JP2532279B2 - 厚膜回路の製造方法 - Google Patents
厚膜回路の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は厚膜回路の製造に関し、さらに詳しくは、セ
ラミック基板上に、2種以上の異なる系統の材料の抵抗
膜が混在している厚膜回路を、パターン設計の自由度を
拘束されずに形成することのできる新規な厚膜回路製造
方法に関する。
ラミック基板上に、2種以上の異なる系統の材料の抵抗
膜が混在している厚膜回路を、パターン設計の自由度を
拘束されずに形成することのできる新規な厚膜回路製造
方法に関する。
[従来の技術] 近時、厚膜材料の卑金属化が推進されており、Ag−Pd
(銀−パラジウム)に代表される従来の銀系導体材料は
銅系導体材料に移行しつつある。このような導体材料の
移行に伴って、新しい抵抗材料の開発も進められ、従来
のRuO2(酸化ルテニウム)系に代って、低抵抗用のLaB6
(ホウ化ランタン)系および高抵抗用のSnO2−Ta(酸化
錫−タンタル)系が一般的抵抗材料として普及してき
た。これらの卑金属材料を用いる厚膜回路製造法の一般
的なフローチャートは第1図に示す通りである。この方
法で特徴的なことは、Cu導体および卑金属系抵抗体が、
パターン印刷でアルミナ基板に塗布、乾燥された後、所
定の酸素濃度(通常3〜7ppm)の窒素雰囲気中にて所定
の温度(通常900℃)で所定時間(通常10分間)焼成さ
れてつくられることである。この方法で例えば抵抗値
R1,R2…,Rnを持つn種の抵抗膜を形成したいときは、印
刷と乾燥を交互に繰り返して基板上にn種類の乾燥した
印刷抵抗膜を形成した後、一括的に焼成してn種の異な
る抵抗値を持つ抵抗膜を一度の焼成で形成するのが普通
である。これは、一度焼成されてでき上った抵抗膜を再
度焼成すると焼結度の違いから抵抗値が変ってくるため
である。
(銀−パラジウム)に代表される従来の銀系導体材料は
銅系導体材料に移行しつつある。このような導体材料の
移行に伴って、新しい抵抗材料の開発も進められ、従来
のRuO2(酸化ルテニウム)系に代って、低抵抗用のLaB6
(ホウ化ランタン)系および高抵抗用のSnO2−Ta(酸化
錫−タンタル)系が一般的抵抗材料として普及してき
た。これらの卑金属材料を用いる厚膜回路製造法の一般
的なフローチャートは第1図に示す通りである。この方
法で特徴的なことは、Cu導体および卑金属系抵抗体が、
パターン印刷でアルミナ基板に塗布、乾燥された後、所
定の酸素濃度(通常3〜7ppm)の窒素雰囲気中にて所定
の温度(通常900℃)で所定時間(通常10分間)焼成さ
れてつくられることである。この方法で例えば抵抗値
R1,R2…,Rnを持つn種の抵抗膜を形成したいときは、印
刷と乾燥を交互に繰り返して基板上にn種類の乾燥した
印刷抵抗膜を形成した後、一括的に焼成してn種の異な
る抵抗値を持つ抵抗膜を一度の焼成で形成するのが普通
である。これは、一度焼成されてでき上った抵抗膜を再
度焼成すると焼結度の違いから抵抗値が変ってくるため
である。
[発明が解決しようとする課題] RuO2系に代って普及してきた抵抗材料のLaB6系および
SnO2−Ta系は、前者が10Ω/□〜10kΩ/□の範囲の低
抵抗膜形成用として、また後者は30kΩ/□〜1MΩ/□
の範囲の高抵抗膜形成用として用いられている。これら
2つの異なる系統の抵抗材料を同一セラミック基板上に
同時に印刷し、かつ乾燥した後、両者が混在するものを
焼成することによって、LaB6系抵抗膜およびSnO2−Ta系
抵抗膜が同一セラミック基板上に混在している厚膜回路
をつくろうとする試みはこれまでのところ成功していな
い。焼成時にLaB6系材料から発生するビヒクル分解ガス
がSnO2−Ta系材料の焼結速度に影響を与え、焼き上り後
のSnO2−Ta系抵抗膜の抵抗値を所定の設計値から著しく
かけ離れた高い値にしてしまうためである。すなわち、
例えば第2図に示すようなパターンで、LaB6系の300Ω
/□の抵抗材料とSnO2−Ta系の100kΩ/□の抵抗材料と
