JP2529300B2 - 電解コンデンサ駆動用電解液 - Google Patents

電解コンデンサ駆動用電解液

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力 恒次
秀樹 島本
啓治 森
真吾 ▲吉▼田
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は電解コンデンサ駆動用電解液に関するもので
ある。
従来の技術 従来、電解コンデンサ駆動用電解液（以下単に電解液
と称する）としては、エチレングリコールにアジピン酸
もしくはその塩を溶解し、水を添加した電解液が用いら
れている。一方、電解液の電導度を高め電解コンデンサ
の抵抗分である損失角の正接（以下tanδと称する）を
下げるため溶質としてグルタル酸もしくはその塩を溶質
に用いる方法もある。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来の電解液を用いた電解
コンデンサは高温無負荷放置した後に漏れ電流が増大す
るという欠点があった。
本発明は漏れ電流の増大を防ぐことを目的とする。
問題点を解決するための手段 本発明はこのような問題点を解決するもので、エチレ
ングリコールを主体とする溶媒に、純水を混合してなる
溶媒に、グルタル酸もしくはその塩を溶質とした電解液
に、ｐ−ニトロ安息香酸及びまたはアルキルリン酸エス
テルを添加するもので、アルキルリン酸エステルが で表わされるものである。そして添加量としては、電解
液重量に対して0.01〜5.0wt％添加するものである。
作用 このような本発明による電解液によれば、添加剤とし
て、ｐ−ニトロ安息香酸及びまたはアルキルリン酸エス
テルを添加することにより電極箔の皮膜の劣化を抑制
し、漏れ電流の増大を防止することができる。
実施例 次に本発明を実施例及び従来例に基づき説明する。
エチレングリコール100重量部，アジピン酸アンモニ
ウム15重量部，水15重量部からなる電解液（従来例１）
とエチレングリコール100重量部，グルタル酸アンモニ
ウム40重量部，水15重量部からなる電解液（従来例２）
と上記従来例２の電解液にｐ−ニトロ安息香酸２重量
部，各種リン酸エステル１重量部を添加した電解液（本
発明例１〜３）を用いて、定格6.3V4700μＦのアルミ電
解コンデンサを製作し、85℃ 1000時間無負荷放置後の
製品特性を比較した結果を表1.に示す。
表1.より明らかなように、本発明無電解液は従来例１
に比べ、85℃ 1000時間無負荷放置後の漏れ電流は約２
分の１に低減でき、従来例２に比べ、約３分の１に低減
でき、容量変化、tanδ変化も悪化することもない。
発明の効果 以上のように本発明によれば、従来電解液と比較し、
アルミ電解コンデンサの高温無負荷放置後の漏れ電流劣
化抑制に著しい効果があり、工業的価値の大なるもので
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼田 真吾 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−232410（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−46717（ＪＰ，Ａ) 特開 昭52−153154（ＪＰ，Ａ) 特開 昭59−124117（ＪＰ，Ａ)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】エチレングリコールを主溶媒とし、純水を
    混合してなる溶媒に、グルタル酸もしくはその塩を溶質
    とし、ｐ−ニトロ安息香酸及びまたはアルキルリン酸エ
    ステルを添加したことを特徴とする電解コンデンサ駆動
    用電解液。
  2. 【請求項２】アルキルリン酸エステルが、次の（Ａ），
    （Ｂ）のような化学構造のものである特許請求の範囲第
    １項記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  3. 【請求項３】ｐ−ニトロ安息香酸の添加量が電解液重量
    に対して0.01〜5.0wt％であることを特徴とする特許請
    求の範囲第１項記載の電解コンデンサ駆動用電解液。
  4. 【請求項４】アルキルリン酸エステルの添加量が電解液
    重量に対して0.01〜5.0wt％であることを特徴とする特
    許請求の範囲第２項記載の電解コンデンサ駆動用電解
    液。
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