JP2532604B2 - 誘導加熱装置 - Google Patents

誘導加熱装置

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JP2532604B2 JP63222731A JP22273188A JP2532604B2 JP 2532604 B2 JP2532604 B2 JP 2532604B2 JP 63222731 A JP63222731 A JP 63222731A JP 22273188 A JP22273188 A JP 22273188A JP 2532604 B2 JP2532604 B2 JP 2532604B2
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【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、誘導加熱調理器や誘導加熱式アイロンなど
に使用される誘導加熱装置に関するものである。
従来の技術 第7図に従来の誘導加熱装置を用いた誘導加熱式アイ
ロンの回路図を示す。図において、100V60Hzの正弦波の
交流電源1と整流器2は直流電源3を構成している。9
はインバータで、平滑コンデンサ4、加熱コイル5、共
振コンデンサ6、スイッチング素子7、逆導通ダイオー
ド8で構成されている。10は負荷のアイロンである。入
力電流検知回路18は、電流トランス11、抵抗12、整流器
13、トランジスタ14とコンデンサ15と抵抗16によって成
るピークホールド回路17で構成している。19は制御回路
で、増幅器20、ダイオード21、抵抗22、コンデンサ23、
PWM回路24で構成されている。25は直流電源、26は可変
抵抗である。
次にこの回路の動作について説明を行う。第8図は、
定常動作時におけるインバータ各部の動作波形で、
(ア)は平滑コンデンサ4の電圧Vc、(イ)はスイッチ
ング素子7の印加電圧Vce、(ウ)は入力電流Iinの波形
である。Vcは平滑コンデンサ4の静電容量が小さく120H
zのリプルを吸収しないように設計されているため全波
整流波形となる。PWM回路24は、スイッチング素子7を
一定のデューティ比で駆動しているため、スイッチング
素子7の印加電圧Vceは(イ)に見られるように全波整
流の包絡線を有し、(ウ)に見られるような正弦波の入
力電流Iinが流れる。このため交流電源1から見た力率
がほとんど1となっている。
第9図は定常動作時における入力電流検知回路18、制
御回路19の各部の動作波形である。
第9図(ア)は可変抵抗26から出力される電圧V1と入
力電流検知回路18の出力電圧V2、(イ)はコンデンサ23
の電圧V3、(ウ)はPWM回路24のオンパルス幅Tonの値を
示す図である。
入力電流検知回路18は、入力電流Iinを電流トランス1
1と負荷の抵抗12で受けて整流器13で整流後ピークホー
ルドするため、出力V2は120Hzリプルが少ない波形とな
る。
増幅器20はV2がV1と等しくなる付近(V2のピーク付
近)で電流を引き込んでV3を低下させ、PWM回路24の出
力のオン時間Tonを低下させて入力電流を減少させる。
よって、V1<V2となることを防止している。しかも、V3
の値をほぼ一定としてPWM回路24の出力のオン時間Tonを
ほぼ一定として安定した動作を行わせるために、コンデ
ンサ23の容量を大きくしていた。
発明が解決しようとする課題 しかしながら従来の誘導加熱装置では、コンデンサ23
にかなり静電容量の大きいものが必要になり、その結果
として起動時における入力パワーの立ち上がりに長時間
を必要とするという課題があった。
第10図は従来の技術の場合の起動直後の動作を示した
動作波形図である。第10図で(ア)はV1とV2、(イ)は
Ton、(ウ)はIinの波形を示している。すなわち起動時
においては、負荷と加熱コイルの結合条件が不明である
ので、急に大きな入力が入らないようにオン時間を極小
から徐々に拡大して行くようにコンデンサ23が作用す
る。すなわち、起動時においてコンデンサ23が徐々に充
電され、V3が徐々に高まって行くが、このコンデンサ23
の静電容量が大きいため、V1とV2が等しくなるときのV3
の値に達するまで、すなわち、オン時間の拡大に長時間
を要し、一定のパワーが入るようになるまでに少なくと
も100msec程の時間がかかる。