を同一基板面上に交互に印刷、乾燥して形成した2種類
の抵抗膜を一括焼成してつくった厚膜回路の抵抗値を調
べてみると、SnO2−Ta系(100kΩ/□)抵抗膜の抵抗値
は、LaB6系抵抗膜を共存させずに焼成して得られるSnO2
−Ta系抵抗膜の抵抗値に比し、約1.7倍もの高い値とな
り、所望の設計値から著しくかけ離れたものになってし
まう。これを回避するためには、LaB6系抵抗膜とSnO2−
Ta系抵抗膜との距離を、例えば20mm以上と大きくとるこ
とにより、ビヒクル分解ガスの影響が及ばない程度に両
者を物理的に隔絶して焼成すればよいが、現在厚膜ICの
実装密度は一層高められる傾向にあり、これに伴って基
板サイズは小型化し、抵抗体相互の距離は一層小さくな
ってゆくのが必然的傾向である。したがって、上記の如
く抵抗膜間の距離を大きくとるといったパターン設計の
自由度をせばめるようなことはとうてい実現性のないこ
とである。
SnO2−Ta系は、前者が10Ω/□〜10kΩ/□の範囲の低
抵抗膜形成用として、また後者は30kΩ/□〜1MΩ/□
の範囲の高抵抗膜形成用として用いられている。これら
2つの異なる系統の抵抗材料を同一セラミック基板上に
同時に印刷し、かつ乾燥した後、両者が混在するものを
焼成することによって、LaB6系抵抗膜およびSnO2−Ta系
抵抗膜が同一セラミック基板上に混在している厚膜回路
をつくろうとする試みはこれまでのところ成功していな
い。焼成時にLaB6系材料から発生するビヒクル分解ガス
がSnO2−Ta系材料の焼結速度に影響を与え、焼き上り後
のSnO2−Ta系抵抗膜の抵抗値を所定の設計値から著しく
かけ離れた高い値にしてしまうためである。すなわち、
例えば第2図に示すようなパターンで、LaB6系の300Ω
/□の抵抗材料とSnO2−Ta系の100kΩ/□の抵抗材料と
を同一基板面上に交互に印刷、乾燥して形成した2種類
の抵抗膜を一括焼成してつくった厚膜回路の抵抗値を調
べてみると、SnO2−Ta系(100kΩ/□)抵抗膜の抵抗値
は、LaB6系抵抗膜を共存させずに焼成して得られるSnO2
−Ta系抵抗膜の抵抗値に比し、約1.7倍もの高い値とな
り、所望の設計値から著しくかけ離れたものになってし
まう。これを回避するためには、LaB6系抵抗膜とSnO2−
Ta系抵抗膜との距離を、例えば20mm以上と大きくとるこ
とにより、ビヒクル分解ガスの影響が及ばない程度に両
者を物理的に隔絶して焼成すればよいが、現在厚膜ICの
実装密度は一層高められる傾向にあり、これに伴って基
板サイズは小型化し、抵抗体相互の距離は一層小さくな
ってゆくのが必然的傾向である。したがって、上記の如
く抵抗膜間の距離を大きくとるといったパターン設計の
自由度をせばめるようなことはとうてい実現性のないこ
とである。
そこで本発明の課題は、設計の自由度を拘束されるこ
となく、所望の抵抗値を精度良く付与された2種以上の
抵抗膜を持つ厚膜回路の製造方法を開発することであ
る。
となく、所望の抵抗値を精度良く付与された2種以上の
抵抗膜を持つ厚膜回路の製造方法を開発することであ
る。
[課題を解決するための手段] LaB6系抵抗体とSnO2−Ta系抵抗体とが同一セラミック
基板上に混在する回路基板を下記の工程に従って製造す
ることにより課題を解決した。
基板上に混在する回路基板を下記の工程に従って製造す
ることにより課題を解決した。
(1) まず種々の目標抵抗値を持つLaB6系抵抗材料を
1種類ずつスクリーン印刷して所定の方法で乾燥させ、
これを必要回数繰り返してすべての種類のLaB6系抵抗材
料の印刷乾燥膜を形成する。
1種類ずつスクリーン印刷して所定の方法で乾燥させ、
これを必要回数繰り返してすべての種類のLaB6系抵抗材
料の印刷乾燥膜を形成する。
(2) LaB6系抵抗体が全て乾燥体になった後、これら
を所定の条件で焼成する。一般に、O2濃度3〜7ppmの窒
素雰囲気900℃で10分間焼成するのが好ましい。
を所定の条件で焼成する。一般に、O2濃度3〜7ppmの窒
素雰囲気900℃で10分間焼成するのが好ましい。
