JP2530866B2 - 活性汚泥プロセスの制御装置 - Google Patents

活性汚泥プロセスの制御装置

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JP2530866B2
JP2530866B2 JP62266520A JP26652087A JP2530866B2 JP 2530866 B2 JP2530866 B2 JP 2530866B2 JP 62266520 A JP62266520 A JP 62266520A JP 26652087 A JP26652087 A JP 26652087A JP 2530866 B2 JP2530866 B2 JP 2530866B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は活性汚泥プロセスの制御装置に係り、特に、
汚泥沈降性を改善するのに効果的な薬剤注入の制御装置
に関する。
〔従来の技術〕
活性汚泥プロセスは下水処理の最も代表的なプロセス
で、活性汚泥と称される微生物群の摂取・分解作用を利
用して汚水を浄化する。活性汚泥の微生物群は糸状性微
生物とフロック状の凝集性微生物に大別される。このう
ち、糸状性微生物の異常発生はバルキング現象の原因と
され、運転管理上好ましくない状態とされている。すな
わち、糸状性微生物は圧密性が悪く、沈降しにくいため
に沈澱池からの汚泥流出の原因となり、処理水質を悪化
させるばかりでなく、プロセス全体の活性汚泥量が減少
することから処理効率も低下するという効果を招く。こ
のバルキング現象のもう一つの原因は、ピンフロックと
呼ばれる、凝集性微生物が細分化され、分散状態になる
ことである。この場合も沈降性が悪化する。
従来、糸状性微生物の抑制はウォーター ポリューシ
ョン コントロール,83,4(1984年)第455頁から第472
頁(Water Pollution Cintrol,83,4(1984)PP455−47
2)において論じられているように、SVI(Sludge Volum
e Index:汚泥容量指標)と称す活性汚泥の沈降指標に基
づいて、塩素等の抑制剤を注入していた。また、第24回
下水研究発表会講演集(昭和62年4月)第362頁から第3
64頁に論じられているように活性汚泥の出現微生物相に
関係なく、汚泥沈降性が悪化した場合に硫酸アルミニウ
ムやポリ塩化アルミニウム等の凝集剤を曝気槽に添加
し、沈降改善が図られていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術は、汚泥沈降性の悪化、すなわちバルキ
ング現象の原因を把握しないで糸状性微生物の抑制剤、
あるいは凝集剤を添加しており、微生物の出現相に対応
した本質的を改善対策がなされておらず、注入された薬
剤によって逆に悪い結果を引起こすという問題があっ
た。
また、ピンフロックという糸状性微生物が余り存在し
てなく、細分散状態の凝集性微生物が優先となっている
場合に抑制剤を注入すると凝集性微生物が減退し、細分
散化を増長させて処理状態を悪くする。また、糸状性微
生物が異常増殖している場合に凝集剤のみを注入する
と、沈澱池において活性汚泥の沈澱効果を一時的に改善
させるが、糸状性微生物の増殖抑制、あるいは縮退を行
わせることにはならず、長期的な改善効果をあげること
が困難であるという問題もあった。
本発明は、上記従来技術に対処して成されたもので、
その目的とするところは、微生物相の出現状態に対応し
て凝集剤及び/又は抑制剤の注入を行い、汚泥沈降性を
長期的に安定させるのに効果的を活性汚泥プロセスの沈
降性改善薬剤の注入制御装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、活性汚泥の出現微生物相を計測する手段
を設け、出現微生物相の計測結果から汚泥沈降の悪化原
因を判定し、抑制剤あるいは凝集剤の注入量を調節する
