JP2532599Y2 - 流水検知装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、例えば先止め式瞬間湯沸器などの通水路に
設置されて、この通水路内の流水を電磁気的に検知して
器具を作動させる流水検知装置に関するものである。

〔従来の技術〕

第３図は先止め式自動瞬間湯沸器の通水路に設けられ
ている流水検知装置の従来例を示す断面図である。

通水管１の途中にフラッパ室２が設けられ、該フラッ
パ室２に設けられた開口を覆って蓋３が装着されてい
る。

上記蓋３の内面に軸受ブラケット４が取り付けられ、
枢支軸５によってフラッパ６が回動自在に螺着されてい
る。

上記フラッパ６に磁性体７が固着されている。

上記通水管１内の水が図の下方に向かって流動すると
フラッパ６が付記矢印方向に回動し、磁性体７が蓋３の
内面に当接する。

蓋３の内面に当接した磁性体７′（仮想線で示す）に
対し、蓋３を介して対向する位置に磁性近接スイッチ
（以下、近接スイッチと略称する）８が固着されてい
る。９は取付ネジである。

上記近接スイッチ８の部分破断斜視図を第４図に示
す。この近接スイッチ８は、樹脂ケース8aの中にリード
スイッチ8bが収納されている。

第３図において下向き流水によってフラッパ６が付記
矢印の如く回動せしめられて、磁性体７が近接スイッチ
８に接近すると、該近接スイッチ８のリードスイッチ8b
が閉じられて流水が検知される。

第５図は上記と異なる従来例を示す。第３図の構成に
比して異なるところは、蓋３の表側にＬ字形の取付金具
10を固着するとともに、該取付金具10に対して取付ネジ
９により近接スイッチ８を取り付けたことである。

これらの従来例は近接スイッチ８を取付ネジ９で締め
つける構造であるため、その組立作業に多くの時間と労
力とを要する上に、該近接スイッチ８の樹脂ケースに歪
みが有った場合は、取付ネジを強く締め込むと該樹脂ケ
ースを破損さる虞が有った。

こうした不具合を解消するため、第６図に示すような
流水検知装置も公知である。この公知例の流水検知装置
においては、近接スイッチの樹脂ケース8aと一体に成形
されたＵ字状の可撓片8cの先端に設けたフック8dを、蓋
３に設けた係合孔3aに係合して、ワンタッチで着脱でき
るようになっている。

しかし、この第６図の公知例では近接スイッチ８の取
付状態が不確実で、外れ易いという問題が有る。

〔考案が解決しようとする課題〕

前記各従来例の流水検知装置は、蓋の内側にフラッパ
を回動可能に取り付けると共に、該蓋の外側に近接スイ
ッチを取り付けた構造である。

このため、蓋に対するフラッパ取付位置の誤差と、蓋
に対する近接スイッチ取付位置の誤差との重なり具合に
よって、近接スイッチと磁性体との関係位置が変わり、
流水検知特性にバラツキを生じる。

本考案は上述の事情に鑑みて為されたもので、 流水によってフラッパが回動したとき、該フラッパに
固着されている磁性体が近接スイッチに対して正確に対
向し、流水検知特性にバラツキが無く、その上、組立作
業性が良くて、組立作業の際に近接スイッチを破損する
虞が無く、しかも近接スイッチの取付状態が確実強固で
あって外れる虞の無い流水検知装置を提供することを目
的とする。

〔課題を解決するための手段〕

上記の目的を達成するため、本考案は、通水管中に磁
性体を固着したフラッパを回動可能に取付けると共に、
該フラッパの回動によって動作する近接スイッチを通水
管の開口を覆う蓋に取付けた流水検出装置において、前
記の蓋を合成樹脂により成形し、かつ該蓋の成形に際
し、前記近接スイッチを蓋の一定位置に埋設すると共に
フラッパの軸受部材を一体に形成し、該軸受部材に前記
フラッパを回動可能に軸支し、前記フラッパを回動可能
に軸支した蓋を通水管の開口を覆って取付ネジにより通
水管に着脱自在に取付けたことを特徴とする。

〔作用〕

上記の構成によれば近接スイッチが蓋の中に埋設され
ているので、該近接スイッチを蓋に対して取り付けるた
めの構成部材を必要とせず、組付所要工数が少なくて済
む。

さらに、上記の蓋は合成樹脂製であるため、従来技術
を適用して近接スイッチをインサート成形することによ
り、蓋に対する近接スイッチの埋設位置を容易に高精度
で規制することが出来る。

