JP2528632Y2 - ピストン - Google Patents
ピストンInfo
- Publication number
- JP2528632Y2 JP2528632Y2 JP1988103226U JP10322688U JP2528632Y2 JP 2528632 Y2 JP2528632 Y2 JP 2528632Y2 JP 1988103226 U JP1988103226 U JP 1988103226U JP 10322688 U JP10322688 U JP 10322688U JP 2528632 Y2 JP2528632 Y2 JP 2528632Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- piston
- stage
- pressure
- groove
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は内燃機関のピストンに関する。
第3図は従来の内燃機関用ピストンまわりの概略縦断
面図であり、図において01はシリンダライナ(以下ライ
ナと略称)、02はピストンリング(以下リングと略
称)、03はピストン、04はピストン棒をそれぞれ示す。
リング02は燃焼室で発生した高温高圧ガスがライナ01と
ピストン03の間を洩れるのを防ぐ役目をする。しかしリ
ング02は一般に合い口があるためその部分からガスが洩
れる。
面図であり、図において01はシリンダライナ(以下ライ
ナと略称)、02はピストンリング(以下リングと略
称)、03はピストン、04はピストン棒をそれぞれ示す。
リング02は燃焼室で発生した高温高圧ガスがライナ01と
ピストン03の間を洩れるのを防ぐ役目をする。しかしリ
ング02は一般に合い口があるためその部分からガスが洩
れる。
第4図は各段リング間の圧力符号を示したもので、第
5図は船用大形エンジンの運転時間の少ない場合のクラ
ンク角に対する圧力変化と第1段リング(トップリン
グ)、第2段リング(セカンドリング)、第3段リング
(サードリング)がリング溝下面からの持上がり時期を
示したものである。上記各ピストンリングはともに上下
空間の圧力がほぼ同じになったときに持ち上げられる。
例えばトップリングはp1p2のときに持ち上がり、この
持ち上がりは上死点後θの近傍で起る。
5図は船用大形エンジンの運転時間の少ない場合のクラ
ンク角に対する圧力変化と第1段リング(トップリン
グ)、第2段リング(セカンドリング)、第3段リング
(サードリング)がリング溝下面からの持上がり時期を
示したものである。上記各ピストンリングはともに上下
空間の圧力がほぼ同じになったときに持ち上げられる。
例えばトップリングはp1p2のときに持ち上がり、この
持ち上がりは上死点後θの近傍で起る。
これに対し、エンジンを長時間使用した場合、即ちリ
ングの摩耗が増大すると、リング合い口が広がるので、
第6図のような圧力変化とリングの持ち上がりとなる。
このときには例えばトップリングの上死点後の持ち上が
り時期はクランク角でθ′となり運転時間の少ない第5
図の対応値θに比べ小さい値となり、これにともない高
温高圧ガスが上死点後早期にブローバイすることにな
る。
ングの摩耗が増大すると、リング合い口が広がるので、
第6図のような圧力変化とリングの持ち上がりとなる。
このときには例えばトップリングの上死点後の持ち上が
り時期はクランク角でθ′となり運転時間の少ない第5
図の対応値θに比べ小さい値となり、これにともない高
温高圧ガスが上死点後早期にブローバイすることにな
る。
上記のように、ピストンリングが早く持ち上げられる
と、下方のリングが過熱され、付着した油が燃えて残渣
となり、リングスティックやそれに伴うリング折損が生
じる。そのため従来のピストンでは長時間無開放運転が
達成できないと云う課題が生じる。
と、下方のリングが過熱され、付着した油が燃えて残渣
となり、リングスティックやそれに伴うリング折損が生
じる。そのため従来のピストンでは長時間無開放運転が
達成できないと云う課題が生じる。
本考案の目的は前記従来装置の問題点を解消し、長時
間ピストン無開放運転が可能な内燃機関を提供するにあ
る。
間ピストン無開放運転が可能な内燃機関を提供するにあ
る。
本考案のピストンは、ピストンリングが組み込まれた
ピストンをシリンダライナに挿入した状態において、各
段のピストンリンク間の空隙容積が最上段のリングラン
ド部で最も大きく、下段になる程順に小さくなるような
溝を各段のリングランド部を設けたことを特徴としてい
る。
ピストンをシリンダライナに挿入した状態において、各
段のピストンリンク間の空隙容積が最上段のリングラン
ド部で最も大きく、下段になる程順に小さくなるような
溝を各段のリングランド部を設けたことを特徴としてい
る。
