JP2006231682A - 記録装置 - Google Patents

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素行 新村
Shinji Sato
真二 佐藤
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Abstract

【課題】 記録装置運搬時の転倒を防止する。
【解決手段】 シートに画像を記録する記録機構部20を外装ケース100に収容したドットインパクトプリンタ10において、前記外装ケース100の長手方向に対して略垂直な方向に偏った重心位置Gを有し、前記外装ケース100の長手方向の両側部の夫々に一対の取手110A、110Bを設け、前記一対の取手110A、110Bのうち、前記重心が寄った側を、他方よもり高い位置に設けた。
【選択図】 図5

Description

本発明はシートに文字や絵などの画像を記録する記録装置に関する。
従来、オフィスなどでは、シートに文字や絵などの画像を記録する例えばプリンタなどの記録装置が設置されている。この種の記録装置は、印刷可能なシートのサイズや種類、また、印字方式などの違いによって、形状や大きさ、重量などが様々であるが、例えば卓上に設置されるものでは、10〜30Kg程度と比較的重いタイプのものがある。このタイプの記録装置を移動させる場合には、人手によって持ち運びするために、通常、外装ケースに取手が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開平11−65197号公報(図1)
しかしながら、従来にあっては、上記取手の設計時に、複数の運搬者により記録装置を持ち運びすることが考慮されておらず、複数の運搬者で記録装置を持ち運びする際に、バランスが崩れて記録装置を転倒させてしまう恐れがある、などの問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、例えば複数の運搬者が記録装置を持ち運びする際の記録装置の転落を防止することのできる記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、シートに画像を記録する記録機構部を外装ケースに収容した記録装置において、前記外装ケースの長手方向に対して略垂直な方向に偏った重心を有し、前記外装ケースの長手方向の両側部の夫々に一対の取手を設け、前記一対の取手のうち、前記重心が寄った側の取手を、他方の取手よもり高い位置に設けたことを特徴とする記録装置を提供する。
この記録装置によれば、重心の偏りにより、記録装置が持ち上げられた際に、長手方向に対して略垂直な方向に傾倒する回転モーメントが発生する。この回転モーメントにより、運搬者は、記録装置を持ち上げた際に、記録装置が回転モーメントの方向に倒れる危険性があることを察知できる。この結果、運搬者は、回転モーメントが働く方向の取手を持つ手に注意を払うようになるため、運搬中の記録装置の転落を防止することができる。
また、前記外装ケースの長手方向の両側部のそれぞれの取手を2人の運搬者が持って運搬する際には、上記回転モーメントにより、重心が寄った側の取手が下方に移動して、一対の取手のそれぞれが略同じ高さで保持されて運搬される。したがって、記録装置を下ろす際には、2人の運搬者がそのまま両腕を下ろせば、2人の間で、同じ側から記録装置を下ろすことができる。これにより、記録装置を下ろす際に、2人の運搬者がそれぞれ異なる側から記録装置を下ろそうとして、バランスを失い、記録装置を転落させてしまうといった事態が防止される。
なお、本発明において、上記シートは、例えば単票紙や連続紙などの普通紙の他に、OHP(オーバーヘッドプロジェクト)シートやコート紙、フィルムなどを含むものである。
また、上記記録装置は、長尺するプラテンと、このプラテンの長手方向に沿って移動するキャリッジと、このキャリッジに搭載され、記録ワイヤをプラテンに向けて打ち出す記録ヘッドとを備え、前記プラテン上に搬送される前記シートに、インクリボンを介して記録ワイヤを打ち出して、前記シート上に文字や絵などの画像を形成する、いわゆる、ドットインパクトプリンタを含むものである。この他にも、上記記録装置は、インク適を突出してシート上にドットを形成する記録ヘッドを備えた、いわゆるインクジェットプリンタや、電子写真方式によりシート上に画像を記録する記録装置を含むものである。
