JP2531491Y2 - ヒンジキャップと容器本体の組合せ構造 - Google Patents

ヒンジキャップと容器本体の組合せ構造

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JP2531491Y2
JP2531491Y2 JP2170391U JP2170391U JP2531491Y2 JP 2531491 Y2 JP2531491 Y2 JP 2531491Y2 JP 2170391 U JP2170391 U JP 2170391U JP 2170391 U JP2170391 U JP 2170391U JP 2531491 Y2 JP2531491 Y2 JP 2531491Y2
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哲夫 熊谷
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、別々に成形された上蓋
と下蓋から成るヒンジキャップと容器本体の組合せ構造
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、別々に成形された上蓋と下蓋から
成るヒンジキャップを製造する理由として、ヒンジ部を
有する上蓋は、くり返し折り曲げられる事から柔軟な物
性が要求され、下蓋は容器本体に強固に組合せる必要か
ら剛性の高い物性を要求されるという両者異る材料特性
を必要とするためと、上蓋と下蓋の着色仕様を変えて人
目を引くデコレーション効果を得ること、上蓋と下蓋を
それぞれ別の成形金型で量産し組立てた方がコスト面に
於て優位であるためである。
【0003】別々に成形された上蓋と下蓋から成るヒン
ジキャップの組合せ構造に関する従来技術として、特公
昭50−34471号公報や実開昭62−115368
号公報に記載の様なものがある。
【0004】前者の構造は、図17に示すように、キャ
ップ体102に設けられた凹孔108に蓋体103の弾
性作用部107の端部を挿入し両者を連結している。
【0005】後者の構造は、図18に示すように、上蓋
110の係止舌片113が挿通凹部106に挿入され係
止条114が下蓋104の内筒の下端に引掛り係止され
ている。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら前記の従
来技術にあっては、次のような問題点がある。
【0007】前者の組合せ構造では、凹孔108に弾性
作用部107の端部が挿入されているだけであるため、
縦方向の固定能力が低く、蓋体103を開閉すると弾性
作用部107が上方に浮いて来ることがある。
【0008】後者の組合せ構造では、係止条114が形
成されており、挿通凹部106の下方の下蓋104の内
筒下端に引掛かれば強固に固定されるが、挿通凹部10
6に係止舌片113を挿入する過程で係止条114の頂
点が挿通凹部106の側面によってこすられ、係止条1
14の高さが低くなる事がある。
【0009】係止条114の高さが低くなると、両者の
固定能力が減少し、また、係止条114の形状がくずれ
ないほどに挿通凹部106の短方向巾を広げると両者の
固定能力が低下するだけではなく、上蓋110の開閉操
作を繰り返すと上蓋110の半径方向へのガタツキが生
じ、係止舌片113の背面側の上蓋110が下蓋104
の側面よりもはみ出したり、半径方向に寄ってしまう事
がある。
【0010】本考案は上記のような問題を解消するため
になされたもので、別々に成形された上蓋と下蓋からな
るヒンジキャップにおいて、上蓋と下蓋との軸心に位置
ズレが発生しない強固な連結のヒンジキャップと容器本
