JP2529596Y2 - 自動販売機の物品搬出構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は特にたばこなどの重積収納された物品を投出
して物品取出口まで導く自動販売機の物品搬出構造に関
するものである。

従来の技術 近年、自動販売機は大型化することなく同じ大きさの
本体でより多量の物品を収納できるようになっている。

以下図面を参照しながら、上述した従来の自動販売機
の物品搬出構造の一例について説明する。

第３図、第４図は従来の自動販売機の物品搬出構造を
示すものである。同図において、１は自動販売機本体で
あり、内部に上下多段の物品収納棚２を有している。物
品収納棚２の上部には基枠３に複数並設された仕切板４
で物品収納庫５が形成されており、この物品収納庫５に
は物品６が前後２列に重積収納されている。

７は前列から投出された物品６を下方に導く前側案内
通路であり、この前側案内通路７の一部には、各物品収
納庫５より前方に投出される物品６を受け入れる物品投
出孔８が、各々形成されている。

９は後列から投出された物品６を下方に導く後側案内
通路であり、この後側案内通路９は、下方で後方から前
方に傾斜した傾斜案内通路10を形成している。前記後側
案内通路９の一部には、各物品収納庫５より後方に投出
される物品６を受け入れる物品投出孔11が、各々形成さ
れている。

12は前側案内通路７及び後側案内通路９にて搬出され
てきた物品６を集合させる物品受皿であり、13は物品取
出口14を通常は遮蔽している取出口フラップで、この取
出口フラップ13の一端はフラップピン15にて回転自在に
ドアー16に軸支されている。

17は基枠３に覆われ、前記物品収納庫５の下部に設け
られた物品投出装置で、物品６を前後交互に投出する投
出板18と、この投出板18を前後移動させる回転軸19と、
この回転軸19を駆動させるモーター20とから構成されて
いる。

また、ドアー16は、上部ヒンジ21,下部ヒンジ22に
て、本体１に軸支されている。

以上のように構成された自動販売機の物品搬出構造に
ついて、以下その動作について説明する。

まず、物品収納庫５に前後２列に重積収納された物品
６は、所定の販売開始信号により前記モーター20が駆動
し、投出板18が前後移動することにより、前後交互に投
出される。この投出された物品６は前記前側案内通路７
もしくは、後側案内通路９から傾斜案内通路10を通り物
品受皿12に落下してくる。この物品受皿12に落下した物
品６は、取出口フラップ13の下端を押し開けることによ
り、物品取出口14より取出すことができる。

考案が解決しようとする課題 しかしながら上記従来の構成では、物品６の厚さが投
出板18より薄い場合、基枠３の前後に各１個ずつ交互に
投出できなく、また物品投出孔8,11の開口部を小さくで
きないため、物品の搬出個数を制御できないという欠点
を有していた。

そこで、投出板の高さを商品の高さに応じて変更し、
同時に、物品投出孔の開口部の高さも変更するものとし
て、例えば、特開昭61-5394号公報に示されるものが提
案されている。これは、商品の高さに応じて、商品収納
枠の規制部に装着する規制板と、商品押出部材の基板に
嵌合装着する調節板とを変更することにより、それぞ
れ、商品搬出部の物品投出孔の開口部高さと商品押出部
材の高さとを変更し、１回に搬出する商品の搬出個数を
自由に選択できるものである。

そして、搬出個数を１個ずつとしても良い場合は、販
売する商品のうち最も低い高さの商品に応じた寸法に、
商品押出部材の高さを設定しておくことにより、商品搬
出部の高さを変更するだけで、薄い商品を搬出できると
考えられる。

しかしながら、この場合、販売する商品のうち最も低
い高さの商品に応じた低い寸法に、商品押出部材の高さ
を設定しておかねばならないため、高さの高い商品を販
売する時は、販売する商品の下部を押圧することにな
る。

ここで、販売する商品は、下面を基枠上面と接触し、
上面を上に積み重ねられた別の商品の下面と接触してい
る。通常、商品はセロハン、ビニール、紙等により包装
されているため、販売する商品の上面と別の商品の下面
との接触抵抗と、販売商品の下面と基枠との接触抵抗と
を比べると、前者の方が後者のそれよりも大きい。