ここで、上記記録装置において、前記外装ケースは、前記記録機構部の下側を覆う下部ケースと、前記下部ケースの上縁部と係合して前記記録機構の上側を覆う上部ケースとを有し、前記下部ケースの上縁部を前記重心が偏る方向に突出させて、前記高い位置に配置される取手を形成した構成が望ましい。
この望ましい構成によれば、一対の取手はいずれも下部ケース側に配設され、この下部ケースに上部ケースが係合するため、運搬者が記録装置を持ち上げた際には、上部ケースごと下部ケースが持ち上げられる。したがって、運搬者が記録装置を持ち上げる際に、上部ケースを持ち上げたために下部ケースが外れてしまうといった不具合が生じることがない。
また、上記記録装置において、前記一対の取手の各々に滑り止めが設けられている構成も望ましい。
この望ましい構成によれば、運搬者が運搬中に手を滑らせて記録装置を転落させてしまうといった事態が防止される。
本発明によれば、外装ケースの長手方向の両側部の夫々に一対の取手を設け、前記一対の取手のうち、重心が寄った側の取手を、他方の取手よもり高い位置に設けた構成としたため、運搬者が記録装置を持ち運びする際の記録装置の転落を防止するこができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。以下の実施の形態では、本発明を記録装置の一態様であるドットインパクトプリンタに適用した場合を例示する。
図1はドットインパクトプリンタ10の外観斜視図であり、図2はドットインパクトプリンタ10の背面図である。また、図3はドットインパクトプリンタ10が内蔵する記録機構部20の構成を示す斜視図であり、図4は図3のA−A’線における記録機構部20の断面図である。
ドットインパクトプリンタ10は、複数の記録ワイヤ(図示せず)を有する記録ヘッド30を備え、記録ヘッド30から記録ワイヤを突出させて、インクリボンを介してシートの記録面に、文字を含む画像を記録するものである。なお、以下の説明では、シートとして連続紙を用いた場合について説明する。
図1に示すように、ドットインパクトプリンタ10は、上部ケース11及び下部ケース12からなる略箱形の外装ケース100を有し、この外装ケース100に、シートに画像を記録する記録機構部20(図3)が収容される。上部ケース11の上面前部には上面カバー13が配設され、後述するリボンカートリッジ(図示せず)を記録機構部20に装着する際等に上方に開かれる。上部ケース11の前面下部には、記録機構部20に連続紙を供給するためのフロント給紙口111が開口する。フロント給紙口111の上には、前方に開く前面カバー15が配設され、前面カバー15を開けて記録機構部20に連続紙をセットできるようになっている。
図1及び図2に示すように、上部ケース11には、上部ケース11の上面後部から背面にかけて連続する上背面カバー14が配設される。上背面カバー14は、後述する記録機構部20のメンテナンス時等に、上部ケース11の後方に向けて開放される。上背面カバー14の背面には、記録後の連続紙が吐き出される排紙口113が開口する。
さらに、上部ケース11の背面において、上背面カバー14の下には、記録機構部20に連続紙を供給するためのリア給紙口112が開口する。
また、図2に示すように、下部ケース12の背面下部にはI/Fカバー16が配設される。I/Fカバー16の内側には、ドットインパクトプリンタ10をコンピュータ等の各種機器に接続するためのコネクタ(図示略)が配設されており、I/Fカバー16を開けて、上記コネクタにケーブルを接続する等の作業を行えるようになっている。
図1に示すように、上部ケース11の前面上部には操作パネル121が配設される。この操作パネル121には、ドットインパクトプリンタ10の動作に係る各種設定のためのスイッチ類、動作状態を報知するインジケータ及び液晶ディスプレイパネル等が設けられる。下部ケース12の前面の隅には、ドットインパクトプリンタ10の電源をON/OFFするスイッチ122が配される。また、図2に示すように、下部ケース12の背面には、ドットインパクトプリンタ10に電源を供給するための電源コネクタ123が配設される。
次に、記録機構部20の構成について説明する。