(3) 次に、種々の目標抵抗値を持つSnO2−Ta系抵抗
材料を1種類ずつ(1)で述べたと同様の手順で印刷、
乾燥して、必要な種類数のSnO2−Ta系抵抗膜の乾燥体を
形成する。
材料を1種類ずつ(1)で述べたと同様の手順で印刷、
乾燥して、必要な種類数のSnO2−Ta系抵抗膜の乾燥体を
形成する。
(4) 続いて、(3)で得られた全てのSnO2−Ta系抵
抗膜の乾燥体を所定の条件で焼成する。この条件は通常
(2)の場合と同様900℃,10分間でよい。この際、既に
一度焼成されたLaB6系抵抗体は二度焼きされることにな
るが、二度焼きによるLaB6系抵抗体の抵抗値の変化は許
容できる範囲に留まる。
抗膜の乾燥体を所定の条件で焼成する。この条件は通常
(2)の場合と同様900℃,10分間でよい。この際、既に
一度焼成されたLaB6系抵抗体は二度焼きされることにな
るが、二度焼きによるLaB6系抵抗体の抵抗値の変化は許
容できる範囲に留まる。
上記の方法で厚膜回路を製造すれば、SnO2−Ta系抵抗
材料は、その焼成時に、LaB6系抵抗材料混在による影響
をそれほど強く受けなくなるので、焼成後の各SnO2−Ta
系抵抗体の抵抗値は所望の設計値にほゞ近い値となり、
一方、二度焼きによるLaB6系抵抗体の抵抗値の変化もそ
れほど大きくはならないことがわかった。したがって上
記の方法により、設計の自由度を拘束されることなく、
所望の抵抗値を精度良く付与された2種以上の抵抗膜を
持つ厚膜回路を好都合に製造することができる。
材料は、その焼成時に、LaB6系抵抗材料混在による影響
をそれほど強く受けなくなるので、焼成後の各SnO2−Ta
系抵抗体の抵抗値は所望の設計値にほゞ近い値となり、
一方、二度焼きによるLaB6系抵抗体の抵抗値の変化もそ
れほど大きくはならないことがわかった。したがって上
記の方法により、設計の自由度を拘束されることなく、
所望の抵抗値を精度良く付与された2種以上の抵抗膜を
持つ厚膜回路を好都合に製造することができる。
[作用] LaB6系材料が焼成時に発生するビヒクル分解ガスは、
焼成の比較的初期段階、すなわち温度400℃以下の段階
で発生するものであり、主成分の焼結段階(700〜900
℃)に入った後は発生しない。また、一度焼結が完了し
た抵抗体を再度焼結しても分解ガスの発生は無い。焼成
過程においてLaB6系材料の分解ガスがSnO2−Ta系材料の
焼結速度を変えることが焼成後のSnO2−Ta系抵抗膜の組
成変化をひきおこす原因となっていたのであるから、先
にLaB6系材料の焼結を完成させ、後にSnO2−Ta系材料を
焼成する本発明の方法では、SnO2−Ta系材料は焼成時に
分解ガスの影響を全く受けない。ただし、LaB6系材料は
2度焼成工程を経ることになるため、焼結度に差異が生
じ、抵抗値が一度焼きの場合と違ってくる。しかしなが
ら、この抵抗値の違いはLaB6系抵抗膜全体にわたり、い
ずれも3〜5%程度に過ぎない。この値は、工程条件の
変動によって生じる抵抗値の誤差の範囲内であり、ま
た、後にレーザートリミングによる抵抗値調整工程があ
ることを考慮すると、実用上何ら問題のない大きさの抵
抗値変化であると言える。ただし、一般的には、二度焼
きによる抵抗値の変化の大きさは無視できないものであ
り、たとえば、通常のRuO2系抵抗材料は二度焼きにより
大幅に抵抗値の増減が生じる。また、シート抵抗値毎に
挙動がばらばらであるため、本発明で採用したような二
度焼きが実施されることはあまりない。
焼成の比較的初期段階、すなわち温度400℃以下の段階
で発生するものであり、主成分の焼結段階(700〜900
℃)に入った後は発生しない。また、一度焼結が完了し
た抵抗体を再度焼結しても分解ガスの発生は無い。焼成
過程においてLaB6系材料の分解ガスがSnO2−Ta系材料の
焼結速度を変えることが焼成後のSnO2−Ta系抵抗膜の組
成変化をひきおこす原因となっていたのであるから、先
にLaB6系材料の焼結を完成させ、後にSnO2−Ta系材料を
焼成する本発明の方法では、SnO2−Ta系材料は焼成時に