ことにより達成される。出現微生物相の計測手段の具体
的方法には、活性汚泥の撮像画像を画像処理により糸状
性微生物と凝集性微生物の特徴を演算する方式を採用し
た。
従って、本発明の活性汚泥プロセスの制御装置は、流
下下水と活性汚泥を導入して混合液を形成する曝気槽
と、該曝気槽から流出した混合液を固液分離する沈澱池
と、沈澱池で分離した活性汚泥を前記曝気槽に還流する
汚泥返送手段とを有し、前記活性汚泥のうち、特に、糸
状性微生物の増殖を抑制あるいは縮退させる抑制剤の注
入手段と、前記活性汚泥の凝集を促進させる凝集剤の注
入手段と、前記活性汚泥に出現している微生物の特徴量
である糸状性微生物の長さと凝集性微生物の所定以上の
面積を有する凝集塊の平均粒径とを計測する微生物相計
測手段と、前記計測手段によって計測された前記糸状性
微生物の長さに基づいて前記抑制剤注入手段からの抑制
剤注入量及び/又は前記凝集性微生物の平均粒径に基づ
き前記凝集剤注入手段からの凝集剤注入量をそれぞれ調
節する手段とを具備することを特徴とし、かつ、前記抑
制剤を曝気槽もしくは返送汚泥に注入するものであるこ
とを特徴としている。
〔作 用〕
本発明の活性汚泥プロセスの制御装置は、活性汚泥の
出現微生物相から汚泥沈降性の不良要因を検知して、前
記出現微生物の特徴量に基づいて抑制剤及び/又は凝集
剤注入量を調節するようにしたものである。
即ち、本願発明は、活性汚泥に出現している微生物の
特徴量である糸状性微生物の長さと凝集性微生物の所定
以上の面積を有する凝集塊の平均粒径とに基づいて前記
抑制剤注入手段からの抑制剤注入量及び前記凝集剤注入
手段からの凝集剤注入量をそれぞれ調節する糸状性微生
物が沈降不良原因であれば抑制剤が、凝集性微生物の分
散が原因であれば凝集剤が汚泥沈降性の悪化状態に対応
して注入される。このため、沈降改善に必要な薬剤が効
果的に選定され、注入操作による悪影響を引き起す恐れ
がなくなる。
〔実施例〕
第1図に活性汚泥プロセスを対象とした本願発明の一
実施例を示す。1は曝気槽であり、有機物を含む流入水
3と活性汚泥を含む返送汚泥4を導入する。下水と活性
汚泥の混合液9は、曝気槽1底部の散気管8から噴射さ
れる空気7により撹拌と酸素供給が行われる。曝気槽1
から流出した混合液9は沈澱池2で固液分離され、上澄
液を処理水5として放流する。一方、沈降した活性汚泥
の大部分は返送汚泥4として曝気槽1に還流され、増殖
分に相当する一部の活性汚泥は余剰汚泥6として系外へ
排出される。第1図に示すプロセスの目的である流入下
水3中の有機物除去に重要な役割を果たす活性汚泥の2
種類の微生物相のうち、糸状性微生物の増殖は沈降時の
圧密性が悪化するため、沈澱池2での汚泥界面高さを上
昇させ、活性汚泥が処理水5に混入して水質を悪くす
る。さらに、流出することはプロセス系内の総活性汚泥
量が減少して処理効率が低下するだけでなく、圧密性が
悪いことから沈降した汚泥濃度が低く、処理効率を維持
するために返送汚泥流量を増加させるという悪循環が繰
り返される。この状態は、凝集性微生物の凝集が損なわ
れ、細分化されている場合も同様である。
このような活性汚泥プロセスにおいて、曝気槽1には
混合液9を対象とした撮像装置10が浸漬されている。撮
像装置10は混合液9が導通するスリット部を有し、この
スリット部に照明を当て、内蔵された光学レンズ及びIT
Vカメラ(図示せず)を介して混合液9の拡大光像を得
る機能を持つ。撮像装置10から出力された混合液9の拡
大光像は画像認識手段20に入力されて、混合液9に含ま
れる活性汚泥のうち、その特徴を利用して糸状性微生物
と凝集性微生物が画像抽出される。
第2図に本願発明の画像認識手段の一例を示す。
第2図において、撮像装置10から出力された混合液9
の拡大光像はA/D変換されて濃淡画像メモリ21に格納さ
れる。濃淡画像メモリ21は例えば256×256画素で構成さ