したがって、販売する商品の下部を押してしまうと、
商品の下部は滑りやすく、商品の上部はより一層滑りに
くくなるので、販売する商品は、押し出し方向に対して
上方に商品を持ち上げるモーメントが生じ、販売する商
品の上面と別の商品の下面との接触抵抗がさらに大きく
なり、搬出不良が発生し易くなるという欠点を有してい
た。

これを防ぐためには、商品押出部材の商品に対する押
圧力を大きくしなければならない。しかし、その場合、
商品の変形が生じ易く、商品購入者に不愉快な感情を与
えてしまい、自動販売機の利用意欲を減退させてしまう
という欠点を有していた。

本考案は上記従来の課題を解決するもので、販売する
商品の厚みが変わっても、所定の高さの基枠嵩上台を基
枠の上に取り付けることにより、商品押出部材の押圧力
を大きくすることなく、簡単な構成でしかも商品切り替
え作業性を向上し、商品が誤って一度にたくさん搬出さ
れることを防止できる自動販売機の物品搬出構造を提供
するものである。

課題を解決するための手段 この目的を達成するために本考案の自動販売機の物品
搬出構造は、自動販売機の本体内に設けた物品収納棚
と、この物品収納棚に取り付けた基枠と、この基枠上に
並設した仕切板と、前記基枠と仕切板とで形成し物品を
重積収納する物品収納庫と、前記基枠内に設けた物品投
出装置と、前記基枠上面に設けた駆動孔と、前記物品投
出装置の一部を構成し前記駆動孔に挿通して往復移動可
能に設けた駆動片と、この駆動片に形成した突起部と、
前記物品収納庫下部であって前記基枠の上面に設け前記
物品の厚さに応じた所定高さの基枠嵩上台と、この基枠
嵩上台に設けた開口孔と、前記基枠嵩上台の上方に位置
し物品を押圧して物品投出孔から搬出する嵩上投出板
と、前記嵩上投出板の下面に設け対向する２個の板状片
を有し前記開口孔に挿通し弾力性をもった投出板固定片
と、前記基枠嵩上台に設け弾力性をもった固定片と備
え、前記基枠嵩上台が前記基枠に弾力的かつ着脱可能に
固定されるとともに、前記投出板固定片が前記駆動片の
突起部を弾力的かつ着脱可能に挟み込み前記嵩上投出板
を前記駆動片に取り付けることにより、前記物品投出孔
の開口部高さを前記物品の厚みと略同寸法に設定するも
のである。

作用 本考案は上記した構成により、販売する商品を厚みの
薄い商品に切り替える時は、高さがより高い基枠嵩上台
を基枠の上に取り付け、販売する商品を厚みの厚い商品
に切り替える時は、高さがより低い基枠嵩上台を基枠の
上に取り付けることにより、基枠の前後に１個ずつ確実
に交互搬出できる。

実施例 以下本考案の一実施例の自動販売機の物品搬出構造に
ついて、第１図から第２図を参照しながら説明するが、
従来例と同一構成について同一番号を付してその詳細な
説明を省略する。

同図において、3aは駆動孔であり、基枠３上に設けら
れた角孔である。19aは駆動片であり、回転軸19に係合
され外設されたものである。23は箱状に曲成型加工され
た基枠嵩上台である。23aは固定片であり、三角状に加
工され弾力性をもたし、基枠嵩上台23に設けたものであ
る。23bは開口孔であり、基枠嵩上台23の上部に設けた
角孔である。24は箱状に曲成型加工された嵩上投出板で
ある。24aは投出板固定片であり、嵩上投出板24に設置
され凹形状に加工され、弾力性を持たしたものである。

以上のように構成された自動販売機の物品搬出構造に
ついてその動作を説明する。

基枠３の駆動孔3aの両端部に固定片23aを嵌入するこ
とにより、基枠嵩上台23が基枠３に固定される。駆動片
19aは回転軸19の回転により基枠３の前後方向に往復移
動する。嵩上投出板24は投出板固定片24aにより開口孔2
3bを挿通し駆動片19aの先端に嵌入する。駆動片19aが往
復移動することにより嵌入された嵩上投出板24が往復移
動し、前後基枠嵩上台23に重積された物品６を交互に搬
出することができる。

