JP2532656B2 - レンジフ―ド - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、台所のガスレンジ等火気使用設備の上方に
設け、調理時にその上方を覆い、油煙，排ガス，蒸気等
を排気するレンジフードに関するものである。

従来の技術 従来、この種のレンジフードは一般に第４図に示すよ
うな構成であった。すなわち、油煙，排ガス，蒸気等を
排出する送風機102を内蔵し、前面と下面を開口したフ
ード本体101と、フード本体101の前面開口部を開閉すべ
く、上端部がフード本体101に回動自在に支持されたレ
バー104に接続されてリンク機構に構成され、かつ下端
部にフード本体101に保持されたベアリング106に支持さ
れて前後に進退自在な支持レール105を有する前板103
と、図示しない送風機運転用スイッチとから構成されて
いた。

上記構成において、ガスレンジ等火気使用設備の使用
時には、レンジフードのスイッチをONして送風機を運転
するとともに、前板102の下端部を前方に引き出して、
火気使用設備の上方を覆い、油煙，排ガス，蒸気等を捕
集して室外に排気する。また、火気使用設備非使用時に
は、スイッチをOFFするとともに前板102の下端部を後方
に押してフード本体101内に収納し、台所内の美観を向
上させるものであった。

発明が解決しようとする課題 このような従来の構成では、火気使用設備を使用した
場合、使用者はレンジフードのスイッチをONするととも
に、前板102の下端部を手で持って引き出さなければな
らず、下端部をフード本体101内に収納したままでは火
気使用設備の上方を覆うことができず、十分に油煙，排
ガス，蒸気等の排気を達成することができない。また、
火気使用設備の使用の有無にかかわらず、前板102を前
方に引き出したままにしておくと、台所の空間に突出し
て圧迫感を与え、美観上このましくなくなる。つまり、
火気使用設備の使用の有無に応じて、その都度、前板10
2の下端部をフード本体101から引き出したり、収納しな
ければならず、操作にたいへん手間を要するものであっ
た。

本発明はこのような課題を解決するもので、火気使用
設備の使用時および非使用時のいずれにおいても、手間
なく本来の機能を発揮するように動作させることを第１
の目的とする。第２の目的は調理等のために台所に在室
する人に対して上記動作が安全に行われるようにするこ
とにある。

課題を解決するための手段 第１の目的を達成するために本発明の第１の手段は、
前面および下面を開口し、送風機を内蔵したフード本体
と、このフード本体の前面開口上部にその上端部が回動
自在に支持され、その下端部が前記フード本体に対し出
入自在に形成された前板と、この前板の下端部に連結さ
れるとともに前記フード本体内に固定されて、前記前板
の下端部を前記フード本体に対し進退させる前板の駆動
装置と、前記フード本体内に設けられ、フード本体内の
温度を検知して所定温度になると、前記送風機が運転さ
せるとともに前記駆動装置を前記前板が前記フード本体
外にあらわれるように駆動させ、また前記フード本体内
の温度が所定値未満になると、前記送風機を停止させる
とともに前記駆動装置を前記前板が前記フード本体内に
収納されるように駆動させる温度検知部とからなるレン
ジフードの構成としたものである。

第２の目的を達成する第２の手段は、フード本体に、
フード本体内の温度が所定温度になると、前板に設けた
人体検知センサーに信号を送り、ついで送風機を運転さ
せるとともに前板の駆動装置を前板が前記フード本体外
にあらわれるように駆動させ、また前記フード本体内の
温度が所定値未満になると、前記送風機を停止させると
ともに前記駆動装置を前記前板が前記フード本体内に収
納されるように駆動させる温度検知部を設け、さらに前
記人体検知センサーが前記温度検知部からの信号を受
け、かつ人体を検知したとき出力する信号を受けて動作
する警告装置を設けたレンジフードの構成としたもので
ある。

作用 第１の手段の構成により、フード本体下方のガスレン
ジ等を使用すると、その温度を温度検知部で検知し、所
定温度になると、送風機を運転させるとともに駆動装置
を駆動させて、前板をフード本体外に引き出し通常のフ
ード形状を形成する。そして、ガスレンジを停止する
と、温度検知部は送風機を停止させるとともに、駆動装
置を逆方向に駆動させて前板をフード本体内に収納し、
このようにして、ガスレンジ等の使用の有無に連動して
レンジフードは自動的に動作することとなる。