分解ガスの影響を全く受けない。ただし、LaB6系材料は
2度焼成工程を経ることになるため、焼結度に差異が生
じ、抵抗値が一度焼きの場合と違ってくる。しかしなが
ら、この抵抗値の違いはLaB6系抵抗膜全体にわたり、い
ずれも3〜5%程度に過ぎない。この値は、工程条件の
変動によって生じる抵抗値の誤差の範囲内であり、ま
た、後にレーザートリミングによる抵抗値調整工程があ
ることを考慮すると、実用上何ら問題のない大きさの抵
抗値変化であると言える。ただし、一般的には、二度焼
きによる抵抗値の変化の大きさは無視できないものであ
り、たとえば、通常のRuO2系抵抗材料は二度焼きにより
大幅に抵抗値の増減が生じる。また、シート抵抗値毎に
挙動がばらばらであるため、本発明で採用したような二
度焼きが実施されることはあまりない。
本発明の方法と全く逆の順序で二度焼きすることも可
能であるが、再焼成(リファイアー)によるSnO2−Ta系
材料の抵抗値変化率がLaB6系材料が再焼成される場合に
比較して著しく大きく数十%となるため、抵抗ペースト
のブレンド時での抵抗調整の配慮が必要になり、また、
再焼成による抵抗変化率のバラツキが大きいので、実施
がやゝ困難となり現実的でない。
能であるが、再焼成(リファイアー)によるSnO2−Ta系
材料の抵抗値変化率がLaB6系材料が再焼成される場合に
比較して著しく大きく数十%となるため、抵抗ペースト
のブレンド時での抵抗調整の配慮が必要になり、また、
再焼成による抵抗変化率のバラツキが大きいので、実施
がやゝ困難となり現実的でない。
実施例 1 第2図に示すような96%のアルミナ基板1(50.4mm×
50.4mm×0.635mm)上に、デュポン社Cuペースト9153を
第3図に示すようなパターンでスクリーン印刷し、これ
を大気中にて120℃で10分間乾燥して乾燥膜厚24μmの
塗膜を形成した後、ベルトコンベア炉内、酸素濃度3.5p
pmの窒素雰囲気中にて900℃で10分間焼成して第3図に
示すようなCu電極2を有する基板44個を作製した。
50.4mm×0.635mm)上に、デュポン社Cuペースト9153を
第3図に示すようなパターンでスクリーン印刷し、これ
を大気中にて120℃で10分間乾燥して乾燥膜厚24μmの
塗膜を形成した後、ベルトコンベア炉内、酸素濃度3.5p
pmの窒素雰囲気中にて900℃で10分間焼成して第3図に
示すようなCu電極2を有する基板44個を作製した。
これらの基板を22個ずつのA,B2群に分け、それぞれの
群毎に、基板上に下記の如き2通りの方法で抵抗体塗膜
を形成して各群22個の試料(厚膜回路)を作成した。
群毎に、基板上に下記の如き2通りの方法で抵抗体塗膜
を形成して各群22個の試料(厚膜回路)を作成した。
A群(A1〜A22) 各基板の試料のCu電極2の上に、デュポン社の抵抗ペ
ースト6403(LaB6系,1kΩ/□)を1mm×1mm寸法で第4
図に示すような形状にスクリーン印刷した後、大気中12
0℃で10分間乾燥して、乾燥膜厚25μmの抵抗体塗膜3
を形成した。この試料を酸素濃度3.5ppmの窒素雰囲気炉
にて900℃で10分間焼成した後、デュポン社のペースト6
415(SnO2−Ta系,100kΩ/□)を前記6403と同一の寸
法、形状にスクリーン印刷し、6403の場合と同一条件で
乾燥して、第5図に示すような乾燥膜厚25μmの抵抗体
塗膜4を形成した。
ースト6403(LaB6系,1kΩ/□)を1mm×1mm寸法で第4
図に示すような形状にスクリーン印刷した後、大気中12
0℃で10分間乾燥して、乾燥膜厚25μmの抵抗体塗膜3
を形成した。この試料を酸素濃度3.5ppmの窒素雰囲気炉
にて900℃で10分間焼成した後、デュポン社のペースト6
415(SnO2−Ta系,100kΩ/□)を前記6403と同一の寸
法、形状にスクリーン印刷し、6403の場合と同一条件で
乾燥して、第5図に示すような乾燥膜厚25μmの抵抗体
塗膜4を形成した。
次いで、再び、酸素濃度3.5ppm窒素雰囲気炉にて900
℃で10分間焼成して厚膜回路試料A1〜A22を作成した。
