JP2528967B2 - アクティブマトリクス表示装置 - Google Patents

アクティブマトリクス表示装置

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JP2528967B2
JP2528967B2 JP1173782A JP17378289A JP2528967B2 JP 2528967 B2 JP2528967 B2 JP 2528967B2 JP 1173782 A JP1173782 A JP 1173782A JP 17378289 A JP17378289 A JP 17378289A JP 2528967 B2 JP2528967 B2 JP 2528967B2
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繁光 水嶋
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、表示媒体として液晶等を用いた、アクティ
ブマトリクス表示装置に関する。
(従来の技術) 近年、CRTに代わる表示装置として、液晶等を用いた
表示装置の研究が行われている。これらの表示装置に於
いては、ITO、SnO2等を用いた絵素電極と対向電極との
間に、液晶等の表示媒体が封入され、これらの電極の間
に電圧が印加されて表示が行われる。
ITO、SnO2等の透明電極により形成される絵素電極の
外周には、誘起ドメインと呼ばれる液晶の配向の乱れた
領域が現れることがある。この乱れは、絵素の外周部に
生じる電気力線の乱れに起因している。第7図にこのよ
うな電気力線の乱れの様子を示す。第7図に示す表示装
置は、いわゆる単純マトリクス型の液晶表示装置であ
る。この図に於て破線で示される電気力線36は、透明基
板11上の絵素電極12から、対向基板21上の対向電極23に
向かって、膨らみを生じている。この膨らみの程度は、
絵素電極の形状に大きく影響され、一般に、絵素電極の
鋭角の角部に生じ易い。
薄膜トランジスタ(以下では「TFT」と称する)等の
スイッチング素子を有するアクティブマトリクス型の表
示装置では、上記の電気力線36の膨らみに加え、絵素電
極12の周囲に配されるゲート電極及びソース電極に接続
されるバスラインと、絵素電極との間に生じる電位差に
よっても、電気力線36の乱れは生ずる。このような電気
力線の乱れによって、バスラインと絵素電極との間の液
晶の配向の乱れが生じ、更には絵素電極の外周部より内
側の液晶の配向まで乱れることがある。
この配向の乱れは、無電界時に於ける液晶分子と電極
表面との角度(プレチルト角)に関係し、また、電界印
加時の液晶分子と電極表面との角度(チルト角)にも関
係する。従って、液晶の配向の乱れが生じる場所、及び
程度は、ラビング、斜め蒸着等の配向処理により異な
る。
液晶配向の乱れが生じると、表示されている絵素の一
部が、他の部分とは異なった表示状態となる。例えば、
正方形の絵素電極を有するTN-FEM・LCDでは、絵素の辺
の近傍領域の最適視角方向が、他の領域のそれとは逆に
なり、絵素の一部が欠損したように見える場合がある。
このような場合の配向の乱れを、リバースチルトと呼ぶ
ことがある。
TFTを用いたアクティブマトリクス表示装置では、液
晶配向の乱れは表示状態の変化時、即ち絵素電極に印加
される電圧が低い状態から高い状態に変化する時に生じ
易い。また、この乱れの発生は、特に電源投入時に著し
い。このような表示の乱れは、残像として現れる。
上述の問題点を解決するため、従来より下記の対策が
とられてきた。
絵素電極の鋭角の部分を無くし、鈍角とする。
プレチルト角を大きくする。
絵素部分以外の部分を通過する光を遮断するためのブ
ラックマスクを、絵素の内部にも重ねて、異常部分を隠
す。
(発明が解決しようとする課題) しかし、このような従来の対策は、それぞれ以下のよ
うな問題点を有している。
まずでは、自由なパターン表示が制限されるという
欠点が生じる。また、高精細な表示を行うマトリクス表
示装置に於いては、の対策では防ぎようがない。
によれば、電圧−透過率特性曲線の急峻性が損なわ
れる。そのため、コントラスト及び応答速度が低下し、
視角範囲が狭小となる。また、高プレチルト角を得るた
めには、材料及びプロセスに対する制約が大きく、他の
特性の犠牲を招く場合がある。
によれば、以下のような欠点が問題となる。まず、
ブラックマスクを絵素電極形成基板側に設ける場合を考
える。ブラックマスクを金属で形成すると、ブラックマ
スクとバスラインとの間に、大きな電気容量が生じる。
そのため、表示状態に問題が生じ、絵素電極を駆動する
上でも問題となる。ブラックマスクを樹脂で形成する
と、遮光性を確保するために膜厚を大きくする必要があ
り、パターン精度、セルのギャップの均一性等に問題が
生じる。従って、ブラックマスクを絵素電極が形成され
る基板側に設けることは好ましくない。
次に、ブラックマスクを対向基板側に設けた場合を考
える。この場合には、2枚の基板の位置ずれの誤差を考