第２の手段の構成により、温度検知部がガスレンジ等
の使用を検知すると、まず人体検知センサーに信号を送
り、この信号を受けた人体検知センサーは、レンジフー
ドの前方に人が存在するかどうか判断して、人の存在を
検知したときは、警告装置に信号を送って警告を発生さ
せ、ついで、送風機の運転と前板の引出し操作を自動的
に行わせることとなる。

実 施 例 まず、本発明の第１の手段による一実施例を第１図に
もとづいて説明する。

図において、送風機２を内蔵し、前面および下面を開
口したフード本体１の前面開口部を開閉するために、一
端を支点として回動自在にフード本体１に支持された上
部支持レバー４の他端に、その上端が可動的に連結さ
れ、かつその下部が、フード本体１に保持されたベアリ
ング６によってフード本体１に対し進退自在に支持され
た下部支持レール5,5′の前端部に連結された前板３が
設けられている。そして、フード本体１内部には、一方
の下部支持レール５′に対向する位置にピニオン８を有
する前板駆動用電動機７を設け、また下部支持レール
５′にはラック９を設け、これらピニオン８とラック９
を係合させ前板駆動用電動機７の正回転・逆回転によっ
て、前板３を前進あるいは後退させている。また、フー
ド本体１の内部には、下部支持レール５′が所定の距離
だけ前進あるいは後退すると、前板駆動用電動機７の電
源を切るリミットスイッチ12が設けてある。上記下部支
持レール５′，ベアリング6,前板駆動用電動機7,ピニオ
ン8,ラック9,リミットスイッチ12によって前板３の駆動
装置を構成している。さらに、フード本体１内部には、
フード本体１内の温度を検知し所定の温度になると、送
風機２の運転と前板駆動用電動機７の正回転駆動をさせ
る温度検知部11が設けてある。また、前板３の下部前面
には送風機２の速度調整をするスイッチ10が備えられて
いる。

上記構成において、フード本体１の下方のガスレンジ
等を使用すると、発生した排ガス等によりフード本体１
内の温度が上昇し、フード本体１内の温度検知部11から
信号が出力される。温度検知部11からの信号を受けた送
風機２が運転を開始するとともに、前板駆動用電動機７
が正回転し、その回転運動がピニオン8,ラック９を伝わ
って下部支持レール５′を前方に押し出す動作をし、前
板３の下端部を前方に押し出す。所定距離下部支持レー
ル５′が移動すると、リミットスイッチ12が前板駆動用
電動機７の電源を切って下部支持レール５′の移動を停
止させる。そして下部支持レール５′を図示しないソレ
ノイド等で、この位置に固定する。

一方、ガスレンジ等を停止すると、フード本体１内の
温度が下がり、温度検知部11からの信号が変わり、送風
機２が停止するとともに、ソレノイド等による下部支持
レール５′の固定が解放され、前板駆動用電動機７が逆
方向に回転駆動され、ピニオン8,ラック９を介して下部
支持レール５′を、前板３全体がフード本体１内に納ま
るまで後退させる。

以上のように本実施例によれば、ガスレンジ等の使用
時および非使用時ともに、レンジフードとしての換気効
果の発揮あるいは台所の美観の向上を、ガスレンジ等の
使用の有無に連動して自動的に達成することができるの
で、手間なく正しく使用でき、かつ誤操作，操作わすれ
による不具合を確実に防止できることとなる。

つぎに、本発明の第２の手段による一実施例を第２図
および第３図にもとづいて説明する。

本実施例では、前板３の下部に、レンジフードの前方
に人の存在を検知し、後述の温度検知部23から信号を受
けると、信号を発生する人体検知センサー20と、この人
体検知センサー20からの信号を受けて警告するブザー21
およびLED発光部22の警告装置を設けている。また、フ
ード本体１の内部には、フード本体１の温度を検知し、
所定の温度になると上記人体検知センサー20に信号を送
り、ついで送風機２と前板駆動用電動機７を駆動させる
温度検知部23が設けてある。