図3及び図4に示すように、記録機構部20は、右サイドフレーム21、左サイドフレーム22、フロントフレーム23及びベースフレーム24を備え、これらのフレーム21、22、23、34により本体フレームが構成される。そして、この本体フレームには、記録ヘッド30と、記録ヘッド30を載置するキャリッジ28と、フロント側から記録ヘッド30に対して連続紙を供給するフロント給紙機構26と、リア側から記録ヘッド30に対して連続紙を供給するリア給紙機構27と、フロント給紙機構26及びリア給紙機構27により供給された連続紙を記録ヘッド30に向けて搬送する搬送機構34と、記録ヘッド30による記録済みの連続紙を排出する排紙機構35と、リボンカートリッジ(図示せず)を駆動するリボン駆動ユニット37とが配設される。
右サイドフレーム21及び左サイドフレーム22は、記録機構部20の両端部において互いに対向するよう立設され、この右サイドフレーム21と左サイドフレーム22との間に、フロントフレーム23及びベースフレーム24が架け渡される。フロントフレーム23は記録機構部20のフロント側に位置し、ベースフレーム24は記録機構部20の下部のリア側に位置する。
右サイドフレーム21及び左サイドフレーム22のフロント下部には、それぞれローラ25が配設され、これら2個のローラ25を介して、記録機構部20は下部ケース12により支持される。また、ローラ25は回転自在に構成され、ローラ25を支点として記録機構部20を斜め上方にチルトさせることで、記録機構部20の下方に配設される制御基盤(図示略)のメンテナンス等を行える。
フロント給紙機構26は、記録機構部20の前面下部に配設されたフロント給紙台261と、右サイドフレーム21と左サイドフレーム22との間に平行に架け渡されたトラクタ支持軸263及びトラクタ駆動軸264と、左右一対のフロントトラクタ262と、各フロントトラクタ262に一体に取り付けられたフロントトラクタカバー266とを備える。
フロント給紙台261は、記録機構部20の前面のほぼ下端部から斜め上に延びる面を有し、この面により、フロント給紙口111(図1)から挿入された連続紙を下方から支持する。フロント給紙台261の上方には、トラクタ支持軸263及びトラクタ駆動軸264が配設され、これらトラクタ支持軸263及びトラクタ駆動軸264に、左右一対のフロントトラクタ262が挿通される。フロントトラクタ262は各々平面部を有し、この平面部がフロント給紙台261の面に連なるよう配設される。
フロントトラクタ262は、複数のピン265を有するトラクタベルト(図示せず)を備える。このトラクタベルトはトラクタ支持軸263とトラクタ駆動軸264とに架けられる。トラクタ支持軸263は回転自在に配設される一方、トラクタ駆動軸264は搬送モータによって駆動されて回転する。そして、上記トラクタベルトは、トラクタ駆動軸264の回転に伴って回転し、ピン265を下方から上方へ移動させる。ピン265は、フロントトラクタ262の平面部から露出しており、連続紙の幅方向両端部に穿設されたスプロケットホールに係合する。そして、上記トラクタベルトの回転によりピン265が移動すると、連続紙が、上方すなわち記録ヘッド30側へ搬送される。
また、フロントトラクタ262には、ピン265の上方から被さるフロントトラクタカバー266が配設される。フロントトラクタ262に連続紙を載せてフロントトラクタカバー266を被せることにより、連続紙のスプロケットホールがピン265に係合した状態が保持される。
リア給紙機構27は、右サイドフレーム21と左サイドフレーム22との間に架け渡されたトラクタ支持軸272及びトラクタ駆動軸273と、左右一対のリアトラクタ271と、各リアトラクタ271に一体に取り付けられたリアトラクタカバー275と、リアトラクタ271と、スプロケットホイール276とを備える。
図4に示すように、ベースフレーム24は、リアトラクタ271の搬送面(上面)271Aと連続するように延びてドットインパクトプリンタ10のリア給紙口112から突出する用紙支持部242を有し、リア給紙口112に給紙された連続紙は用紙支持部242により支持されてリアトラクタ271の搬送面271Aに導かれる。
上記トラクタ支持軸272及びトラクタ駆動軸273は互いに略並行に配設され、これらトラクタ支持軸272及びトラクタ駆動軸273に、2個のリアトラクタ271が挿通される。
