JP2532119Y2 - 局部洗浄ノズルの取付け構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、人体臀部を洗浄するた
めの局部洗浄ノズルを便器本体に取付ける構造の改良に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図３に示す如く、局部洗浄ノズル１に
は、アウターシリンダー２内に、中間シリンダー（図示
は省略）を介し又は介すことなく、洗浄ノズル管３を進
退自在に収納したものがある。この局部洗浄ノズル１
は、便鉢内部４ｂとノズル収納部４ｃとに区画する便器
本体４の壁部４ａに取付けられている。この取付け構造
は、壁部４ａに穿設された貫通孔５へ、局部洗浄ノズル
１の先端側をノズル収納部４ｃ側から挿入すると共に、
アウターシリンダー２に形成した雄螺子にナツト６，７
を螺着し、このナツト６，７で貫通孔５の開口周縁部５
ａを平パツキング８，９を介して挟圧したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】しかし、従来の取付け
構造には、次の如き欠点があつた。 （ａ） 貫通孔５の開口周縁部５ａは、ナツト６，７及
び平パツキング８，９を装着するために、ある程度の平
面的広がりを必要とする。そのため、便器本体４は、壁
部４ａの構造に制約を受け、その適応できる形式の範囲
が狭くなる。 （ｂ） ナツト６，７は、その径が大きくなるため、そ
の締付けに大型スパナ等を必要とする。従つて、便器本
体４は、便鉢内部４ｂ及び／又はノズル収納部４ｃに、
大型スパナ等の挿入が可能な大きなスペースが必要とな
り、構造的に制約を受ける。 （ｃ） 壁部４ａは、壁部傾斜角度及び開口周縁部５ａ
の肉厚の精度が悪いと、局部洗浄のノズル１の取付け角
度を狂わせることになる。その結果、局部洗浄ノズル１
は、人体臀部の所定箇所に洗浄水を噴射できないことが
ある。

【０００４】本考案は、上記問題点を解決するために、
ナツト及び平パツキングを用いることなく、局部洗浄ノ
ズルを精度よく取付けることができる構造の提供を目的
とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本考案が採用した手段
は、便鉢内部とノズル収納部とに区画する便器本体の壁
部に穿設された貫通孔へ、局部洗浄ノズルの先端側をノ
ズル収納部側から装着した局部洗浄ノズルの取付け構造
において、前記局部洗浄ノズルの先端側に環状段部が形
成され、この環状段部と前記貫通孔のノズル収納部側の
開口周縁部との間に環状パツキングが設けられ、前記局
部洗浄ノズルを先端側に向つて後方より押圧して環状パ
ツキングと開口周縁部との水密状態を維持する押圧具
を、前記ノズル収納部に設けたことを特徴とする局部洗
浄ノズルの取付け構造である。なお、前記押圧具を接合
する箇所として前記便器本体の適所又は便器本体取付け
壁面等が選択される。

【０００６】

【作 用】開口部の開口周縁部には、環状パツキングを
水密状態に当接するに必要な当接面があればよく、平面
的広がりを必要としない。局部洗浄ノズルは、先端側の
環状段部が環状パツキングを介して貫通孔の開口周縁部
に押圧されているため、便器本体の壁部の傾斜角度及び
開口周縁部の肉厚に若干の狂いがあつても、その狂いが
環状パツキングで吸収できるため、所定の姿勢で取付け
られる。局部洗浄ノズルを押圧して環状パツキングの水
密状態を維持する押圧具は、その形状を適宜選択するこ
とにより、接合作業に便利な接合部位を選択するこがで
きる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案に係る局部洗浄ノズルの取付け
構造（以下、「本案構造」という）を図面に示す実施例
に基づいて説明する。 （第１実施例） 第１図は本案構造の第１実施例を示すものである。本実
施例の改良点は、局部洗浄ノズル１１の先端側に環状段
部１６が形成され、この環状段部１６と壁部１４ａのノ
ズル収納部１４ｃ側の開口周縁部１５ａとの間に環状パ
ツキング１８が設けられ、局部洗浄ノズル１１を先端側
に向つて矢符Ｆ方向に押圧して環状パツキング１８の水
密状態を維持する押圧具１７が便器本体１４の開口周壁
１４ｄに接合１９されていることである。

【０００８】上記便器本体１４は、便鉢内部１４ｂとノ
ズル収納部１４ｃとに区画する壁部１４ａに、貫通孔１
５が穿設されている。この貫通孔１５のノズル収納部１
４ｃ側の開口周縁部１５ａは、環状パツキング１８が当
接する環状の当接面となつている。

【０００９】前記局部洗浄ノズル１１は、アウターシリ
ンダー１２内に、中間シリンダー（図示は省略）を介し
又は介すことなく、洗浄ノズル管１３を進退自在に収納
したものである。アウターシリンダー１２は、先端側に
環状段部１６が形成され、環状段部１６の小径部１６ａ
が上記貫通孔１５内に挿入されている。アウターシリン
ダー１２は、係止鍔部１２ａが形成されている。

【００１０】前記押圧具１７は、バネ鋼等の弾性部材か
らなり、Ｌ字状の接合片１７ａと、この接合片１７ａか
ら延設した二股状の押圧片１７ｂとからなる。接合片１
７ａは、便器本体１４のノズル収納部１４ｃを形成する
開口周壁部１４ｄに、ボルト・ナツトで接合１９されて
いる。押圧片１７ｂは、局部洗浄ノズル１１のアウター
シリンダー１２を跨いで係止鍔部１２ａに当接し、係止
鍔部１２ａを矢符Ｆ方向に押圧している。