体の組合せ構造を提供する事を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記目的を解決するた
め、本考案では、頂壁に注出口を有し、前記頂壁から下
方に延出する外筒部と内筒部とを有し、前記外筒部と前
記頂壁の一部を切除して形成したボックス部を有する下
蓋と、前記下蓋の注出口を閉鎖する天井部とヒンジ部と
を有し、前記ヒンジ部と連結していて前記下蓋のボック
ス部内に挿入されて固定される係止部を有している上蓋
とから成るヒンジキャップを容器本体に被冠したものに
於て、前記下蓋のボックス部が、前記外筒部の切除部下
端から下方の内面側に形成されている外筒段差部と、こ
の外筒段差部の下方の位置から前記内筒部側に向って傾
斜している弾性板と、前記頂壁から前記内筒部の外面に
沿って垂下し、前記弾性板と対面する位置まで延びてい
る垂下平面部と、この垂下平面部の下端が形成する下縁
部とを有し、前記上蓋の係止部が、前記ヒンジ部から下
方に延び前記下蓋の外筒部の切除部に嵌入する嵌入板
と、この嵌入板の下端内面側から下方に延出し前記下蓋
の外筒部の切除部下端と外筒段差部との間の部分に嵌入
する嵌入板延長部と、前記嵌入板と間隔を置いて前記嵌
入板延長部よりも下方に延び前記下蓋の弾性板と垂下平
面部との間隙に嵌入される支柱部と、この支柱部の下部
内面側に突出し前記下蓋の垂下平面部の下縁部と係合す
る突起部と、前記嵌入板と前記支柱部とを上部で連結し
ている連結部とを有し、前記支柱部の内面から前記嵌入
板延長部の外面までの間隔が、前記垂下平面部から前記
外筒部の切除部下端内面までの間隔以上であり、前記弾
性板の最も内面側に位置する面と前記垂下平面部または
前記垂下平面部の下方への垂下仮想線との間隔が、前記
支柱部の突起部を設けた部分における支柱部と突起部と
の合計厚さが最大である部分の厚さよりも狭いことを特
徴とするヒンジキャップと容器本体の組合せ構造とし
た。
【0012】
【作用】本考案のヒンジキャップは、上記構成を備えて
いるので、下蓋のボックス部に上方から上蓋の支柱部と
嵌入板とを押し込むと、支柱部の突起部は、ボックス部
の垂下平面部に接触しながら下降し、弾性板と垂下平面
部との間隙が突起部と支柱部との合計厚さよりも狭い部
分では裏面側の支柱部で弾性板を押し返しながら下降を
続け、垂下平面部が終了した下縁部に到達すると、支柱
部の外面と圧接触している弾性板に押されて下縁部と係
合する。
【0013】突起部と下縁部とが係合した状態のとき、
支柱部の内面と垂下平面部、嵌入板の下端と外筒部の切
除部下端、嵌入板延長部外面と外筒部の切除部下端内面
がそれぞれ接触している。
【0014】従って、支柱部及び嵌入板は下蓋のボック
ス部内で強固に組み付けられ、蓋の開閉操作時に上下方
向又は半径方向に位置ズレすることがない。
【0015】
【実施例】(実施例1) 以下、本考案の実施例1を図面に基づいて説明する。
【0016】図1及び図2はヒンジキャップの下蓋を示
す一部切欠斜視図である。
【0017】まず、ヒンジキャップ1の下蓋3の構成を
説明すると、頂壁部5の周縁から外筒部6が垂下し、外
筒部6の内側に内面側に雌ねじ16を有する内筒部7が
垂下し、内筒部7の内側に前記外筒部6や内筒部7より
も短いインナーリング17が垂下している。
【0018】更に、外筒部6と内筒部7の間に、内筒部
7の中心に対して対称となる位置に一組の位置決めポケ
ット13(図では一個のみ示す)を形成するための横断
面がコの字形の囲い部12が内筒部7よりも長く垂下し
ている。また、囲い部12と直交位置の頂壁部5と外筒
部6の一部を切除し、その切除部下端から下方の外筒部
6の内面側(この明細書では蓋の中心側の面を内面と呼
ぶ)に外筒段差部11を設け、この外筒段差部11の下