また、自動販売機で販売する物品６の大きさ、特に厚
み寸法が小さくなった場合、基枠３上に取り付けられた
基枠嵩上台23を取り外し、販売する物品６に応じた高さ
寸法の基枠嵩上台23を基枠３上に取り付けることによ
り、物品投出孔８の開口部高さと、基枠３上に突出した
嵩上投出板24の高さとを同時に変更することができる。

以上のように本実施例によれば、基枠嵩上台23を取り
替えるだけで、物品投出孔８の開口部高さと同時に、基
枠３上面からの嵩上投出板24の高さも変更でき、嵩上投
出板24の押圧力を大きくすることなく、簡単な構成でし
かも商品切り替え作業性を向上しながら、物品６が誤っ
て一度にたくさん搬出されることを防止して、物品６を
交互に１個ずつ搬出することができる。

なお、本実施例では、基枠嵩上台23の取り付けは駆動
孔3aと固定片23aとの係合により行うこととしたが、基
枠３上に穿設した他の孔と固定片23aとの係合によって
着脱可能に取り付けてもよい。

考案の効果 以上のように本考案は、基枠嵩上台が基枠に弾力的か
つ着脱可能に固定されるとともに、投出板固定片が駆動
片の突起部を弾力的かつ着脱可能に挟み込み嵩上投出板
を駆動片に取り付けることにより、物品投出孔の開口部
高さを物品の厚みと略同寸法に設定するものなので、販
売する物品の厚み寸法が変わっても、物品に応じた基枠
嵩上台を取り付けることにより、物品投出孔の開口部高
さと、基枠上に突出した嵩上投出板の高さとを同時に変
更でき、簡単な構成でしかも作業性よく、商品が誤って
一度にたくさん搬出されることを防止できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例における自動販売機の物品搬
出構造の物品収納庫の詳細図、第２図は第１図の縦断面
図、第３図は従来の自動販売機の搬出構造の中央断面
図、第４図は同部分拡大図である。 ２……物品収納棚、３……基枠、3a……駆動孔、４……
仕切板、５……物品収納庫、17……物品投出装置、19a
……駆動片、23……基枠嵩上台、23a……固定片、23b…
…開口孔、24……嵩上投出板、24a……投出板固定片。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 金田 博司 大阪府東大阪市高井田本通３丁目22番地 松下冷機株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−5394（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−55079（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭56−37172（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】自動販売機の本体１内に設けた物品収納棚
   ２と、この物品収納棚２に取り付けた基枠３と、この基
   枠３上に並設した仕切板４と、前記基枠３と仕切板４と
   で形成し物品６を重積収納する物品収納庫５と、前記基
   枠３内に設けた物品投出装置17と、前記基枠３上面に設
   けた駆動孔3aと、前記物品投出装置17の一部を構成し前
   記駆動孔3aに挿通して往復移動可能に設けた駆動片19a
   と、この駆動片19aに形成した突起部と、前記物品収納
   庫５下部であって前記基枠３の上面に設け前記物品６の
   厚さに応じた所定高さの基枠嵩上台23と、この基枠嵩上
   台23に設けた開口孔23bと、前記基枠嵩上台23の上方に
   位置し物品を押圧して物品投出孔8,11から搬出する嵩上
   投出板24と、前記嵩上投出板24の下面に設け対向する２
   個の板状片を有し前記開口孔23bに挿通し弾力性をもっ
   た投出板固定片24aと、前記基枠嵩上台23に設け弾力性
   をもった固定片23aとを備え、前記基枠嵩上台23が前記
   基枠３に弾力的かつ着脱可能に固定されるとともに、前
   記投出板固定片24aが前記駆動片19aの突起部を弾力的か
   つ着脱可能に挟み込み前記嵩上投出板24を前記駆動片19
   aに取り付けることにより、前記物品投出孔8,11の開口
   部高さを前記物品６の厚みと略同寸法に設定する自動販
   売機の商品搬出構造。