リアトラクタ271は、連続紙の両端に設けられたスプロケットホール(孔)と等間隔に配列された複数のピン274を有するトラクタベルト(図示略)を備え、このトラクタベルトがトラクタ支持軸272とトラクタ駆動軸273とに架け渡されている。トラクタベルトのピン274はリアトラクタ271の搬送面271Aに露出して、連続紙のスプロケットホール(図示せず)に挿入される。そして、トラクタ駆動軸273が駆動されてトラクタベルトが回転すると、このトラクタベルトの回転により連続紙が搬送される。
リアトラクタ271に対して連続紙搬送方向下流側には、スプロケットホイール276が設けられる。このスプロケットホイール276は後述する搬送機構34の下方に配置され、リアトラクタ271によって搬送された連続紙を搬送機構34に向けて搬送するものである。具体的には、スプロケットホイール276の周面には、スプロケットホールと等間隔で配列された複数のピン277が設けられ、これらのピン277がリアトラクタ271から搬送された連続紙のスプロケットホールに挿入される。そして、スプロケットホイール276および上記リアトラクタ271が互いに同期して駆動されて、連続紙が搬送機構34に向けて搬送される。このとき、スプロケットホイール276および上記リアトラクタ271は、印字の際の改行ごとに搬送モータ(図示せず)により駆動されて、連続紙を搬送する。
リアトラクタ271には、搬送面271Aを上方から覆う用紙押さえとしてのリアトラクタカバー275が開閉自在に設けられている。すなわち、リアトラクタ271への連続紙のセット時にはリアトラクタカバー275を開いて搬送面271Aを露出させ、連続紙のスプロケットホールをピン277に挿入した後、リアトラクタカバー275を閉じる。これにより、連続紙の上面位置がリアトラクタカバー275により規制され、スプロケットホールがピン274から外れるのが防止される。
上記搬送機構34は、互いに対向配置されて連続紙を記録ヘッド30に向けて搬送する第1搬送ローラ341および第2搬送ローラ342と、第2搬送ローラ342を軸支する第2搬送ローラ軸343と、記録ヘッド30に対向して配設されたプラテン31とを備える。
第1搬送ローラ341はリア給紙ドラム276の上方に配設され、連続紙の裏面に当接する。この第1搬送ローラ341に対して、連続紙を挟んで対向する位置に、第2搬送ローラ軸343が配設される。この第2搬送ローラ軸343は、右サイドフレーム21と左サイドフレーム22との間に回転自在に架け渡され、複数の第2搬送ローラ342が挿通される。第2搬送ローラ軸343は、ローラ開閉モータの動作によって所定の範囲内で移動可能であり、ローラ開閉モータが開動作を行うと、第2搬送ローラ342は第1搬送ローラ341から離隔され、ローラ開閉モータが閉動作を行うと、第2搬送ローラ342は第1搬送ローラ341に向けて付勢される。
そして、上記ローラ開閉モータが閉動作を行うことで、連続紙が第1搬送ローラ341と第2搬送ローラ342との間に挟持される。第1搬送ローラ341は搬送モータ及び駆動輪列部33により駆動され、第1搬送ローラ341が回転することにより、第1搬送ローラ341と第2搬送ローラ342とに挟まれた連続紙が、上方すなわち記録ヘッド30側へ搬送される。
キャリッジ28は、右サイドフレーム21と左サイドフレーム22との間に架け渡されたキャリッジ軸29に挿通される。キャリッジ28には、キャリッジ駆動モータ32とキャリッジ駆動プーリ(図示略)とに架けられたベルトが装着され、キャリッジ駆動モータ32とキャリッジ駆動プーリの動作によってベルトが駆動されると、キャリッジ軸29に沿って移動する。
キャリッジ28には、記録ヘッド30が搭載される。記録ヘッド30は、搬送機構34の上方において連続紙の記録面に対向し、連続紙の記録面と記録ヘッド30との間には、後述するリボンカートリッジから引き出されたインクリボンが配設される。そして、記録ヘッド30から連続紙の記録面に向けて記録ワイヤ(図示略)を打ち出すことにより、連続紙の記録面にインクが付着し、文字を含む画像が記録される。
記録ヘッド30に対向する位置においては、連続紙の裏面側に、プラテン31が配設される。プラテン31は、連続紙に接する部分が平面状に形成された平プラテンであり、この平面において、記録ヘッド30から突出する記録ワイヤの突出力を支持する。プラテン31は、連続紙に対して垂直な方向に移動可能に構成され、ばね(図示略)によって連続紙に向けて付勢される。