慮したパターン設計が必要となる。2枚の基板の合わせ
る場合の位置精度は、5〜10μmと低い。そのため、必
要なブラックマスクと絵素電極との重なりを5μmとす
ると、10μm以上の重ね合わせの設計が必要となる。こ
のように大きな重ね合わせを行うと、絵素の開口率が低
下し、表示画面が暗くなるという問題が生じる。
本発明はこのような問題点を解決するものであり、本
発明の目的は、液晶配向の乱れを生じても、画像品位が
低下しないアクティブマトリクス表示装置を提供するこ
とである。
(課題を解決するための手段) 本発明のアクティブマトリクス表示装置は、少なくと
も一方が透光性を有する一対の基板と、該一対の基板の
何れか一方の基板内面にマトリクス状に配された絵素電
極と、該一対の基板間に封入され、印加電圧に応答して
光学的特性が変調される表示媒体と、を有するアクティ
ブマトリクス表示装置であって、該絵素電極の周囲を通
って相互に交差して配線された走査線および信号線のう
ちの少なくとも走査線からの電気力線による表示媒体の
配向乱れに伴う光漏れおよび配向処理に伴う表示媒体の
配向乱れに伴う光漏れを防止すべく、各絵素電極の駆動
に用いられる該当する走査線および信号線のうちの少な
くとも走査線に近接する絵素電極の辺に沿った絵素電極
外周部の一辺全域に重畳して、遮光膜が形成されてお
り、そのことによって上記目的が達成される。
また、前記絵素電極が形成された基板内面に、機能素
子を備え、前記遮光膜が、該機能素子内に形成された不
透明層と同じ材料で形成された構成とすることもでき
る。機能素子としては、TFT、MIM(金属−絶縁層−金
属)、MOSトランジスタ、ダイオード、バリスタ等が挙
げられる。
(作用) 本発明のアクティブマトリクス表示装置では、液晶配
向の乱れが発生する、少なくとも走査線に近接する絵素
電極の辺に沿った絵素電極外周部の一辺全域に重畳し
て、遮光膜が形成されている。この遮光膜により、表示
の乱れが生じた領域を隠すことができる。
また、本発明の表示装置では、絵素電極が形成された
基板内面に機能素子を備え、遮光膜をこの機能素子内に
形成された不透明層と同じ材料で形成した構成としても
よい。このような構成により、表示装置の製造工程を増
加させることなく、上記の遮光膜を形成することができ
る。
(実施例) 本発明を実施例について以下に説明する。第1図に本
発明の表示装置を構成するアクティブマトリクス基板の
一実施例の平面図を示す。第1図のIII-III線に沿った
断面図を第3図に示す。透明基板上にTaから成るゲート
バスライン14が平行して設けられ、ゲートバスライン14
に直交して、Tiから成るソースバスライン13が設けられ
ている。ゲートバスライン14と、ソースバスライン13と
の交点近傍のゲートバスライン14上には、スイッチング
素子としてTFT15が形成されている。
TFT15のソース電極30及びドレイン電極31は、ソース
バスライン13と同時に形成される。ドレイン電極31には
絵素電極12が接続されている。更に、ドレイン電極31に
接して、液晶配向の乱れが発生した領域の遮光を行うた
めの、遮光膜33が形成されている。
TFT15及び遮光膜33の断面構成を、第3図に従って説
明する。ゲートバスライン14の一部として形成されたゲ
ート電極34上に、陽極酸化膜26が形成され、この陽極酸
化膜26を覆って全面に、ゲート絶縁膜27が堆積されてい
る。ゲート絶縁膜27上には、アモルファスシリコンから
成る半導体層28がパターン形成され、更にその上には、
絶縁膜32及びコンタクト層29がパターン形成されてい
る。絶縁膜32は、コンタクト層29、ソース電極30及びド
レイン電極31のパターン形成時に、半導体層28を保護す
るために設けられている。コンタクト層29は、半導体層
28と、ソース電極30及びドレイン電極31とのコンタクト
をとるために設けられる。
コンタクト層29上には、上述のソース電極30及びドレ
イン電極31が形成されている。ドレイン電極31の形成時
に、前述の遮光膜33が同時にパターン形成される。本実
施例では遮光膜33は、ドレイン電極31に電気的に接続さ
れた状態で形成される。遮光膜33上には、ゲート絶縁膜
27上に形成された絵素電極12の一部が重畳されている。
絵素電極が形成されている領域以外の領域には、保護
膜16がパターン形成されている。保護膜16を覆って全面
に、配向膜17が設けられ、アクティブマトリクス基板10
が得られる。
アクティブマトリクス基板10に対向する対向基板20で
は、透明基板21上にブラックマスク25及びカラーフィル
タ22が形成され、更に、対向電極23及び配向膜24が全面
に形成されている。アクティブマトリクス基板10と対向
基板20との間には、液晶35が封入され、本実施例のアク
ティブマトリクス表示装置が得られる。
配向膜17及び24にはポリイミド系樹脂(日本合成ゴム
社製、オプトマーAL)、液晶35にはPCH系ブレンド液晶
(チッ素(株)製)を用いた。
第2図に、本実施例の表示装置に於て、液晶配向の乱
れが生じている領域を示す。この場合の最適視角方向