れる格納エリアを持ち、格納される濃淡画像は各画素が
例えば128階調の輝度情報を有する。この濃淡画像に
は、第3図に示すような液相部Bの中にフロック状を呈
する凝集性微生物Z、さらにこの凝集性微生物Zから伸
長したり、派生源を持たない遊離性の糸状性微生物Fが
観察される。第3図のA−A′に沿った輝度分布をとる
と、撮像装置10の照明が透過光法の場合、第4図に示す
ように、液相部Bが高輝度レベル、凝集性微生物Zが低
輝度となり、両者の輝度間に糸状性微生物Fが位置す
る。糸状性微生物Fの輝度位置は、その太さにより異な
るが、一般的に細径のものは液相部Bに非常に近く、大
径のものはそれより低レベルとなる特徴を有する。この
傾向は糸状性微生物及び凝集性微生物が複雑に入り組ん
でいる場合も同様の効果が得られる。濃淡画像メモリ21
の原画像は輝度強調回路22に入力され、特に糸状性微生
物F、及び液相部Bと凝集性微生物Zの境界を強調する
ように輝度修正される。
輝度強調回路22における輝度修正は、糸状性微生物F
の形状を想定した空間フィルタを作成して、全画素に渡
ってフィルタリング処理を行う。この空間フィルタは、
例えば横線、縦線を3×3画素で構成すると12種類を作
成すれば良い。この輝度修正により液相部Bに対して微
生物F及びZの輝度差が明確化し、抽出し易くなる。得
られた修正濃淡画像は濃淡画像メモリ22′に格納され
る。
濃淡画像メモリ22′の修正濃淡画像は2値化処理回路
23に入力される。2値化処理回路23では、水平方向j及
び垂直方向iの各画素が持つ修正濃淡画像g(i,j)を
特定輝度SHを基準とし、次式に示すように、各画素の輝
度SH未満なら 1を、SH以上なら0情報を与える。すなわち、微生物部
F及びZ領域に1情報が入力されて、抽出されたことに
なる。特定輝度SHは固定値で良いが、修正濃度画像のヒ
ストグラムと呼ばれる輝度画素数の頻度分布から求めて
も良い。2値化画像は2値化メモリ23′に格納される。
縮退回路24は2値化画像から糸状性微生物を縮退処理
により除去する機能を持つ。縮退処理は1情報が入力さ
れている領域を端から1画素削る処理で、数画素幅を有
する糸状性微生物が凝集性微生物より先に消去される。
縮退画像は縮退画像メモリ24′に格納される。
膨張回路25は縮退画像の1情報が入力されている領域
の全周に渡って1画素づつ拡げる機能をもつ。この膨張
処理は縮退回路24で実行された縮退処理回数だけ繰返さ
れる。したがって、膨張画像は凝集性微生物のみが復元
され、糸状性微生物部は消去されたままで、膨張画像メ
モリ25′に格納される。
特徴抽出回路26Aは糸状性微生物のみを抽出する回路
で、前述の2値化画像と膨張画像を対象に差分演算を行
う。この差分演算により第5図に示すように、凝集性微
生物部が除去され、糸状性微生物のみが認識された画像
となり、差分画像メモリ26A′に格納される。細線化回
路27は差分画像の糸状性微生物の線幅を長さを変えない
で全て1画素にする処理機能をもち、処理された画像は
細線化画像メモリ27′に記憶される。画素演算回路29A
は細線化画像で1情報が与えられている画素を全画面に
渡って積算する。ここで積算された画素数は、細線化画
像における糸状性微生物の線幅が全て1画素単位である
ため、画面全体の糸状性微生物の長さに対応する。
一方、2値化画像メモリ23′の2値化画像と差分画像
メモリ26A′の糸状性微生物抽出画像は特徴抽出回路26B
に入力し、差分演算される。この差分演算により、第6
図に示すように、糸状性微生物Fが消去され、凝集性微
生物のみを抽出した画像となり、差分画像メモリ26B′
に格納される。ラベリング回路28は凝集性微生物の抽出
画像に対してナンバ付けを行う。この時、画面枠に接触
する凝集性微生物は除外する。ラベリング処理された画
像は画素演算回路29Bに入力され、ナンバ付けされた凝
集性微生物の投影面積を画素数で演算される。
画像認識手段20で得られた画面当りの糸状性微生物画