排紙機構35は、記録ヘッド30により記録された連続紙に裏側から当接する第1排紙ローラ351と、右サイドフレーム21から左サイドフレーム22にかけて配設された可動フレーム353と、可動フレーム353を支持する可動軸354及びユニット支持軸355と、可動フレーム353と左サイドフレーム22とに跨って組み付けられたばね356と、可動フレーム353に固定された複数の排紙ローラユニット357と、排紙ローラユニット357に組み付けられた第2排紙ローラ358とを備える。
第1排紙ローラ351は、記録ヘッド30の上方において連続紙の裏面に当接し、搬送モータ及び駆動輪列部33により駆動されて回転する。この第1排紙ローラ351に対して、連続紙を介して対向する位置に、可動軸354及びユニット支持軸355が配設される。可動軸354及びユニット支持軸355は、右サイドフレーム21と左サイドフレーム22との間に架け渡され、ユニット支持軸355は右サイドフレーム21及び左サイドフレーム22に固定される一方、可動軸354は、ユニット支持軸355を中心として円を描くように移動可能である。また、可動フレーム353は、可動軸354及びユニット支持軸355に固定され、可動軸354とともに移動可能である。
可動フレーム353には、可動軸354及びユニット支持軸355の軸方向に沿って並ぶ複数の排紙ローラユニット357が取り付けられる。排紙ローラユニット357には、それぞれ、ユニット支持軸355から離隔した位置に第2排紙ローラ358が組み付けられている。
可動フレーム353は、左サイドフレーム22との間に架け渡されたばね356によって、ユニット支持軸355を中心として第1排紙ローラ351に近づく方向に付勢される。このため、排紙ローラユニット357が有する第2排紙ローラ358は、第1排紙ローラ351に押しつけられる方向に付勢され、この付勢力により、連続紙が第1排紙ローラ351と第2排紙ローラ358との間に挟まれる。さらに、可動軸354は、ローラ開閉モータの動作によって、ばね356の付勢力に抗して移動される。すなわち、ローラ開閉モータが開動作を行うと、ローラ開閉モータの駆動力によって、可動軸354がばね356の付勢力に抗して移動し、第2排紙ローラ358が第1排紙ローラ351から離隔する。また、ローラ開閉モータが駆動力を解放する(閉動作)と、ばね356の付勢力によって、第2排紙ローラ358が第1排紙ローラ351に押しつけられる。
ところで、本実施の形態のドットインパクトプリンタ10は、その重量が比較的重く(例えば略30Kg)、移動される際には、安全のため2人がかりで持ち運ぶことが想定されており、ドットインパクトプリンタ10の外装ケース100には、2人分の取手が設けられている。以下、かかる取手について詳述する。
図1に示すように、上部ケース11および下部ケース12から構成される外装ケース100は、キャリッジ28の移動方向、すなわち、主走査方向に延びた略直方の箱型に形成されており、その長手方向に位置する左右の側面100A、100Bのそれぞれに、図1乃至図3に示すように、一対の取手110A、110Bが設けられており、運搬時には、各側面100A、100Bごとに1人の運搬者が一対の取手110A、110Bを持って運搬するようになっている。
取手110Aは、ドットインパクトプリンタ10のフロント側(すなわち、操作パネル121やフロント給紙口111が配設さる側)に配設され、図3に示すように、下部ケース12の上縁部12Aをフロント側に向けて突出させて、運搬者の手が引っ掛けられるように形成した突出部(段差)によって構成される。
また、取手110Aを構成する突出部は、側面100A、100Bから長手方向に沿ってフロント給紙機構26の近傍まで延びるように形成されており、運搬者がドットインパクトプリンタ10のフロント側からも取手110Aに手を引っ掛けることができるようになっている。
一方の取手110Bは、ドットインパクトプリンタ10のリア側(すなわち、リア給紙口112が配設される側)に配設され、図1乃至図3に示すように、下部ケース12のリア側底部の長手方向両端に形成された凹部によって構成される。