本考案は上記のように構成したので、リングを長時間
使用し摩耗した場合でも上死点後、早い時期にリングの
溝下面からの持ち上がりが防止でき、早期のブローバイ
が阻止される。これにより、ピストンリングに付着した
オイルの燃焼による残渣が減少し、リングスティックや
リング折損等のトラブルの発生が抑止でき、長時間ピス
トンの無開放運転が可能となる。
使用し摩耗した場合でも上死点後、早い時期にリングの
溝下面からの持ち上がりが防止でき、早期のブローバイ
が阻止される。これにより、ピストンリングに付着した
オイルの燃焼による残渣が減少し、リングスティックや
リング折損等のトラブルの発生が抑止でき、長時間ピス
トンの無開放運転が可能となる。
以下第1〜2図を参照し本考案の実施例について説明
する。
する。
第1図は本考案の実施例に係るピストン近傍の要部断
面を示したもので、図において1はシリンダライナ、2
はピストンリングで従来のものと同様である。3はピス
トン、5は各段のリングランドの全てに削設されたリン
グランド溝である。第1図においてV1,V2,V3は各リン
グ間の容積を示したものである。リングランド溝5はV1
>V2>V3即ちリングランドが上方にある程溝容積が大き
くなるようにその幅及び深さを形成している。
面を示したもので、図において1はシリンダライナ、2
はピストンリングで従来のものと同様である。3はピス
トン、5は各段のリングランドの全てに削設されたリン
グランド溝である。第1図においてV1,V2,V3は各リン
グ間の容積を示したものである。リングランド溝5はV1
>V2>V3即ちリングランドが上方にある程溝容積が大き
くなるようにその幅及び深さを形成している。
次に前記実施例の作用について説明する。
ピストン3を長時間運転してリング2の合い口すき間
が大きくなっても、この実施例のようにピストン3を構
成すれば、各リング間の容積が上段リング程大きくなっ
ているため、第2図のような圧力変化とリング持ち上が
りとなる。即ち第1図において筒内圧力p1のガスの一部
は第1段リング2(トップリング)の合い口すき間を通
って、第1段リングと第2段リング(セカンドリング)
との間の容積V1の個所へもれ圧力p2となる。さらにこの
圧力p2は第2段リングの合い口すきまを通って第2段リ
ングと第3段リング(サードリング)との間の容積V2の
個所へ洩れ圧力p3となる。この圧力p3は第3段リングの
合い口すきまを通って第3段リングと第4段リングとの
間の容積V3の個所へ洩れp4となる。
が大きくなっても、この実施例のようにピストン3を構
成すれば、各リング間の容積が上段リング程大きくなっ
ているため、第2図のような圧力変化とリング持ち上が
りとなる。即ち第1図において筒内圧力p1のガスの一部
は第1段リング2(トップリング)の合い口すき間を通
って、第1段リングと第2段リング(セカンドリング)
との間の容積V1の個所へもれ圧力p2となる。さらにこの
圧力p2は第2段リングの合い口すきまを通って第2段リ
ングと第3段リング(サードリング)との間の容積V2の
個所へ洩れ圧力p3となる。この圧力p3は第3段リングの
合い口すきまを通って第3段リングと第4段リングとの
間の容積V3の個所へ洩れp4となる。
以上のような圧力変化を生じるが、第1段リングの摩
耗が大きく合い口すきまが大であってもV1の容積が大き
いため、TDC直後にp1からp2への圧力降下に要する時間
が延長される。換言すれば第2図のようにTDC後にp1=p
2となるクランク角θeが大きくなり、p1<p2となった瞬
間に第1段リングはリング溝の下面より持ち上がる。V1
の個所の圧力p2がp1と同じとなっても、V1>V2であるの
でp3の圧力はp2より遅れて上昇し、p2<p3となった瞬間
第2段リングはリング溝の下面より持ち上がることにな
る。
耗が大きく合い口すきまが大であってもV1の容積が大き
いため、TDC直後にp1からp2への圧力降下に要する時間
が延長される。換言すれば第2図のようにTDC後にp1=p
2となるクランク角θeが大きくなり、p1<p2となった瞬
間に第1段リングはリング溝の下面より持ち上がる。V1
の個所の圧力p2がp1と同じとなっても、V1>V2であるの
でp3の圧力はp2より遅れて上昇し、p2<p3となった瞬間
第2段リングはリング溝の下面より持ち上がることにな
る。
以下同様にして、各段リング間の圧力と各段のリング
の持ち上がりは、第2図に示される通りである。
の持ち上がりは、第2図に示される通りである。
よって前記の第6図(従来例のもの)に比べて上死点
後のリングの溝内での持ち上がり時間が遅れる(θe>
θ′)。このように本実施例によれば、燃焼室の高温高
圧ガスの下方リングへ流出する時間がおくれ、ブローバ
イガスの減少と、リングスティック及びリング折損等の
トラブルの発生を抑止することができる。