方に内筒部7側に向かって傾斜している弾性板9を設
け、更に内筒部7の外面側に垂直な垂下平面部80とそ
の下端によって形成される下縁部10を設けることによ
ってボックス部8を形成している。
【0019】下縁部10は、弾性板9の形成高さ範囲内
に設けられている。弾性板9は、上部が前記外筒部6の
内面に連続する構造であり、少なくとも下方部分はわず
か外方にたわむ作用のある構造である。
【0020】内筒部7及びインナーリング17は、下蓋
3の軸心を外れる位置に垂下し、これにより発生したス
ペースにボックス部8が形成されている。
【0021】また、頂壁部5の前記インナーリング17
の中心よりも片寄った位置に注出口14を設けてあり、
注出口14に近い外筒部6の外面を切除して指かけ凹部
15を設けてある。
【0022】この下蓋3は熱可塑性のプラスチックを用
いて周知の射出成形法によって製造する。
【0023】図3はヒンジキャップの上蓋を示す斜視
図、図4及び図5は上蓋を示す一部切欠斜視図である。
【0024】ヒンジキャップ1の上蓋4の構成を説明す
ると、天井部18の周縁から外壁部19が垂下し、外壁
部19の下端から一対のヒンジ部24,24と嵌入板2
0が延長し、嵌入板20の下端内面側から更に下方に嵌
入板延長部21が伸びている。また、嵌入板20と共に
下蓋3のボックス部8に挿入される支柱部22が、嵌入
板20の内面側と連結部38で連結されている。支柱部
22の下部内面側には、下蓋3の下縁部10と係合する
突起部23が設けられている。
【0025】一対のヒンジ部24,24の間に嵌入板2
0と天井部18をつなぐ形状の反転板25が設けられて
おり、これ等部位と反対側の外壁部19には指かけ鍔部
27が突設されている。尚、反転板25は両側で嵌入板
20及び天井部8と切り離されている。
【0026】また、天井部18の内面の上蓋4の軸心を
外れる位置から注出口14に嵌入し密封性を維持するた
めの栓体26が垂下している。
【0027】ヒンジ部24及び反転板25は公知の構造
のものであり、ヒンジ部24,24を支点として反転板
25が内,外方向に移動し、その結果、上蓋4が開閉す
るものである。
【0028】この上蓋4は、柔軟性のある熱可塑性のプ
ラスチックを用いて周知の射出成形法によって製造す
る。
【0029】図6及び図7は容器本体を示す斜視図であ
る。
【0030】容器本体2の構成を説明すると、胴部28
の上端よりやや内方に四角形の肩部29が立設され、胴
部28の軸心を外れる位置の肩部29より台座部30,
更にその上に首部31がそれぞれ立設されている。
【0031】首部31の先端には、開口部34が設けら
れており、首部31の偏心方向と直交方向に突起32が
立設されている。
【0032】図8及び図9はヒンジキャップ1を容器本
体2に組合せ固定した構造を示す図である。
【0033】組合せ固定構造を説明すると、下蓋3のボ
ックス部8に上蓋4の支柱部22が挿入され、支柱部2
2の内面が垂下平面部80に接し、下縁部10に突起部
23が引掛った状態で支柱部22の背面は弾性板9でバ
ックアップされ、支柱部22が上方に抜けない構造の蓋
組込固定部36が形成されている。
【0034】蓋組込固定部36の外方には、外筒段差部
11に嵌入板20の延長部21が嵌入し、位置規制嵌合
部37を形成して外筒部6の外面と嵌入板20の外面は
面一状に保持されて嵌入板20の下面に形成されている
停止面35が外筒部6の切除上端面に当接し、嵌入板2
0の下方への移動がない。
【0035】嵌入板20の上方には、ヒンジ部24,2
4と反転板25があり、天井部18と外壁部19がヒン
ジ部24,24を支点として上下に開閉する構成であ
る。
【0036】反転板25は開蓋した時は外方に移動し、
