JP2528698Y2 - シート材水平方向搬送型プリンタ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、インクリボンカセットを使用するプリンタ
であって、水平方向にのみ搬送を行い印字するシート材
水平方向搬送型プリンタに関する。

［従来の技術］ 従来より、シート材を水平方向に搬送して印字するプ
リンタとしては、小切手や約束手形に磁気インク文字を
印字するMICRエンコーダや、このMICRエンコーダに並べ
て置かれ、MICR文字に続いて、小切手や約束手形に振出
人の名前等を印字するための振出人印字用プリンタが知
られている。

［考案が解決しようとする課題］ 振出人印字用プリンタは、ワイヤドットまたは熱転写
方式のシリアルプリンタであり、インクリボンカセット
を用いているので、時々インクリボンカセットを交換す
る必要があった。

一方、小切手のサイズは、幅約85mm、長さ約165mmの
横長の矩形の紙であり、この紙を水平方向に搬送するた
め、このプリンタの紙搬送方法は、紙幅方向の中央部に
当たる位置に搬送ローラとピンチローラを設けて、それ
を回転させて行っている。

そこで、振出人の印字位置であるが、紙の幅方向の中
央部は、搬送ローラとピンチローラによって印字でき
ず、紙の下端部はMICR文字が印字されるので、通常、紙
の下端部より約20〜25mm位置となっている。

このため、振出人印字用プリンタの印字ヘッドの位置
が、ピンチローラに近接してしまい、インクリボンカセ
ットの交換がピンチローラの存在により極めて困難とな
っていた。

これを解決する手段として、ピンチローラを支持する
ピンチローラ支持部材ごと上方向に回転させ、ピンチロ
ーラと印字ヘッド間の隙間を広げたものがあるが、これ
によってもリボンカセットを正確にセットするには、そ
の隙間にリボンカセットを通し、視線を隙間の位置まで
落とし覗きながら行わなければならず、困難、且つ、不
確実であった。

本考案の目的は、インクリボンカセットの交換が容易
に行えるようにするため、ピンチローラの位置を簡単に
移動できるようにし、これによって印字ヘッドを上方か
ら見ながらインクリボンカセットの交換が行えるように
することにある。

［課題を解決するための手段］ この目的を達成するため本考案におけるシート材水平
方向搬送型プリンタは、シート材を立てた状態で水平方
向移動させるべく案内するガイド板と、このガイド板に
設けられた搬送ローラと、この搬送ローラと対になるピ
ンチローラを搬送ローラに対して接離方向へ搖動自在
に、かつ、搬送ローラに向けて付勢して支持すると共
に、その一端部を一方の保持部材の支軸部に回動可能に
軸支させ、他端部に他方の保持部材の凹部と係合する凸
部を具えたピンチローラ支持部材と、ピンチローラと搬
送ローラとを当接した状態にピンチローラ支持部材を固
定するストップレバーと、ピンチローラ支持部材の下方
に設けられた印字ヘッドと、この印字ヘッドに対して取
付け取外し自在なインクリボンカセットとを有すること
を特徴とする。

［作用］ 本考案によれば、ストップレバーを作動させると、ピ
ンチローラ支持部材の固定状態が解除され、ピンチロー
ラ支持部材が回動可能となり、このピンチローラ支持部
材を回動させると、印字ヘッドの上面が開口される。

［実施例］ 図面は本考案の実施例を示す。第１図は振出人プリン
タの印字部上面図で、第２図は同Ａ−Ａ′断面図であ
る。

小切手、叉は約束手形の単票１は、図示しないMICRエ
ンコーダにてMICR文字を印字した後、第１図左方向より
振出人プリンタに送られ、振出人プリンタ内のシート材
ガイド板２に沿って搬送される。

シート材ガイド板２は、ガイド面21を垂直にしてプリ
ンタ本体３に固設され、単票１の下方側部を案内するガ
イドレール22が設けられている。

シート材ガイド板２には、二つの搬送ローラ４が回動
可能に軸支され、この搬送ローラ４は、図示しない駆動
モータによって回転される。

搬送ローラ４は、ウレタンゴム製であり、取付位置は
ガイドレール22から42mmの高さにあり、小切手や約束手
形の幅は約85mmなので、小切手や約束手形の単票の中央
部に接して搬送する。

