JP2531770Y2 - 空冷機構を備えたブレーキ装置 - Google Patents

空冷機構を備えたブレーキ装置

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JP2531770Y2
JP2531770Y2 JP1988170163U JP17016388U JP2531770Y2 JP 2531770 Y2 JP2531770 Y2 JP 2531770Y2 JP 1988170163 U JP1988170163 U JP 1988170163U JP 17016388 U JP17016388 U JP 17016388U JP 2531770 Y2 JP2531770 Y2 JP 2531770Y2
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栄 村上
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、電動機にブレーキ装置を隣接した機械装
置、例えば電気ホイスト等に使用して好適なる空冷機構
を備えたブレーキ装置の改良に関するものである。
(従来の技術) 従来、電気ホイストには任意の位置につり荷を支持す
るマグネットブレーキが、構造を小型化するため、電動
機フレームに隣接して設けられている。このような構成
から、電動機からの発生熱と、ブレーキから生ずる摩擦
熱により、電動機のロータ軸を支持しているボールベア
リングが焼き付いたり、マグネットブレーキの固定鉄心
のブレーキコイルや電動機のステータコイルが焼損した
り、またブレーキライニングの寿命が短くなるという問
題があった。
このような従来の問題点を解決するブレーキ装置とし
て、電動機のロータ軸の一端に固着されたブレーキホイ
ールをファン部材とし、このブレーキホイールにブレー
キライニングを嵌合したものが、本願出願人によって案
出され、既に特許出願(特開昭62-96298号)が為されて
いる。
(考案が解決しようとする課題) 上記公報記載の発明においては、一応の冷却効果は期
待出来たが、ファン部材となるブレーキホイールの長さ
が短くて小さい為にインチングの場合等においては、冷
却効果が十分発揮されない問題があった。また、冷却効
果を高める為に外部ファンを設けた場合には、構造が大
きくなる問題があった。
本考案は、このような問題を解決するためになされた
もので、ロータ軸の一端部に設けられたファン機能を有
する十字状のブレーキホイールと、このブレーキホイー
ルに設けられたファン機能を有するブレーキライニング
との相乗作用によって、電動機やブレーキ等の発熱部分
の冷却効果を著しく高めると共に、ブレーキライニング
自体を制動用部材と空冷用ファンとに兼用させて構造を
小型化した空冷機構を備えたブレーキ装置の提供を目的
とする。
(課題を解決するための手段) 本考案は、上記課題を解決するための手段として、所
要数の空気吸入孔を設けた電動機フレームと、この電動
機のロータ軸の一端を支持した支持部分に設けられたベ
アリング保持部の近傍外周に所要数の空気流通孔とを備
えた電動機に、一体的に隣接して固着されたマグネット
ブレーキ装置において、 前記ブレーキ側のロータ軸の一端部に十字状に形成さ
れたファン機能を有するブレーキホイールを、前記空気
流通孔に対向させて設け、前記ブレーキホイールのファ
ン部分は前記マグネットブレーキ装置の固定鉄心の中空
部内を挿通する長さを有し、前記ファン部分には、軸方
向にのみ摺動可能なブレーキライニングを、前記空気流
通孔に微少間隔を維持して対向させて設け、前記ブレー
キライニングの前記空気流通孔への対向面には、ファン
機能を有する所要数の切り欠き溝を放射状に設け、さら
に、この切り欠き溝に連続して切り欠き部を設け、該切
り欠き部及び前記切り欠き溝が花びら状に形成されたブ
レーキライニングを、適宜手段で圧接挟持して制動力を
発するようにしたことを特徴とするものである。
(作用) 本考案は、このように、ブレーキ側のロータ軸の一端
部に設けた、ファン機能を有するブレーキホイールを十
字状に形成して、ブレーキホイールの構造を、従来の放