素数Ai,及びナンバ付けされた各々の凝集性微生物の投
影画素数Zajは特徴量演算手段30に入力され、実際の特
徴量を演算する。まず、糸状性微生物の長さliは次式に
より求める。ここ li=K1・Ai・l0 (2) でl0は1画素当りの視野長さで、撮像装置10の拡大倍率
から設定される。また、K1は画素に対する糸状性微生物
の投影定数で、1と の間の値を設定する。なお、(2)式では糸状性微生物
の絶対長さを求める方式としたが、単位活性汚泥量当
り、あるいは単位混合液量当りの長さで求めてもよい。
単位汚泥量当りの糸状性微生物▲l ▼を求めるには
(3)式で示すように、混合液の活性汚泥濃 ▲l ▼=li/Ms・v (3) 度Msと撮像装置10の検鏡視野における試料液容量vで絶
対長さliを除すれば良い。また、単位混合液当りの長さ
▲l ▼はliを試料液容量vで除算することにより求
まる。
一方、凝集性微生物の特徴量は、まず次式で各 Azj=a・Zaj (4) 々の面積Azjを演算する。ここで、aは換算係数で、1
画素当りの視野面積である。次に、各々の面積Azjと同
じ面積となる円を仮定し、その直径djを求める。各々の
直径djから画面全体にお ける凝集性微生物の平均径diを演算する。平均径diは算
術的な平均径でも、対数平均径を用いても良い。
特徴量演算手段30で演算された糸状性微生物長li及び
凝集性微生物の平均径diは判定手段40に出力される。演
算値を出力するに当り、上記実施例では1画面毎に実行
したが、所定画面数Nを設定してその平均値、あるいは
過去のデータを参 照した平均値を用いてもよい。
判定手段40には、特徴量演算手段30から出力された糸
状性微生物長liと凝集性微生物の平均径diのほかに、設
定手段100から予め設定された糸状性微生物長設定値L
と凝集性微生物平均径Dとが入力され、活性汚泥のバル
キング有無が判定される。判定手順は、特に選定するも
のでないが、まず、次式によって糸状性微生物の異常増
殖が判 ε=li−L (7) 定される。ここでεが正の場合、沈澱池2からの汚泥
流出、あるいは流出の可能性があると判断され、その偏
差信号εが調節手段50に出力される。ε≦0の場
合、次式により凝集性微生物の凝集状態を判定する。
ε=D−di (8) ε>0の場合、分散化しているとしてその偏差信号ε
を調節手段50に出力されるが、ε≦0の場合、活性
汚泥の沈降状態は正常と判定され、0指令、すなわち停
止指令が調節手段50に出力される。
調節手段50では偏差信号εあるいはεに対応し
て、凝集剤調節装置80を操作し、凝集剤注入量を制御す
る。凝集剤には、硫酸アルミニウムや塩化第二鉄等の無
機凝集剤、ポリ塩化アルミニウム等の高分子凝集剤、さ
らには、その他の凝集効果のある凝集剤等を用い、凝集
剤貯留タンク18に入っている。凝集剤調節装置80は調節
手段50の指令により貯留タンク18から曝気槽1に注入す
る凝集剤量を調節する。その調節法は調節手段50の偏差
信号εあるいはεの正値に比例して弁開度や回転数
を変化する、あるいは、単位時間当りの注入量を一定に
して、注入時間を偏差信号εに対応して変化させても良
い。
上記本願発明の第1の実施例によれば、汚泥流出、す
なわち、汚泥膨化現象を生起している活性汚泥中の微生
物の特徴量に対応してその凝集剤量を効果的に調節でき
るので、活性汚泥に悪影響を与えることなく、また、経
済的に沈降性改善を行える。また、凝集性微生物の分散
状態の判定手段に平均径を用いたが、単に投影画素数、
あるいは粒径分布に基づく指標を用いてもよい。
ところで、本実施例において、糸状性微生物長及び凝
集性微生物平均径の設定値L及びDは固定値としている
が、これは、季節や処理状態に応じて運転者の経験則で
変化させても良い。
また、本実施例は活性汚泥に出現する特徴ある微生物
相の計測値を直接制御指標として用いたが、特徴量から
SVIを予測し、その予測値と設定値に対応して凝集剤の