閉めた時は内方に移動し天井部18と外壁部19の開閉
作用が高められている。
【0037】下蓋3の上方に被せられた上蓋4は、下蓋
3の頂壁部5の片寄った位置に形成された注出口14に
栓体26が嵌入してこれを封鎖している。
【0038】容器本体2とヒンジキャップ1の組合せ
は、首部31に形成されている雄ねじ33と内筒部7に
形成されている雌ねじ16によるねじ嵌合部が形成さ
れ、嵌合終点に於て、首部31先端の開口部34にイン
ナーリング17が密に嵌入して、容器本体2と下蓋3の
気密性を維持しており、内筒部7の外方に形成された二
個の位置決めポケット13にはそれぞれの突起32が嵌
まり容器本体2とキャップ1を周方向に位置合せする役
目を果たしてキャップ1の増し締めを防止している。
【0039】容器本体2とヒンジキャップ1の嵌合部は
上記の構成であるが、首部31が胴部28の軸心より外
れる位置に形成されているため、蓋組込固定部36下方
は首部31の外面または台座部30の外面と外筒部6の
内面には多くの空間があり、その反対側に於ては外筒部
6の内面が台座部30に接近している。即ち、この方向
の胴部28と台座部30と首部31の内面形状は段差が
少なく形成されており、容器本体2をかたむけ内容物を
出す時、段差の個所にたまる欠点が軽減され更にこの方
向が注出口14が寄っていることにもなるため、ヘヤー
リンス等の高粘度の内容物で残存量が少なくなった時、
注出口から取り出す迄の時間が短縮出来る効果がある。
【0040】また、注出口14が指かけ凹部15に近い
ため上蓋4を開蓋した後、手や器に内容物を取り出すの
に便利である。
【0041】また、両蓋3,4を組合せる前と後では、
上蓋4の嵌入板20の延長部21外面から支柱部22内
面までの距離は、組合せる前の距離をT,組合せた後の
距離をT′とするとT≧T′の関係にあり、これ等全体
の形状をほぼ鳥居形に形成したため下部をしぼめる様に
固定しても弾性変形できるのである。従って、ボックス
部8の垂下平面部80から外筒部3の切除部下端内面ま
での距離は、T寸法と同じか、短い事が特徴である。
【0042】次に、作用を説明する。
【0043】両蓋3,4の組合せ時には、下蓋3のボッ
クス部8の垂下平面部80に支柱部22の突起部23を
当接し、押し込めば支柱部22の下部の押圧によって弾
性板9が外方にしなり支柱部22が下降するに必要な突
起部23と支柱部22の裏面迄の厚さに等しい巾の間隙
が発生するためスムーズに嵌入する事が出来、突起部2
3が垂下平面部80の下端の下縁部10に至ると弾性板
9は元の形状に復元し、同時に嵌入板延長部21が外筒
段差部11に嵌まり嵌入板20の外面と周囲の外筒部6
が面一状に組合せられる。
【0044】両蓋3,4を組合せたヒンジキャップ1を
容器本体2に組合せる時には、首部31と下蓋3の内筒
部7を当接し、キャップ1を右方向に廻すことで雌ねじ
16と雄ねじ33とが螺合し、首部31に内筒部7が被
り嵌合終盤に於て囲い部12の先端が突起32に当接
し、囲い部12の先端が突起32をのり越え、位置決め
ポケット13内に突起32が納まる。
【0045】更に、キャップ1を廻そうとしても突起3
2と囲い部12の側面が当接するため廻す事が出来な
い。
【0046】これは、容器本体2に対するキャップの嵌
合位置を、容器本体2の形状に合致する様にしたり、胴
部28の印刷位置に指かけ鍔部27が合致する等デザイ
ン上好ましい位置関係にするために行なうものである。
また、これは首部31の突起32と雄ねじ33のスター
ト位置に対して内筒部7の雌ねじ16のスタート位置関
係によって調節される。
【0047】(実施例2) 次に、本考案の第2実施例を図面に基づいて説明する。
【0048】図10は実施例2のヒンジキャップの上蓋
