JP2531294Y2 - トラック搭載クレーン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この考案は、トラックの運転室の後側の荷台上に取り
つけられるトラック搭載クレーンに関するものである。

（従来の技術） トラックの運転室の後方の荷台上に取りつけられるト
ラック搭載クレーンは、その使用時には大きな作業範囲
を要求される反面、その不使用時即ち格納姿勢では、ト
ラックの走行並びに積み荷の邪魔にならないようコンパ
クトに格納出来ることが求められている。

この種のトラック搭載クレーンの従来例は第３図に示
す如く、トラック１の荷台２上の一側部に旋回自在に取
りつけた旋回台３、旋回台３の下端部にその基端部を枢
着連結４され傾斜倒伏位置（第３図の二点鎖線の位置）
とほぼ鉛直な起立位置（第３図の実線の位置）との間で
起伏可能な第一ブーム５、第一ブーム５と旋回台３の適
所間に介装され少なくとも第一ブーム５を起立位置に固
定可能な第一ブーム固定手段６、その倒伏状態が第一ブ
ームの下側で当該第一ブームと略平行状態となるようそ
の基端部を第一ブーム５の先端部に枢着連結７され第一
ブーム５の腹面側へ向かって起伏自在な伸縮式の第二ブ
ーム８、および、第二ブーム８と第一ブーム５の適所間
に介装され第二ブーム８を起仰状態に維持する第二ブー
ム起仰状態維持手段（油圧シリンダ）９とから構成して
いる。

このように構成したトラック搭載クレーンは、クレー
ン作業時には、第一ブーム５を起立位置に固定し且つ第
二ブーム８を起仰ならびに伸縮調節してクレーン作業を
するものである。また、不使用時においては、第二ブー
ム８を最縮小させると共に倒伏状態（第一ブーム５の下
側で当該第一ブームに対し略平行状態）とし、第一ブー
ム５を荷台２の他側へ向けて傾斜倒伏位置とした格納姿
勢とするのである。

しかしながら、上記従来のトラック搭載クレーンは、
その格納姿勢において、上下平行状態になった第一およ
び第二ブーム5,8が上下方向に大きな空間を占有し、且
つ第一及び第二ブーム5,8が傾斜倒伏位置にあるので、
格納姿勢にある第一および第二ブーム5,8上に荷物を積
載することが出来ず、しかも第一および第二ブーム5,8
がトラックの運転室1aの後ろ窓1bからの視界の妨げとな
るという問題があった。

この考案は、上記従来技術の問題点を解決し、格納姿
勢において第一および第二ブーム5,8上に荷物を積載す
ることができ、しかも第一および第二ブーム5,8がトラ
ックの運転室1aの後ろ窓1bからの視界の妨げとならない
トラック搭載クレーンを提供することを目的とするもの
である。

（問題点を解決するための手段） 上記の目的を達成するため、本考案のトラック搭載ク
レーンは次の如く構成する。

トラックの荷台上の一側部に旋回自在に取りつけられ
その上端部が荷台左右の煽り板の上縁のレベルよりも低
い旋回台、旋回台の上端部にその基端部を枢着連結され
ほぼ水平な倒伏位置とほぼ鉛直な起立位置との間で起伏
可能な第一ブーム、第一ブームと旋回台の適所間に介装
され少なくとも第一ブームを起立位置に固定可能な第一
ブーム固定手段、その倒伏状態で第一ブームの側方一側
で当該第一ブームと略平行状態となるとともにその上面
が第一ブームの上面と略一致するようその基端部を第一
ブームの先端部に枢着連結され第一ブームの背面側へ向
かって起伏自在な伸縮式の第二ブーム、および、第二ブ
ームの基端部と旋回台あるいは第一ブームの適所間に介
装され常時第一ブームの腹面側に位置して起仰状態の第
二ブームの倒伏動を引っ張り応力で維持する第二ブーム
起仰状態維持手段とからなり、 第二ブームを最縮小させると共に倒伏状態として、第
一ブームを荷台の他側へ向けて倒伏位置にした格納姿勢
では、前記旋回台、第一ブームおよび第二ブームが、荷
台左右の煽り板の内側で当該煽り板の上縁のレベルより
も低く格納できるよう、これら旋回台、第一ブームおよ
び第二ブームの寸法を設定したのである。