注入量を調節することを拒むものでない。
第7図に活性汚泥プロセスを対象とした本願発明の第
2の実施例を、また、第8図に前記第2の実施例の画像
認識手段の一例を示す。
活性汚泥プロセスの概要及び活性汚泥中の微生物の画
像抽出及び微生物の特徴量の算出等は、第1図に示す本
願第1発明の実施例の場合と同様である。ただし、本実
施例においては、糸状性微生物のみを対象として前記画
像抽出、特徴量の算出等が行われる。
比較手段40には糸状性微生物長さliと目標値設定手段
50からの糸状性微生物長目標値Lが入力され、比較演算
を行い、その偏差εを調節手段60 ε=li−L (5) に出力する。この比較演算を行うに当り、糸状性微生物
長さは単位汚泥量当り、あるいは単位混合液量当りの演
算値を用いてもよいが、この場合、目標値Lの単位を前
者と一致させる。また、比較は、1画面毎に行うのでは
なく、演算値li,▲l ▼あるいはliの過去のデータ
を参照して、その平均値を用いることもできる。
以上の実施構成により、糸状性微生物の増殖に対応し
た抑制剤の注入が行われ、凝集性微生物が優占となって
いる状態での注入操作を回避できる。なお、上記実施例
で用いた糸状性微生物長目標値Lは水温や水質等に多大
な影響を及ぼす季節変化、あるいは沈澱池の設備仕様等
を考慮して設定される。また、抑制剤の注入は返送汚泥
4ラインとする構成としたが、曝気槽1に直接注入して
もよい。さらに、撮像装置10はサンプリング機構を設け
て、曝気槽1の外部に別設置しても良い。この場合、市
販の光学顕微鏡とITVカメラで構成し、検鏡部にフロー
セルを用いることもできる。
また、本実施例は有機物除去を目的とした活性汚泥プ
ロセスを対象としたが、これに限定されるものでなく、
例えば窒素やリンをも目的とした嫌気好気槽併用プロセ
スの糸状性微生物の抑制、あるいは活性汚泥の凝集効果
を高めるための凝集剤注入の指標としても利用できる。
本願発明の第3の実施例を第9図に示す。第9図にお
いて、15は流量計、16は濃度計で、各々返送汚泥の流量
と活性汚泥濃度を計測する。これらの信号は調節手段60
に入力され、返送される活性汚泥量に対応した抑制剤の
注入量が決定され、調節装置70に指令する。活性汚泥量
Tsは流量と汚泥濃度を掛け合すことにより求まり、例え
ば次式に示す方法で調節量Cを出力する。
ここで、▲T ▼は基準汚泥量で、K2は注入量ある
いは注入時間を調節量Cとする定数である。
上記実施例では返送される活性汚泥量Tsを考慮した調
節手法を採ったが、本発明は返送汚泥における抑制剤濃
度を調節する方式でも良い。これは、偏差信号εに対応
して求めた抑制剤目標濃度と返送汚泥流量とから調節量
が決定される。また、返送汚泥中の抑制剤濃度を既定
し、偏差信号εに応じて注入時間あるいは注入間隔を調
節することもできる。さらに、調節量の限界値、例えば
返送汚泥中における抑制剤上限濃度や活性汚泥量に対す
る注入量の上限値を設定し、限界値に達した場合、注入
時間や注入間隔を調節することもできる。
このような調節方式により、注入された抑制剤が糸状
性微生物の抑制に有効に働き、凝集性微生物に及ぼす影
響を防止することができる。
第10図に活性汚泥プロセスを対象とした本願発明の第
4の実施例を示す。
活性汚泥プロセスの概要及び活性汚泥中の微生物の画
像抽出及び微生物の特徴量の算出等は、第1図に示す本
願発明の第1の実施例の場合と同様である。
判定手段40は汚泥濃度計19で測定された処理水5中の
流出汚泥濃度Se、設定手段100から予め設定された流出
汚泥濃度設定値Se と糸状性微生物長設定値Lと凝集性
微生物径設定値Dが入力される。第11図は判定手段40の
判定方法の一例である。まず初めに、処理水流出汚泥濃
度の実測値Seと設定値Se とが比較され、Se≦Se なら
ば凝集剤及び抑制剤を停止する操作が選定される。Se
>Se の場合、汚泥流出の原因判定が行われる。糸状性