そのため負荷を短時間で加熱する必要のある装置、た
とえば誘導加熱式アイロンの場合には充分な加熱電力が
入るまでに負荷が移動してしまい、また短い周期で加熱
と停止を繰り返す装置の場合にも一周期の時間をあまり
短くすることはできないという課題があった。
本発明は上記課題に鑑み、加熱に要する時間を短縮す
ると共に加熱と停止の周期を短くすることを目的とす
る。
課題を解決するための手段 上記課題を解決するための本発明の構成は、出力にリ
プルを含む全波整流波形の直流電源と、スイッチング素
子を含み前記直流電源に接続され、高周波電力を発生す
るインバータと、このインバータに接続した加熱コイル
と、前記インバータの入力電流の瞬時値を検知する入力
電流検知回路と、前記直流電源を分圧し、前記直流電源
のリプルと相似のリプルを持った信号を出力する分圧回
路と、前記入力電流検知回路の出力の瞬時値と前記分圧
回路の出力が等しくなるように前記スイッチング素子の
制御を行う制御回路を有するものである。
作用 上記構成により入力電流と同期したリプルを含む直流
電源からスイッチング素子の制御を行う基準値を発生さ
せているため、入力電流は瞬時値を用いてスイッチング
制御を行うことができ、よって起動時から所定の入力電
流値に達するまでの時間を短縮することが可能となる。
実施例 以下本発明の一実施例について図面を参照しながら説
明を行う。第1図は本発明の一実施例におけるアイロン
を誘導加熱する誘導加熱装置の回路図である。第1図に
おいて、33は直流電源で、100V60Hzの交流電源31と整流
器32で構成されている。39はインバータで、平滑コンデ
ンサ34、加熱コイル35、共振コンデンサ36、バイポーラ
タイプのスイッチング素子37、逆導通ダイオード38によ
って構成されている。
44は入力電流検知回路で、交流電源31に直列接続した
電流トランス41、電流トランス41の負荷の抵抗42、整流
器43によって構成されている。46は入力電流を設定する
ための分圧回路で、直流電源33に接続された可変抵抗45
で構成される。52は制御回路で、分圧回路46の出力V1と
入力電流検知回路44の出力V2の差を増幅する増幅器47、
ダイオード48、抵抗49、コンデンサ50、コンデンサ50の
電圧V3の値に応じたオン時間のパルスをスイッチング素
子37に出力するPWM回路51で構成されている。
以上の構成において動作を説明する。
第2図は、定常動作時のインバータ39の動作を示す動
作波形図である。第2図(ア)はスイッチング素子37の
印加電圧Vce、(イ)はスイッチング素子37及び逆導通
ダイオード38に流れる電流Ic、(ウ)は加熱コイル35の
電流ILの波形である。すなわちスイッチング素子37のオ
ン時間Tonにおいては、加熱コイル35に直流電源33の電
圧が印加されて、IcおよびILは時間と共に増加しオフ時
間Toffにおいては共振コンデンサ36と加熱コイルの共振
現象により、共振電圧がVceが発生する。
これにより、加熱コイル35に約25kHzの高周波電流が
流れ、負荷のアイロン40が誘導加熱される。
第3図は定常動作時における120Hzの時間スケールで
見たインバータ39の動作波形図である。第3図の(ア)
は直流電源33の出力電圧Vc、(イ)はスイッチング素子
37の印加電圧Vce、(ウ)は交流電源31の電流Iinの波形
である。
すなわち平滑コンデンサ34は、25kHzの電圧リプルの
みを吸収し、交流電源31から見た力率をほぼ1になるよ
うにするために10マイクロファラッド以下の静電容量の
ものを用いているためVcは全波整流波形(リプルを含む
直流波形)となる。
オン時間Tonが一定であるのでスイッチング素子の印
加電圧Vceの包絡線は、全波整流波形となり、そのピー
ク値は700Vとなる。また、入力電流Iinは、正弦波とな
る。
次に分圧回路46と入力電流検知回路44の動作について
説明する。第4図の(ア)は分圧回路46の出力電圧V1、
(イ)は入力電流検知回路44の出力電圧V2の動作波形で
ある。
分圧回路46は、直流電源33の出力電圧Vcを分圧してい
るためVcと同じく全波整流波形となる。入力電流検知回
路44は、電流トランス41と負荷抵抗42によって交流電源
31の電流を受け、それを整流器43で全波整流して居るた
めこれも全波整流波形となる。
次に制御回路52の動作について説明を行う。増幅器47
は、V1とV2を比較し、V1<V2になろうとした場合にダイ
