JP2531263Y2 - 油圧機器に於ける慣性体制御装置 - Google Patents

油圧機器に於ける慣性体制御装置

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JP2531263Y2
JP2531263Y2 JP8087191U JP8087191U JP2531263Y2 JP 2531263 Y2 JP2531263 Y2 JP 2531263Y2 JP 8087191 U JP8087191 U JP 8087191U JP 8087191 U JP8087191 U JP 8087191U JP 2531263 Y2 JP2531263 Y2 JP 2531263Y2
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electromagnetic switching
speed
hydraulic
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清隆 長沢
幸男 佐古
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Sumitomo SHI Construction Machinery Co Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、油圧機器の慣性体制
御装置に関するものであり、特に、慣性体の動作を停止
させる際のハンチングを防止した慣性体制御装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】油圧ショベル等の大型油圧機器に使用さ
れる従来の慣性体制御装置を図5に従って説明する。同
図に示すように油圧ポンプ1と2本の主管路2,3は方
向制御弁4を介して接続され、2本の主管路2,3は油
圧モータ5へ接続されている。方向制御弁4の切換え
は、操作部6の操作レバー7によって行われ、例えばク
レーン等の慣性体8を駆動する油圧モータ5を正転、逆
転及び停止させることができる。また、2個のリリーフ
弁9,10と2個の反転防止弁11,12を設けて夫々
2本の主管路2,3へ接続し、バイパス管路13,1
4,15,16を形成している。
【0003】同図に於て、操作レバー7を矢印A方向へ
回動すると方向制御弁4が中立の「閉」位置CからB位
置に切換わり、一方の主管路2と油圧ポンプ1とが連通
して油圧モータ5を一方向へ回転し、慣性体8を駆動す
る。操作レバー7を中立位置へ戻すと方向制御弁4が
「閉」位置Cへ復帰して油圧モータ5の駆動を停止す
る。
【0004】このとき、慣性体8は減速しつつ停止する
まで慣性によって回転し、油圧モータ5を回転させるの
で、油圧モータ5のポンプ作用によって他方の主管路3
の圧力が上昇し、2本の主管路2,3の内圧に不均衡を
生じる。ここで、反転防止弁11,12を設けていない
場合の動作を説明すれば、慣性体8は、一端停止した後
に2本の主管路2,3の差圧によって反転し、このとき
の慣性運動によって主管路2,3の圧力差が逆転して再
び反転する。この揺れは、圧力差が解消されるまで慣性
体8をハンチングさせて静止するまでの時間がかかり、
操作性を悪化させることになる。
【0005】反転防止弁11,12はこのハンチングを
防止するために設けられている。例えば、方向制御弁4
をB位置から「閉」位置Cへ切換えた場合は、上述した
ように慣性体8の慣性によって他方の主管路3の圧力が
上昇する。同図中左側の反転防止弁11の両端のパイロ
ットポート17,18はパイロット管路19,20によ
って他方の主管路3へ接続されているが、一方のパイロ
ット管路20に絞り21を設けている。従って、主管路
3の圧力が上昇したときに2つのパイロットポート1
7,18に加わる圧力の上昇に時間差が生じ、弁をO位
置に切換えて2つの主管路2,3を連通した後に、即座
に「閉」位置Cへ復帰する。これにより主管路2,3の
圧力を同圧としてその後の慣性体8のハンチングを防止
するものである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】前述した従来の慣性体
制御装置の反転防止弁は、慣性体が停止すべき位置を越
えて旋回したときに生じる主管路の圧力上昇を捉えて極
めて短時間開くものである。従って、バイパス作用が十
分でない場合があり、設定値以下では動作せず微少なハ
ンチングを解消できない。また、反転防止弁を動作させ
る絞りの設定も容易ではなく、満足すべき効果を得るこ
とが困難である。
【0007】そこで、慣性体を停止させる際のハンチン
グを解消するとともに、操作レバーの停止指示に対する
慣性体の動作の追従性を向上して操作感覚の改善及び作
業性の向上を図るために解決すべき技術的課題が生じ、
この考案は上記課題を解決することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記目的を
達成するために提案するものであり、慣性体を油圧アク
チュエータによって駆動する油圧機器に於て、前記油圧
アクチュエータの二つの圧油ポートに夫々接続した2本
の主管路を電磁切換弁を介して連結し、操作部の駆動操
作の有無を検出するセンサと、慣性体の回転速度を検出
するセンサと、前記二つのセンサの検出値に基づいて前
記電磁切換弁を制御する制御装置を設け、前記制御装置
の記憶部に基準速度を設定し、前記慣性体の回転速度と
基準速度との比較手段を備え、停止操作時に於ける慣性
体の回転速度が基準速度以下になったときは、前記電磁
切換弁を「開」位置とし、前記慣性体が停止したとき
は、前記電磁切換弁を「閉」位置とするように構成した
油圧機器に於ける慣性体制御装置を提供するものであ
る。
【0009】
【作用】制御装置は、操作レバーが操作されてオン状態
か、或いは中立のオフ位置であるかを検出するととも
に、慣性体の回転速度を読込む。操作レバーがオフ位置
(停止位置)でないときは、慣性体を駆動する油圧アク
チュエータの2本の主管路を連通する電磁切換弁は
「閉」位置にある。操作レバーをオフ位置へ戻すと旋回
体の回転速度が基準速度と比較される。回転速度が低下
して基準速度に達したときに、制御部から電磁切換弁へ
制御信号が出力され、油圧アクチュエータの二つのポー
トへ接続した2本の主管路が連通して主管路の内圧を等