は、紙面から紙面の手前上方に向かう方向である。第2
図に示すように、絵素電極12のTFT15が接続される辺に
沿った、斜線で示す領域Aに、液晶配向の乱れが生じて
いることが確認されている。この配向の乱れが発生する
領域は、遮光膜33を有していない表示装置を作製するこ
とにより、確認することができる。遮光膜33は、通常、
絵素電極12の端部から2〜10μmの領域に形成される。
本実施例のように遮光膜33を設けることにより、表示不
良の問題のない良好な表示装置が得られることが確認さ
れた。
第4図〜第6図に、本発明の表示装置に用いられる遮
光膜33の他の形状を示す。第4図〜第6図に於ける最適
視角方向は、第2図と同様に紙面から紙面の手前上方に
向かう方向である。これらの遮光膜33の形状で、液晶配
向の乱れが発生している領域の形状に合わせて決定され
る。第4図は、配向膜の配向処理としてのラビングが左
上から右下に向いた方向に行われ、その上流側の2辺の
全域にわたって遮光膜33を設けている。なお、ラビング
を行う方向としては、一般に、絵素電極に対してその絵
素電極を駆動するためのTFTに接続された走査線側を上
流側にして配向処理が行われているが、遮光膜はその上
流側に設けるのが、走査線からの電気力線による表示媒
体としての液晶の配向乱れを防止する上で好ましく、こ
の第4図において少なくとも上辺の全域にわたり形成す
る。
本実施例では遮光膜33をソース電極30及びドレイン電
極31と同じ材料で形成したが、ゲート電極と同じ材料で
形成してもよい。その場合には、遮光膜33はゲート電極
34及びゲートバスライン14と同時に形成され、ゲート電
極34及びゲートバスライン14からは電気的に孤立して設
けられるのが好ましい。
本実施例ではスイッチング素子として、TFTを用いた
場合について説明したが、本発明は、他のスイッチング
素子、例えばMOSトランジスタを用いた表示装置にも適
用することができる。
また、本実施例では機能素子としてスイッチング素子
を用いた場合について説明したが、スイッチング素子以
外の他の機能素子、例えばMIM、ダイオード等を備えた
表示装置にも適用することができる。この場合には、ス
イッチング素子以外の機能素子を構成する不透明層と同
じ材料を用いて、遮光膜を形成することができる。
(発明の効果) 本発明のアクティブマトリクス表示装置では、走査線
と絵素電極との間に生じる電気力線による表示媒体の配
向乱れに伴う光漏れおよび配向処理に伴う表示媒体の配
向乱れに伴う光漏れの両方を遮光膜が隠すことができ、
液晶配向の乱れが生じても、画像品位が低下しない。従
って、本発明によれば表示装置の歩留りが向上し、表示
装置のコスト低減が為される。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の表示装置に用いられるアクティブマト
リクス基板の一実施例の平面図、第2図は液晶配向の乱
れが生じている領域を示す図、第3図は第1図のIII-II
I線に沿った断面図、第4図〜第6図は遮光膜の他の実
施例を示す平面図、第7図は単純マトリクス型表示装置
に生じる電気力線の様子を示す断面図である。 10……アクティブマトリクス基板、11,21……透明基
板、12……絵素電極、13……ソースバスライン、14……
ゲートバスライン、15……TFT、16……保護膜、17,24…
…配向膜、20……対向基板、22……カラーフィルタ、23
……対向電極、25……ブラックマスク、26……陽極酸化
膜、27……ゲート絶縁膜、28……半導体層、29……コン
タクト層、30……ソース電極、31……ドレイン電極、32
……絶縁膜、33……遮光膜、34……ゲート電極、35……
液晶。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも一方が透光性を有する一対の基
    板と、該一対の基板の何れか一方の基板内面にマトリク
    ス状に配された絵素電極と、該一対の基板間に封入さ
    れ、印加電圧に応答して光学的特性が変調される表示媒
    体と、を有するアクティブマトリクス表示装置であっ
    て、 該絵素電極の周囲を通って相互に交差して配線された走
    査線および信号線のうちの少なくとも走査線からの電気
    力線による表示媒体の配向乱れに伴う光漏れおよび配向
    処理に伴う表示媒体の配向乱れに伴う光漏れを防止すべ
    く、各絵素電極の駆動に用いられる該当する走査線およ
    び信号線のうちの少なくとも走査線に近接する絵素電極
    の辺に沿った絵素電極外周部の一辺全域に重畳して、遮
    光膜が形成されているアクティブマトリクス表示装置。
  2. 【請求項2】前記絵素電極が形成された基板内面に、機
    能素子を備え、前記遮光膜が、該機能素子内に形成され
    た不透明層と同じ材料で形成されている、請求項1に記
    載のアクティブマトリクス表示装置。
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