144Aと、軸支部142A、144Aと一
体とされたフレーム102への取付部142B、144
Bと、から成る。取付部142B、144Bには矩形孔
146、148が形成されており、この矩形孔146、
148へフレーム102の上端フランジ102B及び下
端フランジ102Cが挿入されて、この状態でフレーム
102の両側部102Aに溶着されている。また、上端
軸受け片142、下端軸受け片144には、矩形孔14
6、148と送り螺子46が軸支される軸支孔130、
132との間に湾曲孔150、152が形成されてい
る。
【0045】上記構成によれば、通常の状態では、上端
軸受け片142、下端軸受け片144は図8、図9、図
10(A)に示されるように扇形状とされているが、車
両急減速時になると、送り螺子46の軸方向両端部46
A、46Bに引っ張られて、上端軸受け片142、下端
軸受け片144の湾曲孔150、152が略矩形孔へと
変形され、これに伴い上端軸受け片142、下端軸受け
片144の形状も扇形状から矩形状へと変化する。これ
により、スライダ106の係合孔120がフレーム10
2の噛み合い歯104へ係合される。
【0046】この変形例においても、前述した第2実施
例と同様の効果が得られる。また、この変形例によれ
ば、第2実施例の上端軸受け部材122、下端軸受け部
材124と異なり、上端軸受け片142、下端軸受け片
144を打抜き加工のみで製造することができる(折曲
加工は不要)ので、容易に製造することができると共に
製造コストの削減も図れるというメリットがある。
【0047】
【考案の効果】以上説明したように、本考案に係るショ
ルダアンカ高さ調節装置は、その軽量化及びコスト削減
を図ることができるという優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例に係るショルダアンカ高さ
調節装置の上端軸受け及び下端軸受けに軸支された送り
螺子の軸方向の両端部の移動前後の状態を上端軸受け及
び下端軸受けとの関係で説明する説明図であり、図1
(A)は移動前の状態を示す説明図、図1(B)は移動
後の状態を示す説明図である。
【図2】図1の上端軸受け及び下端軸受けを備えたショ
ルダアンカ高さ調節装置を示す斜視図である。
【図3】図2のショルダアンカ高さ調節装置を備えた車
両の乗員回りを示す車両側方から見た概略側面図であ
る。
【図4】図1の送り螺子の軸方向の両端部を軸支する上
端軸受け及び下端軸受けの変形例を示す図1に対応する
説明図である。
【図5】図1の送り螺子の軸方向の両端部を軸支する上
端軸受け及び下端軸受けの変形例を示す図1、図4に対
応する説明図である。
【図6】本考案の第2実施例に係るショルダアンカ高さ
調節装置を示す図2に対応する斜視図である。
【図7】図6の上端軸受け部材及び下端軸受け部材の変
形前後の状態を示す説明図に係り、図7(A)は変形前
の状態を示す図6の7−7線断面図であり、図7(B)
は変形後の状態を示す同断面図である。
【図8】図6の上端軸受け部材及び下端軸受け部材の変
形例に係る上端軸受け片及び下端軸受け片を備えたショ
ルダアンカ高さ調節装置を示す斜視図である。
【図9】図8の9−9線断面図である。
【図10】図8の上端軸受け片及び下端軸受け片の変形
前後の状態を示す説明図に係り、図10(A)は変形前
の状態を示す説明図であり、図10(B)は変形後の状
態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 ショルダアンカ高さ調節装置 12 車両の側壁 14 巻取装置 16 ウエビング 18 アンカプレート 20 ショルダアンカ 30 フレーム本体(支持手段) 44 ブロック(ショルダアンカの基部) 46 送り螺子 46A 一方の端部 46B 他方の端部 48 ロック歯(係合部) 50 噛み合い歯(被係合部) 54 上端軸受け(軸受け部) 58 下端軸受け(軸受け部) 66 軸受け(軸受け部) 70 軸受け(軸受け部) 72 板ばね(軸受け部) 100 ショルダアンカ高さ調節装置 102 フレーム(支持手段) 104 噛み合い歯(被係合部) 106 スライダ(ショルダアンカの基部) 120 係合孔(係合部) 122 上端軸受け部材(軸受け部) 124 下端軸受け部材(軸受け部) 140 ショルダアンカ高さ調節装置 142 上端軸受け片(軸受け部) 144 下端軸受け片(軸受け部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−159841(JP,A) 実開 平2−11732(JP,U) 実開 平2−114559(JP,U)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端が巻取装置に巻き取られ他端がアン
    カプレートに係止されたウエビングの長手方向中間部が
    挿通されかつ車両の側壁上部に配置されたショルダアン
    カを車両上下方向に沿って移動させることにより、前記
    ショルダアンカの高さを調節するショルダアンカ高さ調
    節装置であって、 前記ショルダアンカの基部が螺合され、軸線回りに回転
    することにより前記ショルダアンカを車両上下方向へ移
    動させる送り螺子と、 前記車両の側壁上部に取り付けられ、前記送り螺子を支
    持する支持手段と、 この支持手段に設けられ、前記送り螺子の軸方向の両端
    部を軸支する軸受け部と、 前記ショルダアンカの基部に設けられた係合部と、 前記支持手段における前記係合部と対向する位置に設け
    られ、該係合部と係合可能な被係合部と、 を有し、 前記軸受け部は、通常時には前記係合部と前記被係合部
    とを非係合状態に維持させる第1の位置に前記送り螺子
    を保持し、車両急減速時には前記係合部と前記被係合部
    とを係合状態に維持させる第2の位置に前記送り螺子を
    保持することを特徴とするショルダアンカ高さ調節装
    置。
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