℃で10分間焼成して厚膜回路試料A1〜A22を作成した。
B群(B1〜B22) 各試料基板のCu電極2上に、前記抵抗ペースト6403
を、前記同様1mm×1mmの寸法・形状にスクリーン印刷し
た後、大気中にて120℃で10分間乾燥して乾燥膜厚25μ
mの抵抗塗膜3を形成し、引き続き、前記抵抗ペースト
6415を前記同様の寸法・形状にスクリーン印刷した後、
大気中にて120℃で10分間乾燥して乾燥膜厚25μmの抵
抗塗膜4を形成した。次いで、これら2種類の異なる抵
抗体乾燥膜を有する試料基板を、酸素濃度3.5ppmの窒素
雰囲気炉にて、900℃で10分間焼成して厚膜回路試料B1
〜B22を作成した。
を、前記同様1mm×1mmの寸法・形状にスクリーン印刷し
た後、大気中にて120℃で10分間乾燥して乾燥膜厚25μ
mの抵抗塗膜3を形成し、引き続き、前記抵抗ペースト
6415を前記同様の寸法・形状にスクリーン印刷した後、
大気中にて120℃で10分間乾燥して乾燥膜厚25μmの抵
抗塗膜4を形成した。次いで、これら2種類の異なる抵
抗体乾燥膜を有する試料基板を、酸素濃度3.5ppmの窒素
雰囲気炉にて、900℃で10分間焼成して厚膜回路試料B1
〜B22を作成した。
次に、上記A,B群の厚膜回路試料の抵抗値を、デジタ
ルマルチメータ(タケダ理研TR6856)を用いて測定し
た。
ルマルチメータ(タケダ理研TR6856)を用いて測定し
た。
結果は第1表に示す通りであった。
第1表から明らかであるように、本発明の方法で試料
A1〜A22の基板上に形成したSnO2−Ta系抵抗膜の抵抗値
は目標値が100kΩ/□であったのに対して、試料数n=
22の平均値が98.5kΩ/□とほゞ近い値になっている
が、従来技術の方法で試料B1〜B22の基板上に形成したS
nO2−Ta系抵抗膜の抵抗値は試料数n=22の平均値が16
8.4kΩ/□であって、目標値100kΩ/□の約1.68倍とい
う高い値となっている。また、本発明の方法では、LaB6
系の抵抗膜がリファイアー(二度焼き)されることにな
るが、このリファイアーの影響度を抵抗変化率に関して
一度焼きの場合と比較してみると、その違いは+3.4%
程度であり、この値は工程変動によって生じる誤差の範
囲内であり、また後工程のレーザートリミングによる抵
抗値調整によって十分吸収できる値であって実用上問題
ないものである。
A1〜A22の基板上に形成したSnO2−Ta系抵抗膜の抵抗値
は目標値が100kΩ/□であったのに対して、試料数n=
22の平均値が98.5kΩ/□とほゞ近い値になっている
が、従来技術の方法で試料B1〜B22の基板上に形成したS
nO2−Ta系抵抗膜の抵抗値は試料数n=22の平均値が16
8.4kΩ/□であって、目標値100kΩ/□の約1.68倍とい
う高い値となっている。また、本発明の方法では、LaB6
系の抵抗膜がリファイアー(二度焼き)されることにな
るが、このリファイアーの影響度を抵抗変化率に関して
一度焼きの場合と比較してみると、その違いは+3.4%
程度であり、この値は工程変動によって生じる誤差の範
囲内であり、また後工程のレーザートリミングによる抵
抗値調整によって十分吸収できる値であって実用上問題
ないものである。
実施例 2 実施例1と同様な方法で形成した第3図に示すような
Cu電極2を面上に有する44個のアルミナ基板を22個ずつ
A,B2群に分けそれぞれについて、下記の如き2りの方法
で抵抗体膜を形成して各群22個の厚膜回路試料を作成し
た。
Cu電極2を面上に有する44個のアルミナ基板を22個ずつ
A,B2群に分けそれぞれについて、下記の如き2りの方法
で抵抗体膜を形成して各群22個の厚膜回路試料を作成し
た。
A群の試料(A23〜A44) 実施例1で用いたデュポン社の抵抗ペースト6403の代
りに同6402(LaB6系,100Ω/□)を用い、さらにデュポ
ン社の抵抗ペースト6415の代りに同6416(SnO2−Ta系,1
MΩ/□)を用いたこと以外は、実施例1の試料A1〜A22
の場合と全く同様にして厚膜回路試料A23〜A44を作成し
た。