しくする。これにより、慣性体はハンチングすることな
く停止し、速度がゼロになった時点で電磁切換弁への制
御信号はオフになり、2本の主管路は連通を断たれて慣
性体は静止する。
【0010】
【実施例】以下、この考案の一実施例を図に従って詳述
する。図1に於て31は油圧ポンプである。油圧ポンプ
31は3位置4ポートの方向制御弁32へ接続され、方
向制御弁32と油圧モータ33とは2本の主管路34,
35によって接続し、油圧モータ33の正転、逆転及び
停止を制御する。方向制御弁32は、操作部36に設け
た操作レバー37の回動位置によって制御される。油圧
モータ33は、建設機械の旋回体等の慣性体38へ連結
されて慣性体38を駆動する。また、主管路34,35
間に2つのリリーフ弁39,40を配置して主管路3
4,35を接続し、一方のリリーフ弁39は、主管路3
4の油圧が設定値以上になったときに主管路34から他
方の主管路35へ油圧油をバイパスし、他方のリリーフ
弁40は圧力差が逆の場合に他方の主管路35から主管
路34へ油圧油をバイパスする。
【0011】慣性体制御装置は、操作レバー37のオン
/オフを検出するスイッチ或いはセンサ41と、慣性体
38の回転速度を検出する速度センサ42と、2ポート
2位置の常閉形電磁切換弁43及び制御装置44とから
構成され、電磁切換弁43のポートは夫々主管路34,
35へ接続している。制御装置44は、後述する基準速
度Rを保持する記憶部45と、センサ41によって操作
レバー37のオン/オフを検出するとともに、速度セン
サ42の出力から慣性体38の回転速度を求め、求めら
れた速度を基準速度Rと比較する演算部46,及び電磁
切換弁43への制御信号を出力する出力部47と、上記
各部を制御する制御部48とから構成されている。制御
装置44は、センサ41と速度センサ42の検出値が一
定条件を満たす場合に出力部47から電磁切換弁43へ
制御信号を出力し、2本の主管路34,35が連通され
る。
【0012】次に、図2及び図3に従って慣性体制御装
置の動作を説明する。図2は慣性体38の起動から停止
までのタイミングチャートである。時点F→Hに示すよ
うに操作レバー37を中立位置へ戻したときは、慣性体
38の速度は減速されて停止する(F→J)。この減速
区間の初期段階(F→H)で駆動側の主管路34の圧力
は低下し、帰還側の主管路35の圧力が上昇するが、停
止した時点Jで2つの主管路34,35の圧力差が解消
されれば、慣性体38のハンチングは発生しないことに
なる。従って、停止の直前(I→J)で電磁切換弁43
をオンして主管路34,35を連通すればよく、ここで
は時点Iに於ける速度を検出して電磁切換弁43を動作
させるようにした。
【0013】この制御手順を図3のフローチャートに従
って説明する。先ず、電磁切換弁43を動作させるため
に、図2に示す十分低い基準速度Rを予め制御装置44
の記憶部45に設定しておく。エンジンが始動されると
(ステップ101)、制御装置44は、操作レバー37
のオン/オフと、慣性体38の回転速度Vを読込む(ス
テップ102)。初期状態ではレバー位置は中立、即ち
オフであり、回転速度V=0であるからステップ103
からステップ104を経由してステップ107へ進み、
制御出力ic=0とする。従って、電磁切換弁43へ制
御信号は出力されず(ステップ108)、ステップ10
2へ帰還する。
【0014】次に、図2中の時点Dで操作レバー37を
回動して慣性体38を旋回させると、操作レバー37の
オン状態が検出され、ステップ103からステップ10
7へ進み、制御出力ic=0とする。従って、操作レバ
ー37を操作中は(D→H)、慣性体38が加速中、定
速回転中、減速中及び微速回転中等の速度の如何に係ら
ず、電磁切換弁43が作動することはなく、慣性体38
が停止することはない。
【0015】続いて、慣性体38を停止させるべく、操
作レバー37を中立位置へ復帰させるとセンサ41の検
出信号はオフとなり(H)、ステップ103からステッ
プ104へ至る。このとき慣性体38は減速中で回転速
度V≠0であり、ステップ105へ進む。ここでは回転
速度Vと基準速度Rとが比較され、回転速度Vが低下し
てV≦Rとなるまではステップ107へ進む(H→
I)。
【0016】そして、V=Rとなった時点Iでステップ
105からステップ106へ進み、ic=icとして制
御信号icを出力する(ステップ108)。これによ
り、電磁切換弁43が「開」位置Oとなり、2本の主管
路34,35の圧力差が解消される。そして、慣性体3
8が停止した時点Jで回転速度V=0となってステップ
104からステップ107へ進み、制御出力icをゼロ
として電磁切換弁43を「閉」位置Cに戻し、主管路3
4,35の連通を断って慣性体38を静止させる。
【0017】このように、停止直前の速度を検出し、電
磁切換弁43を動作させて、停止時には2本の主管路3
4,35の内圧を等しくするので、慣性体38の揺り戻
しが無く、円滑に停止させることができる。図4は他の
実施例を示し、方向制御弁32のパイロット管路51,
52に夫々圧力センサ53,54を設け、パイロット管
路51,52の圧力変化から操作レバー37のオン/オ
フを検出するようにしたものである。尚、この考案は、
この考案の精神を逸脱しない限り種々の改変が可能であ
り、この考案がそれらの改変されたものに及ぶことは当
然である。
【0018】
【考案の効果】この考案は、上記一実施例に於て詳述し
たように、慣性体の停止直前の速度を検出して油圧モー
タへの2本の主管路を連通し、停止時に連通を遮断する
ので、慣性体がハンチングを起こすことなく円滑に静止
する。そして、ハンチングが発生しないため、従来困難
であった微少量の操作を容易に行うことができ、油圧機
器の操作性の向上に著しい効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】慣性体制御装置の構成図。
【図2】油圧機器の動作のタイミングチャート。
【図3】慣性体制御装置の制御フローチャート。
【図4】慣性体制御装置の他の実施例を表わす構成図。
【図5】従来の慣性体制御装置の構成図。
【符号の説明】
33 油圧モータ 34,35 主管路 36 操作部 37 操作レバー 38 慣性体 41 センサ 42 速度センサ 43 電磁切換弁 44 制御装置 45 記憶部 46 演算部 47 出力部 48 制御部 R 基準速度 V 回転速度