オード48によってコンデンサ50の電荷を抜く作用があ
る。PWM回路51は、第5図に示すようにコンデンサ50の
電圧が高いほどスイッチング素子37のオン時間Tonを長
くするものである。したがって、常にV1=V2となるよう
にTonが制御される。
次に起動直後の動作について述べる。
第6図は、起動直後におけるインバータ39の動作波形
図である。第3図の(ア)は分圧回路46の出力電圧V1と
入力電流検知手段44の出力電圧V2、(イ)はスイッチン
グ素子37のオン時間Ton、(ウ)は交流電源31の電流Iin
の波形である。
すなわち本発明では入力電流Iinの基準値を発生する
分圧回路46をリプルを含む直流電源に同期させているた
め、この直流電源に同期した入力電流Iinの検知をでは
なく瞬時値で行って前記分圧回路46の基準値と比較でき
るためオン時間の制御も瞬時に行うことができるため、
増幅器47の出力側のコンデンサ50の静電容量を極めて小
さくすることが可能であり、その結果第6図(イ)に見
られるような急激なTonの拡大が可能となる。
よって、第6図の場合のように、例えば5ミリセコン
ド以下に一定の入力パワーまで上げることができる。
発明の効果 以上の実施例からも明らかなように、本発明の誘導加
熱装置は、出力にリプルを含む全波整流波形の直流電源
と、スイッチング素子を含み前記直流電源に接続され、
高周波電力を発生するインバータと、このインバータに
接続した加熱コイルと、前記インバータの入力電流の瞬
時値を検知する入力電流検知回路と、前記直流電源を分
圧し、前記直流電源のリプルと相似のリプルを持った信
号を出力する分圧回路と、前記入力電流検知回路の出力
の瞬時値と前記分圧回路の出力が等しくなるように前記
スイッチング素子の制御を行う制御回路を有することに
より、入力電流による瞬時値制御を可能とし、起動時の
入力の立ち上がりを早くすることができる。よって、加
熱に要する時間を短縮し、また周期的に加熱と停止を繰
り返す装置の場合にもその周期を非常に短くすることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例における誘導加熱装置の回路
図、第2図および第3図は第1図に示した誘導加熱装置
のインバータ部分の動作波形図、第4図は第1図に示し
た誘導加熱装置の分圧回路と入力電流検知回路の出力電
圧波形図、第5図は第1図に示した誘導加熱装置のPWM
回路の特性図、第6図は第1図に示した誘導加熱装置の
起動直後の動作波形図、第7図は従来の技術における誘
導加熱装置の回路図、第8図および第9図は第7図に示
した誘導加熱装置の動作波形図、第10図は第7図に示し
た誘導加熱装置の起動直後の動作波形図である。 33……直流電源、37……スイッチング素子、39……イン
バータ、35……加熱コイル、44……入力電流検知回路、
46……分圧回路、52……制御回路。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小南 秀之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−134490(JP,A) 特開 昭55−80296(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力にリプルを含む全波整流波形の直流電
    源と、スイッチング素子を含み前記直流電源に接続さ
    れ、高周波電力を発生するインバータと、このインバー
    タに接続した加熱コイルと、前記インバータの入力電流
    の瞬時値を検知する入力電流検知回路と、前記直流電源
    を分圧し、前記直流電源のリプルと相似のリプルを持っ
    た信号を出力する分圧回路と、前記入力電流検知回路の
    出力の瞬時値と前記分圧回路の出力が等しくなるように
    前記スイッチング素子の制御を行う制御回路を有する誘
    導加熱装置。
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JPS56134490A (en) * 1980-03-24 1981-10-21 Sanyo Electric Co Induction heating cooking device

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