りに同6402(LaB6系,100Ω/□)を用い、さらにデュポ
ン社の抵抗ペースト6415の代りに同6416(SnO2−Ta系,1
MΩ/□)を用いたこと以外は、実施例1の試料A1〜A22
の場合と全く同様にして厚膜回路試料A23〜A44を作成し
た。
B群の試料(B23〜B44) 実施例1で用いたデュポン社の抵抗ペースト6403の代
りに同6402(LaB6系,100Ω/□)を用い、さらにデュポ
ン社の抵抗ペースト6415の代りに同6416(SnO2−Ta系,1
MΩ/□)を用いたこと以外は、実施例1の試料B1〜B22
の場合と全く同様にして厚膜回路試料B23〜B44を作成し
た 次に、上記A,B各群と厚膜回路試料の抵抗値を、デジ
タルマルチメータ(タケダ理研TR6856)を用いて測定し
た。結果は第2表に示す通りであった。
りに同6402(LaB6系,100Ω/□)を用い、さらにデュポ
ン社の抵抗ペースト6415の代りに同6416(SnO2−Ta系,1
MΩ/□)を用いたこと以外は、実施例1の試料B1〜B22
の場合と全く同様にして厚膜回路試料B23〜B44を作成し
た 次に、上記A,B各群と厚膜回路試料の抵抗値を、デジ
タルマルチメータ(タケダ理研TR6856)を用いて測定し
た。結果は第2表に示す通りであった。
第2表から明らかであるように、本発明の方法で試料
A23〜A44の基板上に形成したSnO2−Ta系抵抗膜の抵抗値
は目標値が1MΩ/□であったのに対して22個の試料A23
〜A44についての平均値が976.4kΩ/□とほゞ近い値に
なっているが、従来技術の方法で試料B23〜B44の基板上
に形成したSnO2−Ta系抵抗膜の抵抗値は試料数n=22の
平均値が1542.7kΩ/□であって目標値の約1.54倍とい
う大幅に高い値となっている。
A23〜A44の基板上に形成したSnO2−Ta系抵抗膜の抵抗値
は目標値が1MΩ/□であったのに対して22個の試料A23
〜A44についての平均値が976.4kΩ/□とほゞ近い値に
なっているが、従来技術の方法で試料B23〜B44の基板上
に形成したSnO2−Ta系抵抗膜の抵抗値は試料数n=22の
平均値が1542.7kΩ/□であって目標値の約1.54倍とい
う大幅に高い値となっている。
また、本発明の方法では、LaB6系の抵抗膜がリファイ
アー(二度焼き)の影響によって一度焼きの場合に比し
+3.3%程度変化したに過ぎなかった。
アー(二度焼き)の影響によって一度焼きの場合に比し
+3.3%程度変化したに過ぎなかった。
[発明の効果] Cu厚膜導体を有するアルミナ基板上に、先ずLaB6系抵
抗材料を印刷、乾燥、焼成して低抵抗値の抵抗膜を形成
し、その後、続いてSnO2−Ta系抵抗材料を印刷、乾燥、
焼成して高抵抗値の抵抗膜を形成する方式をとる本発明
の方法によれば、LaB6系材料から焼成時に発生するビヒ
クル分解ガスの影響によってSnO2−Ta系材料の焼成が妨
害されることがないので、それぞれ安定した抵抗値のLa
B6系抵抗膜とSnO2−Ta系抵抗膜とが極めて接近した状態
で混在している厚膜回路を困難なく製造することができ
る。したがって、LaB6系材料とSnO2−Ta系材料とを物理
的に隔絶して焼成する必要がなく、パターン設計の自由
度が拘束されない。LaB6系抵抗膜は二度焼きされること
になるが、これによる抵抗膜の変化は僅かであり、レー
ザートリミング等で簡単に修正できる範囲なので実用上
問題ない。
抗材料を印刷、乾燥、焼成して低抵抗値の抵抗膜を形成
し、その後、続いてSnO2−Ta系抵抗材料を印刷、乾燥、
焼成して高抵抗値の抵抗膜を形成する方式をとる本発明
の方法によれば、LaB6系材料から焼成時に発生するビヒ
クル分解ガスの影響によってSnO2−Ta系材料の焼成が妨
害されることがないので、それぞれ安定した抵抗値のLa
B6系抵抗膜とSnO2−Ta系抵抗膜とが極めて接近した状態
で混在している厚膜回路を困難なく製造することができ
る。したがって、LaB6系材料とSnO2−Ta系材料とを物理
的に隔絶して焼成する必要がなく、パターン設計の自由