微生物長の計測値liが設定値Lより高ければ、汚泥流出
の原因が糸状性微生物の異常 ε=li−L (7) 増殖として操作が選定され、その偏差εが調節手段
60へ出力される。li≦Lならば、凝集性微生物平均径の
計測値diと設定値Dを比較し、di<Dならば凝集性微生
物の分散が原因と見な ε=D−di (8) され、操作が選定されて偏差εを調節手段50に出力
する。もしdi≧Dならばその他の原因、例えば流入下水
流量の増大、沈澱池2における汚泥引抜き系の故障等に
よる汚泥流出として操作が選定され、警報、あるいは
ディスプレイ表示等を行う。
調節手段60では偏差信号εに対応して、抑制剤調節
装置70を操作し、抑制剤注入量を制御する。抑制剤は、
例えば塩素、オゾンあるいは過酸化水素等の殺菌性を有
するガス、次亜鉛素酸ソーダ等の塩素生成物、あるいは
界面活性剤や漂白剤などの薬剤も適用でき、抑制剤貯留
タンク17に入っている。抑制剤調節装置70は調節手段60
の指令により貯留タンク17から返送汚泥4のラインに注
入する抑制剤量を調節するが、その調節法は調節手段60
の偏差信号εの正値に比較して弁開度や回転数を変化
する、あるいは、単位時間当りの注入量を一定にして、
注入時間を偏差信号εに対応して変化させても良い。調
節装置70からの抑制剤は返送汚泥4ラインに注入される
が、その注入は混合手段14を介して行う。混合手段14
は、例えばラインミキサーや分散板を持つ混合器を用い
るのが良いが、動力を利用した強制混合法であってもよ
い。
調節手段50では偏差信号εに対応して、凝集剤調節
装置80を操作し、凝集剤注入量を制御する。凝集剤に
は、硫酸アルミニウムや塩化第二鉄等の無機凝集剤、ポ
リ塩化アルミニウム等の高分子凝集剤等を用い、凝集剤
貯留タンク18に入っている。凝集剤調節装置80は調節手
段50の指令により貯留タンク18から曝気槽1に注入する
凝集剤量を調節するが、その調節法は前記抑制剤の調節
法を適用できる。
上記実施例によれば、汚泥流出、すなわち、汚泥膨化
現象の要因に対応してその処方剤を効果的に操作できる
ので、活性汚泥に悪影響を与えることなく、沈降性改善
を行える。
なお、上記実施例では、判定手段40において糸状性微
生物の増殖異常を測定した後、凝集性微生物の分散状態
を判定したが、本願第3発明はこれに限定するものでな
く、例えば逆であっても良い。また、凝集性微生物の分
散状態の判定手段に平均径を用いたが、単に投影画素
数、あるいは粒径分布に基づく指標を用いてもよい。さ
らに、判定手段40の選定操作において、抑制剤のみの
注入指令を実行したが、凝集剤注入操作を同時に行って
もよい。これは、凝集剤注入が沈澱池における沈降性改
善に速応性を有する効果を期待することができるためで
ある。また、凝集剤注入操作を平均径偏差で行ったが、
処理水汚泥濃度偏差(Se−Se )で実施してもよい。上
記実施例における抑制剤の注入は返送汚泥4ラインで行
ったが、本発明はこれに限定するのでなく、例えば曝気
槽1に注入することもできる。さらに、撮像装置10は曝
気槽1に設置したが、沈澱池2、あるいは処理水5ライ
ンに設けてもよく、また、直接浸漬でなく対象液をサン
プリングして活性汚泥像を撮影してもよい。
また、本発明は有機物除去を目的とした活性汚泥プロ
セスを対象としたが、これに限定されるでなく、例えば
窒素やリンをも目的とした嫌気好気槽併用プロセスの、
糸状性微生物の抑制、あるいは凝集効果を高めるための
凝集剤注入の指標としても利用できる。
本願発明の第5の実施例を図12に示す。第12図におい
て、12は汚泥沈降計で設定単位時間当りの静置状態にお
ける汚泥沈降容量を、19は汚泥濃度計で曝気槽1流出液
の活性汚泥濃度を時系列的に計測する。なお、11はサン
プルラインで、汚泥沈降計12に測定対象とする混合液を
導く、これらの信号は演算手段90に入力され、例えば次
式で求まる汚泥沈降性の指標Sv(ml/g)を求める。