上記構成において、フード本体１の下方のガスレンジ
24を使用すると、発生した排ガス等によってフード本体
１内の温度が上昇し、所定の温度になると温度検知部23
から人体検知センサー20に信号が送られる。信号を受け
た人体検知センサー20は、調理等でレンジフードの前方
に人が存在することを検知すると、ブザー21とLED発光
部22に信号を送り、警告音を発生させるとともに発光し
て、その在室者に前板３が開放することを知らせる。つ
いで、温度検知部23は、第１の実施例と同様に送風機２
と前板駆動用電動機７を駆動させる。またガスレンジ24
を停止したときも、第１の実施例と同様の動作をするこ
ととなる。

以上のように、調理時の排ガス等を排気するために前
板３を前方に押し出すとき、台所の在室者に警告するの
で、台所で刃物や煮炊きをした熱いものを持って作業を
している人に前板３が不意に当たって危険な状態になる
ことを未然に防ぐことができる。

発明の効果 以上の実施例の説明から明らかなように本発明によれ
ば、フード本体下方のガスレンジ等を使用した場合、そ
の温度を検知して自動的に前板をフード本体外に引き出
し、排ガス等を効果的に捕集して排気できるフード形状
に形成し、またガスレンジ等の停止時には、自動的に前
板をフード本体内に収納し、台所内に圧迫感を与えるこ
とをなくして美観を損うことを防止し、このようにガス
レンジ等の使用，非使用のいずれにおいても、正常な使
用状態を手間なく、かつ確実に得ることができる。

また、上記動作が行われるとき、台所という比較的危
険なものを扱う場所に在室する人にその動作を警告する
ので、その在室者の危険を未然に防止した上で、レンジ
フードの正常な自動運転を行うことができるという効果
が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１の手段の一実施例を示すレンジフ
ードの分解斜視図、第２図は同第２の手段の一実施例を
示すレンジフードの分解斜視図、第３図は同設置斜視
図、第４図は従来のレンジフードの斜視断面図である。 １……フード本体、３……前板、5,5′……下部支持レ
ール、７……前板駆動用電動機、11……温度検知部、20
……人体検知センサー、21……ブザー、22……LED発光
部、23……温度検知部。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前面および下面を開口し、送風機を内蔵し
   たフード本体と、このフード本体の前面開口上部にその
   上端部が回動自在に支持され、その下端部が前記フード
   本体に対し出入自在に形成された前板と、この前板の下
   端部に連結されるとともに前記フード本体内に固定され
   て、前記前板の下端部を前記フード本体に対し進退させ
   る前板の駆動装置と、前記フード本体内に設けられ、フ
   ード本体内の温度を検知して所定温度になると、前記送
   風機が運転させるとともに前記駆動装置を前記前板が前
   記フード本体外にあらわれるように駆動させ、また前記
   フード本体内の温度が所定値未満になると、前記送風機
   を停止させるとともに前記駆動装置を前記前板が前記フ
   ード本体内に収納されるように駆動させる温度検知部と
   からなるレンジフード。
2. 【請求項２】前面および下面を開口し、送風機を内蔵し
   たフード本体と、このフード本体の前面開口上部にその
   上端部が回動自在に支持され、その下端部が前記フード
   本体に対し出入自在に形成された前板と、この前板の下
   端部に連結されるとともに前記フード本体内に固定され
   て、前記前板の下端部を前記フード本体に対し進退させ
   る前板の駆動装置と、前記フード本体内に設けられ、フ
   ード本体内の温度が所定温度になると、前記前板に設け
   た人体検知センサーに信号を送り、ついで前記送風機を
   運転させるとともに前記駆動装置を前記前板が前記フー
   ド本体外にあらわれるように駆動させ、また前記フード
   本体内の温度が所定値未満になると、前記送風機を停止
   させるとともに前記駆動装置を前記前板が前記フード本
   体内に収納されるように駆動させる温度検知部と、前記
   人体検知センサーが前記温度検知部から信号を受け、か
   つ人体を検知したとき出力する信号を受けて動作する警
   告装置とからなるレンジフード。