【００１１】なお、押圧具１７の接合１９箇所は、便器
本体１４の開口周壁部１４ｄに限定するものではなく、
図示は省略したが、ノズル収納部１４ｃの底部１４ｅ等
であつてもよい。更に、局部洗浄ノズル１１に対する押
圧具１７の押圧箇所は、アウターシリンダー２の後端面
１２ｂであつてもよい。この場合、押圧具１７は、接合
片及び／又は押圧片の形状が適宜変更される。図中の２
０は、洗浄タンクのカバーである。

【００１２】（第２実施例） 第２図は本案構造の第２実施例を示すものである。本実
施例が前記第１実施例と大きく異なる点は、局部洗浄ノ
ズル２１を先端側に向つて矢符Ｆ方向に押圧する押圧具
２７が、便器本体取付け壁３０に接合２９されているこ
とである。

【００１３】便器本体２４は、便器本体２４と別体に形
成された便器本体取付け壁３０に、後端部２４ｅを当接
して設置する形式のものである。便器本体２４は、便鉢
内部２４ｂとノズル収納部２４ｃとに区画する壁部２４
ａに、貫通孔２５が穿設されている。この貫通孔２５の
ノズル収納部２４ｃ側の開口周縁部２５ａは、環状パツ
キング１８が当接する環状段面から形成されている。上
記便器本体取付け壁３０は、カウンターの前壁等として
形成され、便器本体２４のノズル収納部２４ｃに臨む開
口部３０ａが穿設されている。

【００１４】前記局部洗浄ノズル２１は、その後端寄り
が、便器本体取付け壁３０の開口部３０ａを挿通して壁
背面側Ｂに突出している。局部洗浄ノズル２１は、アウ
ターシリンダー２２内に、中間シリンダー３２を介し
て、洗浄ノズル管２３を進退自在に収納したものであ
る。アウターシリンダー２２は、先端側に環状段部２６
が形成され、環状段部２６の小径部２６ａが上記貫通孔
２５内に挿入されている。アウターシリンダー２２は、
係止段部２２ａが形成されている。局部洗浄ノズル２１
は、洗浄ノズル管２３と中間シリンダー３２とを進退制
御するためのサーボモータ３３が取付けられている。

【００１５】前記押圧具２７は、バネ鋼の弾性部材から
なり、Ｌ字状の接合片２７ａと、この接合片２７ａから
延設した二股状の押圧片２７ｂとからなる。接合片２７
ａは、便器本体取付け壁面３０にボルト・ナツトで接合
２９されている。押圧片２７ｂは、局部洗浄ノズル２１
のアウターシリンダー２２を跨いで係止段部２２ａに当
接し、係止段部２２ａを矢符Ｆ方向に押圧している。接
合２９の作業は、カウンターの天板３４を取外す等して
行なわれる。

【００１６】

【考案の効果】以上詳述の如く、本考案は、次の如き実
用的効果を有する。 開口部の開口周縁部には、環状パツキングを水密状
態に当接するに必要な当接面があればよく、平面的広が
りを必要としない。その結果、本考案は、便器本体の構
造に制約を受けることが非常に少くなり、適用できる便
器本体の種類が広範囲となる。 局部洗浄ノズルを押圧して環状パツキングの水密状
態を維持する押圧具は、その形状を適宜選択することに
より、接合作業に便利な接合部位を選択するこができ
る。その結果、本考案は、便器本体のノズル収納部に大
きなスペースを必要とせず、適用できる便器本体の種類
が広範囲となる。 便器本体の壁部の傾斜角度及び開口周縁部の肉厚に
若干の狂いがあつても、その狂いが環状パツキングで吸
収できるため、局部洗浄ノズルを所定の姿勢で取付けら
れる。その結果、本考案は、人体臀部の所定箇所に洗浄
水を噴射させる局部洗浄ノズルの正確な取付けができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本案構造の第１実施例の要部を示す断面図であ
る。

【図２】本案構造の第２実施例の要部を示す断面図であ
る。

【図３】従来の局部洗浄ノズルの取付け構造を示す部分
断面図である。

【符号の説明】

１１…局部洗浄ノズル １４…便器本体 １５…貫
通孔 １６…環状段部 １７…押圧具 １８…環状パツキング １９…接合
３０…便器本体取付け壁面

Claims (2)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 便鉢内部とノズル収納部とに区画する便
   器本体の壁部に穿設された貫通孔へ、局部洗浄ノズルの
   先端側をノズル収納部側から装着した局部洗浄ノズルの
   取付け構造において、前記局部洗浄ノズルの先端側に環
   状段部が形成され、この環状段部と前記貫通孔のノズル
   収納部側の開口周縁部との間に環状パツキングが設けら
   れ、前記局部洗浄ノズルを先端側に向つて後方より押圧
   して環状パツキングと開口周縁部との水密状態を維持す
   る押圧具を、前記ノズル収納部に設けたことを特徴とす
   る局部洗浄ノズルの取付け構造。
2. 【請求項２】 前記便器本体又は便器本体取付け壁面に
   前記押圧具を接合した請求項１に記載の局部洗浄ノズル
   の取付け構造。