射状のものよりも単純形状にする。
このブレーキホイールのファン部分をマグネットブレ
ーキ装置の固定鉄心の中空部内を挿通する長さを持たせ
て固定鉄心の全体を内部から冷却させる。
このブレーキホイールに、軸方向にのみ摺動可能なブ
レーキライニングを前記空気流通孔に対向させて設け、
ブレーキホイールを回転させた際、外気に連通したブレ
ーキライニングをブレーキホイールと一体に回転させ、
ブレーキライニングのファン機能を利用して空気流通孔
から空気を取り込む。
ブレーキライニングの前記空気流通孔への対向面に
は、ファン機能を有する所要数の切り欠き溝と、この切
り欠き溝に連続した切り欠き部とを放射状に設けて、ブ
レーキライニングを花びら状に形成してファン機能を持
たせる。このように形成したブレーキライニングと前記
ブレーキホイールとを一体に回転させ、ブレーキライニ
ングとブレーキホイールとの相乗効果により冷却させ
る。
次に、作動を説明する。すなわち、電動機の回転時に
は、ロータ軸の一端部に固着された十字状のブレーキホ
イールのファン機能と、このブレーキホイールに取付け
られたブレーキライニング自体のファン機能との相乗作
用によって外気は、電動機フレームに穿設された空気吸
入孔から、ロータ軸の一端を支持した支持部分に設けら
れたベアリング保持部の近傍外周に穿設された空気流通
孔を経る一連の空気流が生ずることになる。そして、こ
の空気流によって、電動機自体から生ずる発生熱と、ロ
ータ軸を支持するベアリングの発生熱を吸収し、続いて
ブレーキから生ずる摩擦熱や、固定鉄心から生ずる発生
熱を奪って冷却することになる。合わせて、ブレーキラ
イニング自体も、回転することによって、ファン機能を
有する所要数の切り欠き溝と、この切り欠き溝に連続し
て形成された切り欠き部により自己冷却される。
(実施例) 以下、本考案に係るブレーキ装置の一実施例を図面に
基づいて説明する。
第1図において、1は電動機であって、その両端にフ
ランジ2,3を有する電動機フレーム4(ケース)の内部
に、ステータコア5が取付けられ、その内部にロータ軸
6とその外周に取付けられたロータコア7等が収容され
形成されている。電動機フレーム4には、このフレーム
4内に外気を吸気するための、所要数の空気吸入孔8が
設けられている。なお、5aはステータコイル、9はエン
ドリングである。
電動機1のフランジ2には、ブラケット10が所要数の
ボルト11により一体に固着されている。また、フランジ
3には、ブレーキケース12と、このブレーキケース12を
覆うブレーキカバー13とで形成されるブレーキケーシン
グ14が所要数のボルト15により一体に固着されている。
ブレーキカバー13には、ブレーキケーシング14内の空気
を排気するための、所要数の空気排気孔16が設けられて
いる。なお、ブレーキカバー13自体は、必ずしも本考案
の必須構成要件となるものではない。
ロータ軸6は、その一端を前記ブレーキケース12の一
側中央部に設けられたベアリング保持部12aに支持され
たボールベアリング17に回転自在に支持されており、他
端は前記ブラケット10の中央部に支持されたボールベア
リング18に回転自在に支持されている。ブレーキケース
12の中央部に設けられたベアリング保持部12aの近傍外
周には、第2図に示すように所要数の空気流通孔19が設
けられている。この空気流通孔19は、電動機1のフレー
ム4と、ブレーキケーシング14間の空気流通路を形成す
ると共に、ブレーキから生ずる摩擦熱が、ボールベアリ
ング17に伝達するのを低減させる機能を有するものであ
る。そして、ロータ軸6の一端は、ブレーキケーシング
14内に臨み、他端は図示を略した減速機を介して巻上げ
ドラムに連結されている。
次に、マグネットブレーキ部を説明する。ブレーキケ
ーシング14内に臨んだロータ軸6には、スプライン溝20
が刻設されている。このスプライン溝20には、ブレーキ
ホイール21がスプライン嵌合し、ストップリング等の抜
止手段22によって一体に固着されている。このブレーキ
ホイール21は、第1図に示すように後述する固定鉄心35
の中空部35aを挿通するだけの長さを有している。この
ブレーキホイール21の外周には、第3図に示すような空