後のリングの溝内での持ち上がり時間が遅れる(θe>
θ′)。このように本実施例によれば、燃焼室の高温高
圧ガスの下方リングへ流出する時間がおくれ、ブローバ
イガスの減少と、リングスティック及びリング折損等の
トラブルの発生を抑止することができる。
本考案のピストンは前記のとおり構成したので、ブロ
ーバイガスの、下方側リングへの流出時間におくれを生
ずるため、リングが高温ガスにさらされる悪条件が発生
するまでの時間がおくれる。その結果リングスティック
や、それに伴なうリングの折損が抑止でき、ピストンの
長期間無開放運転が可能となり、機関のランニングコス
トが低減できる。
ーバイガスの、下方側リングへの流出時間におくれを生
ずるため、リングが高温ガスにさらされる悪条件が発生
するまでの時間がおくれる。その結果リングスティック
や、それに伴なうリングの折損が抑止でき、ピストンの
長期間無開放運転が可能となり、機関のランニングコス
トが低減できる。
第1図〜第2図は本考案の実施例に係わるもので、第1
図はピストンにリングランド溝を削設した実施例の断面
図、第2図は同実施例の作用説明図である。第3〜6図
は従来例で第3図は第1図応当図、第4図はリングラン
ド部の圧力符号図、第5〜6図は共に第2図応当図で、
第5図は短期運転時間のとき、第6図は長期間運転後の
状況を示す図面である。 1…シリンダライナ、2…ピストンリング、3…ピスト
ン、5…リングランド溝。
図はピストンにリングランド溝を削設した実施例の断面
図、第2図は同実施例の作用説明図である。第3〜6図
は従来例で第3図は第1図応当図、第4図はリングラン
ド部の圧力符号図、第5〜6図は共に第2図応当図で、
第5図は短期運転時間のとき、第6図は長期間運転後の
状況を示す図面である。 1…シリンダライナ、2…ピストンリング、3…ピスト
ン、5…リングランド溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭46−7504(JP,A) 実願 昭59−130684号(実開 昭61− 48946号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U) 実願 昭57−62181号(実開 昭58− 165238号)の願書に添付した明細書及び 図面の内容を撮影したマイクロフィルム (JP,U)
Claims (1)
- 【請求項1】ピストンリングが組み込まれたピストンを
シリンダライナに挿入した状態において、各段のピスト
ンリング間の空隙容積が最上段のリングランド部で最も
大きく、下段になる程順に小さくなるような溝を各段の
リングランド部に設けたことを特徴とするピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988103226U JP2528632Y2 (ja) | 1988-08-05 | 1988-08-05 | ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1988103226U JP2528632Y2 (ja) | 1988-08-05 | 1988-08-05 | ピストン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0226748U JPH0226748U (ja) | 1990-02-21 |
JP2528632Y2 true JP2528632Y2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=31333858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1988103226U Expired - Lifetime JP2528632Y2 (ja) | 1988-08-05 | 1988-08-05 | ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2528632Y2 (ja) |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58165238U (ja) * | 1982-04-30 | 1983-11-02 | いすゞ自動車株式会社 | ピストン |
JPS6148946U (ja) * | 1984-08-29 | 1986-04-02 |
-
1988
- 1988-08-05 JP JP1988103226U patent/JP2528632Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0226748U (ja) | 1990-02-21 |
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