さらに、上記の蓋に一体的に連設された軸受部材によ
ってフラッパを軸支するので、該蓋に対するフラッパの
取付位置が高精度で規制される。

このため、近接スイッチとフラッパとの位置関係にバ
ラツキが少なく、流水検出特性のバラツキが少ない。

〔実施例〕

第１図は本考案に係る流水検知装置の一実施例を示す
断面図である。

通水管10に設けられている開口10aを覆って蓋11を取
り付ける。９は取付ネジ、12はパッキンである。

上記の蓋11は、近接スイッチ13をインサートして合成
樹脂で射出成形し、この射出成形の際、軸受ブラケット
11aを一体成形してある。

この軸受ブラケット11aに対し、枢支軸14によってフ
ラッパ15を回動可能に支承する。

上記フラッパ15に磁性体16を固着する。17は取付ネ
ジ、18はナットである。

上記の蓋11、及び、これに取り付けられている部材の
分解斜視図を第２図に示す。

合成樹脂製の蓋11内の規定の位置に近接スイッチ13が
埋設されており、該蓋11の所定の位置に一対の軸受ブラ
ケット11aが一体成形されている。

第１図において通水管10内の水が静止していると、フ
ラッパ15は自重によって実線で描いたように図の右回り
に回動し、これに伴って磁性体16が近接スイッチ13から
離間する。

通水管10内の水が図の上方に向かって流動すると、フ
ラッパ15は水圧を受けて図の左回りに回動して仮想線で
示した位置15′となり、これに伴って磁性体16は仮想線
で示した位置16′となる。

本考案においては蓋11に対して近接スイッチ13が一定
の位置に埋設されるとともに、蓋11に対して軸受ブラケ
ット11aが一定の位置に一体連設されている。

このため、軸受ブラケット11aに軸着されたフラッパ1
5、及び、該フラッパ15に固着された磁性体16は近接ス
イッチ13に対して一定の位置関係を保ち、16′位置の磁
性体は近接スイッチ13に対して正確に対向する。従っ
て、近接スイッチ13による流水の検知特性にバラツキが
少ない。

また、近接スイッチ13が蓋11内にインサート成形で埋
設固定されているので、該近接スイッチを蓋11に対して
取り付けるための部材を設ける必要が無く、取り付ける
ための作業を必要とせず組立作業性が良い。

また、近接スイッチ13を蓋11に取付ネジで固定する構
造の従来例では、取付面に歪みが有ったりネジの締付ト
ルクが過大であったりすると、近接スイッチ13又は蓋11
を破損させる虞が有ったが、本考案は近接スイッチ13を
蓋11内に埋設した構造であるから、取り付け作業の際に
部材を破損させる虞が無い。

また、本考案は近接スイッチ13を蓋11内に埋設した構
造であるから、近接スイッチ13が蓋11から脱落する虞も
無い。

また、この種の流水検出装置は、風呂循環路に設けら
れることが多く、その場合、軸受部へのゴミや毛髪の絡
みによる動作不良が生ずることがあるが、本考案によれ
ば、蓋11を取外せば近接スイッチとフラッパとが同時に
取外されるので、前記の如き動作不良時への対応を現場
において迅速に行なうことができる。

〔考案の効果〕 以上説明したように本考案の流水検知装置によれば、
近接スイッチと磁性体との関係位置が正確に規制される
ので、流水検出特性にバラツキが無い。その上、近接ス
イッチが蓋の中に埋設されているので構成部品点数が少
なくてコンパクトであり、組立作業性が良く、組立作業
の際に近接スイッチを破損する虞が無く、使用中に近接
スイッチが脱落する虞も無い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る流水検知装置の一実施例を示す縦
断面図、第２図は上記実施例の要部分解斜視図である。 第３図は従来例の流水検知装置を示す縦断面図、第４図
は上記従来例の構成部材である近接スイッチの部分破断
斜視図である。 第５図及び第６図はそれぞれ上記と異なる従来例の流水
検知装置を示す縦断面図である。 １……通水管、２……フラッパ室、３……蓋、４……軸
受ブラケット、５……枢支軸、６……フラッパ、７……
磁性体、８……近接スイッチ、8a……樹脂ケース、8b…
…リードスイッチ、９……取付ネジ、10……取付金具、
11……蓋、11a……軸受ブラケット、12……パッキン、1
3……近接スイッチ、14……枢支軸、15……フラパ、16
……磁性体、17……取付ネジ。

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】通水管中に磁性体を固着したフラッパを回
   動可能に取付けると共に、該フラッパの回動によって動
   作する近接スイッチを通水管の開口を覆う蓋に取付けた
   流水検出装置において、前記の蓋を合成樹脂により成形
   し、かつ該蓋の成形に際し、前記近接スイッチを蓋の一
   定位置に埋設すると共にフラッパの軸受部材を一体に形
   成し、該軸受部材に前記フラッパを回動可能に軸支し、
   前記フラッパを回動可能に軸支した蓋を通水管の開口を
   覆って取付ネジにより通水管に着脱自在に取付けたこと
   を特徴とする流水検知装置。