搬送ローラ４と対になり単票を搬送する二つのピンチ
ローラ５は、中央部の太い樽型のローラである。

この二つのピンチローラ５は、ピンチローラ支持板６
へ軸72にて揺動自在に軸支された一対の揺動片７の軸部
71にそれぞれ回動自在に軸支されており、この一対の揺
動片７のそれぞれの孔73に張架される引張バネ８の張力
によって、搬送ローラ４に向けて付勢されている。

ピンチローラ支持板６は、第１図で左端部を保持板9a
の支軸部91にて回動可能に軸支され、右端部の凸部62を
保持板9bの凹部92に係合し、かつ、ピンチローラ５を搬
送ローラ４に当接させた状態でストップレバー14によっ
て固定されている。

この状態でピンチローラ支持板ガイド面63はガイド面
21に平行となり、単票の案内路を形成してる。

第３図は、ピンチローラ支持板と保持板のストップレ
バー取付部拡大図である。

ストップレバー14を引き上げると、ピンチローラ支持
板６の固定状態が解除できる。

印字ヘッドは、９ピンのワイヤヘッド方式のものであ
り、その印字位置はガイドレール22より20mmの高さに位
置している。

インクリボンカセット11はインクリボンカセット保持
台13に、取付け取外し自在となっている。

本実施例において、インクリボンカセット11の交換作
業を行なうとき、ストップレバー14を引き上げると（第
３図矢印Ｂ方向）、ピンチローラ支持板６の固定状態が
解除され、ピンチローラ５の搬送ローラに４に向けた付
勢が解除される。

ピンチローラ支持板６を、支軸部91を中心に90度回転
させると（第１図矢印Ａ方向）、印字ヘッドの上面は開
放される。

これによって、印字ヘッド10及びインクリボンカセッ
ト11は上方から見ることができるので、インクリボンカ
セット11装着時にインクリボン12を印字ヘッド10前に通
すことが確実にでき、極めて簡単にインクリボンカセッ
ト11の交換ができる。

叉、単票が印字ヘッド周辺の隙間に詰まり、容易に排
紙できないひどい紙詰まりの場合でも、ピンチローラ支
持板を回転させることによって単票搬送路の大半を開口
でき、容易に排紙ができるといった効果がある。

［考案の効果］ 本考案によれば、ピンチローラ支持部材を水平方向に
回転させ印字ヘッド周辺の上面が開放することができる
ので、上部より見ながらインクリボンカセットの交換が
でき、交換作業を確実、且つ、容易に行うことができる
とともに、のぞき込む必要が無いので窮屈な体勢をとら
なくてすむ。

又、印字ヘッド周辺の隙間に詰まり、容易に排紙でき
ないひどい紙詰まりの場合でも、印字ヘッド周辺の上面
が開放されので、容易に排紙ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、振出人プリンタの印字部上面図。 第２図は、振出人プリンタの印字部Ａ−Ａ′断面図。 第３図は、ピンチローラ支持板と保持板のストッパレバ
ー取付部拡大図である。 1:単票、2:シート材ガイド板 4:搬送ローラ、5:ピンチローラ 6:ピンチローラ支持板 61:凸部、7:回動片 8:引張バネ、9a,9b:保持板 91:支軸部、10:印字ヘッド 11:インクリボンカセット 14:ストップレバー

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】シート材を立てた状態で水平方向移動させ
   るべく案内するガイド板２と、 このガイド板に設けられた搬送ローラ４と、 この搬送ローラ４と対になるピンチローラ５を搬送ロー
   ラ４に対して接離方向へ搖動自在に、かつ、搬送ローラ
   ４に向けて付勢して支持すると共に、その一端部を一方
   の保持部材9aの支軸部91に回動可能に軸支させ、他端部
   に他方の保持部材9bの凹部92と係合する凸部61を具えた
   ピンチローラ支持部材６と、 ピンチローラ５と搬送ローラ４とを当接した状態にピン
   チローラ支持部材を固定するストップレバー14と、 ピンチローラ支持部材６の下方に設けられた印字ヘッド
   10と、 この印字ヘッド10に対して取付け取外し自在なインクリ
   ボンカセット11とを有することを特徴とするシート材水
   平方向搬送型プリンタ。