図5はドットインパクトプリンタ10の側面を模式的に示す図である。この図に示すように、上部ケース11は、下部ケース12の取手110Aを含む上縁部12Aを覆って、この下部ケース12に係合して固定される。すなわち、一対の取手110A、110Bはいずれも下部ケース12側に配設されているため、運搬者がこれらの取手110A、110Bに手を掛けて持ち上げた際には、上部ケース11ごと下部ケース12が持ち上げられる。これにより、運搬者が上部ケース11を持ち上げたために下部ケース12が外れてしまうといった不具合が生じることがない。
また、一対の取手110A、110Bのそれぞれには、表面に凹凸を有する滑り止め防止材120が設けられており、運搬者が運搬中に手を滑らせてドットインパクトプリンタ10を転落させてしまうといった事態を防止可能に構成されている。なお、取手110A、110Bと別途に滑り止め防止材120を設ける構成に限らず、取手110A、110Bの手が掛けられる箇所の表面に粗面を形成して、取手110A、110Bに滑り止めを設ける構成としても良い。
ここで、同図に示すように、本実施の形態では、一対の取手110A、110Bを、それぞれ、ドットインパクトプリンタ10の重心位置Gむように配設している。このとき、ドットインパクトプリンタ10は、その重心位置Gが、ドットインパクトプリンタ10の長手方向に対して略垂直な方向であるフロント側又はリア側に偏るように設計されており(ここではフロント側)、一対の取手110A、110Bのうち、重心位置Gが寄っている側の取手110A、110B(ここではフロント側の取手110A)を、他方の取手110A、110B(ここではリア側の取手110B)よりも高さ方向で高い位置に配設することとしている。
このように、取手110A、110Bの高さ位置をそれぞれ異ならせた場合、運搬者が取手110A、110Bに手を掛けた際には、高い位置に配置された取手110Aを支える腕の肘が、低い位置に配置された取手110Bを支える腕の肘よりも大きく曲げられた状態となる。この状態で、運搬者が取手110A、110Bを持ってドットインパクトプリンタ10を上方向(図5中矢印X)に持ち上げた場合には、ドットインパクトプリンタ10の重心位置Gの偏りにより、フロント側の方がリア側よりも重くなるため、ドットインパクトプリンタ10がフロント側に傾倒する回転モーメントMが発生する。この回転モーメントMにより、運搬者は、運搬中に、ドットインパクトプリンタ10が重心位置Gに偏りがあり、その偏った方向であるフロント方向に倒れる危険性があることを察知できる。
さらに、このフロント側の取手110Aは、外装ケース100のフロント側に突出した突出部によって形成されているため、運搬者は、フロント側から取手110Aに手を挿入し、手の平で、ドットインパクトプリンタ10の傾きを支えることができ、より安定した状態で、ドットインパクトプリンタ10を持ち上げることができる。
また、2人の運搬者の各々が、ドットインパクト10の左右の側面100A、100Bのそれぞれに配設された一対の取手110A、110Bを持ち上げた場合に、上記のような回転モーメントMが発生すると、各運搬者は、その回転モーメントMを受けて、高い位置に配置された取手110Aを支える腕の肘を伸ばすこととなるため、図6に示すように、ドットインパクトプリンタ10を持ち上げたときには、ドットインパクトプリンタ10がフロント側に傾き、フロント側の取手110Aとリア側の取手110Bとが高さ方向で水平線Hに沿って揃った状態に保持され、この状態で2人の運搬者によって運搬される。したがって、ドットインパクトプリンタ10を卓上などに載置する際には、2人の運搬者がそのまま両腕を下ろせば、2人の間で、同じフロント側からドットインパクトプリンタ10が卓上に下ろされるため、ドットインパクトプリンタ10を下ろす際に、2人の運搬者の一方がフロント側、他方がリア側から下ろそうとして、バランスを失い、ドットインパクトプリンタ10を転落させてしまうといった事態を防止することができる。
このように、本実施の形態によれば、ドットインパクトプリンタ10がフロント側に偏った重心位置Gを有するため、運搬者がドットインパクトプリンタ10を持ち上げた際に回転モーメントMが発生し、この回転モーメントMにより、運搬者は、ドットインパクトプリンタ10が回転モーメントMの方向に倒れる危険性があることを察知できる。この結果、運搬者は、フロント方向の取手110Aを持つ手に注意を払うようになるため、運搬中のドットインパクトプリンタ10の転落を防止することができる。
