JP2532767Y2 - 柱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は、鉄骨建築物の間柱として使用される柱の
構造に関するものである。

従来の技術 鉄骨建築物において、柱の端部を梁や土台等へ接合す
る場合、その柱の端部に水平な接合プレートを予め溶接
しておき、この接合プレートをそれらの梁や土台等へボ
ルトで接合することが行なわれている。この場合、柱の
断面より大きな接合プレートを用いることが必要となる
が、そうすると、梁や土台等の接合面がその接合プレー
トに見合った大きさを持たない場合には接合が不可能と
なる。そこで、従来においては、第４図及び第５図のよ
うに、柱本体（１）の端部に、アングル型の一対の延長
プレート（２）（２）を断面十字形に溶接し、その延長
プレート（２）の先端に接合プレート（３）を溶接する
とともに、延長プレート（２）の外側における接合プレ
ート（３）のコーナー部分にボルト穴（４）を形成し
て、梁（５）等へボルト接合するようにしている。

考案が解決しようとする課題 しかしながら、上記従来の構造においては、柱本体
（１）と梁（５）等が、断面十字形の延長部を介して接
合された構造となっているため、両者間の力の伝達がス
ムーズに行なわれず、変形を生ずる虞があるといった欠
点がある。この考案は、このような従来の欠点を解消す
ることを目的としてなされたものである。

課題を解決するための手段 この考案は、上記の課題を解決するため、角パイプか
らなる柱本体の端部に、その柱本体よりも小断面のパイ
プの一端をその柱本体の延長方向へ突出するようにして
接合し、同じくその小断面のパイプの他方の端部に接合
プレートを溶接するとともに、その接合プレートと前記
柱本体端部との間において、この小断面のパイプの外周
にそのパイプの長手方向に沿うリブ板を柱本体の断面よ
り突出しないようにして溶接したことを特徴としてい
る。

作用 上記このこの考案の構成によれば、柱本体と梁等とが
パイプ及びリブ板を通して接合されるので、力の伝達が
スムーズに行なわれ、変形の虞が少ない。

実施例 この考案の実施例を示す第１図において、（11）は角
パイプからなる柱本体であり、この柱本体（11）の下端
面に、その柱本体と同じ外形を備えたエンドプレート
（12）が溶接されている。（13）は、柱本体（11）より
も小断面の丸パイプであって、この丸パイプ（13）の上
端部が、前記柱本体（11）の端部において、エンドプレ
ート（12）の中心へ溶接接合されている。更に、この丸
パイプ（13）の下端部に正方形の接合プレート（15）が
接合され、この接合プレート（15）と前記エンドプレー
ト（12）との間には、垂直な４枚のリブ板（16）が、丸
パイプ（13）の長手方向に沿って、第２図のように互い
に十字形となるようにして溶接されている。このリブ板
（16）の上下両端は、エンドプレート（12）及び接合プ
レート（15）に溶接されている。この場合、リブ板（1
6）は、正方形の接合プレート（15）における各辺中央
部にその外側の端部が位置するようにして配置され、各
リブ板（16）（16）間の接合プレート（15）コーナー部
分に、ボルト穴（18）が形成されている。また、前記接
合プレート（15）の各辺中央部に位置するリブ板（16）
の端部は、この接合プレート（15）の端部までとなっ
て、その接合プレート（15）と同形の柱本体（11）の断
面より突出しないようにして溶接されている。そして、
接合プレート（15）が、Ｈ型鋼からなる梁（19）の上面
に設置されて、上記ボルト穴（18）部分でボルト（20）
で接合されている。なお、柱本体（11）の上端部側も、
同様に丸パイプ（13）及びリブ板（16）を介して接合プ
レート（15）が溶接される。

第３図はこの考案の別の実施例で、上記丸パイプ（1
3）に換えて、柱本体（11）よりも小断面の角パイプ（2
1）を用いたものであり、この角パイプ（21）を、柱本
体（11）に対して水平方向に45度角度を変えて溶接する
とともに、その角パイプ（21）の各コーナー部におい
て、リブ板（16）（16）…を前記と同様にして溶接して
いる。このように、角パイプ（21）を柱本体（11）に対
して45度角度をずらしているので、柱本体（11）と同じ
角度に溶接される接合プレート（15）のコーナー部分に
は、大きなスペースが形成されることから、そのコーナ
ー部分でのボルト（20）の締め付け作業が容易になる。

考案の効果 以上のように、この考案によれば、柱本体の端部に接
合される接合プレートとその柱本体との間を、丸パイプ
若しくは角パイプとリブ板とによって連結しており、そ
のため、アングル型のプレートを十字形に配置したもの
に比較して、柱本体と梁等との間の力の伝達がスムーズ
に行なわれ、変形の虞の少ない構造を得ることができ
る。また、リブ板が柱より側方に突出していると、外壁
パネルや内壁材などをその分柱本体から離して取り付け
る必要があるが、この考案では、リブ板が柱断面より突
出しないようにして溶接されているので、これらの壁構
成部材を柱の側面に沿って取り付ける際に、リブ板が邪
魔になることがないという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例における柱本体下端部分の
構造を示す斜視図、第２図は柱本体に溶接した丸パイプ
部分で切断した横断面図、第３図は、柱本体の端部に角
パイプを接合した別の実施例における要部の断面図、第
４図は従来の柱本体端部の構造を示す要部の斜視図、第
５図は、第４図の柱本体と接合プレートとの間の中間部
分で切断した横断面図である。 （11）……柱本体、（13）……丸パイプ、（15）……接
合プレート、（16）……リブ板、（21）……角パイプ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】角パイプからなる柱本体の端部に、その柱
   本体よりも小断面のパイプの一端をその柱本体の延長方
   向へ突出するようにして接合し、同じくその小断面のパ
   イプの他方の端部に接合プレートを溶接するとともに、
   その接合プレートと前記柱本体端部との間において、こ
   の小断面のパイプの外周にそのパイプの長手方向に沿う
   リブ板を柱本体の断面より突出しないようにして溶接し
   たことを特徴とする柱。