（作用） このように構成した本考案のトラック搭載クレーン
は、その使用時には、第一ブームを第一ブーム固定手段
により起立位置に固定し、第二ブームを第二ブーム起仰
状態維持手段により第一ブームの背面側に起仰した状態
に維持してクレーン作業をするものであるが、その格納
姿勢では、第一及び第二ブームがトラック１の幅方向に
沿って前後に並んだほぼ水平状態に格納できると共に第
二ブーム起仰状態維持手段が第一ブームの腹面側に位置
しており、しかも第一ブーム、第二ブームおよび旋回台
が、荷台２の煽り板の上縁よりも低く格納されるので、
格納姿勢にある第一および第二ブーム上に荷物を積載す
ることができ、しかも第一ブームおよび第二ブーム5,8
がトラックの運転室1aの後ろ窓1bからの視界の妨げとな
らないのである。

（実施例） 次に第１図〜第２図に従って本考案のトラック搭載ク
レーンの実施例を説明する。

本考案のトラック搭載クレーンは、第３図に示し上述
した従来のものに比し、第一ブーム５に対する第二ブー
ム８の取りつけ構成、第二ブーム８を起仰状態に維持す
る第二ブーム起仰状態維持手段９の取りつけ構成、並び
に格納姿勢の三点が異なるものである。

第１図および第２図において、トラック搭載クレーン
は、トラック１の荷台２上の一側部に旋回自在に取りつ
けた旋回台３、旋回台３の上端部にその基端部を枢着連
結４されほぼ水平な倒伏位置とほぼ鉛直な起立位置との
間で起伏可能な第一ブーム５、第一ブーム５と旋回台３
の適所間に介装され少なくとも第一ブーム５を起立位置
に固定可能な第一ブーム固定手段６、その倒伏状態が第
一ブーム５の一側で当該第一ブーム５と略平行状態とな
るようその基端部を第一ブーム５の先端部に枢着連結７
され第一ブーム５の背面側へ向かって起伏自在な伸縮式
の第二ブーム８、および、第二ブーム８の基端部と旋回
台３の適所間に介装され常時第一ブーム５の腹面側に位
置して起仰状態の第二ブーム８の倒伏動を引っ張り応力
で維持する第二ブーム起仰状態維持手段９とから構成さ
れている。そして、第二ブーム８を最縮小させると共に
この第二ブーム８を倒伏状態とし、第一ブーム５を荷台
２の他側（旋回台３の取りつけられた側と反対側）へ向
けて倒伏位置にした格納姿勢では、前記旋回台３、第一
ブーム５および第二ブーム８が、荷台２左右の煽り板2a
の内側で当該煽り板2aの上縁のレベルよりも低く格納で
きるよう、これら旋回台３、第一ブーム５および第二ブ
ーム８の寸法が設定されている。

前記第二ブーム起仰状態維持手段９は、その先端部を
第二ブーム８の基端部から延出した延出アーム8aの先端
部に枢着連結9bすると共に、その基端部を、第一ブーム
５の起伏支点たる枢着連結４点から第一ブーム５腹面側
に偏った旋回台３上の位置に枢着連結9cした連結棒9aで
以て構成している。そして、連結棒9a、第一ブーム５、
延出アーム8a、および旋回台３で構成される四辺形が、
第一ブーム５の倒伏状態となった時に第二ブーム８が倒
伏状態となると共に、第一ブーム５が起立位置になった
時に第二ブーム８が第一ブーム５に対して起仰状態とな
る如き形状に構成されている。この例では、上記の四辺
形が平行四辺形となっている。

この実施例の場合、第二ブーム８は延出アーム8aに対
して、枢着連結７を中心として複数の起仰角に設定でき
るようになっている。この起仰角調節は、手動でなされ
適当な起仰角度にピン7aで以て固定するようになってい
る。

第一ブーム５を旋回台３の適所間に介装され少なくと
も第一ブーム５を起立位置に固定可能な第一ブーム固定
手段６は、第一ブーム５の腹面側で第一ブーム５と旋回
台３間に介装された油圧シリンダで構成されている。勿
論この第一ブーム固定手段は、旋回台３と第一ブーム５
間に設けられ第一ブーム５を起立位置に固定するピン連
結手段であってもよい。