また、本実施の形態によれば、外装ケース100の長手方向の両側面100A、100Bの夫々に一対の取手110A、110Bを設け、これら一対の取手110A、110Bのうち、ドットインパクトプリンタ10の重心位置Gが寄った側(ここではフロント側)の取手110Aを、他方(ここではリア側)の取手110Bよもり高い位置に設けたため、外装ケース100両端の一対の取手110A、110Bを2人の運搬者が持って運搬する際には、上記回転モーメントMにより、重心位置Gが寄った側(ここではフロント側)の取手110Aが下方に移動して、一対の取手110A、110Bのそれぞれが略同じ高さで保持されて運搬される。したがって、ドットインパクトプリンタ10を下ろす際に、2人の運搬者がそのまま両腕を下ろせば、2人の間で、同じフロント側からドットインパクトプリンタ10を下ろすことができる。これにより、ドットインパクトプリンタ10を下ろす際に、2人の運搬者がそれぞれ異なる側から下ろそうとして、バランスを失い、ドットインパクトプリンタ10を転落させてしまうといった事態が防止される。
また、本実施の形態によれば、一対の取手110A、110Bがいずれも下部ケース12側に配設され、この下部ケース12に上部ケース11が係合するため、運搬者がドットインパクトプリンタ10を持ち上げた際には、上部ケース11ごと下部ケース12が持ち上げられる。これにより、上部ケース11を持ち上げたために下部ケース12が外れてしまうといった不具合が生じることがない。
また、本実施の形態によれば、一対の取手110A、110Bの各々に滑り止めを設ける構成としたため、運搬中に運搬者が手を滑らせて、ドットインパクトプリンタ10を転落させてしまうといった事態が防止される。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内において任意に変形可能である。
例えば、上述した実施の形態では、記録装置としてドットインパクトプリンタを例示したが、これに限らず、例えば、インクジェット方式のプリンタにも本発明を適用可能である。さらには、複写機やファクシミリなどの電子写真方式により画像を記録する記録装置にも本発明を適用可能である。
本発明に係るドットインパクトプリンタの外観斜視図である。 ドットインパクトプリンタの背面図である。 記録機構部の構成を示す斜視図である。 記録機構部の断面図である。 ドットインパクトプリンタの側面図である。 ドットインパクトプリンタの運搬時の状態を示す図である。
符号の説明
10…ドットインパクトプリンタ、11…上部ケース、12…下部ケース、12A…下部ケースの上縁部、14…背面カバー、20…記録機構部、27…リア給紙機構、30…記録ヘッド、100…外装ケース、100A、100B…左右側面、110A、110B…取手、120…滑り止め防止材、G…重心位置。

Claims (3)

  1. シートに画像を記録する記録機構部を外装ケースに収容した記録装置において、
    前記外装ケースの長手方向に対して略垂直な方向に偏った重心を有し、
    前記外装ケースの長手方向の両側部の夫々に一対の取手を設け、
    前記一対の取手のうち、前記重心が寄った側の取手を、他方の取手よもり高い位置に設けた
    ことを特徴とする記録装置。
  2. 前記外装ケースは、前記記録機構部の下側を覆う下部ケースと、前記下部ケースの上縁部と係合して前記記録機構の上側を覆う上部ケースとを有し、
    前記下部ケースの上縁部を前記重心が偏る方向に突出させて、前記高い位置に配置される取手を形成した
    ことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記一対の取手の各々に滑り止めが設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。

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JP2016133789A (ja) * 2015-01-22 2016-07-25 コニカミノルタ株式会社 取手装置及びそれを備えた画像形成装置

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