JP2531405Y2 - 湯張り機能を具備する給湯器付風呂釜 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野及び考案の概要］ 本考案は、給湯器で沸かされた温水を浴槽に供給する
湯張り機能を具備する風呂釜に関するもので、給湯器か
ら湯張りする温水の送水量を多くしても、その送水の一
部が湯張り回路に挿入された逆流防止装置から漏出しな
いようにし、これにより、湯張り速度を高められるよう
にしたものである。

［従来技術及びその問題点］ 給湯器で沸かした温水を浴槽に落し込む湯張り機能を
具備する給湯器としては、例えば第２図に示す如きもの
がある。

このものでは、風呂用熱交換器（15）を具備する風呂
釜（７）と浴槽（６）を繋ぎ且つ強制循環用の循環ポン
プ（Ｐ）を具備する追焚き回路（８）には、逆流防止装
置（１）を介して給湯器（５）からの供給温水が送られ
るようになっており、これら給湯器（５）→逆流防止装
置（１）→追焚回路（８）→浴槽（６）と繋がる水回路
が湯張り回路（12）となっている。

上記逆流防止装置（１）は、側壁上部にオーバーフロ
ー孔（20）を穿設した漏斗状のホッパー（２）と、該ホ
ッパー（２）の上端開口部に被蓋され且つ給湯孔（30）
が穿設された蓋体（３）と、上記蓋体（３）の給湯孔
（30）の下方に、これと微小間隔（31）を置いて配設さ
れたノズル（４）とから構成されており、ノズル（４）
の下端はホッパー（２）の下端開口部（21）に上方から
臨んでいる。

上記したものの場合、給湯器（５）から温水を供給す
ると、該温水は、蓋体（３）の給湯孔（30）からノズル
（４）部分を経て浴槽（６）側に供給され、これによっ
て、湯張りが行なえるようになっている。

このものでは、浴槽（６）への湯張りが完了した後
に、逆流防止装置（１）の上流側水回路（９）が不測の
圧力低下を起した場合には、該上流側水回路（９）に
は、オーバーフロー孔（20）からの吸引空気が供給さ
れ、浴槽（６）内の入浴水が水道側に逆流するのが防止
できる利点がある。

ところが、上記従来のものでは、給湯器（５）からの
送水量を増加させて行くと、該送水の一部が、逆流防止
装置（１）の内外を連通させるオーバーフロー孔（20）
を介して外部に漏出してしまうことから、湯張り速度を
あまり速くできないと言う問題があった。

［目的］ 本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、湯張り速
度の向上が図れるようにする為、給湯器（５）からの送
水量を増加させても、その一部が逆流防止装置から外部
に漏出しないようにすることを目的とする。

［技術的手段］ 上記目的を達成する為に講じた本考案の技術的手段
は、『風呂用熱交換器（15）から循環ポンプ（Ｐ）を経
て浴槽（６）に繋がる往路と、前記浴槽（６）から前記
風呂用熱交換器（15）に帰る復路とからなる強制循環用
の追焚回路（８）を設け、 上記往路に於ける循環ポンプ（Ｐ）の吸引側と風呂用
熱交換器（15）の間に給湯器（５）から引き出した連絡
流路（19）を接続すると共に、該連絡流路（19）に真空
破壊弁（74）を挿入し、 湯張り動作時には、前記連絡流路（19）からの温水が
前記循環ポンプ（Ｐ）側とこれと反対の風呂用熱交換器
（15）側に分岐することにより、前記往路及び復路の両
方から浴槽（６）に供給されるようにした』ことであ
る。

［作用］ 上記技術的手段は次のように作用する。

給湯器（５）からの送水量を増加させて多量の温水を
下流側に強制送水させると、該温水は、真空破壊弁（7
4）部分から外部に漏出することなく連絡流路（19）か
ら追焚回路（８）の往路に流入し、この流入部から循環
ポンプ（Ｐ）を順方向（吸引側から吐出側に向う方向）
に通過して浴槽（６）に繋がる往路と、前記循環ポンプ
（Ｐ）の反対側から風呂用熱交換器（15）を通過して浴
槽（６）側（復路側）に繋がる回路に分岐し、これら往
路及び復路の両回路を介して上記湯張り用の温水が浴槽
（６）に供給される。

又、真空破壊弁（74）の上流側流路が不測の圧力低下
を起した場合には、上記上流側流路には、真空破壊弁
（74）を介して吸引された外気が供給され、これによ
り、浴槽（６）内の温水が水道側に逆流する事態を防止
する。

又、循環ポンプ（Ｐ）の運転中においても、前記上流
側流路に不測の圧力低下が生じた場合に、循環ポンプ
（Ｐ）の吸引圧力が真空破壊弁（74）に作用する。この
吸引圧力はこの真空破壊弁（74）を開弁させるように働
くから、循環ポンプ（Ｐ）の吐出圧力が真空破壊弁（7
4）に作用する負圧を解消するように作用することはな
く、真空破壊弁（74）の作動に関して循環ポンプ（Ｐ）
を挿入したことによる悪影響が生じない。