を示す斜視図である。
【0049】上蓋40の嵌入板20の両側には突条42
を設け、下蓋のボックス部8に支柱部22が嵌入した
時、嵌入板20の両側に設けた突条42がたて溝41に
嵌まる構造とした事が特徴であり、その他の構造は、実
施例1と同様である。
【0050】図11は実施例2のヒンジキャップの下蓋
の斜視図である。
【0051】下蓋39のボックス部8の外方側に位置す
る外筒部6と内方側の垂下平面部80との間の頂壁部5
の切除部にたて溝41を形成した状態を示すものであ
り、たて溝41は切除部の両側に形成されている。
【0052】突条42は上記たて溝41に密に嵌入する
寸法に形成され、嵌入板20の左右に設けた突条42が
たて溝41に嵌入している。
【0053】従って、図12に示されている様に、嵌入
板20の両側と下端が下蓋39の外筒部6の切除部に組
込まれている事になり、上蓋40の半径方向への位置ズ
レ防止が強化され、嵌入板20の外面と外筒部6の面一
状に保持する状況も実施例1よりもすぐれている。(実
施例3)
【0054】本例は、下蓋45のボックス部8の側面を
半径方向、及び垂直方向に傾斜状とし、一方上蓋46の
嵌入板20と支柱部をつなぐ連結部38の側面を半径内
方向に広く、半径外方向に狭くかつ上方が広く、下方が
狭い楔形とし、更に支柱部の形状を下方の巾を狭くし、
上蓋46を開蓋した時支柱部の上方が半径外方向にたわ
む事と下蓋45と上蓋46の組合せ作業に於てボックス
部8の中に支柱部が容易に嵌入する構造とし自動組込機
械で両蓋を能率的に組合せる事を可能としたものであ
る。
【0055】図13は、本例の下蓋45の構造を示すも
のであり、実施例1の下蓋3との相違点は、ボックス部
8の外筒部6と垂下平面部80との間の両側の頂部切断
端面47,47が,垂下平面部80側から外筒部6側へ
行くに従って互いの間隔が狭くなり、しかも上方から下
方に行くに従って互いの間隔が狭くなるような傾斜面
(垂直方向には10度の傾斜を有する)となっている点
のみである。
【0056】図14(a),(b)は本例の上蓋46の
形状を示すものであり、実施例1の上蓋との相違点は、
嵌入板20と支柱部48をつなぐ連結部38の側面が、
前記頂部切断端面47,47に合致するように支柱部4
8の至近部が広く,嵌入板20の至近部が狭く,更に側
面が下方に行くに従って支柱部48の中央側に傾斜して
いる楔形側面49,49をなしている事と、突起部23
を持つ支柱部48の巾が下方で狭くなるテーパー状とな
っている事が特徴である。
【0057】図15は上蓋46を開蓋した状態で、テー
パー状の支柱部48を下蓋45のボックス部8の直上に
配置し、両蓋45,46を組合せる状態を示すものであ
り、ボックス部8に嵌入する支柱部48はテーパー状と
なっているため嵌入開始が円滑に行なわれ、終盤に於て
頂部切断端面47,47に連結部38の楔形側面49,
49が合致する様に自然にボックス部8の中央に連結部
38が水平状態を維持しつつ嵌入する。
【0058】即ちボックス部8の側面が上拡がりであ
り、連結部38の側面も下方が狭いため前記嵌入時は連
結部38の上面を圧着するが、連結部38の角がボック
ス部8周囲にのり上げ支柱部48の下降が阻害される事
はない。
【0059】テーパー状の支柱部48が嵌入終盤に於
て、実施例1と同様に弾性板9が外方にしなり突起部2
3が下縁部10に引掛る事と嵌入板延長部21が外筒段
差部11に嵌まり嵌入板20の外面と外筒部6の外面は
面一状に組合せられる。
【0060】図16は下蓋45と上蓋46の組合せが完
了したヒンジキャップ44の状態を示すものであり、ボ
ックス部8の頂部切断端面47,47の半径方向内方側
が広く外方側が狭い形状に、上蓋46の楔形側面49,