冷用ファンとしての機能を有する十字状のファン部分21
a(係合部)が突出して形成され、その端部の外周部分
が、第1図に示すように、空気流通孔19に対向してい
る。このファン部分21aを十字状に形成したのは、ブレ
ーキホイール21の構造が従来の放射状のものに比べて単
純な形状になるからである。
このブレーキホイール21のファン部分21aには、第4
図及び第5図に示すようなブレーキライニング23が嵌合
する。このブレーキライニング23は、アスベスト等のラ
イニング材で構成され、その中央部には、前記ブレーキ
ホイール21のファン部分21aに係合する係合孔24が穿設
されている。
これにより、このブレーキライニング23は、前述した
ロータ軸6と一体に回転すると共に、軸方向には、微少
距離だけ摺動することができるものである。また、ブレ
ーキライニング23の一側面には、制動面25を有すると共
に、他側面には高さを異ならせた制動面26とファン面27
とを有するものである。そして、このファン面27には、
所要数の切り欠き溝28が設けられ、この切り欠き溝28に
連続してブレーキライニング23の直径方向には、所要数
の切り欠き部29が放射状に設けられ、全体として花びら
状に形成されている。これにより、このブレーキライニ
ング23の回転によって、ファン面27で受けた空気は外方
へ押出されて、ブレーキライニング23自体が空冷用ファ
ンとしての機能を有すると共に、切り欠き部29によって
より一層の冷却効果が期待できる。そして、ブレーキラ
イニング23のファン面27は、前記ロータ軸6の一端を支
持した支持部分に設けられたベアリング保持部12aの近
傍外周に穿設された空気流通孔19に、微少間隔を維持し
て対向している。
一方、ブレーキケース12の一側面には、4本の段付き
ボルト30にて、前記ブレーキライニング23の制動面26に
対向する金属製のリング状制動板31が固着されている。
段付きボルト30の先端ボルト部30aには、ナット32と調
整ナット33にて中空状の固定板34が固着され、この固定
板34には、適宜手段で中空円柱状の固定鉄心35が固着さ
れている。段付きボルト30の段部30bには、前記固定鉄
心35に対向する可動鉄心36が、段付きボルト30の軸方向
に微少距離だけ摺動可能に取付けられる。
調整ナット33と可動鉄心36間には、スプリング37が介
装される。このスプリング37は、可動鉄心36を常時ブレ
ーキケース12側に付勢し、可動鉄心36と制動板31間に
て、前記ブレーキライニング23の制動面25及び26を圧接
挟持させるものである。
このように構成された本考案における電動機とマグネ
ットブレーキは次のように作用する。
図示を略した制御器で、電動機1とマグネットブレー
キの固定鉄心35に通電すると、可動鉄心36はスプリング
37に抗して固定鉄心35に吸引され、電動機1は制動が解
除されて回転する。この時、電動機1のフレーム4内及
びマグネットブレーキのブレーキケーシング14内には、
第1図に矢印で示すような空気流が生ずる。すなわち、
ロータ軸6が回転すると、これと一体となったブレーキ
ホイール21とブレーキホイール21に嵌合したブレーキラ
イニング23が回転し、ブレーキホイール21とブレーキラ
イニング23の空冷用ファン機能があいまって、外気は電
動機1のフレーム4に穿設された空気吸入孔8から吸気
されることになる。そして、ベアリング保持部12aの近
傍外周に穿設された空気流通孔19を経て、ブレーキケー
シング14に穿設された空気排気孔16より排気されること
となる。その過程で、電動機やマグネットブレーキから
の発生熱を奪って冷却する。そして、電流が切れると固
定鉄心35は無励磁となり、吸引力が無くなるためにスプ
リング37によって可動鉄心36は押し戻される。これによ
って、ブレーキライニング23は、可動鉄心36と制動板31
間にて圧接挟持され、制動力が発生して電動機1の回転
を止めるものである。
(考案の効果) 以上詳細に説明したように、本考案に係るブレーキ装
置では、ブレーキホイールのロータ軸の一端部に設けら
れた、空冷用ファンとしての機能を有するブレーキホイ
ールのファン部分を十字状に形成したので、ブレーキホ