度が拘束されない。LaB6系抵抗膜は二度焼きされること
になるが、これによる抵抗膜の変化は僅かであり、レー
ザートリミング等で簡単に修正できる範囲なので実用上
問題ない。
第1図は卑金属材料を用いる厚膜回路製造法の一般的な
フローチャートである。 第2図はCu電極を有するアルミナ基板上にLaB6系材料の
抵抗膜とSnO2−Ta系材料の抵抗膜とを混在配置した厚膜
回路の一例を示す斜視図である。 第3図は第2図の厚膜回路の銅電極の配置状態を示す説
明図である。 第4図は第3図の銅電極の上にLaB6系抵抗膜を形成した
状態を示す説明図である。 第5図は第4図の状態にさらにSnO2−Ta系抵抗膜が追加
形成された状態を示す説明図である。 図中の参照番号はそれぞれ次のものを表わす。 1……アルミナ基板、2……Cu電極 3……LaB6系抵抗膜 4……SnO2−Ta系抵抗膜
フローチャートである。 第2図はCu電極を有するアルミナ基板上にLaB6系材料の
抵抗膜とSnO2−Ta系材料の抵抗膜とを混在配置した厚膜
回路の一例を示す斜視図である。 第3図は第2図の厚膜回路の銅電極の配置状態を示す説
明図である。 第4図は第3図の銅電極の上にLaB6系抵抗膜を形成した
状態を示す説明図である。 第5図は第4図の状態にさらにSnO2−Ta系抵抗膜が追加
形成された状態を示す説明図である。 図中の参照番号はそれぞれ次のものを表わす。 1……アルミナ基板、2……Cu電極 3……LaB6系抵抗膜 4……SnO2−Ta系抵抗膜
Claims (1)
- 【請求項1】Cu厚膜導体パターンを有するアルミナ基板
上に、まずLaB6系抵抗材料を印刷し乾燥した後焼成して
LaB6系抵抗膜を形成し、しかる後にSnO2−Ta系抵抗材料
を印刷し乾燥して既に焼成されたLaB6系抵抗膜と共に焼
成し、SnO2−Ta系抵抗膜を形成することからなる厚膜回
路の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63245441A JP2532279B2 (ja) | 1988-09-29 | 1988-09-29 | 厚膜回路の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63245441A JP2532279B2 (ja) | 1988-09-29 | 1988-09-29 | 厚膜回路の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0291990A JPH0291990A (ja) | 1990-03-30 |
JP2532279B2 true JP2532279B2 (ja) | 1996-09-11 |
Family
ID=17133710
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63245441A Expired - Lifetime JP2532279B2 (ja) | 1988-09-29 | 1988-09-29 | 厚膜回路の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2532279B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH066118A (ja) * | 1991-04-22 | 1994-01-14 | Taisee:Kk | 方向性結合器 |
KR20020079522A (ko) * | 2001-04-10 | 2002-10-19 | 야자키 소교 가부시키가이샤 | 후막저항판 및 그 제조방법 |
-
1988
- 1988-09-29 JP JP63245441A patent/JP2532279B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0291990A (ja) | 1990-03-30 |
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