49が密に合致し、即ちテーパー状の支柱部48の上部
を半径方向内方向に押しつける様に作用する。
【0061】又、テーパー状の支柱部48の下部にある
突起部23の背面側に対して弾性板9が半径方向内方向
に押圧力を作用しているため天秤棒で荷物をかついだ様
に支柱部48の上,下を半径方向内方向に押しつけてい
る事になる。
【0062】両蓋45,46を組合せ、上蓋46を開蓋
すると、反転板25の屈曲部が広がりながら上蓋46の
下方外側に下降し、この時支柱部48の上部が半径外方
向に引張られる作用が発生するが、前記頂部切断端面4
7,47と楔形側面49,49の固定部で半径内方向に
押圧しているため支柱部48や嵌入板20が半径方向に
揺動する事はない。
【0063】万一、開蓋した上蓋46を半径外方向に引
張ったとしても、ボックス部8の半径方向内側の長辺と
支柱部48の内面に隙間が発生する事がなく、強固な組
合せ状態が維持される。
【0064】以上述べた様に、本例のヒンジキャップ4
4は支柱部48の嵌入が円滑に行なわれる構成であるた
め、自動組込機械で組合せる事の出来る構造であり、組
合せたキャップ44は上蓋46の開閉や、上蓋46を故
意に引張っても揺動しない強固な組合せ構造と言える。
【0065】以上、実施例を図面に基づいて説明してき
たが、具体的な構成はこの実施例の限られるものではな
い。
【0066】例えば、本考案実施例の容器本体は、プラ
スチック製のボトルであるがスクイズ性のあるプラスチ
ックチューブやガラスビンや金属容器でも同様の効果が
得られる。
【0067】
【考案の効果】本考案のヒンジキャップと容器本体の組
合せ構造は、実用新案登録請求の範囲に記載した様に構
成されているので、上蓋の支柱部の突起部と下蓋の垂下
平面部の下縁部とが係合した状態のとき、支柱部の内面
と垂下平面部、嵌入板の下端と外筒部の切除部下端、嵌
入板延長部外面と外筒部の切除部下端内面がそれぞれ接
触しており、しかも突起部と下縁部との係合が外れるの
を支柱部の外面側に位置する弾性板が阻止するため、上
蓋の開閉操作を繰り返しても上蓋と下蓋との軸心に位置
ズレが発生することはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1のヒンジキャップの下蓋を示す一部切
欠斜視図である。
【図2】実施例1のヒンジキャップの下蓋を示す一部切
欠斜視図である。
【図3】実施例1のヒンジキャップの上蓋を示す斜視図
である。
【図4】実施例1のヒンジキャップの一部切欠斜視図で
ある。
【図5】実施例1のヒンジキャップの一部切欠斜視図で
ある。
【図6】実施例1の容器本体を示す斜視図である。
【図7】実施例1の容器本体を示す斜視図である。
【図8】実施例1の下蓋と上蓋と容器本体の嵌合断面斜
視図である。
【図9】実施例1の下蓋と上蓋と容器本体の嵌合断面斜
視図である。
【図10】実施例2の上蓋を示す斜視図である。
【図11】実施例2の下蓋を示す斜視図である。
【図12】実施例2の下蓋と上蓋の嵌合断面斜視図であ
る。
【図13】実施例3のヒンジキャップの下蓋を示す斜視
図である。
【図14】実施例3のヒンジキャップ上蓋の外面側斜視
図と内面側斜視図である。
【図15】実施例3のヒンジキャップの上蓋と下蓋とを
組合せる直前の斜視図である。
【図16】実施例3のヒンジキャップの組合せた後の斜
視図である。
【図17】従来技術でのヒンジキャップを示す断面図で
ある。
【図18】従来技術でのヒンジキャップを示す断面図で
ある。
【符号の説明】
1 ヒンジキャップ 3 下蓋 5 頂壁 6 外筒部 7 内筒部 8 ボックス部 9 弾性板 10 下縁部 11 外筒段差部 12 囲い部 13 位置決めポケット 14 注出口 18 天井部 20 嵌入板 21 嵌入板延長部 22 支柱部 23 突起部 24 ヒンジ部 38 連結部 80 垂下平面部