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 慣性体を油圧アクチュエータによって駆
    動する油圧機器に於て、前記油圧アクチュエータの二つ
    の圧油ポートに夫々接続した2本の主管路を電磁切換弁
    を介して連結し、操作部の駆動操作の有無を検出するセ
    ンサと、慣性体の回転速度を検出するセンサと、前記二
    つのセンサの検出値に基づいて前記電磁切換弁を制御す
    る制御装置を設け、前記制御装置の記憶部に基準速度を
    設定し、前記慣性体の回転速度と基準速度との比較手段
    を備え、停止操作時に於ける慣性体の回転速度が基準速
    度以下になったときは、前記電磁切換弁を「開」位置と
    し、前記慣性体が停止したときは、前記電磁切換弁を
    「閉」位置とするように構成した油圧機器に於ける慣性
    体制御装置。
JP8087191U 1991-10-04 1991-10-04 油圧機器に於ける慣性体制御装置 Expired - Lifetime JP2531263Y2 (ja)

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JPH0532804U JPH0532804U (ja) 1993-04-30
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP3256425B2 (ja) * 1995-10-31 2002-02-12 新キャタピラー三菱株式会社 油圧モータの油圧制御回路装置
JP4367430B2 (ja) 2006-04-14 2009-11-18 オムロン株式会社 光モジュール、光モジュールの製造方法、光伝送モジュール、および電子機器

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