Sv=Vs/Sm (9) ここで、Vs汚泥沈降容量(ml)、Smは汚泥濃度(g/
)である。演算された指標Svは判定手段40に入力さ
れ、設定手段100の一設定値である沈降指標設定値Sv
と比較され、Sv>Sv であれば、第10図におけるSe>Se
と同様にバルキングの発生と判定され、それ以降の判
定手法は第10図と同様に実行され、操作指令が選定され
る。この実施例により、バルキングの発生を確実に把握
できる効果がある。なお、汚泥沈降計12及び汚泥濃度19
の測定対象は曝気槽1の混合液9でも同じ効果が得られ
る。」 〔発明の効果〕 本発明によれば、バルキング現象の要因に対応して処
方剤の注入量が操作されるので、異種相の活性汚泥に悪
影響を与えることがなく、汚泥沈降性の改善を長期間安
定して行える効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本願発明の第1の実施例を示す構成図、第2図
は本願発明の第1実施例、第4実施例、及び、第5実施
例の画像処理の情報処理過程を示す構成図、第3図は活
性汚泥の顕微鏡像を示す図、第4図は第3図のA−A線
で走査した輝度ヒストグラム、第5図は糸状性微生物の
抽出結果を示す図、第6図は凝集性微生物の抽出結果を
示す図、第7図は本願発明の第2の実施例を示す図、第
8図は本願発明の第2の実施例の画像処理の情報処理過
程を示す構成図、第9図は本願発明の第3の実施例を示
す構成図、第10図は本願発明の第4の実施例を示す構成
図、第11図は本願発明の第4の実施例における凝集剤及
び抑制剤の判定手法の一例を示すアルゴリズム、第12図
は本願発明の第5の実施例を示す構成図である。 1……曝気槽、2……沈澱池、4……返送汚泥、9……
混合液、10……撮像装置、19……汚泥濃度計、20……画
像認識手段、30……特徴量演算手段、40……判定手段、
70……抑制剤調節装置、80……凝集剤調節装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 依田 幹雄 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (72)発明者 原 直樹 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株式会社日立製作所大みか工場内 (56)参考文献 特開 昭62−53792(JP,A) 特開 昭60−175600(JP,A) 特開 昭52−8665(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流下下水と活性汚泥を導入して混合液を形
    成する曝気槽と、該曝気槽から流出した混合液を固液分
    離する沈澱池と、沈澱池で分離した活性汚泥を前記曝気
    槽に還流する汚泥返送手段とを有する活性汚泥プロセス
    の制御装置において、 前記活性汚泥のうち、特に、糸状性微生物の増殖を抑制
    あるいは縮退させる抑制剤の注入手段と、前記活性汚泥
    の凝集を促進させる凝集剤の注入手段と、前記活性汚泥
    に出現している微生物の特徴量である糸状性微生物の長
    さと凝集性微生物の所定以上の面積を有する凝集塊の平
    均粒径とを計測する微生物相計測手段と、前記計測手段
    によって計測された前記糸状性微生物の長さに基づいて
    前記抑制剤注入手段からの抑制剤注入量及び/又は前記
    凝集性微生物の平均粒径に基づき前記凝集剤注入手段か
    らの凝集剤注入量をそれぞれ調節する手段とを具備する
    ことを特徴とする活性汚泥プロセスの制御装置。
  2. 【請求項2】前記抑制剤を曝気槽もしくは返送汚泥に注
    入するものであることを特徴とする請求項1に記載の活
    性汚泥プロセスの制御装置。
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