イールのファン部分を、従来の放射状のものよりも単純
な形状にすることができる。
また、ブレーキホイールのファン部分を空気流通孔に
対向させたので、空冷用のファンとしての機能をより向
上させることができる。さらに、ブレーキホイールのフ
ァン部分は、マグネットブレーキ装置の固定鉄心の中空
部を挿通する長さを有しているので、ブレーキホイール
の回転に伴い、固定鉄心から生ずる発生熱を固定鉄心の
内方から外方に向けて直接かつ積極的に冷却することが
できる。従ってマグネットブレーキにおける固定鉄心の
ブレーキコイルの長寿命化を図ることができる。
また、ブレーキホイールに空気流通孔に対向させたブ
レーキライニングを設けたので、ブレーキホイールの回
転に伴ってブレーキライニングをブレーキホイールと一
体に回転させることができ、このブレーキライニングの
ファン機能によっても空気流通孔より空気を引き込むこ
とができる。
したがって、ブレーキホイールとブレーキライニング
の相互があいまって空冷用ファンとなって機能するの
で、電動機自体から生ずる発生熱、ロータ軸を支持する
ベアリングの発生熱、ブレーキから生ずる摩擦熱を奪っ
て、強制的に自己通風することとなり、従来のブレーキ
ホイールだけのものに比べて冷却効果をあげることがで
きる。
また、ブレーキライニングにファン機能を有する所要
数の切り欠き溝を放射状に設け、さらに、この切り欠き
溝に連続して切り欠き部を設けて、ブレーキライニング
を花びら状に形成していることにより、より一層の冷却
効果が期待できる。従って、電動機、ブレーキライニン
グ及びベアリング等の長寿命化を図ることができる。さ
らに、ブレーキ装置部分からの発生熱による熱膨脹によ
って、ブレーキライニングの変形を防止することができ
る。
また、ブレーキライニング自体を制動用部材と空冷用
ファンとに兼用させているので、電動機の構造やブレー
キの構造に寸法的な影響を及ぼさず、これらの構造を小
型化することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案に係るブレーキ装置の縦断面図、第2図
は第1図のII-II線矢視断面図、第3図は第1図のIII-I
II線矢視断面図、第4図はブレーキライニングの正面
図、第5図は第4図のV-V線矢視断面図である。 1……電動機、4……電動機フレーム 6……ロータ軸、8……空気吸入孔 12……ブレーキケース、12a……ベアリング保持部 19……空気流通孔、23……ブレーキライニング 28……切り欠き溝、29……切り欠き部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H02K 7/102 H02K 7/102

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】所要数の空気吸入孔を設けた電動機フレー
    ムと、この電動機のロータ軸の一端を支持した支持部分
    に設けられたベアリング保持部の近傍外周に所要数の空
    気流通孔とを備えた電動機に、一体的に隣接して固着さ
    れたマグネットブレーキ装置において、 前記ブレーキ側のロータ軸の一端部に、十字状に形成さ
    れたファン機能を有するブレーキホイールを前記空気流
    通孔に対向させて設け、前記ブレーキホイールのファン
    部分は前記マグネットブレーキ装置の固定鉄心の中空部
    内を挿通する長さを有し、前記ファン部分には、軸方向
    にのみ摺動可能なブレーキライニングを、前記空気流通
    孔に微少間隔を維持して対向させて設け、前記ブレーキ
    ライニングの前記空気流通孔への対向面には、ファン機
    能を有する所要数の切り欠き溝を放射状に設け、さら
    に、この切り欠き溝に連続して切り欠き部を設け、該切
    り欠き部及び前記切り欠き溝が花びら状に形成されたブ
    レーキライニングを、適宜手段で圧接挟持して制動力を
    発するようにしたことを特徴とする空冷機構を備えたブ
    レーキ装置。
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