尚、10は、第二ブーム８基端部の腹面側に取りつけた
ウインチであって、第二ブーム８先端部から吊下したフ
ック11を巻き上げ巻き下げするものである。

以上の如く構成したトラック搭載クレーンは、クレー
ン作業時には、従来のトラック搭載クレーンと同様に、
第一ブーム５を起立位置に固定（第一ブーム固定手段６
により）し且つ第二ブーム８を起仰ならびに伸縮調節し
てクレーン作業をするものであるが、不使用時において
は、第二ブーム８を最縮小させると共に倒伏状態とし、
第一ブーム５を荷台２の他側へ向けてほぼ水平な倒伏位
置とした格納姿勢とするのである。そして、その格納姿
勢では、第一及び第二ブームがトラック１の幅方向に沿
って前後に並んだほぼ水平状態に格納できると共に第二
ブーム起仰状態維持手段９が第一ブーム５の腹面側に位
置しており、しかも第一ブーム５、第二ブーム８および
旋回台３が、荷台２の煽り板の上縁よりも低く格納され
るので、格納姿勢にある第一および第二ブーム上に荷物
を積載することができ、しかも第一および第二ブーム5,
8がトラックの運転室1aの後ろ窓1bからの視界の妨げと
ならないのである。

尚、上記の実施例においては、第二ブーム起仰状態維
持手段９は、第二ブーム８の基端部と旋回台３あるいは
第一ブーム５の適所間に介装され常時第一ブーム５の腹
面側に位置して起仰状態の第二ブーム８の倒伏動を引っ
張り応力で維持する連結棒8aを用いて構成したが、この
第二ブーム起仰状態維持手段９は、第二ブーム８の基端
部から延出した延出アーム8aの先端部と第一ブーム５の
腹面側適所間に介装した油圧シリンダ（図示せず）を用
いて構成してもよい。即ち、この場合、第二ブーム起仰
状態維持手段９は、第二ブーム８の基端部と第一ブーム
５の適所間に介装され常時第一ブーム５の腹面側に位置
して起仰状態の第二ブーム８の倒伏動を引っ張り応力で
維持するものである。

（効果） 以上の如く構成し、作用する本考案のトラック搭載ク
レーンは、簡単な構成でありながら、格納姿勢において
第一および第二ブーム5,8上に荷物を積載することがで
き、しかも第一および第二ブーム5,8がトラックの運転
室1aの後ろ窓1bからの視界の妨げとならないので、実用
上の効果極めて大である。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は、本考案のトラック搭載クレーンの
説明図であって、第１図は後面図、第２図は第１図のＡ
−Ａ矢視図である。第３図は、従来のトラック搭載クレ
ーンの説明図である。 トラック;1、荷台;2、旋回台;3、第一ブーム;5、第一ブ
ーム固定手段;6、第二ブーム;8、第二ブーム起仰状態維
持手段;9、

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】トラックの荷台上の一側部に旋回自在に取
   りつけられその上端部が荷台左右の煽り板の上縁のレベ
   ルよりも低い旋回台、旋回台の上端部にその基端部を枢
   着連結されほぼ水平な倒伏位置とほぼ鉛直な起立位置と
   の間で起伏可能な第一ブーム、第一ブームと旋回台の適
   所間に介装され少なくとも第一ブームを起立位置に固定
   可能な第一ブーム固定手段、その倒伏状態で第一ブーム
   の側方一側で当該第一ブームと略平行状態となるととも
   にその上面が第一ブームの上面と略一致するようその基
   端部を第一ブームの先端部に枢着連結され第一ブームの
   背面側へ向かって起伏自在な伸縮式の第二ブーム、およ
   び、第二ブームの基端部と旋回台あるいは第一ブームの
   適所間に介装され常時第一ブームの腹面側に位置して起
   仰状態の第二ブームの倒伏動を引っ張り応力で維持する
   第二ブーム起仰状態維持手段とからなり、 第二ブームを最縮小させると共に倒伏状態とし、第一ブ
   ームを荷台の他側へ向けて倒伏位置にした格納姿勢で
   は、前記旋回台、第一ブームおよび第二ブームが、荷台
   左右の煽り板の内側で当該煽り板の上縁のレベルよりも
   低く格納できるよう、これら旋回台、第一ブームおよび
   第二ブームの寸法が設定されていることとを特徴とする
   トラック搭載クレーン。