［効果］ 本考案は次の特有の効果を有する。

給湯器（５）からの送水量を増加させても、その一部
が真空破壊弁から外部に漏出する心配がないから、又、
連絡流路（19）と追焚回路（８）との合流点からこの追
焚回路（８）の両側に分流されて供給された所謂両搬送
状態となるから、給湯器（５）からの送水量を十分に大
きくでき、湯張り速度を高めることができる。

循環ポンプ（Ｐ）の運転中に逆流条件が生じても、こ
の循環ポンプ（Ｐ）の吐出圧力が真空破壊弁（74）の動
作に悪影響を与えないから、水道配管側への逆流が確実
に防止出来る。

［実施例］ 次に、本願考案の実施例を図面に従って詳述する。

第１図に示すように、風呂用熱交換器（15）から循環
ポンプ（Ｐ）を経て浴槽（６）に繋がる往路（8a）と、
該浴槽（６）から前記風呂用熱交換器（15）に帰る復路
（8b）によって追焚回路（８）が構成されている。

又、給湯器（５）の下流側は連絡流路（19）を介して
追焚回路（８）の往路（8a）に接続され、上記下流側回
路から追焚回路（８）を経て浴槽（６）に至る回路によ
って湯張り回路（12）が形成されている。そして、上記
連絡流路（19）には、弱いバネ（75）と吸気口（76）が
閉塞する弁体（77）によって構成された真空破壊弁（7
4）とその上流側の湯張り弁（29）が挿入されており、
このものでは、上記真空破壊弁（74）が逆流防止装置と
して機能するようになっている。

更に、真空破壊弁（74）と給湯器（５）の間の回路か
らは台所や洗面所の出湯蛇口（55），（55）に繋がる給
湯回路（56）が引き出されている。

このものでは、湯張り時に於いてはポンプ（Ｐ）を停
止させた状態にし、この状態で、送水圧力を高くして多
量の湯張り用温水を給湯器（５）から送水すると、該給
湯器（５）と浴槽（６）を繋ぐ湯張り回路（12）内の圧
力も上昇する。ところが、湯張り回路（12）内の圧力が
相当高くなっても、湯張り用の温水は、真空破壊弁（7
4）部分から外部に溢れ出るようなことはなく、給湯器
（５）から送水した多量の温水はその総てが浴槽（６）
に送られ、給湯器（５）からの送水量の増加に比例して
浴槽（６）への湯張り速度が速くなる。

又、湯張り完了後に於いて、不測の事態が生じること
により真空破壊弁（74）の上流側流路が圧力低下を起す
と、該真空破壊弁（74）の上流側には、該真空破壊弁
（74）を介して吸引された外気が供給される。従って、
浴槽（６）内の温水が給湯回路（56）側に逆流すること
はない。なお、前記した「不測の事態が生じることによ
る圧力低下」とは、給湯器（５）側の水回路の弁（前記
湯張り弁（29）を含む）が閉弁作動した状態にあったと
しても、これの破損やごみ咬みによって流路が不完全遮
断状態にあって、前記給湯器（５）の上流側の水道水
（上水）回路の異常によりこの水道水回路及び前記上流
側流路の水圧が低下する場合等を言い、前記水道水回路
に直接接続される機器の分野では、前記不測の圧力低下
時にも水道水回路側への逆流が生じないようにすること
が必須とされている。

尚、この実施例のものでは、上記真空破壊弁（74）の
配設高さを、浴槽（６）の上面から300mm程度の位置に
設定し、これにより、浴槽（６）から出湯蛇口（55），
（55）側に逆流が生じる程真空破壊弁（74）の上流側流
路が圧力低下を来した場合における外気の吸引を確実な
らしめている。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例の説明図，第２図は従来例の説
明図であり、図中、 （５）……給湯器 （６）……浴槽 （８）……追焚回路 （19）……連絡流路 （74）……真空破壊弁 （Ｐ）……循環ポンプ

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】風呂用熱交換器（15）から循環ポンプ
   （Ｐ）を経て浴槽（６）に繋がる往路と、前記浴槽
   （６）から前記風呂用熱交換器（15）に帰る復路とから
   なる強制循環用の追焚回路（８）を設け、 上記往路に於ける循環ポンプ（Ｐ）の吸引側と風呂用熱
   交換器（15）の間に給湯器（５）から引き出した連絡流
   路（19）を接続すると共に、該連絡流路（19）に真空破
   壊弁（74）を挿入し、 湯張り動作時には、前記連絡流路（19）からの温水が前
   記循環ポンプ（Ｐ）側とこれと反対の風呂用熱交換器
   （15）側に分岐することにより、前記往路及び復路の両
   方から浴槽（６）に供給されるようにした、 湯張り機能を具備する給湯器付風呂釜。