Claims (4)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 頂壁に注出口を有し、前記頂壁から下方
    に延出する外筒部と内筒部とを有し、前記外筒部と前記
    頂壁の一部を切除して形成したボックス部を有する下蓋
    と、 前記下蓋の注出口を閉鎖する天井部とヒンジ部とを有
    し、前記ヒンジ部と連結していて前記下蓋のボックス部
    内に挿入されて固定される係止部を有している上蓋とか
    ら成るヒンジキャップを容器本体に被冠したものに於
    て、 前記下蓋のボックス部が、前記外筒部の切除部下端から
    下方の内面側に形成されている外筒段差部と、この外筒
    段差部の下方の位置から前記内筒部側に向って傾斜して
    いる弾性板と、前記頂壁から前記内筒部の外面に沿って
    垂下し、前記弾性板と対面する位置まで延びている垂下
    平面部と、この垂下平面部の下端が形成する下縁部とを
    有し、 前記上蓋の係止部が、前記ヒンジ部から下方に延び前記
    下蓋の外筒部の切除部に嵌入する嵌入板と、この嵌入板
    の下端内面側から下方に延出し前記下蓋の外筒部の切除
    部下端と外筒段差部との間の部分に嵌入する嵌入板延長
    部と、前記嵌入板と間隔を置いて前記嵌入板延長部より
    も下方に延び前記下蓋の弾性板と垂下平面部との間隙に
    嵌入される支柱部と、この支柱部の下部内面側に突出し
    前記下蓋の垂下平面部の下縁部と係合する突起部と、前
    記嵌入板と前記支柱部とを上部で連結している連結部と
    を有し、 前記支柱部の内面から前記嵌入板延長部の外面までの間
    隔が、前記垂下平面部から前記外筒部の切除部下端内面
    までの間隔以上であり、 前記弾性板の最も内面側に位置する面と前記垂下平面部
    または前記垂下平面部の下方への垂下仮想線との間隔
    が、前記支柱部の突起部を設けた部分における支柱部と
    突起部との合計厚さが最大である部分の厚さよりも狭い
    ことを特徴とするヒンジキャップと容器本体の組合せ構
    造。
  2. 【請求項2】 前記ボックス部の外筒部と垂下平面部と
    の間の頂部に溝部を有し、上蓋の嵌入板の側方に前記溝
    部に嵌入する形状と大きさの突条を有することを特徴と
    する請求項1記載のヒンジキャップと容器本体との組合
    せ構造。
  3. 【請求項3】 前記ボックス部の外筒部と垂下平面部と
    の間の両側の頂部切断端面が、前記垂下平面部側から前
    記外筒部側へ行くに従って互いの間隔が狭くなり、しか
    も上方から下方に行くに従って互いの間隔が狭くなるよ
    うな傾斜面であり、上蓋の嵌入板と支柱部とを連結して
    いる連結部の両側端面が、前記支柱部側から前記嵌入板
    側に行くに従って互いの間隔が狭くなり、しかも上方か
    ら下方に行くに従って互いの間隔が狭くなるような傾斜
    面であることを特徴とする請求項1記載のヒンジキャッ
    プと容器本体の組合せ構造。
  4. 【請求項4】 前記下蓋の注出口が、容器軸心からボッ
    クス部の反対側方向に外れた位置に設けられており、容
    器本体の主部が、前記注出口に対応して容器軸心から外
    れる偏心状態に形成されていることを特徴とする請求項
    1記載のヒンジキャップと容器本体の組合せ構造。
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